技術図書館引込線は高さと太さで決まる引込線と引込口配線の範囲、道路5m・鉄道5.5m・そのほか4mの高さ、2.6mm以上の太さと連接引込線この資料をスライドで見る資料一覧を見る
第二種電気工事士 合格カリキュラム学科④ 電気工事の施工方法
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この記事は、連載「引込・受電設備の設計マニュアル」の 第3回 引込方式とルート の補足解説です。計画全体の流れは 設計・施工マニュアル(目次) からご覧いただけます。

電柱から家に向かって張られた1本の電線。あれが引込線で、建物にとっての電気の入口です。空中を横切るので、道路や鉄道の上を通るときは、車や電車にぶつからない高さが決められています。この記事では、引込線と引込口配線の範囲、高さの決まり、電線の太さ、連接引込線、引込開閉器を、図とたとえで1つずつ解説します。

結論

低圧架空引込線の高さは道路横断5m・鉄道横断5.5m・横断歩道橋3m・そのほか4m以上。電線は直径2.6mm以上(径間15m以下は2.0mm以上)が基本です。

  • 引込線は電柱から取付点まで、引込口配線は取付点から引込口装置まで
  • やむを得ず交通に支障がない場合、道路横断3m・そのほか2.5mまで緩和できる
  • 連接引込線は100m・道路幅5m・屋内を通らないが条件
  • 引込口の近くに引込開閉器を設ける
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
電柱から引込線を張り、建物の取付点で留め、引込口配線で電力量計と引込開閉器(分電盤の主幹)へつなぐ流れを示した図
引込線・取付点・引込口配線・引込開閉器の関係。

引込線と引込口配線 ― 電柱から家の中へ

引込線は、電柱などの支持物から、建物の引込線取付点までの電線です。取付点から先、建物の中の引込口装置(引込開閉器など)までの配線を引込口配線といいます。

たとえるなら水道の引込管と元栓です。道路の下の本管から家へ水を引き込み、入口に元栓を付けておけば、いざというときに家全体の水を止められます。電気も同じで、入口の近くに引込開閉器を設けます。

部分 範囲
引込線 電柱などの支持物 → 引込線取付点
引込線取付点 引込線を建物に留める点
引込口配線 引込線取付点 → 引込口装置(引込開閉器など)
一般的な区分
ここまでのポイント
  • 引込線は電柱から取付点まで
  • 引込口配線は取付点から引込口装置まで
  • 入口の近くに引込開閉器を設ける

引込線の高さ ― 場所で変わる

低圧架空引込線の高さとして、道路を横断する場合は路面上5m以上、鉄道・軌道を横断する場合はレール面上5.5m以上、横断歩道橋の上は歩道橋の路面上3m以上、それ以外は地表上4m以上であることを順に示した動く図解
動く図解:下を通るものによって、必要な高さが変わります。

空中を横切る引込線は、下を通る人や車、電車にぶつからない高さが必要です。背の高いトラックが通る道路は5m以上、架線や車両のある鉄道はさらに高い5.5m以上です。

ひっかけ注意
場所ごとに高さが違うと、覚えるのが大変ですね。
「下を何が通るか」で考えると覚えやすいですよ。道路は車、鉄道は電車、歩道橋は人。通るものが大きいほど高くなります。
ここまでのポイント
  • 道路横断は路面上5m以上
  • 鉄道・軌道横断はレール面上5.5m以上
  • 横断歩道橋の上は3m以上、それ以外は4m以上

電線の太さ ― 空中に張るから強さが要る

引込線に使う電線の太さとして、原則は直径2.6mm以上(引張強さ2.30kN以上)、径間15m以下なら直径2.0mm以上(引張強さ1.25kN以上)であることを示した図
空中に張る電線は、強さで太さが決まります。

引込線は、電柱と建物の間の空中に張られます。自分の重さや風、雪に耐えなければならないので、電線には強さが求められます。原則は直径2.6mm以上(引張強さ2.30kN以上)。電柱と建物の間(径間)が15m以下と短ければ、直径2.0mm以上(引張強さ1.25kN以上)でよいとされています。

電線には、DV線(引込用ビニル絶縁電線)やケーブルが使われます。電線の種類は「電気設備の基本知識 #001【ケーブルの種類】」で解説しています。

ここまでのポイント
  • 原則は直径2.6mm以上
  • 径間15m以下なら2.0mm以上
  • DV線やケーブルを使う


高さのまとめ ― 原則と緩和

低圧架空引込線の高さのまとめの表。道路横断は路面上5m以上(やむを得ない場合3m以上)、鉄道・軌道横断はレール面上5.5m以上、横断歩道橋の上は路面上3m以上、それ以外は地表上4m以上(やむを得ない場合2.5m以上)
高さの原則と、やむを得ない場合の緩和。
場所 原則 技術上やむを得ず、交通に支障がない場合
道路を横断 路面上5m以上 3m以上
鉄道・軌道を横断 レール面上5.5m以上 ―
横断歩道橋の上 歩道橋の路面上3m以上 ―
上記以外 地表上4m以上 2.5m以上
電気設備技術基準の解釈(低圧架空引込線)をもとに作成
ここまでのポイント
  • 道路5m・鉄道5.5m・歩道橋3m・そのほか4m
  • 道路横断はやむを得ない場合3mまで
  • そのほかはやむを得ない場合2.5mまで

連接引込線 ― となりの家を経由する

電柱からの引込線を一度となりの建物の取付点で受け、そこから別の建物へ連接引込線で引き込む様子と、分岐点から100mを超える地域にわたらない、幅5mを超える道路を横断しない、屋内を通過しないという3つの条件を順に示した動く図解
動く図解:連接引込線には3つの条件があります。

ある建物の取付点から、支持物を通らずに、別の建物へ引き込む電線を連接引込線といいます。便利な反面、長く延ばしすぎると管理が難しくなるので、低圧の連接引込線には条件があります。

条件 内容
範囲 引込線の分岐点から100mを超える地域にわたらない
道路 幅5mを超える道路を横断しない
屋内 屋内を通過しない
電気設備技術基準の解釈(低圧連接引込線)をもとに作成
ここまでのポイント
  • 連接引込線は、建物から別の建物へ引き込む電線
  • 分岐点から100mを超えない
  • 幅5mを超える道路を横断せず、屋内を通らない

押さえる要点 ― 高さ・太さ・開閉器

引込線・引込口配線で押さえる要点として、道路横断5m、鉄道横断5.5m、それ以外4m、電線の太さ2.6mm(径間15m以下は2.0mm)、連接引込線の条件、引込開閉器の位置を並べた図
引込線・引込口配線で押さえる要点のまとめ。

引き込んだ電気は、引込開閉器を通って建物の中へ入ります。低圧の屋内電路には、引込口に近く、開閉しやすい場所に開閉器を設けます。住宅では分電盤の主幹ブレーカーなどがこの役目をします。建物の中での配線の考え方は「電気設備の基本知識 #016【屋内配線の設計】」、施工場所ごとの工事方法は「電気設備の基本知識 #020【施工場所と工事の種類】」で解説しています。

ここまでのポイント
  • 高さは道路5m・鉄道5.5m・そのほか4mが軸
  • 電線は2.6mm以上(径間15m以下は2.0mm)
  • 引込口の近くに引込開閉器を設ける


よくある質問

引込線と引込口配線の違いは?

引込線は、電柱などの支持物から建物の引込線取付点までの電線です。引込口配線は、引込線取付点から建物の中の引込口装置(引込開閉器など)までの配線です。

低圧架空引込線の高さの決まりは?

道路を横断する場合は路面上5m以上(技術上やむを得ず交通に支障がない場合は3m以上)、鉄道・軌道を横断する場合はレール面上5.5m以上、横断歩道橋の上は歩道橋の路面上3m以上、それ以外は地表上4m以上(技術上やむを得ず交通に支障がない場合は2.5m以上)です。

引込線に使う電線の太さは?

原則として、引張強さ2.30kN以上のもの、または直径2.6mm以上の硬銅線(絶縁電線)を使います。径間が15m以下の場合は、引張強さ1.25kN以上のもの、または直径2.0mm以上の硬銅線でよいとされています。DV線(引込用ビニル絶縁電線)やケーブルが使われます。

連接引込線の条件は?

引込線の分岐点から100mを超える地域にわたらないこと、幅5mを超える道路を横断しないこと、屋内を通過しないこと、などの条件があります。

引込開閉器とは?

建物に引き込んだ電気を、引込口の近くでまとめて入・切できるようにする開閉器です。低圧の屋内電路には、引込口に近く、開閉しやすい場所に開閉器を設けます。住宅では分電盤の主幹ブレーカーなどがこの役目をします。

ハリタ

この記事を書いた人:ハリタ

電気設備設計の実務者。内線規程・電気工事士資格・住宅の電気設備を「設計者の視点」で解説しています。プロフィール詳細

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