内線規程の解釈と解説【096】|深夜電力機器の施設
出典:内線規程(JEAC8001-2022)より
深夜電力機器は、夜間の割安な電力を活用するための設備で、主に蓄熱式の温水器や暖房機器に使われます。夜間電力を有効に使う一方、配線方法や接地、漏電対策などに特有の基準が定められています。ここでは深夜電力機器の施設基準と安全対策を整理します。

結論
深夜電力機器は、引込線取付点から引込口装置までを専用回路で構成します。一般負荷と共用する場合の許容電流はI = Ia + 0.7 × Ibで算出します。金属製外箱にはD種接地工事を行い、水気のある場所では漏電遮断器の設置が必須です。
ペン太
ハリタこの3つ、すぐ答えられますか
- 一般負荷と深夜電力負荷を共用するとき、許容電流はどう計算するか
- 分岐回路を共用できるのは、何A以下で保護される回路か
- 漏電遮断器が必須になるのは、どんな場所・条件のときか
対地電圧と専用回路
- 供給電路の対地電圧は内線規程「1300-1(屋内電路の対地電圧の制限)」に基づいて制限します。
- 引込線の取付点から引込口装置までの配線は他回路と混用せず、専用回路で構成することが必須です(1370-5に準拠)。
- 一般負荷と深夜電力負荷を共用する場合の許容電流はI = Ia + 0.7 × Ibで算出します(Iは共用部分の負荷電流、Iaは深夜電力負荷、Ibは一般負荷)。
- 「0.7」は電灯負荷の直率で、電力負荷では「0.2」が標準です。使用実態によっては「1.0」とする場合もあります。
ペン太
ハリタ| 負荷の種類 | 直率の値 |
|---|---|
| 電灯負荷 | 0.7 |
| 電力負荷 | 0.2(標準) |
| 使用実態による場合 | 1.0とすることもある |
- 供給電路の対地電圧は「1300-1(屋内電路の対地電圧の制限)」に基づいて制限する
- 引込線の取付点から引込口装置までの配線は他回路と混用せず、専用回路で構成する(1370-5に準拠)
- 一般負荷と深夜電力負荷を共用する場合の許容電流は I=Ia+0.7×Ib で算出する
- Iは共用部分の負荷電流、Iaは深夜電力負荷、Ibは一般負荷
- 「0.7」は電灯負荷の直率で、電力負荷では「0.2」が標準。使用実態によっては「1.0」とする場合もある
電線・配線の基準
- 電線の太さは「3605-5(分岐回路の電線太さ)」に準拠し、負荷に応じて選定します。
- 原則として各深夜電力機器ごとに専用分岐回路を設けますが、20A以下で保護される回路では共用が可能です。
- 配線方法は金属管配線・合成樹脂管配線・金属製可とう電線管配線・ケーブル配線のいずれかに限られます。
- 配線の途中に開閉器やコンセント等を設けることは原則禁止です。
| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| 共用部分の電流は単純に足せばよい | I=Ia+0.7×Ib で計算する(電力負荷は0.2) |
| 分岐回路は必ず機器ごとに専用にする | 20A以下で保護される回路では共用できる |
| 配線方法は自由に選べる | 金属管・合成樹脂管・金属製可とう電線管・ケーブル配線に限られる |
| 配線の途中にコンセントを設けてよい | 原則禁止 |
| 金属製外箱の接地はどんな場合も必要 | 乾燥した床上で使用する場合などは除外される |
- 電線の太さは「3605-5(分岐回路の電線太さ)」に準拠し、負荷に応じて選定する
- 原則として各深夜電力機器ごとに専用分岐回路を設ける
- 20A以下で保護される回路では共用が可能
- 配線方法は金属管配線・合成樹脂管配線・金属製可とう電線管配線・ケーブル配線のいずれかに限られる
- 配線の途中に開閉器やコンセント等を設けることは原則禁止
接地・漏電・絶縁対策
- 金属製外箱には感電防止のためD種接地工事を行います(乾燥した床上で使用する場合などは除外)。
- 感電防止のため高感度・高速形の漏電遮断器を設置し、浴室や水気のある場所、対地電圧150Vを超える機器では必須です。
- 貯蔵式電気温水器を水気のある場所に設置する際は、給湯管および給水管に0.5m以上の絶縁管を取り付けることが望ましいとされています。
たとえ話でイメージ
深夜電力機器の配線は、夜間専用の高速レーンのようなもの。他の交通(一般回路)と混ぜず専用レーンを確保し、合流するときは決まった計算式で容量を見積もる。専用回路と正しい容量計算が安全運用のカギです。

- 金属製外箱には感電防止のためD種接地工事を行う(乾燥した床上で使用する場合などは除外)
- 感電防止のため高感度・高速形の漏電遮断器を設置する
- 浴室や水気のある場所、対地電圧150Vを超える機器では漏電遮断器が必須
- 貯蔵式電気温水器を水気のある場所に設置する際は、給湯管および給水管に0.5m以上の絶縁管を取り付けることが望ましい
よくある質問(FAQ)
まとめ|専用で引き、共用は式で見積もる
深夜電力機器は「引込口装置までは専用回路」「共用する場合は I=Ia+0.7×Ib で見積もる」の2点が設計の要になります。そのうえで、配線方法の限定と、水気のある場所での漏電対策を確認します。
| 確認する順番 | 見るところ | 基準 |
|---|---|---|
| Step1 | 対地電圧 | 1300-1に基づく制限 |
| Step2 | 引込口装置までの配線 | 専用回路としているか(1370-5) |
| Step3 | 共用部分の電流 | I=Ia+0.7×Ib(電力負荷は0.2) |
| Step4 | 分岐回路と配線方法 | 機器ごとに専用か、20A以下なら共用可。配線方法は4種類 |
| Step5 | 接地と漏電対策 | D種接地、高感度・高速形の漏電遮断器、絶縁管 |
直率をどの値で見るかによって、必要な電線サイズが変わります。電灯負荷か電力負荷か、実際の使い方はどうかを最初に確認しておくと、計算のやり直しを避けられます。
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