この記事は、連載「弱電設備の設計マニュアル」第2回 配管・配線ルート の補足解説です。計画全体の流れは 設計・施工マニュアル(目次) からご覧いただけます。
全体像:内線規程【018】高周波電流の漏えい防止
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

インターホンなどの通信機器が出す高周波電流は、配線から漏えいすると周囲の無線・医療機器に影響することがあります。押さえるポイントは 「なぜ問題になるか(しくみ)/許容基準」 の2つです。

インターホンなどの高周波が配線から漏えいし無線医療機器に混信誤作動を起こすしくみと、10分間2回測定で各回平均-30dB以下という許容基準の2ポイントの図解

⚡ 先に結論だけ言うと
要点は2つ。①しくみ=通信機器の高周波が配線から漏れ、無線・医療機器に混信・誤作動。②許容基準1390-1図に準じ10分間×2回測定、各回の平均が−30dB(1,000分の1mW)以下。超えると防止装置が必要になることがあります。
見習いペン太
見習いペン太
高周波が漏れると、具体的にどんな困りごとに?
はりた
はりた
インターホンの信号が無線機器に混信したり、医療機器が誤作動したりする恐れがあるんだ。だから漏えい量に基準があるんだよ。
この記事でわかること
✔ ① なぜ問題になる?(しくみ)
✔ ② 漏えいの許容基準

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ペン太ペン太
インターホンの高周波が配線から漏れると、何がまずいんですか?
ハリタハリタ
周囲の無線や医療機器に混信・誤作動を起こす恐れがあります。だから漏えいに基準があるんです。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 高周波の漏えいは、どんな機器に影響しますか。
  • 測定は何分間を何回行いますか。
  • 判定の基準となる値はいくつですか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、高周波電流の漏えい防止を3つの視点で整理します。

① なぜ問題になる?(しくみ)

トピック1:なぜ問題になる?(しくみ)
  • インターホンなどの通信機器は、屋内配線を使って高周波の信号を送信している
  • その高周波が配線から漏えいすると、無線機器や医療機器などの高周波利用設備に混信・誤作動を起こすおそれがある
ペン太ペン太
基準の−30dBって、どのくらいの量なんですか?
ハリタハリタ
1,000分の1mWに相当します。10分間の測定を2回行い、各回の平均が−30dB以下が条件です。
ここまでのポイント
  • インターホンなどの通信機器は、屋内配線を使って高周波の信号を送信している。
  • その高周波が配線から漏えいすると、無線機器や医療機器などの高周波利用設備に混信・誤作動を起こすおそれがある。

② 漏えいの許容基準

トピック2:漏えいの許容基準

高周波の漏えいは1390-1図に準じた方法で10分間2回測定し各回平均-30dB以下が条件という基準の図解

  • 測定方法:「1390-1図」または、これに準じた方法
  • 測定回数:10分間の測定を2回 連続で実施
  • 判定:各回の平均値が −30dB(=1,000分の1mW)以下
  • この基準を超え、影響が継続的・重大と判断される場合は 漏えい防止装置の設置が義務 になることがある
ここがポイント|基準は「−30dB以下」
高周波の漏えいは 各回の平均が−30dB以下が判定基準。測定は 1390-1図に準じた方法で10分間×2回。超えると防止装置が必要になる場合があります。
図解:高周波電流の漏えいと許容基準
通信機器(屋内配線で高周波信号) 配線から漏えい高周波電流 無線・医療機器混信・誤作動 判定基準:各回の平均が −30dB(1,000分の1mW)以下/10分間×2回測定
確認する項目内容
測定方法「1390-1図」または、これに準じた方法
測定回数10分間の測定を2回連続で実施
判定各回の平均値が−30dB(=1,000分の1mW)以下
基準を超えた場合影響が継続的・重大と判断されると、漏えい防止装置の設置が義務になることがある
ここまでのポイント
  • 測定方法は「1390-1図」または、これに準じた方法。
  • 測定回数は10分間の測定を2回連続で実施する。
  • 判定は、各回の平均値が−30dB(=1,000分の1mW)以下であること。
  • この基準を超え、影響が継続的・重大と判断される場合は、漏えい防止装置の設置が義務になることがある。

よくある質問(FAQ)

トピック3:よくある質問(FAQ)

Q. 高周波電流の漏えいはなぜ問題になるの?

A. インターホンなどの通信機器は屋内配線で高周波の信号を送っています。これが配線から漏えいすると、近くの無線機器や医療機器などに混信や誤作動を起こすおそれがあるためです。

Q. 漏えいの許容基準はどれくらい?

A. 「1390-1図」または、これに準じた方法で測定します。10分間の測定を2回連続で行い、各回の平均値が−30dB(=1,000分の1mW)以下であることが条件です。

Q. 基準を超えるとどうなるの?

A. 他の機器へ悪影響を与えるおそれがあるため、影響が継続的・重大と判断される場合は、高周波の漏えいを防止する装置の設置が義務づけられることがあります。

まとめ|配線から漏れる高周波を測って抑える

高周波電流の漏えい防止は、通信機器の信号が配線から漏れていないかを所定の方法で測り、基準を超えれば防止装置を設けるという流れになります。

進める場面確認すること判断の目安
機器を選ぶとき屋内配線で高周波信号を送る機器かインターホンなどが該当する
周辺環境を見るとき近くに影響を受ける機器はないか無線機器や医療機器などの高周波利用設備
測定するとき測定方法は規定どおりか1390-1図、またはこれに準じた方法
測定するとき測定の時間と回数は足りているか10分間の測定を2回連続
判定するとき何を見て判定するか各回の平均値
判定するとき基準値を満たしているか−30dB(=1,000分の1mW)以下
基準を超えたとき影響の程度はどうか継続的・重大と判断されるかどうか
対策するとき何を設けるか高周波の漏えいを防止する装置

しくみで押さえること

  • 屋内配線を使って高周波信号を送る機器かどうか。
  • 漏えいしたときに影響を受ける相手。

測定で押さえること

  • 1390-1図に準じた方法か。
  • 10分間×2回連続という条件。
  • 平均値で判定すること。

対策で押さえること

  • −30dB以下という基準。
  • 影響が継続的・重大かどうかの判断。
  • 漏えい防止装置の設置。

高周波の漏えいは目に見えず、症状も「別の機器が誤作動する」という形で現れます。測定の条件まで規定されているのは、そうした見えにくい影響を数値で確かめられるようにするためです。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
もし基準を超えていたら、どうすればいいですか?
ハリタハリタ
漏えい防止装置の設置が求められることがあります。まず1390-1図に準じた測定から始めましょう。

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動力設備の計画のなかで読む
この内容は、連載「動力設備の設計マニュアル」の 第3回 始動電流という別の顔 でも扱っています。
連載の目次は 設計・施工マニュアル からどうぞ。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。