内線規程の解釈と解説【032】|低圧配線方法
出典:電気設備に関する技術基準を定める省令 第56条・
低圧配線方法は、一般の場所における低圧の屋内・屋側・屋外配線の基本ルールです。押さえるポイントは 「基本ルール/使用電線と裸電線/工事の選び方」 の3つです。
ペン太
ハリタ
ペン太
ハリタこの記事で押さえる3つのこと
- 配線は、場所の状況と電圧に応じて感電・火災を防ぐように。特別高圧の移動電線は原則施設しない。
- 電線は十分な強度と絶縁性能のあるもの。裸電線は原則使わず、例外は解釈第144条。
- 工事は、施設場所・乾燥か湿気水気か・300V以下か超かで選ぶ(解釈第156条)。
① 基本ルール(感電・火災の防止)
| 区分 | 内容(根拠) |
|---|---|
| 基本ルール | 施設場所の状況と電圧に応じ、感電・火災のおそれがないように施設。特別高圧の移動電線は原則施設しない(省令第56条) |
| 使用電線 | 十分な強度と絶縁性能をもつ電線。裸電線は原則使用しない。特別高圧の配線に接触電線は使用しない(省令第57条) |
| 裸電線の例外 | がいし引きの電気炉用電線など、バスダクト工事、ライティングダクト工事、接触電線など(解釈第144条) |
| 工事の選び方 | 施設場所(展開・点検できる隠ぺい・点検できない隠ぺい)、乾燥か湿気・水気か、300V以下か超かで決まる(解釈第156条) |
- 配線は、施設場所の状況と電圧に応じ、感電・火災のおそれがないように施設する(省令第56条第1項)
- 移動電線を電気機械器具と接続するときは、接続不良による感電・火災のおそれがないように施設する(第2項)
- 特別高圧の移動電線は施設しない。人体に危害を及ぼすおそれがなく、接続が必要不可欠な器具に接続するものは例外(第3項)
ペン太
ハリタ- 施設場所の状況や電圧に応じ、感電・火災のおそれがないように施設する。
- 移動電線を機械器具と接続するときは、接続不良による感電・火災のないように施設する。
- 特別高圧の移動電線は原則施設禁止(人体に危害のおそれがなく必要不可欠な場合を除く)。
② 使用電線と裸電線
- 施設場所の状況と電圧に応じ、使用上十分な強度と絶縁性能をもつ電線を使う(省令第57条第1項)
- 配線には裸電線を使用しない。十分な強度があり、絶縁性がないことを考慮して感電・火災のおそれがないように施設する場合は例外(第2項)
- 特別高圧の配線には、接触電線を使用しない(第3項)
- 裸電線が使えるのは、解釈第144条の場合:がいし引き工事の低圧電線のうち電気炉用電線・被覆が腐食する場所のもの・取扱者以外が出入りできない場所のものを展開した場所に施設する場合
- バスダクト工事(第163条)、ライティングダクト工事(第165条第3項)の低圧電線
- 接触電線(第173条・第174条・第189条)、特別低電圧照明回路(第183条)、電気さくの電線(第192条)
- 施設場所・電圧に応じ、十分な強度と絶縁性能をもつ電線を使う。
- 裸電線は原則使用禁止。例外は解釈第144条(バスダクト工事など)。
- 特別高圧の配線には接触電線を使用できない。
③ 工事の選び方
- 低圧屋内配線の工事は、解釈第156条の表(156-1表)で、施設場所と電圧の区分ごとに使えるものが決まる
- 施設場所:展開した場所/点検できる隠ぺい場所/点検できない隠ぺい場所、それぞれ乾燥した場所か、湿気の多い場所・水気のある場所か
- 電圧:300V以下か、300V超過か
- 工事は、がいし引き・合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・金属線ぴ・金属ダクト・バスダクト・ケーブル・フロアダクト・セルラダクト・ライティングダクト・平形保護層の12種類
- 合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・ケーブルの工事は、表のどの区分でも使える。各工事の詳細は、それぞれの回で解説
| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| 特別高圧の移動電線も工夫すれば使える | 施設しない。人体に危害がなく必要不可欠な器具だけ例外 |
| この決まりは屋内配線だけ | 「配線」は電気使用場所の電線。屋側・屋外の配線も含む |
| 裸電線はどんな場合も禁止 | 原則使用しない。例外は解釈第144条 |
| 接触電線はどの電圧でも使える | 特別高圧の配線には使用しない |
| 湿気・水気があっても同じ工事 | 湿気・水気のある場所では使える工事が少なくなる |
| どんな場所でも156-1表で選ぶ | 第175〜178条の場所などは、表によらない |
- 工事は、施設場所・乾燥か湿気水気か・300V以下か超かで選ぶ。
- 合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・ケーブルの工事は、どの区分でも使える。
- 第175〜178条の場所などは、表によらない。
よくある質問(FAQ)
Q. 低圧配線方法とは?
A. 低圧の屋内・屋側・屋外配線に共通する大前提のルールです。省令では、配線は施設場所の状況と電圧に応じて感電・火災のおそれがないように施設し(第56条)、十分な強度と絶縁性能をもつ電線を使う(第57条)と定めています。
Q. 裸電線は使ってもいいの?
A. 原則として使用しません(省令第57条第2項)。例外は解釈第144条で、がいし引き工事の電気炉用電線などを展開した場所に施設する場合、バスダクト工事、ライティングダクト工事、接触電線、特別低電圧照明回路、電気さくの電線です。特別高圧の配線には接触電線も使用できません。
Q. 配線方法にはどんな種類がある?
A. 解釈第156条の表では、がいし引き・合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・金属線ぴ・金属ダクト・バスダクト・ケーブル・フロアダクト・セルラダクト・ライティングダクト・平形保護層の12種類の工事があります。各工事の詳細はそれぞれの回で解説します。
Q. 工事はどうやって選ぶ?
A. 施設場所(展開した場所・点検できる隠ぺい場所・点検できない隠ぺい場所)、乾燥した場所か湿気・水気のある場所か、使用電圧が300V以下か超えるかで、使える工事が決まります(解釈第156条)。合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・ケーブルの工事は、どの区分でも使えます。
まとめ|すべての配線方法に共通する大前提
低圧配線方法は、感電・火災を防ぐように施設し、十分な強度と絶縁性能をもつ電線を使うという大前提のうえに、個別の工法のルールが積み上がっています。
| 区分 | 決まり(根拠) |
|---|---|
| 施設の基本 | 施設場所の状況と電圧に応じ、感電・火災のおそれがないように(省令第56条第1項) |
| 移動電線 | 機械器具との接続で、接続不良による感電・火災がないように(第56条第2項) |
| 特別高圧の移動電線 | 施設しない。人体に危害がなく必要不可欠な器具は例外(第56条第3項) |
| 使用する電線 | 十分な強度と絶縁性能をもつもの(省令第57条第1項) |
| 裸電線 | 原則使用しない。例外は解釈第144条 |
| 特別高圧の接触電線 | 使用しない(省令第57条第3項) |
| 工事の選び方 | 施設場所・乾燥か湿気水気か・300V以下か超か(解釈第156条) |
| どこでも使える工事 | 合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・ケーブル |
施設の考え方で押さえること
- 感電・火災のおそれがないように施設できているか。
- 施設場所の状況と電圧を踏まえているか。
- 移動電線の接続不良への配慮。
電線で押さえること
- 十分な強度と絶縁性能があるか。
- 裸電線の原則と、解釈第144条の例外。
- 特別高圧での接触電線の制限。
工事の選び方で押さえること
- 展開した場所か、隠ぺい場所か。
- 乾燥か湿気・水気か、300V以下か超か。
- 選ぶ工事と、その個別規定。
ここから先の条文は、この大前提を具体的な工法に落とし込んだものです。個別の規定で迷ったときは「感電・火災を防げているか」に立ち返ると、判断の軸がぶれにくくなります。
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