第二種電気工事士 合格カリキュラム学科④ 電気工事の施工方法
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金属管は、電線の鉄のトンネルです。丈夫で燃えにくく、ぶつかっても電線を守ってくれるので、工場やビルの露出配管、コンクリートの中などで広く使われています。ただし、鉄は電気を通すので、つなぎ方と接地には独特の決まりがあります。この記事では、金属管工事で使う管と部品、ボックスへの取り付け方、同じ管に入れるルール、接地、工具を、図とたとえで1つずつ解説します。

結論

金属管工事は、ロックナットで挟み、ブッシングで守るが取り付けの基本。交流は1回路の電線をすべて同じ管に入れ、管は300V以下ならD種接地が基本です。

  • 管はG管(厚)・C管(薄)・E管(ねじなし)の3種類
  • ボックスにはロックナットで固定し、管の口に絶縁ブッシング
  • 行きと帰りは同じ管に入れる(電磁的平衡)
  • 300V以下はD種、300V超はC種接地。管の中で接続しない
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
金属管工事の全体像として、アウトレットボックスと金属管をロックナット、絶縁ブッシング、カップリング、ボンド線でつなぐ様子を示した図
金属管工事は、管・ボックス・つなぐ部品の組み合わせです。

全体像 ― 電線の鉄のトンネル

金属管工事は、たとえるなら鉄のトンネルを掘って、その中に電線を通す工事です。トンネル(管)とトンネルの出入口(ボックス)をしっかりつなぎ、出入口の角で電線が傷つかないように守ります。

鉄のトンネルは丈夫な反面、電気を通します。もし中の電線の被覆が傷んで電気が漏れると、管そのものに電気が来てしまいます。だから金属管工事では、管どうし・管とボックスを電気的にもつなぎ(ボンド)、最後に接地(アース)で大地へ逃がす道を作っておきます。

ペン太ペン太
合成樹脂管とは何が違うんですか?
ハリタハリタ
いちばん大きいのは「鉄は電気を通す」という点だね。だから金属管には、ボンドと接地、それに行きと帰りを同じ管に入れるルールがあるんですよ。
ここまでのポイント
  • 金属管は丈夫で燃えにくい「電線の鉄のトンネル」
  • 鉄は電気を通すので、ボンドと接地が必要
  • 合成樹脂管との違いは「電気を通すかどうか」

管の種類と部品 ― 名前と役割をセットで

金属管は、厚さの違いで3種類に分かれます。

種類 厚さ(目安) つなぎ方 よく使う場所
厚鋼電線管(G管) 約2.3mm 管の端にねじを切る 屋外や工場など、強さが必要な所
薄鋼電線管(C管) 約1.6mm 管の端にねじを切る 屋内の露出配管など
ねじなし電線管(E管) 約1.2mm ねじを切らず、止めねじの部品で 屋内の露出・隠ぺい配管
一般的な製品の例。1本の長さはいずれも3.66m

太さの呼び方や早見表は「電気設備の基本知識 #003【配管の種類と特徴】」でくわしく解説しています。次に、金属管工事で使う主な部品です。

金属管工事の主な部品として、ロックナット、絶縁ブッシング、カップリング、ねじなしボックスコネクタ、リングレジューサ、ボンド線・接地金具、ノーマルベンド、ユニバーサル、エントランスキャップの9つと役割を並べた図
部品は「名前」と「役割」をセットで覚えます。
部品 役割
ロックナット ボックスの壁を内外から挟んで、管を固定する
絶縁ブッシング 管の口に付けて、電線の被覆が傷つくのを防ぐ
カップリング 管と管をつなぐ(ねじなし管用はねじなしカップリング)
ねじなしボックスコネクタ ねじなし管をボックスにつなぐ。止めねじの頭がねじ切れるまで締める
リングレジューサ ボックスの穴が管より大きいとき、すき間を埋める
ボンド線・接地金具 管とボックスを電気的につなぎ、接地線をつなぐ
ノーマルベンド/ユニバーサル 管を直角に曲げる部分に使う
エントランスキャップ 屋外で、管の口から雨が入らないようにする
一般的な部品の例
ここまでのポイント
  • 金属管はG管(厚)・C管(薄)・E管(ねじなし)
  • G管・C管はねじを切り、E管は止めねじの部品でつなぐ
  • 部品は名前と役割をセットで覚える


ボックスへの取り付け ― 挟んで、守る

金属管をボックスに取り付ける手順として、外側のロックナットを通し、内側からロックナットで締め、絶縁ブッシングを付け、電線を通す流れを示した動く図解
動く図解:ロックナット2つで挟み、口をブッシングで守ります。

ねじを切った管をボックスに取り付けるときは、ボックスの壁をロックナットで外側と内側から挟みます。たとえるなら、ボルトとナットで板を締め付けるのと同じです。片側だけだと、管がぐらついて抜けてしまいます。

そして管の口には、絶縁ブッシングを付けます。金属管の切り口は、刃物のように鋭いものです。ブッシングなしで電線を引き込むと、被覆が削れて、漏電やショートの原因になります。切り口のばりは、あらかじめリーマで取っておきます。

📘 ねじなし管の場合

ねじなし電線管(E管)は、ねじなしボックスコネクタを使います。管を差し込み、止めねじの頭がねじ切れるまで締めるのが固定の目安です。ボックスの中側はロックナットで留め、口には絶縁ブッシングを付けます。

ここまでのポイント
  • ロックナットでボックスの壁を内外から挟む
  • 管の口には絶縁ブッシングを付ける
  • ねじなし管は、止めねじの頭がねじ切れるまで締める

同じ管に入れる ― 電磁的平衡

交流の1回路の行きと帰りの電線を同じ金属管に入れると磁界が打ち消し合い、別々の管に入れると磁界が残って管が熱くなることを比べた動く図解
動く図解:行きと帰りを同じ管に入れると、磁界が打ち消し合います。

交流の電線のまわりには、電流の向きが入れ替わるたびに磁界ができます。行きと帰りの電線を同じ管に入れると、2本の磁界は向きが反対なので打ち消し合います。ところが別々の管に入れると、磁界がそのまま鉄の管を通り、管の中に電流(うず電流)が流れて熱くなったり、うなりが出たりします。

たとえるなら綱引きです。同じ場所で左右から引き合えば、綱は動きません。片方だけが別の場所で引いていると、力が残ってしまいます。そこで金属管工事では、1つの回路の電線はすべて同じ管に入れるのが決まりです。これを電磁的平衡といいます。

⚠️ 三相の場合も同じ

三相3線式なら3本すべて、単相3線式なら3本すべてを同じ管に入れます。「電圧線だけ」「中性線だけ」を別の管に分けるのは、行きと帰りを分けるのと同じことです。

ここまでのポイント
  • 1回路の電線はすべて同じ管に入れる
  • 分けると磁界が残り、管が熱くなる・うなる
  • たとえは綱引き。同じ場所で引き合えば打ち消し合う


接地 ― 300V以下はD種、超えるとC種

金属管の接地工事が、使用電圧300V以下ではD種接地工事、300Vを超える場合はC種接地工事であること、省略や緩和ができる場合を示した図
使用電圧で、接地工事の種類が変わります。

金属管には、接地工事をします。使用電圧が300V以下ならD種、300Vを超えるならC種です。ただし、次のような場合は省略・緩和ができます。

使用電圧 接地工事 省略・緩和の例
300V以下 D種接地工事 管の長さ4m以下を乾燥した場所に施設する場合/対地電圧150V以下で管の長さ8m以下を、簡易接触防護措置をするか乾燥した場所に施設する場合は省略できる
300Vを超える C種接地工事 接触防護措置をすればD種接地工事でよい
電気設備技術基準の解釈(金属管工事)をもとに作成。細かな条件は条文で確認する

管とボックス、管と管のつなぎ目は、ボンド線などで電気的につなぎ、どこか1か所で接地すれば全体が大地につながるようにします。接地の種類と抵抗値は「電気設備の基本知識 #033【接地工事の要点 C種・D種】」で解説しています。

ここまでのポイント
  • 300V以下はD種、300V超はC種接地工事
  • 短い管を乾燥した場所に使う場合などは省略できる
  • ボンドで管全体を電気的につないでおく

工具と守るルール ― 切る・整える・曲げる

金属管工事で使う工具として、金切りのこ、パイプバイス、ねじ切り器、リーマ、やすり、パイプベンダの6つと用途を並べた図
金属管工事の主な工具。

金属管は、パイプバイスで挟んで固定し、金切りのこで切ります。切り口の内側のばりはリーマで、外側はやすりで整えます。G管・C管はねじ切り器で管の端にねじを切り、曲げるときはパイプベンダを使います。

項目 ルール
入れる電線 絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線OWを除く)。単線は直径3.2mm以下(太い場合はより線)
接続 管の中では接続しない。接続はボックスの中で
管の厚さ コンクリートに埋め込むものは1.2mm以上、それ以外は1mm以上
曲げ 曲げの内側の半径は管の内径の6倍以上
同じ管に入れる 交流の1回路の電線はすべて同じ管に(電磁的平衡)
管の口 絶縁ブッシングなどで電線の被覆を守る
接地 300V以下はD種、300V超はC種接地工事(条件により省略・緩和あり)
電気設備技術基準の解釈(金属管工事)などをもとに作成。細かな条件は条文で確認する

金属管工事の規定は「電気設備の基本知識 #026【金属管工事】」でさらにくわしく解説しています。合成樹脂管との違いは「電気設備の基本知識 #004【合成樹脂管工事】」、曲げられる金属管は「電気設備の基本知識 #006【2種金属製可とう電線管工事】」とあわせて読むとわかりやすくなります。

ここまでのポイント
  • 切る → ばりを取る → ねじを切る → 曲げる
  • OWを除く絶縁電線を入れ、管の中で接続しない
  • コンクリート埋込は厚さ1.2mm以上、曲げ半径は内径の6倍以上


よくある質問

金属管工事で使う管にはどんな種類がありますか?

厚さの違いで、厚鋼電線管(G管・約2.3mm)、薄鋼電線管(C管・約1.6mm)、ねじなし電線管(E管・約1.2mm)の3種類がよく使われます。G管とC管は管の端にねじを切ってつなぎ、E管はねじを切らずに止めねじの付いた専用部品でつなぎます。

金属管をボックスに取り付けるときの部品は?

ねじを切った管は、ボックスの壁を内側と外側からロックナットで挟んで固定し、管の口には絶縁ブッシングを付けて電線の被覆を守ります。ねじなし管は、ねじなしボックスコネクタを使い、止めねじの頭がねじ切れるまで締めて固定します。

金属管に交流の電線を入れるとき、注意することは?

1つの回路の電線(行きと帰り)はすべて同じ管に入れます。行きと帰りを別の管に入れると、打ち消し合うはずの磁界が残り、管が熱くなったり、うなりが出たりします。これを電磁的平衡といいます。

金属管工事の接地はどうすればよいですか?

使用電圧が300V以下ならD種接地工事、300Vを超えるならC種接地工事です。300V以下では、管の長さ4m以下を乾燥した場所に施設する場合などに接地を省略できます。300Vを超える場合も、接触防護措置をすればD種接地工事でよいとされています。

金属管の中で電線をつないでもよいですか?

いいえ。金属管の中では電線を接続してはいけません。接続はアウトレットボックスやジョイントボックスの中で行います。管の中で接続すると、点検できず、発熱や絶縁不良に気づけないためです。

ハリタ

この記事を書いた人:ハリタ

電気設備設計の実務者。内線規程・電気工事士資格・住宅の電気設備を「設計者の視点」で解説しています。プロフィール詳細

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