技術図書館メタルラス壁は電線を守って通す絶縁性の防護管、貫通部の切り開き、がいし引きは1本ずつの3つのルールこの資料をスライドで見る資料一覧を見る
第二種電気工事士 合格カリキュラム学科④ 電気工事の施工方法
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木造の建物の外壁には、モルタルを塗るための下地としてメタルラス(金属の網)が入っていることがあります。壁に穴を開けて配線を通すだけ、と思いがちですが、金網は電気を通すので注意が必要です。この記事では、メタルラス壁の危険と、貫通するときの正しい施工方法を、図とたとえで確認していきます。

結論

メタルラス壁を貫通するときは、ラスを十分に切り開き、耐久性のある絶縁管(または絶縁テープ)で、金属管やケーブルをラスと電気的に接続しないようにします。

  • メタルラス・ワイヤラス・金属板張りの木造の壁が対象
  • 漏電するとラス全体に電気が広がり、発熱・発火のおそれ
  • 金属管・金属ダクト・金属製外装のケーブルなどが対象
  • 絶縁管・絶縁テープは耐久性のあるものを使う
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
メタルラス壁の構造として、木造の外壁などでモルタルを塗る下地に金属の網(メタルラス)が入っていて、金属なので電気を通すことを示した図
メタルラス壁の中には、金属の網が入っています。

メタルラス ― 壁の中の金網

メタルラスは、薄い鋼板に切れ目を入れて引き伸ばした網で、木造の建物の外壁などでモルタルを塗る下地に使われます。ワイヤラス(針金の網)や金属板張りの壁も同じ扱いです。

たとえるなら壁に埋まった大きな金属の板です。電気を通すので、もし電気が漏れると、壁全体に広がってしまいます。

ペン太ペン太
壁を貫通するだけなのに、特別な工事なんですか?
ハリタハリタ
メタルラスは金網なので電気を通します。金属管やケーブルが直接触れていると危ないので、切り開いて絶縁するのが決まりなんですよ。
ここまでのポイント
  • メタルラスはモルタルの下地の金網
  • ワイヤラス・金属板張りも同じ扱い
  • 金属なので電気を通す

漏電すると ― ラス全体に広がる

金属管がメタルラスに触れた状態で電線の被覆が傷んで漏電すると、ラス全体に電気が広がり、壁の中で発熱・発火のおそれがあることを示した動く図解
動く図解:漏電すると、電気が壁の中の金網全体に広がります。

金属管やケーブルの金属部分がメタルラスに触れていると、中の電線の被覆が傷んで漏電したとき、ラス全体に電気が広がります。ラスは細い金属の網なので、電流が流れると接触部分などで発熱し、壁の中の木材が発火するおそれがあります。壁の中なので、気づいたときには手遅れになりかねません。

ここまでのポイント
  • 漏電するとラス全体に電気が広がる
  • 接触部分などで発熱し、発火のおそれ
  • 壁の中なので気づきにくい

正しい貫通 ― 切り開いて絶縁する

メタルラス壁を正しく貫通する方法として、ラスを十分に切り開き、絶縁管をはめ(または絶縁テープを巻き)、金属管やケーブルの金属部分をラスと電気的に接続しないようにすることを示した図
ラスを切り開き、絶縁管で守って通します。
手順 内容
① 切り開く 貫通する部分のメタルラスを十分に切り開く
② 絶縁する 耐久性のある絶縁管をはめるか、耐久性のある絶縁テープを巻く
③ 接続しない 金属管・ケーブルの金属部分とラスを電気的に接続しないようにする
電気設備技術基準の解釈(メタルラス張り等の木造造営物における施設)をもとに作成
ここまでのポイント
  • ラスを十分に切り開く
  • 耐久性のある絶縁管・絶縁テープで守る
  • ラスと電気的に接続しない


施工の流れ ― 切り開く→絶縁する→通す

メタルラス壁の貫通の施工の流れとして、穴のまわりのラスを十分に切り開く、耐久性のある絶縁管をはめる、金属管やケーブルを通す、ラスと触れていないか確かめるの4ステップを順に示した動く図解
動く図解:4つのステップで施工します。

いちばん大事なのは最後の確認です。壁の中はあとから点検しにくいので、通したあとにラスと触れていないかを確かめておきます。

ここまでのポイント
  • 切り開く→絶縁する→通す→確かめる
  • 最後の確認が大事
  • 壁の中はあとから点検しにくい

規定の全体像 ― 5つの視点

メタルラス壁貫通工事の規定を、対象(メタルラス・ワイヤラス・金属板張りの木造の壁)、切り開く、絶縁する(耐久性のある絶縁管・絶縁テープ)、対象の配線(金属管・可とう電線管・金属製外装のケーブルなど)、目的(ラスと電気的に接続しない)の5つの視点で整理した図
メタルラス壁貫通工事の規定は、5つの視点で整理できます。
視点 内容
対象の壁 メタルラス張り・ワイヤラス張り・金属板張りの木造の造営物
対象の配線 金属管・金属可とう電線管・金属線ぴ・金属ダクト・金属製の外装のあるケーブルなど
目的 配線の金属部分とラスを電気的に接続しない
電気設備技術基準の解釈をもとに作成。細かな条件は条文で確認する

ケーブル工事の決まりは「電気設備の基本知識 #022【ケーブル工事】」、金属管工事の規定は「電気設備の基本知識 #026【金属管工事】」で確認できます。

ここまでのポイント
  • 対象はラス張り・金属板張りの木造
  • 金属部分のある配線が対象
  • ラスと電気的に接続しないのが目的

押さえる要点 ― 6つのルール

メタルラス壁貫通工事で押さえる要点として、対象の壁、ラスを十分に切り開く、耐久性のある絶縁管または絶縁テープ、対象となる金属部分のある配線、ラスと電気的に接続しない、漏電で壁全体が帯電・発熱するおそれの6つを並べた図
メタルラス壁貫通工事のまとめ。

次の#033は「電気設備の基本知識 #033【接地工事の要点 C種・D種】」です。

ここまでのポイント
  • ラスを十分に切り開く
  • 耐久性のある絶縁管・絶縁テープ
  • ラスと電気的に接続しない

よくある質問

メタルラス壁の貫通工事のルールは、どんな壁に適用されますか?

メタルラス張り、ワイヤラス張り、金属板張りの木造の造営物の壁などに、金属管やケーブルなどの配線を通す場合に適用されます。

なぜメタルラス壁の貫通には特別なルールがあるのですか?

メタルラスは金属の網なので電気を通します。金属管やケーブルの金属部分がラスに触れていると、漏電したときにラス全体に電気が広がり、壁の中で発熱・発火するおそれがあるためです。

メタルラス壁を貫通するときの施工方法は?

貫通する部分のメタルラスを十分に切り開き、その部分の金属管やケーブルに耐久性のある絶縁管をはめるか、耐久性のある絶縁テープを巻いて、ラスと電気的に接続しないように施設します。

どんな配線がこのルールの対象ですか?

金属管、金属可とう電線管、金属線ぴ、金属ダクト、金属製の外装のあるケーブルなど、金属部分のある配線が対象です。これらの金属部分とメタルラスを電気的に接続しないようにします。

絶縁管や絶縁テープは何でもよいのですか?

耐久性のあるものを使います。壁の中は点検しにくいので、長い年月がたっても絶縁が保たれるものを選びます。

ハリタ

この記事を書いた人:ハリタ

電気設備設計の実務者。内線規程・電気工事士資格・住宅の電気設備を「設計者の視点」で解説しています。プロフィール詳細

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。