【新人講座 第1回】電圧・電流・抵抗(オームの法則)を身近な例で

図面に出てくる「200V」「20A」――このV(ボルト)やA(アンペア)って結局なに?を今日で解決します。電気は目に見えないので、“水の流れ”にたとえていっきに腹落ちさせましょう。この回が、これから出てくる計算ぜんぶの土台になります。
ペン太
ハリタこの3つ、すぐ答えられますか
- 電圧・電流・抵抗を水にたとえると、それぞれ何にあたるか
- 100Vで使う500Wの機器には、何アンペア流れるか
- 20A回路に1500Wのケトルを足したいとき、可否をどう判断するか
- 電圧V・電流I・抵抗Rを水の流れで理解する
- 200V・20Aの意味とW=V×I
- 増設の可否を数字で判断する実例
- 送電が高電圧な理由など、もう一歩の疑問
- 式の使いどころと注意
- まとめ|この式が計算の土台になる
電圧・電流・抵抗を“水の流れ”で
はりたさん、図面に「200V」とか「20A」ってよく出てくるんですけど…V(ボルト)とA(アンペア)って、結局なにが違うんですか?
きた、電気のいちばん基本!電気は目に見えないから、“水の流れ”に置きかえるとスッと分かるよ。この図みたいに、電源が押し出して→電気が流れて→負荷が受け止める、の循環なんだ。

電圧V=押す力(水でいう落差)、電流I=流れる量、抵抗R=流れにくさ。これだけ!
あ、じゃあ V が大きいほど A も増える、ってことですか?
そのとおり!ただし抵抗Rが邪魔をする。Rが大きい(水路が狭い)と、同じ電圧でも流れる量は減る。これを式にしたのがオームの法則 V=I×R。下の図みたいに、求めたい文字を指でかくすと残りが答えになるよ。
| 電気の言葉 | 記号 | 水にたとえると |
|---|---|---|
| 電圧 | V | 押す力(水でいう落差) |
| 電流 | I | 流れる量 |
| 抵抗 | R | 流れにくさ(水路の狭さ) |
- 電気は電源が押し出して→流れて→負荷が受け止めるの循環
- 電圧V=押す力、電流I=流れる量、抵抗R=流れにくさ
- 式にするとオームの法則 V=I×R。三角形で、かくした文字が答えになる
図面の「200V」「20A」はこう読む
200Vはその回路にかかる電圧、20Aはそこに流せる電流(ブレーカーなら「ここまでならOK」の目安)。さらに電気の“仕事量”を表す電力 W=V×Iもセットで押さえると強力です。100Vで5A流れる機器は 100×5=500W。逆に「500Wの機器を100Vで使うと約5A」と電流を逆算できます。
W=V×I で、機器のワット数から電流(A)が出せるんですね。急に図面が“意味のある数字”に見えてきました!
その感覚が大事!電流(A)が読めると、次は「何アンペアのブレーカー?」「電線は何スケ?」って話に一直線につながるよ。
💼 この回が実務でこう生きる
- 機器の消費電力(W)から電流(A)を見積もれる → ブレーカー・電線サイズの“当たり”がつく。
- 図面の電圧・電流の表記が読める → チェック・拾い出しが速くなる。
- 「なぜ200Vにするの?」といった設計判断の会話についていける。
ペン太
ハリタ| やりたいこと | 使う式 | この記事の例 |
|---|---|---|
| 電流から電圧を求める | V=I×R | 三角形でVをかくすと I×R が残る |
| 電圧から電流を求める | I=V÷R | Rが大きいほど、同じ電圧でも流れる量は減る |
| 電力を出す | W=V×I | 100Vで5A流れる機器は500W |
| ワット数から電流を逆算 | I=W÷V | 500Wの機器を100Vで使うと約5A |
- 200Vはその回路にかかる電圧、20Aはそこに流せる電流の目安
- 電力 W=V×I もセットで押さえる
- ワット数が分かれば、I=W÷V で電流を逆算できる
📋 実務活用事例|「湯沸かし器を増やしたい」を数字で判断する
ケース:給湯室に電気ケトル(100V・1500W)を増設したい。既存の20A回路には電子レンジ(100V・1000W)がつながっている。
① ケトルの電流:I=W÷V=1500÷100=15A
② レンジの電流:1000÷100=10A
③ 同時使用すると 15+10=25A > 20A → ブレーカーが落ちる!
結論:今日の式(W=V×I)だけで「既存回路に相乗りはNG、専用回路を新設」という設計判断が、根拠つきでできる。ちなみに200V・2.2kWのエアコンなら 2200÷200=11A。電圧が高いと電流が小さくて済む、も体感できます。
🐣 いまさら聞けない素朴なギモン
「こんなこと聞いていいのかな…」という質問ほど大事。ここで拾います。
Q.そもそも“電気が流れる”って、何が流れているんですか?
→ 電線の中の電子というとても小さな粒です。ただ、設計の実務では今日の「水のイメージ」で考えれば十分です。
Q.鳥が電線に止まっても平気なのはなぜですか?
→ 電気は「電圧の差」があるところに流れるから。1本の電線に両足で止まると差がほぼゼロで、体にはほとんど電流が流れません。2本に同時に触れたら大変危険です。
🔎 深掘りQ&A ― もう一歩、聞いてみよう
Q.電圧を2倍にしたら、電流も2倍になるんですか?
A.抵抗が同じならそうなるよ(V=I×R)。ただし実務では「上げればいい」わけじゃない。電圧を上げると機器の絶縁が耐えられるかが問題になるから、勝手に上げないのが鉄則。
Q.なんで送電線って、あんな高い電圧なんですか?
A.同じ電力を送るなら、電圧を高くするほど電流を小さくできる(W=V×I)。電流が小さいと電線での発熱ロスが減るから、遠くへ送るほど高電圧が有利なんだ。この感覚は第13回・電圧降下にそのままつながるよ。
Q.W(ワット)って、V・Aとどう関係してるんですか?
A.電力 W=V×I。100Vで5Aなら500W。この考え方が、建物ぜんぶの容量(kVA)の話=第3回の入口になる。今日の式が、そのまま次に化けるんだ。
- 電圧を上げれば電流も増えるが、実務では機器の絶縁が耐えられるかが問題になるので勝手に上げない
- 同じ電力なら電圧を高くするほど電流を小さくでき、電線での発熱ロスが減る
- だから遠くへ送るほど高電圧が有利になる
⚠️ ここだけ注意
実際の回路は抵抗のほかにコイルやコンデンサ(交流の世界=次回)も関わるので、いつでも単純に V=I×R だけ、とはいきません。でも“基本の考え方”はこの三角形が全て。まずはここを体にしみ込ませればOKです。
ペン太
ハリタまとめ
結論。式は3つだけ。V=I×R と W=V×I、そして I=W÷V。この3つで、現場の可否判断まで届きます。
| 機器 | 電圧×電力 | 流れる電流 |
|---|---|---|
| 電気ケトル | 100V・1500W | 1500÷100=15A |
| 電子レンジ | 100V・1000W | 1000÷100=10A |
| 2台を同時使用 | ― | 15+10=25A > 20A でブレーカーが落ちる |
| エアコン | 200V・2.2kW | 2200÷200=11A(電圧が高いと電流は小さい) |
言葉の中身
- 電圧V=押す力(水でいう落差)、電流I=流れる量、抵抗R=流れにくさ(図①)。
- オームの法則 V=I×R。三角形で「かくしたところが答え」(図②)。
- 電力 W=V×I もセット。ワット数から電流(A)を逆算できる。
現場での使い方
- 1500Wケトル=15A。既存回路に足すと落ちる→専用回路、まで判断できる。
式を丸暗記するより、「なぜそうなるか」を水の流れの図でイメージしておくほうが、あとで効いてきます。ここが、これから出てくる計算ぜんぶの土台です。
▶ 次回・第2回
直流と交流/単相と三相のちがい
なぜ家庭は単相100Vで、工場の機械は三相200Vなのか。図面の「1φ2W」「3φ3W」の意味が読めるようになります。
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