【%インピーダンス】%Zとは?短絡電流の求め方と計算例・基準容量にそろえて足す%インピーダンス法
変圧器の銘板や単線結線図、遮断器の計算書に出てくる「%Z」「%インピーダンス」。用語集では一言で説明されますが、何のパーセントなのか、どうやって短絡電流を出すのか、電源側の影響をどう足すのかまでは分かりにくい言葉です。この記事は、この3つだけにしぼって、計算例つきで説明します。
ペン太
ハリタ- ひとことで言うと
- 「%インピーダンス(%Z)」は、変圧器などの中の「電気の流れにくさ」を割合で表した数字。小さいほど、ショートしたときに大きな電流が流れます。
- 読み方
- パーセントインピーダンス/パーセントゼット/パーセントインピーダンスほう
- どこで出てくる?
- 変圧器の銘板やカタログ、単線結線図の変圧器まわり、遮断器の遮断容量の計算書、電験の計算問題。
結論
%インピーダンス(%Z)は、定格電流を流すのに要る電圧が、定格電圧の何%かを表す数字です。短絡電流は定格電流×100÷%Zで出せ、%Zが小さいほど大きくなります。電源や変圧器の%Zは、同じ基準容量にそろえれば足せる(%インピーダンス法)。
- %Zは、二次側をショートした試験で決まる「流れにくさ」の割合
- 500kVA・210V・%Z 4%なら、短絡電流は約34.4kA(電源側を無限大とした場合)
- 新しい%Z=元の%Z×基準容量÷機器の容量。そろえてから足す
- 受電点100MVAを入れると約30.5kA。遮断器の遮断容量はこれで選ぶ
この記事に出てくる言葉
読む前に、意味をざっと押さえておくと分かりやすくなります。
| 言葉 | 読み方 | やさしい説明 |
|---|---|---|
| インピーダンス | ― | 交流の電気の流れにくさ。抵抗とリアクタンスを合わせたもの。単位はΩ。 |
| 定格電流 | ていかくでんりゅう | その機器が、ふだん流してよいと決められた電流。 |
| 短絡(ショート) | たんらく | 電線どうしが、器具を通らずに直接つながってしまうこと。 |
| 短絡電流 | たんらくでんりゅう | ショートしたときに流れる、とても大きな電流。数千〜数万Aになる。 |
| 遮断容量 | しゃだんようりょう | 遮断器が安全に切れる、いちばん大きな電流(kA)。 |
| 短絡容量 | たんらくようりょう | ショートしたとき電源側から送り込まれる電力の大きさ(MVA)。受電点の値は電力会社に聞く。 |
| 基準容量 | きじゅんようりょう | %Zを足し合わせるときに、そろえる共通の容量(10MVAなど)。 |
| kVA・MVA | キロブイエー・メガブイエー | 変圧器などの容量の単位。1MVA=1,000kVA。 |
「%インピーダンス」を理解するために、土台になる考え方を3つだけ押さえておきましょう。
電気には「流れにくさ」がある
電線や変圧器の中には、電気の流れをじゃまするもの(インピーダンス)があります。電流の大きさは、電圧÷インピーダンスで決まります。
ショートすると、じゃまするものが一気に減る
ふだんは照明やモーターなどの器具が電流をおさえていますが、ショートすると、電源の中と電線のインピーダンスしか残りません。そのため、とても大きな電流が流れます。
割合にすると、大きさのちがう機器を比べて足せる
Ωのままだと、電圧や容量がちがう機器どうしを比べにくくなります。定格に対する割合(%)にして、基準をそろえれば、比べたり足したりできます。
%インピーダンスは、何のパーセント? ― 定格電流を流すのに要る電圧
ペン太
ハリタ変圧器の二次側をショートさせ、一次側にかける電圧を0から少しずつ上げていくと、ある電圧で二次側に定格電流が流れます。このときの電圧が、定格電圧の何%かを表したのが%インピーダンス(%Z)です。4%なら、定格電圧のたった4%で定格電流が流れる、という意味です。
逆にいえば、ショートした状態で定格電圧(100%)がかかると、電流は定格の100÷4=25倍になります。%Zが小さいほど、短絡電流は大きくなります。%Zは変圧器ごとに決まっていて、銘板やカタログに書かれています。
- %Zは、定格電流を流すのに要る電圧の割合
- ショート試験で決まり、銘板に書かれている
- %Zが小さいほど、短絡電流は大きい
%Zから短絡電流を出す ― 定格電流×100÷%Z
ペン太
ハリタ電源側(電力会社の側)を、いくらでも電流を送れる無限大とみなすと、短絡電流は次の式で出せます。
短絡電流 = 定格電流 × 100 ÷ %Z
| 項目 | 式 | 値 |
|---|---|---|
| 定格電流(三相) | 容量 ÷ (√3 × 電圧) | 500,000 ÷ (√3 × 210) = 約1,375A |
| 倍率 | 100 ÷ %Z | 100 ÷ 4 = 25倍 |
| 短絡電流 | 定格電流 × 倍率 | 1,375 × 25 = 約34,400A(34.4kA) |
主幹の遮断器は、この短絡電流を切れる遮断容量(kA)のものを選びます。盤図に「25kA」「35kA」と書かれている数字がそれです(盤図のブレーカー表記の読み方)。
- 短絡電流=定格電流×100÷%Z
- 500kVA・210V・4%なら約34.4kA
- 遮断器は、遮断容量(kA)がこれを上回るものを選ぶ
%インピーダンス法 ― 基準容量にそろえて足す
ペン太
ハリタ実際には、電源側も無限大ではありません。電力会社の配電線にもインピーダンスがあり、受電点の短絡容量(MVA)として電力会社に聞くことができます。電源側と変圧器を1本の道として計算するのが%インピーダンス法(%Z法)です。
| もの | もとの値 | 10MVA基準の%Z |
|---|---|---|
| 受電点 | 短絡容量 100MVA | 10 ÷ 100 × 100 = 10% |
| 変圧器 | 500kVA・%Z 4% | 4 × 10,000 ÷ 500 = 80% |
| 合計 | 直列なので足す | 90% |
10MVAを210Vで流したときの基準電流は約27,500Aなので、短絡電流は27,500×100÷90=約30.5kAです。電源側を無限大とした34.4kAより、少し小さくなります。ケーブルや複数の盤まで含めて計算するときは、セコサポの短絡電流・遮断容量 計算ツールで、同じ%Z法を使って各盤の短絡電流と必要な遮断容量を出せます。
- 電源側は、受電点の短絡容量を%Zに直す
- 新しい%Z=元の%Z×基準容量÷機器の容量
- 同じ基準にそろえれば、直列のものは足せる
まとめ|結論
結論
%インピーダンス(%Z)は、定格電流を流すのに要る電圧の割合で、短絡電流は定格電流×100÷%Zで出せます。電源側も入れるときは、受電点の短絡容量と変圧器の%Zを同じ基準容量にそろえて足す%インピーダンス法を使います。遮断器は、こうして出した短絡電流を切れる遮断容量のものを選びます。
短絡電流を確かめるときは、この順で見ます。
- 受電点の短絡容量(MVA)を電力会社に確かめる
- 変圧器の容量(kVA)と%Zを、銘板やカタログで確かめる
- 同じ基準容量にそろえて足し、短絡電流を出す
- 主幹・分岐の遮断器の遮断容量(kA)が、それを上回っているか
よくある質問
%インピーダンス(%Z)とは何ですか?
変圧器などの内部インピーダンスを、定格電圧に対する割合(%)で表した値です。二次側をショートさせて定格電流を流すのに要る電圧が、定格電圧の何%かを表します。変圧器の銘板やカタログに書かれています。
%Zから短絡電流はどう求めますか?
電源側を無限大とみなせば、短絡電流=定格電流×100÷%Zです。たとえば500kVA・210V・%Z 4%の変圧器なら、定格電流約1,375A×25=約34.4kAになります。
%Zが小さい変圧器と大きい変圧器、どちらがよいですか?
一長一短です。%Zが小さいと、ふだんの電圧降下は小さくなりますが、短絡電流が大きくなり、遮断容量の大きい遮断器が必要になります。%Zが大きいと、その逆になります。
%インピーダンス法(%Z法)とは何ですか?
電源・変圧器・ケーブルなどの%Zを、同じ基準容量(たとえば10MVA)にそろえて直してから足し合わせ、短絡電流を計算する方法です。直列につながるものは、そのまま足せるので計算が簡単になります。
基準容量の換算はどうやりますか?
新しい%Z=元の%Z×基準容量÷その機器の容量です。500kVAで4%の変圧器を10MVA基準にすると、4×10,000÷500=80%になります。受電点の短絡容量が100MVAなら、10MVA基準で10÷100×100=10%です。
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