電気設備の基本知識 #019【引込線・引込口配線】
電柱から家に向かって張られた1本の電線。あれが引込線で、建物にとっての電気の入口です。空中を横切るので、道路や鉄道の上を通るときは、車や電車にぶつからない高さが決められています。この記事では、引込線と引込口配線の範囲、高さの決まり、電線の太さ、連接引込線、引込開閉器を、図とたとえで1つずつ解説します。
結論
低圧架空引込線の高さは道路横断5m・鉄道横断5.5m・横断歩道橋3m・そのほか4m以上。電線は直径2.6mm以上(径間15m以下は2.0mm以上)が基本です。
- 引込線は電柱から取付点まで、引込口配線は取付点から引込口装置まで
- やむを得ず交通に支障がない場合、道路横断3m・そのほか2.5mまで緩和できる
- 連接引込線は100m・道路幅5m・屋内を通らないが条件
- 引込口の近くに引込開閉器を設ける
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引込線と引込口配線 ― 電柱から家の中へ
引込線は、電柱などの支持物から、建物の引込線取付点までの電線です。取付点から先、建物の中の引込口装置(引込開閉器など)までの配線を引込口配線といいます。
たとえるなら水道の引込管と元栓です。道路の下の本管から家へ水を引き込み、入口に元栓を付けておけば、いざというときに家全体の水を止められます。電気も同じで、入口の近くに引込開閉器を設けます。
| 部分 | 範囲 |
|---|---|
| 引込線 | 電柱などの支持物 → 引込線取付点 |
| 引込線取付点 | 引込線を建物に留める点 |
| 引込口配線 | 引込線取付点 → 引込口装置(引込開閉器など) |
- 引込線は電柱から取付点まで
- 引込口配線は取付点から引込口装置まで
- 入口の近くに引込開閉器を設ける
引込線の高さ ― 場所で変わる
空中を横切る引込線は、下を通る人や車、電車にぶつからない高さが必要です。背の高いトラックが通る道路は5m以上、架線や車両のある鉄道はさらに高い5.5m以上です。
- 道路横断は路面上5m以上
- 鉄道・軌道横断はレール面上5.5m以上
- 横断歩道橋の上は3m以上、それ以外は4m以上
電線の太さ ― 空中に張るから強さが要る
引込線は、電柱と建物の間の空中に張られます。自分の重さや風、雪に耐えなければならないので、電線には強さが求められます。原則は直径2.6mm以上(引張強さ2.30kN以上)。電柱と建物の間(径間)が15m以下と短ければ、直径2.0mm以上(引張強さ1.25kN以上)でよいとされています。
電線には、DV線(引込用ビニル絶縁電線)やケーブルが使われます。電線の種類は「電気設備の基本知識 #001【ケーブルの種類】」で解説しています。
- 原則は直径2.6mm以上
- 径間15m以下なら2.0mm以上
- DV線やケーブルを使う
高さのまとめ ― 原則と緩和
| 場所 | 原則 | 技術上やむを得ず、交通に支障がない場合 |
|---|---|---|
| 道路を横断 | 路面上5m以上 | 3m以上 |
| 鉄道・軌道を横断 | レール面上5.5m以上 | ― |
| 横断歩道橋の上 | 歩道橋の路面上3m以上 | ― |
| 上記以外 | 地表上4m以上 | 2.5m以上 |
- 道路5m・鉄道5.5m・歩道橋3m・そのほか4m
- 道路横断はやむを得ない場合3mまで
- そのほかはやむを得ない場合2.5mまで
連接引込線 ― となりの家を経由する
ある建物の取付点から、支持物を通らずに、別の建物へ引き込む電線を連接引込線といいます。便利な反面、長く延ばしすぎると管理が難しくなるので、低圧の連接引込線には条件があります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 範囲 | 引込線の分岐点から100mを超える地域にわたらない |
| 道路 | 幅5mを超える道路を横断しない |
| 屋内 | 屋内を通過しない |
- 連接引込線は、建物から別の建物へ引き込む電線
- 分岐点から100mを超えない
- 幅5mを超える道路を横断せず、屋内を通らない
押さえる要点 ― 高さ・太さ・開閉器
引き込んだ電気は、引込開閉器を通って建物の中へ入ります。低圧の屋内電路には、引込口に近く、開閉しやすい場所に開閉器を設けます。住宅では分電盤の主幹ブレーカーなどがこの役目をします。建物の中での配線の考え方は「電気設備の基本知識 #016【屋内配線の設計】」、施工場所ごとの工事方法は「電気設備の基本知識 #020【施工場所と工事の種類】」で解説しています。
- 高さは道路5m・鉄道5.5m・そのほか4mが軸
- 電線は2.6mm以上(径間15m以下は2.0mm)
- 引込口の近くに引込開閉器を設ける
よくある質問
引込線と引込口配線の違いは?
引込線は、電柱などの支持物から建物の引込線取付点までの電線です。引込口配線は、引込線取付点から建物の中の引込口装置(引込開閉器など)までの配線です。
低圧架空引込線の高さの決まりは?
道路を横断する場合は路面上5m以上(技術上やむを得ず交通に支障がない場合は3m以上)、鉄道・軌道を横断する場合はレール面上5.5m以上、横断歩道橋の上は歩道橋の路面上3m以上、それ以外は地表上4m以上(技術上やむを得ず交通に支障がない場合は2.5m以上)です。
引込線に使う電線の太さは?
原則として、引張強さ2.30kN以上のもの、または直径2.6mm以上の硬銅線(絶縁電線)を使います。径間が15m以下の場合は、引張強さ1.25kN以上のもの、または直径2.0mm以上の硬銅線でよいとされています。DV線(引込用ビニル絶縁電線)やケーブルが使われます。
連接引込線の条件は?
引込線の分岐点から100mを超える地域にわたらないこと、幅5mを超える道路を横断しないこと、屋内を通過しないこと、などの条件があります。
引込開閉器とは?
建物に引き込んだ電気を、引込口の近くでまとめて入・切できるようにする開閉器です。低圧の屋内電路には、引込口に近く、開閉しやすい場所に開閉器を設けます。住宅では分電盤の主幹ブレーカーなどがこの役目をします。
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