「事務室は 750lx」――この数字、どこに書いてあるか説明できるでしょうか。じつは 2024年12月の改正で、JIS Z 9110 から用途別の数値表がなくなりました。屋内の数値は JIS Z 9125:2023 側にあります。しかも設計で本当に効くのは JIS だけではなく、法令の最低値発注者の基準を合わせた3つの層です。この記事は、用途別の照度早見表を並べたうえで、その数字がどこから来ているのかまで分解します。

結論

照度は法令の最低値・規格の推奨値・発注者の基準の3層で決まります。設計値は推奨値と発注者基準で決め、法令の最低値を下回っていないかで確かめます。

  • 法令の最低値は 事務室 300lx以上(事務所衛生基準規則)、作業場 70〜300lx以上(労働安全衛生規則)
  • 推奨値は 事務室 750lx・UGR 19・Ra 80以上。設計室・製図室は 1500lx(照明学会 JIEG-008)
  • JIS Z 9110 は 2024年改正で総則だけになり、屋内の数値は JIS Z 9125:2023 へ移った
  • 表に載っている値はすべて維持照度。初期照度は 維持照度 ÷ 保守率 で求める
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
照度基準の3階層(法令の最低値・規格の推奨値・発注者の基準)を示した図
照度は1つの基準では決まりません。守る値(法令)・狙う値(規格)・合わせる値(発注者基準)の3層で考えます。

照度基準は3つの層でできている

「この部屋は何 lx にしますか」と聞かれたとき、答えの出どころは1つではありません。法令は下限を決め、規格・指針は推奨値を示し、発注者の基準が最終的な設計値を決めます。3つは役割が違うので、どれか1つだけを見ていると話が噛み合いません。

代表的な出どころ 性格 外したときに起きること
① 法令 事務所衛生基準規則、労働安全衛生規則、建築基準法、学校環境衛生基準 「〇〇lx 以上」。下限だけを決める 是正・指導の対象になる
② 規格・指針 JIS Z 9125:2023、照明学会 JIEG-008 など 推奨値。UGR・Ra・均斉度もセット 法令は満たしていても「暗い」「まぶしい」と言われる
③ 発注者基準 建築設備設計基準(官庁施設)、設計要領、社内標準、テナント基準 その物件の決定値。特記仕様書が最優先 照度計算書の前提が承認されず、やり直しになる
迷ったときの順番は ③ →(無ければ)② → 最後に ① で下限チェック、です。

2024年の改正で、JIS の数値は引っ越した

長いあいだ「照度基準といえば JIS Z 9110」でした。ところが JIS Z 9110 は 2024年12月20日に改正され、用途別の数値表が本文から外れています。規定の重複をなくすため、数値は分野ごとの規格に集約されました。

2024年のJIS Z 9110改正で屋内・屋外・スポーツの数値が別規格へ移ったことを示す図
JIS Z 9110:2024 は「照明基準総則」。屋内の数値を引くなら JIS Z 9125:2023 を見ます。
探しているもの 見る規格 規格名
事務所・工場・学校・病院・店舗などの屋内 JIS Z 9125:2023 屋内照明基準
構内・作業ヤード・屋外の作業場 JIS Z 9126:2021 屋外作業場の照明基準
体育館・競技場 JIS Z 9127:2020 スポーツ照明基準
維持照度・均斉度・グレア・演色性など共通の考え方 JIS Z 9110:2024 照明基準総則
2024年改正では、照度段階の下限が 0.5lx まで広がり、Ra の最小値 20 が示され、昼光を使う場合に均斉度を緩められる規定が入りました。適用外だった非常用照明についても「関連法規に従う」と位置づけられています。

出典:日本規格協会「JIS Z 9110:2024 照明基準総則」、パナソニック P.L.A.M.「JIS Z9110:2024 照明基準総則の改正内容」

ここまでのポイント
  • 照度は 法令(守る)・規格(狙う)・発注者基準(合わせる)の3層で決まる
  • JIS Z 9110 は 2024年改正で総則のみ。屋内の数値は JIS Z 9125:2023
  • 手元の資料が「JIS Z 9110 の表」なら、いつの版か確認する


法令が「以上」で決めている照度

ここだけは、守らないと是正の話になります。金額より先に確認する層です。数字は少なく、覚えてしまえるものばかりです。

事務所・工場・学校・非常用照明について法令が定める最低照度をまとめた図
法令の値は「以上」。設計値がこれを下回っていないかだけを確認します。
対象 根拠 区分 基準
事務所の室 事務所衛生基準規則 第10条 一般的な事務作業 300 lx 以上
事務所の室 事務所衛生基準規則 第10条 付随的な事務作業 150 lx 以上
常時就業させる場所 労働安全衛生規則 第604条 精密な作業 300 lx 以上
常時就業させる場所 労働安全衛生規則 第604条 普通の作業 150 lx 以上
常時就業させる場所 労働安全衛生規則 第604条 粗な作業 70 lx 以上
学校 学校環境衛生基準 教室及びそれに準ずる場所 300 lx 以上(下限値)
学校 学校環境衛生基準 教室及び黒板 500 lx 以上が望ましい
学校 学校環境衛生基準 教室・黒板の最大照度と最小照度の比 20:1 以下(10:1 以下が望ましい)
学校 学校環境衛生基準 コンピュータを使用する教室等の机上 500〜1000 lx 程度が望ましい
非常用の照明装置 建築基準法施行令 第126条の5、昭和45年建設省告示第1830号 床面の水平面照度(直接照明) 1 lx 以上(蛍光灯・LED は 2 lx 以上)
事務所の照明設備 事務所衛生基準規則 第10条第3項 点検 6月以内ごとに1回
事務所衛生基準規則は 2022年12月1日から、従来の「精密/普通/粗」の3区分が「一般的な事務作業 300lx 以上/付随的な事務作業 150lx 以上」の2区分に変わりました。工場など事務所以外の作業場は、いまも労働安全衛生規則の3区分です。

⚠ 「300lx あるから大丈夫」が通らない理由

事務所衛生基準規則の 300lx は下限です。JIS や照明学会の推奨は事務室 750lx。300lx で設計すると法令違反ではありませんが、実際に使うと「暗い」という声が出ますし、発注者基準(官庁施設なら 750lx)にも届きません。法令の数字は「セーフかどうか」の物差しであって、設計値ではない、と切り分けて使います。

なお非常用照明の 1lx・2lx は、低照度測定用照度計による物理測定で確かめる値です。1lx と 2lx の使い分けは非常照明の1lxと2lxの違いで、器具の配置と台数の求め方は非常照明の照度計算と器具配置でそれぞれ詳しく扱っています。

ここまでのポイント
  • 事務室は 300lx 以上(一般的な事務作業)。2022年12月から2区分
  • 事務所以外の作業場は 精密300/普通150/粗70 lx 以上のまま
  • 非常用照明は床面 1lx(蛍光灯・LED は 2lx)以上
  • 法令値は下限。設計値として使う数字ではない


用途別 照度早見表

ここからが本題です。出どころごとに表を分けてあります。同じ「設計室」でも、照明学会の指針では 1500lx、官庁施設の基準では 750lx です。数字だけを持ち出すと食い違うので、どの表から引いたのかをセットで覚えてください。

50lxから2000lxまでの用途別代表照度を同じものさしで並べた図
代表値を並べると、50lx から 2000lx までが 1.5倍刻みの段階になっているのが分かります。

事務所・オフィス

もっとも細かい基準が出ているのが事務所です。水平面照度だけでなく、鉛直面照度(相手の表情や書棚を見るための明るさ)と UGR(まぶしさ)まで決まっています。

室の種類 水平面照度[lx] 鉛直面照度[lx] UGR
設計室・製図室 1500 100 以上 16
事務室 750 19
役員室 750 16
役員会議室 500 19
会議室・集会室・セミナー室 500 19
応接室 500 100 以上 19
診察室 500 150 以上 19
調理室 500 100 以上 22
印刷室・コピー室 500 19
電子計算機室・サーバ室 500 19
中央監視室・管理室 500 150 以上 16
コールセンター 500 100 以上 19
守衛室 500 19
パウダールーム 500 150 以上
エントランスホール(昼間) 500
受付 300 150 以上 22
宿直室 300 19
社員食堂 300 100 以上
エレベーターホール 300
喫茶室・ラウンジ・給湯室 200
書庫 200 100 以上
更衣室・ロッカー室 200
便所・洗面所 200 150 以上
電気室・機械室 200
階段 150
共用廊下 100
倉庫 100
休憩室・リフレッシュコーナー 100
エントランスホール(夜間)・玄関(車寄せ) 100
屋内避難階段 50
照明学会 技術指針 JIEG-008「オフィス照明設計技術指針」(2017)より。Ra は特記のない室で 80 以上、診察室・パウダールームは 90 以上、倉庫・電気室・機械室は 60 以上。鉛直面照度は特に指定がなければ床上 1.2m の値です。事務室は細かな作業をともなう場合や高齢者に配慮する場合、1.5倍程度とするのが望ましいとされています。

官庁施設(建築設備設計基準)

官公庁の物件では、発注者の基準がそのまま設計照度になります。国土交通省の建築設備設計基準「各室の光環境」は、民間物件でも“発注者基準の書き方の見本”として使えます。グレア規制の G1b・G2・G3 は、照明器具の輝度クラスの区分です。

室名 推奨照度[lx] グレア規制 Ra
事務室 750 G1b 80
上級室 750 G1b 80
設計室・製図室 750 G1b 80
電子計算機室 500 G1b 80
監視室・制御室 500 G1b 80
厨房 500 G1b、G2 80
会議室・講堂 500 G1b 80
食堂 300 G1b、G2 80
EVホール・受付 300 G1b、G2 60
電気室・機械室 200 G2、G3 60
書庫 200 G2、G3 80
湯沸室 200 G1b、G2 80
便所・洗面所・更衣室 200 G2、G3 80
階段室 150 G2、G3 40
倉庫 100 G2、G3 60
玄関ホール 100 G1b、G2 60
廊下 100 G2、G3 40
車庫 75 G2、G3 40
国土交通省「建築設備設計基準(令和3年版)表2-2 各室の光環境」より。基準面は事務室・上級室などで床上0.8m、玄関ホール・廊下などで床面。視覚条件が通常と異なる場合は、照度段階で1段階だけ上下させてよいとされています。玄関ホールで掲示物の閲覧が想定される場合は 1段階上の 150lx。

工場

工場は部屋名ではなく視作業の細かさで引きます。同じ「組立」でも、細かいもの・暗色のもの・精度を要求されるものは a、粗いもの・明色のものは c、その中間が b です。

区分 作業の例 維持照度[lx]
非常に精密な視作業 精密機械・電子部品の製造、組立a・検査a・試験a・選別a 1500
やや精密な視作業 繊維工場の選別・検査、印刷の植字・校正、組立b・検査b 750
普通の視作業 一般の製造工場、組立c・検査c・試験c・包装a 500
粗な視作業 包装b・荷造a(継続的な作業の最低条件) 200
ごく粗な視作業 包装c・荷造b・c、短い訪問 100
設計・製図 750
計器盤・制御盤の監視 制御盤は鉛直面になることが多い 500
倉庫内の事務 300
荷積み・荷降ろし・荷の移動 150
作業を伴う倉庫 200
倉庫 100
電気室・空調機械室 200
便所・洗面所 200
階段 150
屋内非常階段 50
廊下・通路 100
出入口 明るさの急激な変化を避ける移行部を設ける 100
岩崎電気「照明技術資料 TD17」表8.1(参考文献:JIS Z 9110:2024、JIS Z 9125:2023)より。色が重要な場合は Ra 90 以上、超精密な視作業では 2000lx とするなどの補正があります。

学校・病院

施設 場所 照度[lx]
学校 製図室 750
学校 被服教室・電子計算機室・実験実習室・図書閲覧室 500
学校 教室・体育館 300
学校 講堂 200
病院 手術室(術野) 10000〜100000
病院 手術室(全般)・検査室(局部)・ICU(局部) 1000
病院 検査室(全般) 500
病院 病室(読書) 300
病院 廊下(昼間) 200
病院 病室(全般)・ICU(全般) 100
病院 廊下(夜間) 5
学校は GSユアサ ライティングサービス「JIS照度基準」、病院はパナソニック P.L.A.M.「病院の照明」(JIS Z 9110-2010/JIS Z 9125-2023)より。学校は法令(学校環境衛生基準)の下限 300lx と、望ましい値 500lx の関係もあわせて確認します。

店舗・駐車場

施設 場所 照度[lx]
商業施設 陳列の最重要部 2000
商業施設 重要陳列部 750〜1000
商業施設 レジスタ・包装台・エスカレーター乗降口 750
商業施設 エレベーターホール 500
商業施設 商談室・アトリウム・モール 300
商業施設 便所・洗面所 200
商業施設 階段 150
商業施設 廊下 100
駐車場(屋内・地下) 車路(交通量 多/中/少) 150/75/30
駐車場(屋内・地下) 駐車位置(出入 多/少) 75/30
駐車場(屋外) 交通量 多/中/少 20/10/5
GSユアサ ライティングサービス「JIS照度基準」より。屋外側は現在 JIS Z 9126:2021(屋外作業場の照明基準)が受け持っています。
必要照度を決めたら、光束法での台数算定と器具の均等配置まで一気に出せます。室指数・利用率・保守率を入れて、A4の照度計算書までブラウザで作れます(登録不要)。

照度計算・器具配置ツールを開く

ここまでのポイント
  • 事務室 750lx・UGR 19。設計室は指針で 1500lx、官庁基準で 750lx と出どころで違う
  • 工場は部屋名ではなく視作業(a・b・c)で引く
  • 共用部は 廊下100/階段150/便所200/屋内避難階段50 がおおよその共通値
  • 表を引いたら、どの資料の何年版かをメモに残す


表にない部屋は、視作業から決める

実際の物件には、表に載っていない部屋がいくらでも出てきます。そういうときは部屋名を探し続けるのではなく、そこで何を見るのかに置き換えます。

表にない部屋の照度を視作業から決める4ステップの図
視作業の細かさ→照度範囲→1段階の上下→法令チェック、の順で決めます。
推奨照度[lx] 照度範囲[lx] 作業・行動の例
2000 1500〜3000 超精密な視作業
1500 1000〜2000 非常に精密な視作業
1000 750〜1500 精密な視作業
750 500〜1000 やや精密な視作業
500 300〜750 普通の視作業
300 200〜500 やや粗い視作業
200 150〜300 粗い視作業(継続的な作業の最低条件)
150 100〜200 継続的ではない作業
100 75〜150 ごく粗い視作業、短い訪問
75 50〜100 車庫・非常階段
照明学会 技術指針 JIEG-008 より。「照度範囲 300〜750」は 300lx 以上 750lx 以下を示し、その場合の推奨照度は 500lx です。
ペン太ペン太
倉庫の中に検品の台があるんですけど、倉庫は 100lx でいいんですよね?
ハリタハリタ
部屋としては 100lx ですが、検品は視作業です。表でも「作業を伴う倉庫 200lx」「倉庫内の事務 300lx」と分けています。部屋全体を上げるのではなく、その台の上だけ足すのがタスク・アンビエントの考え方です。
ペン太ペン太
「とにかく明るく」と言われたときは、上げてしまっていいですか?
ハリタハリタ
上げるのは1段階までにして、理由を書き残します。750 の次は 1000、その次は 1500。むやみに倍にすると器具も電力も増えますし、まぶしさ(UGR)が悪化して「明るいのに見づらい」部屋になります。
ここまでのポイント
  • 部屋名で探さず「そこで何を見るか」に置き換える
  • 照度範囲の真ん中が推奨照度。動かすのは1段階まで
  • 部屋全体を上げず、作業面だけ足す選択肢を先に検討する


数字の前提をそろえる ― 維持照度・均斉度・UGR・Ra

早見表の値をそのまま器具の台数に使うと、たいてい足りません。表の値は「維持照度」――使っているあいだ下回らせない値だからです。

維持照度と初期照度の関係と、保守率で割り戻す考え方を示した図
維持照度 750lx・保守率 0.75 なら、初期照度は 1000lx が必要です。
項目 何を表すか 目安・使い方
維持照度 Em ある面の平均照度を、使用期間中に下回らないように維持すべき値 早見表の値はこれ。初期照度=Em ÷ 保守率
保守率 M ランプの光束低下・器具の汚れ・室内面の汚れ・不点の合計 LED器具でおおむね 0.7〜0.8。清掃間隔と環境で決める
照度均斉度 Uo 平均照度に対する最小照度の比 視作業域内で 0.6 以上。タスク照明の最大照度は室平均の3倍以下
照度の連続性 室と廊下、室と室のあいだの明るさの落差 低いほうが高いほうの 1/5 以上が理想
鉛直面照度 立っている面の明るさ(表情・書棚・掲示) 特に指定がなければ床上 1.2m。受付・診察室は 150lx 以上
壁面・天井面照度 空間の明るさ感 タスク・アンビエントでは壁面 200lx・天井面 100lx が推奨
UGR 不快グレア(まぶしさ)の評価値。小さいほどまぶしくない 事務室 19、設計室・役員室 16、調理室・受付 22
Ra 色の見え方の忠実さ 事務室 80 以上、診察室 90 以上、倉庫・電気室 60 以上
維持照度・照度均斉度の定義は JIS Z 9110、オフィスの具体値は照明学会 JIEG-008 によります。基準面は事務室で床上 0.8m、通路・廊下では床上 0.1m 以内。

💡 照度計算書を受け取ったら、結果より先に見る3つ

  1. 維持照度 その室の基準(発注者基準 → 規格 → 法令)と一致しているか
  2. 保守率 0.8 など高めの値が根拠なく入っていないか。器具の種類と清掃間隔に合っているか
  3. 照明率 反射率(天井・壁・床)と室指数が、実際の内装と天井高に合っているか

竣工後に測るときは、床上0.8m(廊下は床面付近)で、器具を点灯して安定させてから測ります。測定値を法令基準と突き合わせて記録票にまとめるところまでは、測定記録票メーカーでA4に出せます。事務所では照明設備の点検が6月以内ごとに1回と決まっているので、引き渡し時に点検の記録様式まで渡しておくと親切です。

ここまでのポイント
  • 早見表の値は維持照度。初期照度は 維持照度 ÷ 保守率
  • 均斉度 0.6 以上、室と廊下の落差は 1/5 以内が目安
  • 照度計算書は 維持照度・保守率・照明率 の3つの前提から見る

よくある質問

事務室は何 lx にすればよいですか?

設計値は 750lx が基本です(照明学会 JIEG-008、建築設備設計基準とも事務室 750lx)。法令(事務所衛生基準規則 第10条)の 300lx 以上は下限で、設計値ではありません。UGR 19 以下、Ra 80 以上もあわせて満たします。

法令の 300lx を満たしていれば、750lx にしなくてもよいのでは?

法令上は問題ありません。ただし 300lx の事務室は実際に使うと暗く感じ、官庁施設や多くの社内標準の基準(750lx)にも届きません。法令値は「下回っていないかを確かめる物差し」、設計値は規格・指針と発注者基準から決める、と分けて扱います。

JIS Z 9110 を見ても事務室の数値が載っていないのはなぜですか?

2024年12月20日の改正で、用途別の数値が分野ごとの規格に移されたためです。屋内は JIS Z 9125:2023(屋内照明基準)、屋外は JIS Z 9126:2021、スポーツは JIS Z 9127:2020 にあります。JIS Z 9110:2024 は共通の考え方(総則)だけを扱います。

照度は床で測るのですか、机の上ですか?

基準面は室によって決まっています。事務室や上級室などは床上 0.8m の作業面、玄関ホール・廊下などは床面(通路では床上 0.1m 以内)です。非常用照明は床面の水平面照度で、低照度測定用照度計を使います。

保守率はいくつにすればよいですか?

LED器具でおおむね 0.7〜0.8 が目安です。粉じんの多い工場や清掃間隔が長い場所は小さく、清浄な事務室は大きく取れます。値が大きいほど計算上の必要台数は減るので、根拠(器具の種類・周囲環境・清掃間隔)を計算書に残しておきます。

UGR はどの数字を守ればよいですか?

事務室は 19 以下、設計室・製図室や役員室・中央監視室は 16 以下、受付や調理室は 22 以下が目安です。UGR は器具単体ではなく、部屋の大きさ・器具の配置・見る位置で変わるため、室ごとに計算します。

ハリタ

この記事を書いた人:ハリタ

電気設備設計の実務者。内線規程電気工事士資格・住宅の電気設備を「設計者の視点」で解説しています。プロフィール詳細

30秒アンケートこの記事は役に立ちましたか?

タップするだけで完了します。あなたの声でこのサイトは育ちます。

次に読むならこれ照明図・器具表・照度計算書の読み方|lm・W・K・Ra・UGR・保守率と建築化照明の記号を分解する【図面の見方・読み方③】新人教育
ABOUT ME
HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。