この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【119】配線(高圧配線)
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

高圧屋内配線は、使用するケーブルの種類によって適用される規定が変わり、接地工事や接触電線の構造にも細かなルールがあります。ここでは内線規程3810-3条・3810-5条をもとに要点を整理します。

高圧配線のルールの3つのポイントを示す図解
結論
高圧配線はケーブルの外装で適用節が変わります。ビニル・クロロプレン外装は3165節、鉛・アルミ被は3180節(各節の接地項目は除く)。管や支持物は原則A種接地ですが、接触防護措置があればD種接地でもOK。高圧接触電線は引張強さ2.78kN以上、または直径10mm以上・断面積70mm²以上が必要です。
この記事でわかること
✔ ケーブル配線で適用する節
✔ 接地工事のルール
✔ 高圧接触電線の施設条件
ペン太ペン太
高圧ケーブルの配線って、どのケーブルでも同じ節を見ればいいんですか?
ハリタハリタ
外装で分かれます。ビニルやクロロプレン外装は3165節、鉛被・アルミ被は3180節です。

この3つ、すぐ答えられますか

  • ケーブルの外装がビニルやクロロプレンのとき、どの節に従うか
  • ケーブルを通す管や金属製ボックスの接地は、原則どの種別か
  • 高圧接触電線に求められる引張強さは、いくつ以上か
この記事でわかること
内線規程3810-3条・3810-5条の要点を順にたどれる構成です。

ケーブル配線で適用する節

トピック1:ケーブル配線で適用する節
  • 外装がビニルやクロロプレンの場合は3165節に従う。
  • 外装が鉛被やアルミ被の場合は3180節に従う。
  • ただし、それぞれの節にある「接地」の項目は除く点に注意する。
ペン太ペン太
管やボックスの接地は全部A種で統一なんですよね?
ハリタハリタ
原則A種ですが、接触防護措置があればD種でも認められる例外があります。
ケーブルの外装適用する節注意
ビニル外装・クロロプレン外装3165節その節の「接地」の項目は除く
鉛被・アルミ被3180節その節の「接地」の項目は除く
ここまでのポイント
  • 外装がビニルやクロロプレンの場合は3165節に従う
  • 外装が鉛被やアルミ被の場合は3180節に従う
  • ただし、それぞれの節にある「接地」の項目は除く

接地工事のルール

トピック2:接地工事のルール
  • ケーブルを通す管や支持物はA種接地が必要。
  • 金属製ボックスやカバーにもA種接地を忘れずに。
  • 安全カバーなど接触防護措置がある場合は、D種接地でもよい。
ここまでのポイント
  • ケーブルを通す管や支持物はA種接地が必要
  • 金属製ボックスやカバーにもA種接地を行う
  • 安全カバーなどの接触防護措置がある場合は、D種接地でもよい

高圧接触電線の施設条件

トピック3:高圧接触電線の施設条件
  • 設置場所は、露出または点検できる隠ぺい場所で、人が触れない場所とする。
  • 電線の構造は、引張強さ2.78kN以上、または直径10mm以上・断面積70mm²以上とする。
  • 支持は各点で堅固に固定する。
たとえ話でイメージ
高圧配線は、荷物を運ぶ道に合わせて装備を変えるようなもの。道(ケーブルの外装)によって守るべきルール(適用する節)が変わり、危険な場所ほど頑丈な装備(A種接地・高い強度の電線)が求められる、というイメージです。
見習いペン太
見習いペン太
ケーブルって、種類によって配線のルールが違うの?
はりた
はりた
そうだよ。外装がビニルやクロロプレンなら3165節、鉛やアルミ被なら3180節に従うんだ。ただし各節の「接地」の項目は除くから注意してね。
見習いペン太
見習いペン太
接地はぜんぶA種にしておけばいいの?
はりた
はりた
基本は管や支持物にA種接地だね。でも安全カバーなどの接触防護措置があれば、D種接地でもいいんだよ。
高圧屋内配線の図解。ケーブル外装別の適用節、A種・D種の接地工事、高圧接触電線の施設条件
高圧屋内配線(内線規程3810-3条・3810-5条)の要点を1枚に整理した図です。①ケーブル配線は外装の種類で適用する節が変わり、ビニル外装・クロロプレン外装は3165節、鉛被・アルミ被は3180節に従います。ただし、いずれの場合もそれぞれの節にある「接地」の項目は除いて適用する点に注意が必要です。②接地工事はケーブルを通す管や支持物、金属製ボックス・カバーとも原則A種接地ですが、安全カバーなどの接触防護措置があってA種に代えられる場合はD種接地でも認められます。③高圧接触電線は、露出場所または点検できる隠ぺい場所で人が触れない場所に施設し、電線の構造は引張強さ2.78kN以上、または直径10mm以上・断面積70mm²以上とし、各支持点で堅固に固定してゆるみや脱落が生じないようにします。
取り違えやすいところ正しくは
管やボックスの接地はすべてA種で統一する原則A種だが、接触防護措置があればD種でもよい
外装の種類にかかわらず同じ節に従うビニル・クロロプレンは3165節、鉛被・アルミ被は3180節
適用する節の内容をすべて適用するその節の「接地」の項目は除く
高圧接触電線は点検できれば設置場所を選ばない人が触れない場所であることが条件
電線は太さだけ満たせばよい引張強さ2.78kN以上、または直径10mm以上・断面積70mm²以上
ここまでのポイント
  • 設置場所は、露出または点検できる隠ぺい場所で、人が触れない場所とする
  • 電線は引張強さ2.78kN以上、または直径10mm以上・断面積70mm²以上
  • 支持は各点で堅固に固定する

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問
Q. ケーブルの外装によって適用する節が変わるのですか?
A. はい。外装がビニルやクロロプレンの場合は3165節、鉛被やアルミ被の場合は3180節に従います。ただし、それぞれの節の「接地」の項目は除きます。
Q. 接地はA種とD種のどちらが必要ですか?
A. ケーブルを通す管や支持物、金属ボックス・カバーは原則A種接地です。ただし安全カバーなどの接触防護措置がある場合は、D種接地でもかまいません。
Q. 高圧接触電線の強度条件は?
A. 引張強さ2.78kN以上、または直径10mm以上・断面積70mm²以上の電線を用い、各点で堅固に固定します。

まとめ|外装で節が決まり、防護で接地が決まる

高圧配線の要点は、「ケーブルの外装が適用する節を決める」「接触防護措置の有無が接地種別を決める」の2つです。高圧接触電線については、これに人が触れない場所という条件と、電線の強度が加わります。

確認する順番見るところ決まること
Step1ケーブルの外装3165節か3180節か
Step2適用範囲その節の「接地」の項目は除く
Step3接触防護措置の有無A種接地か、D種接地でもよいか
Step4高圧接触電線の場所露出または点検できる隠ぺい場所で、人が触れないか
Step5電線の仕様と支持引張強さ2.78kN以上、または直径10mm・70mm²以上。各点で堅固に固定

適用する節を追うときに「接地の項目は除く」を見落とすと、二重に条件をかけてしまいます。外装で節を選んだら、接地だけは3810節側で判断する、と覚えておくと迷いません。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
高圧接触電線を使うときは何を確認すれば?
ハリタハリタ
引張強さ2.78kN以上か、直径10mm以上・断面積70mm²以上。各点の堅固な固定もです。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。