電気設備の基本知識 #003【配管の種類と特徴】
天井裏やコンクリートの中を通る電線の多くは、電線管という管の中に入っています。電線管は、いわば電線の「家」です。丈夫な鉄の家、曲がる蛇腹の家、軽い樹脂の家。住む場所によって、選ぶ家が変わります。この記事では、電線管の種類と特徴、太さの呼び方、図面での書き方、場所ごとの使い分けを、図とたとえで1つずつ解説します。
結論
電線管は金属管・可とう電線管・合成樹脂管の3つの家族。太さは厚鋼が内径の偶数、薄鋼・ねじなしが外径の奇数で呼び、CD管はコンクリートの中だけで使います。
- 金属管は厚鋼(G)・薄鋼(C)・ねじなし(E)。長さはどれも1本3.66m
- 厚鋼は16・22・28…、薄鋼・ねじなしは19・25・31…
- PF管は耐燃性があり露出・隠ぺい・埋設OK。CD管は耐燃性がなくコンクリート埋設専用
- 図面では(E19)(PF16)のように、記号と太さで書く
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電線管の役割 ― 電線の「家」
IVのような絶縁電線は、シースのない「下着1枚」の電線です。そのままでは傷や水に弱いので、電線管という家に入れて守ります。電線管には、ほかにも大事な役割があります。
- 守る:電線を、ぶつかる・踏まれる・水がかかるといったことから守る
- 入れ替えられる:管が通っていれば、あとから電線を引き抜いて入れ替えたり、増やしたりできる
- 燃え広がりを防ぐ:金属管などは、電線が燃えても火が外へ出にくい
電線とケーブルのちがいは「電気設備の基本知識 #001【ケーブルの種類】」で解説しています。
- 電線管は、絶縁電線を守る「家」
- 守る・入れ替えられる・燃え広がりを防ぐ
- 金属管・可とう電線管・合成樹脂管の3つの家族
金属管の3兄弟 ― 厚鋼・薄鋼・ねじなし
| 種類 | 記号 | 厚さ(小さいサイズの目安) | つなぎ方 | 主な使いどころ |
|---|---|---|---|---|
| 厚鋼電線管 | G | 2.3mm | ねじを切ってカップリングで | 屋外、工場、機械的な強さが必要な場所 |
| 薄鋼電線管 | C | 1.6mm | ねじを切ってカップリングで | 屋内の露出・隠ぺい |
| ねじなし電線管 | E | 1.2mm | ねじなしカップリングで(止めねじ) | 屋内。ねじ切りがなく施工が速い |
電気設備技術基準の解釈では、金属管工事に使う管の厚さを、コンクリートに埋め込むものは1.2mm以上、それ以外は1mm以上としています(継手のない長さ4m以下を乾燥した展開した場所に施設するなら0.5mm以上)。金属管工事の決まりは「電気設備の基本知識 #005【金属管工事】」で解説しています。
- 厚鋼(G)>薄鋼(C)>ねじなし(E)の順に薄い
- 厚鋼・薄鋼はねじを切る、ねじなしはカップリングで止める
- 長さはどれも1本3.66m
太さの呼び方 ― 偶数と奇数のなぞ
金属管の太さは「16」「19」のように数字で呼びますが、厚鋼と薄鋼では測る場所が違います。厚鋼は壁が厚いので内径(中の広さ)に近い偶数、薄鋼とねじなしは外径(外側の太さ)に近い奇数で呼びます。たとえるなら、厚鋼は「部屋の広さ」で、薄鋼は「建物の外寸」で呼んでいるようなものです。
| 種類 | 呼び方 | 主なサイズ |
|---|---|---|
| 厚鋼電線管 | 内径に近い偶数 | 16・22・28・36・42・54・70・82・92・104 |
| 薄鋼電線管 | 外径に近い奇数 | 19・25・31・39・51・63・75 |
| ねじなし電線管 | 外径に近い奇数(Eを付ける) | E19・E25・E31・E39・E51・E63・E75 |
| PF管・CD管 | 内径に近い数字 | 14・16・22・28・36・42 |
| 硬質ビニル電線管(VE) | 内径に近い数字 | 14・16・22・28・36・42・54・70・82 |
ペン太
ハリタ- 厚鋼は内径に近い偶数(16・22・28…)
- 薄鋼・ねじなしは外径に近い奇数(19・25・31…)
- 数字だけでなく「種類+番号」で覚える
合成樹脂管と可とう電線管 ― 軽い家、曲がる家
| 種類 | 特徴 | 主な使いどころ |
|---|---|---|
| 硬質ビニル電線管(VE) | かたい塩化ビニルの管。さびない。長さ1本4m | 屋内外の露出配管、水気のある場所 |
| PF管 | 手で曲げられる。耐燃性(自己消火性)あり | 露出・隠ぺい・コンクリート埋設 |
| CD管 | 手で曲げられる。耐燃性なし。オレンジ色 | コンクリートに埋め込む場所専用 |
| 2種金属製可とう電線管(F2) | 金属製で曲げられる。プリカチューブとも呼ばれる | モーターなど振動する機器へのつなぎ、曲がりの多い場所 |
| 波付硬質合成樹脂管(FEP) | 波形でつぶれにくい | 地中の配線 |
⚠️ CD管を露出や天井内に使わない
CD管は燃えやすいので、コンクリートに埋め込む場所専用です。コンクリートの外に出る部分や天井内には、PF管などに切り替えます。オレンジ色は「ここから外に出しちゃダメ」の目印です。合成樹脂管工事の決まりは「電気設備の基本知識 #004【合成樹脂管工事】」、可とう電線管工事は「電気設備の基本知識 #006【2種金属製可とう電線管工事】」で解説しています。
- VEはさびない硬い樹脂管(1本4m)
- PFはどこでも、CDはコンクリートの中だけ
- 振動する機器へのつなぎは2種金属製可とう電線管
図面での書き方 ― 記号と太さのならび
図面では、配線の記号のそばに「IV 1.6×3(E19)」のように書かれています。これは「IVの1.6mmを3本、ねじなし電線管の19に入れる」という意味です。記号の付け方は図面ごとの凡例に書かれているので、まず凡例を確認する習慣をつけましょう。
- (E19)(PF16)のように、記号+太さで書く
- 薄鋼は記号なしで数字だけのこともある
- 読み方は図面の凡例で確認する
場所ごとの使い分けと選び方
電線管は、その場所で何から電線を守りたいかで選びます。
- コンクリートの中:CD管・PF管(打設前に配管する)
- 天井の中:PF管・薄鋼・ねじなし
- 屋内の露出:見た目と強さで、薄鋼・ねじなし・VE
- 屋外の露出:厚鋼やVE(雨や日光に強いもの)
- 振動する機器へのつなぎ:2種金属製可とう電線管
- 地中:FEP管など(中に通すのはケーブル)
📘 管の太さは「中身」で決まる
管の太さは、中に入れる電線の太さと本数で決まります。ぎゅうぎゅうに詰めると、電線を通すときに被覆が傷ついたり、熱がこもったりします。サイズの選び方は「電線管サイズ選定の早見表|電線の太さ・本数別(G・C・E・VE管)」の早見表で確かめられます。
- 場所の条件(コンクリート・露出・屋外・地中・振動)で選ぶ
- 屋外は厚鋼・VE、機器へのつなぎは可とう電線管
- 管の太さは、中に入れる電線の太さと本数で決める
よくある質問
電線管にはどんな種類がありますか?
大きく、金属管(厚鋼電線管・薄鋼電線管・ねじなし電線管)、可とう電線管(2種金属製可とう電線管など)、合成樹脂管(硬質ビニル電線管VE・PF管・CD管)の3つの家族に分かれます。丈夫さ、曲げやすさ、燃えにくさ、使える場所がそれぞれ違います。
厚鋼電線管と薄鋼電線管の太さの呼び方の違いは?
厚鋼電線管は内径に近い偶数(16・22・28など)、薄鋼電線管とねじなし電線管は外径に近い奇数(19・25・31など)で呼びます。厚鋼は壁が厚いので内側の寸法、薄鋼・ねじなしは外側の寸法が基準です。
PF管とCD管の違いは何ですか?
どちらも手で曲げられる合成樹脂製の可とう電線管ですが、PF管は耐燃性(自己消火性)があり、露出・隠ぺい・コンクリート埋設のどこにでも使えます。CD管は耐燃性がないため、コンクリートに埋め込む場所専用です。CD管は見分けやすいようにオレンジ色をしています。
金属管の厚さに決まりはありますか?
電気設備技術基準の解釈では、金属管工事に使う管の厚さを、コンクリートに埋め込むものは1.2mm以上、それ以外は1mm以上(継手のない長さ4m以下を乾燥した展開した場所に施設する場合は0.5mm以上)としています。製品としては、厚鋼電線管・薄鋼電線管・ねじなし電線管の順に薄くなります。
電線管の太さはどうやって決めますか?
管に入れる電線の太さと本数から決めます。同じ太さの絶縁電線なら早見表で、太さが違う電線を入れるときは、電線の断面積の合計が管の内断面積の一定割合以下になるように選びます。詳しくは電線管サイズの早見表を参照してください。
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