内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【001】|1300節 対地電圧の制限

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

この記事に書かれていること

対地電圧の制限は?

住宅の屋内電路 (電気機械器具内の電路を除く。)の対地電圧は 150V以下とする

 

対地電圧の150V以上の場合は?
  1. 定格消費電力が 2kW以上の電気機械器具及びこれに電気を供給する屋内配線を次により施設する場合
  2. 当該住宅以外の場所に電気を供給するための屋内配線を次により施設する場合
  3. 太陽電池モジュール接続する負荷側の屋内配線を次により施設する場合

 

1300節 対地電圧の制限

1300-1 電路の対地電圧の制限

1.住宅の屋内電路 (電気機械器具内の電路を除く。)の対地電圧は 150V以下であること。ただし,次の各号のいずれかに該当するときは,その限りでない。(解釈 143)

〔注〕住宅は,乳児から老人に至るまで安心して生活できるべき場所であり,このような場所では安全性を確保するため,屋内電路の対地電圧を原則 150V以下としている。

解釈と解説
  1. 一般住宅の場合、安全性を考慮し屋内電路の対地電圧を150V以下としています(原則)
  2. ”原則”のため条件により150V以上を使用することも可能です



対地電圧を150V以上とする場合の条件

消費電力による条件

① 定格消費電力が 2kW以上の電気機械器具及びこれに電気を供給する屋内配線を次により施設する場合

消費電力による条件

〔注〕定格消費電力が2kW以上の電気機械器具が家庭においても使われるようになり,特に電動機応用機器では始動電流が大きく一時的な電圧低下を生じることがあり,また,機器の効率及び配線の経済性からも三相200Vの動力線に接続しなければならないという場合もあることから,

定格消費電力2kW以上の固定して施設する電気機械器具について,

その対地電圧を300Vまで認めている。

なお,定格消費電力2kW未満のものについては,単相3線式による機器の効率及び配線の経済性がそれほど問題となることはなく,単相3線式による対地電圧100V,使用電圧200Vで対応できることなどから,これらの機器については,対地電圧 150V以下を原則としている。

a.屋内配線は,当該電気機械器具のみに電気を供給するものであること。
b.電気機械器具の使用電圧及びこれに電気を供給する屋内配線の対地電圧は,300V以下であること。
c.屋内配線には,簡易接触防護措置を施すこと。
d.電気機械器具には,簡易接触防護措置を施すこと。ただし,次のいずれかに該当する場合は,この限りでない

  • (a)電気機械器具のうち簡易接触防護措置を施さない部分が,絶縁性のある材料で堅ろうに作られたものである場合
  • (b)電気機械器具を,乾燥した木製の床その他これに類する絶縁性のものの上で取り扱うように施設する場合

〔注〕コンクリート製の床は,絶縁性のある床とはみなさない。

e.電気機械器具は,屋内配線と直接接続して施設すること。
f.電気機械器具に電気を供給する電路には,専用の開閉器及び過電流遮断器を施設すること。ただし,過電流遮断器が開閉機能を有するものである場合は,過電流遮断器のみとすることができる。
g.電気機械器具に電気を供給する電路には,漏電遮断器を施設すること。
ただし,次に適合する場合は,この限りでない。

〔注1〕 この場合の漏電遮断器は,原則として定格感度電流30mA以下,動作時間01秒以内 (高感度高速形)とする。

〔注2〕 漏電遮断器の取り付け位置は,原則として配電盤及び分電盤とする。

(a)電気機械器具に電気を供給する電路の引込口に近い箇所に,次に適合する変圧器を施設すること。

  • ⓐ絶縁変圧器であること。
  • ⓑ定格容量は3kVA以下であること。
  • ©1次電圧は低圧であり,かつ,2次電圧は300Ⅴ以下であること。

(b)(a)の規定により施設する変圧器には,簡易接触防護措置を施すこと。
(c)(a)の規定により施設する変圧器の負荷側の電路は,非接地であること。

まとめ

解釈と解説
  1. 定格消費電力2kW以上電気機械器具はその対地電圧を300Vまで認めている
  2. 定格消費電力2kW未満の場合対地電圧150V以下を原則としている

 



住宅以外の場合

②当該住宅以外の場所に電気を供給するための屋内配線を次により施設する場合

住宅以外の屋内配線の場合

a.屋内配線の対地電圧は,300V以下であること。
b.人が触れるおそれがない隠ぺい場所に合成樹脂管配線,金属管配線若しくはケーブル配線により施設すること。

まとめ

解釈と解説
  1. 屋内配線の対地電圧は,300V以下である

 

太陽光設備の場合

③ 太陽電池モジュール接続する負荷側の屋内配線 (複数の太陽電池モジュールを施設した場合にあっては,その集合体に接続する負荷側の配線)を次により施設する場合

太陽電池に接続する場合

a.屋内配線の対地電圧は,直流450Ⅴ以下であること。
b.電路に地絡が生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。ただし,次のすべての条件に該当する場合は、この限りではない。

  • (a)直流電路が,非接地であること。
  • (b)直流電路に接続する逆変換装置の交流側に絶縁変圧器を施設すること。
  • (C)太陽電池モジュールの合計出力が,20kW未満であること。ただし,屋内電路の対地電圧が直流300Ⅴを超える場合にあっては,太陽電池モジュールの合計出力は10kW以下とし,かつ,直流電路に機械器具 (太陽電池モジュール,3594-4(太陽光発電設備の配線)2項,3項②に規定する器具,インバータ並びに避雷器を除く。)を施設しないこと。

c.屋内配線は,次のいずれかにより施設すること。
(a)人が触れるおそれのない隠ぺい場所に,合成樹脂管配線,金属管配線又はケーブル配線により施設すること。

(b)ケーブル配線により施設し,電線に接触防護措置を施すこと。

まとめ

解釈と解説
  1. 太陽電池モジュール接続する負荷側の屋内配線の対地電圧は,直流450Ⅴ以下であること

 

住宅以外の場合

④ 2320節 (屋内に施設する電線路)の規定により屋内に電線路を施設する場合

屋内に電線路を施設する場合

2.住宅以外の場所の屋内に施設する家庭用電気機械器具に電気を供給する屋内電路の対地電圧は,150Ⅴ以下とすること。

ただし,家庭用電気機械器具,電線及び配線器具を次の各号のいずれかにより施設する場合は,300Ⅴ以下とすることができる。 (解釈 143)

〔注〕住宅以外の場所の屋内とは,次に示す場所のように常時人が居住しない所をいう。

  • (1)商店,料理飲食店などの店舗部分
  • (2)事務所,工場
  • (3)旅館,ホテルの容室,廊下など
  • (4)その他上記に準じる場所

① 1項①bからeまでの規定に準じて施設すること。

② 簡易接触防護措置を施すこと。ただし,取扱者以外の者が立ち入らない場所にあっては,この限りでない。

3.白熱電灯(3562節に規定する特別低電圧照明回路の白熱電灯を除く。)に電気を供給する電路の対地電圧は,150Ⅴ以下であること。ただし,住宅以外の場所において,次の各号により白熱電灯を施設する場合は,300Ⅴ以下とすることができる。 (解釈 143)

〔注〕白熱電灯回路の対地電圧が150Ⅴを超える場合は,高感度高速形漏電遮断器を取り付けることが望ましい。

①白熱電灯及びこれに附属する電線には,接触防護措置を施すこと。

②白熱電灯 (パイロットランプ,機器と一体となった手元照明など機械装置に附属するものを除く。)は,屋内配線と直接接続して施設すること。

③白熱電灯の電球受口は,キーその他の点滅機構のないものであること。

まとめ

解釈と解説
  1. 住宅以外の場所の屋内に施設する家庭用電気機械器具に電気を供給する屋内電路の対地電圧は,150Ⅴ以下とすること。
  2. ただし,家庭用電気機械器具,電線及び配線器具を次の各号のいずれかにより施設する場合は,300Ⅴ以下とすることができる。
  3. 住宅以外の場所の屋内とは,次に示す場所のように常時人が居住しない所をいう。
  • (1)商店,料理飲食店などの店舗部分
  • (2)事務所,工場
  • (3)旅館,ホテルの容室,廊下など
  • (4)その他上記に準じる場所

 

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