この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。

地中電線路を図解で整理。高圧の表示(2m間隔)、埋設深さ(直接埋設1.2m/0.6m以上・需要場所0.3m以上)、暗きょ式の要件(重量物に耐える・防火耐燃措置)を要点とFAQでまとめます。

技術図書館地中電線路|埋める前に表示・深さ・構造を確定する高圧は2m間隔で表示。直接埋設は重量物1.2m/その他0.6m、需要場所は条件つきで0.3mに緩和。暗きょ式の3要件まで全6枚のスライドで整理この資料をスライドで見る資料一覧を見る

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出典:電気設備の技術基準の解釈 第120条・第121条・解釈の解説

地中電線路は、ケーブルを管路式・暗きょ式・直接埋設式のいずれかで施設する電線路です。押さえるポイントは 「方式と表示/直接埋設式の深さ/暗きょ式と地中箱」 の3つに整理できます。

ケーブルを、3つの方式で 管路式・暗きょ式・直接埋設式。
直接埋設は、1.2m・0.6m以上 重量物の圧力のおそれで分かれる。
高圧・特別高圧は、表示する 名称・管理者名・電圧をおおむね2mごと。
暗きょ式は、防火措置 耐燃措置か、自動消火設備。
ペン太ペン太
地中の電線路って、ただ深く埋めればいいんですか?
ハリタハリタ
深さの基準はあるけど、それだけじゃない。高圧・特別高圧なら存在を知らせる表示、暗きょ式なら重量物に耐える構造と防火措置が必要なんだ。
区分 主な決まり(解釈第120条・第121条)
方式 電線はケーブル。管路式・暗きょ式・直接埋設式のいずれか
表示(高圧・特別高圧) 物件の名称・管理者名・電圧を、おおむね2mの間隔で(需要場所は名称・管理者名を除く。需要場所の高圧15m以下は不要)
直接埋設式の深さ 重量物の圧力を受けるおそれがある場所1.2m以上、その他0.6m以上。衝撃からの防護も
暗きょ式 重量物の圧力に耐える暗きょ。防火措置は耐燃措置か自動消火設備
地中箱 圧力に耐える構造。ふたは取扱者以外が容易に開けられないように

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ペン太ペン太
地中に埋めるケーブルって、とにかく深く埋めれば安心なんですよね?
ハリタハリタ
深さは場所で決まります。直接埋設式なら、重量物の圧力を受けるおそれがある場所1.2m以上、その他0.6m以上を使い分けます。

この記事で押さえる3つのこと

  • 高圧・特別高圧は、名称・管理者名・電圧をおおむね2mの間隔で表示。需要場所の高圧15m以下は不要。
  • 直接埋設式は、重量物の圧力を受けるおそれがある場所1.2m以上、その他0.6m以上。衝撃からも防護。
  • 暗きょ式の防火措置は、耐燃措置か自動消火設備のどちらか。地中箱のふたも決まりあり。
この記事の道案内
電気設備の技術基準の解釈 第120条・第121条にそって、地中電線路の施設ルールを4つの視点で整理します。
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① 3つの方式と表示

管路式 管は重量物の圧力に耐えるもの。
暗きょ式 圧力に耐える暗きょと、防火措置。
直接埋設式 深さと、衝撃からの防護。
電線は、ケーブル どの方式でもケーブルを使います。
  • 地中電線路は、電線にケーブルを使い、管路式・暗きょ式・直接埋設式のいずれかで施設する(解釈第120条第1項)
  • 管路式には電線共同溝(C.C.BOX)方式を、暗きょ式にはキャブ(ふた掛け式のU字構造物)を含む
  • 管路式の管は、車両その他の重量物の圧力に耐えるもの(第2項第一号)
たとえるなら
3つの方式は、水道管・共同溝・庭に埋めたホースのようなもの
地面の下に通すものでも、管に入れて埋める、トンネルのような空間に並べる、そのまま土に埋める、と方法はいろいろですよね。地中電線路も、管路式・暗きょ式・直接埋設式のどれかで、ケーブルを施設します。
名称・管理者名・電圧 需要場所では、名称と管理者名を除く。
おおむね2mの間隔 管路式と直接埋設式の決まりです。
間隔の表示を省略できる場合 他人が立ち入らない場所など。
需要場所の高圧15m以下は不要 第120条第2項第二号ただし書きです。
  • 高圧又は特別高圧の地中電線路には表示を施す(管路式は第120条第2項第二号、直接埋設式も準じる)
  • 物件の名称・管理者名・電圧を表示(需要場所では名称と管理者名を除く)
  • おおむね2mの間隔で表示。他人が立ち入らない場所や、位置が十分に認知できる場合は省略可
  • 需要場所に施設する高圧地中電線路で、長さ15m以下のものは表示しなくてよい
たとえるなら
表示は、地面の下の「ここに埋まってます」の札
工事で地面を掘るとき、下に何が埋まっているかわからないと危ないですよね。高圧・特別高圧の地中電線路には、物件の名称・管理者名・電圧を、おおむね2mの間隔で表示して、掘る人に知らせます。
ここに注意!
「表示は、高圧だけ」ではありません。
表示が必要なのは、高圧又は特別高圧の地中電線路です。ただし、需要場所に施設する高圧地中電線路で、長さが15m以下のものは表示しなくてかまいません(解釈第120条第2項第二号)。
ここに注意!
「表示は、どこでも2mごとに必須」ではありません。
おおむね2mの間隔の表示は、他人が立ち入らない場所や、電線路の位置が十分に認知できる場合は省略できます(解釈第120条第2項第二号ロ)。
ペン太ペン太
埋設深さって全部1.2mだと思ってました!場所で違うんですか?
ハリタハリタ
車両など重量物の圧力を受けるおそれがある場所は1.2m以上、その他は0.6m以上です。圧力に耐えるよう施設する場合などの例外もあります。
ここまでのポイント
  • ケーブルを管路式・暗きょ式・直接埋設式で施設する。
  • 高圧・特別高圧は、名称・管理者名・電圧をおおむね2mの間隔で表示する。
  • 需要場所は電圧だけ。需要場所の高圧15m以下は表示不要。


② 直接埋設式の深さと防護

重量物の圧力を受ける場所1.2m 車両その他の重量物の圧力を受けるおそれ。
その他の場所0.6m 圧力に耐えるよう施設する場合は別です。
衝撃からの防護 トラフ・板やとい・がい装ケーブルなど。
高圧・特別高圧は表示も 管路式の表示に準じます。
  • 直接埋設式の深さ:車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所1.2m以上/その他0.6m以上(第120条第4項第一号)
  • ただし、使用するケーブルの種類や施設条件を考慮し、加わる圧力に耐えるよう施設する場合は、この限りでない
  • 衝撃からの防護:堅ろうなトラフなどの防護物に収める/重量物の圧力を受けるおそれがない場所の低圧・高圧は上部を堅ろうな板・といで覆う/がい装を有するケーブルを使う、など
  • JESC E6007(直接埋設式(砂巻き)による低圧地中電線の施設)による場合の扱いもある
たとえるなら
埋設深さは、車が通る所ほど深く植える木の根のようなもの
人がよく踏む場所や車が通る場所では、浅いものはすぐ傷みますよね。直接埋設式も、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所は1.2m以上、その他の場所は0.6m以上の深さにして、さらにトラフなどで衝撃から守ります。
ここに注意!
「需要場所の0.3m緩和は、解釈の決まり」ではありません。
解釈第120条第4項の深さは、重量物の圧力を受けるおそれがある場所1.2m以上、その他0.6m以上です。例外は、使用するケーブルの種類や施設条件を考慮し、加わる圧力に耐えるよう施設する場合などです。「需要場所・管径200mm以下で0.3m」という緩和は解釈には書かれていないので、使うときは内線規程の原文で条件を確かめます。
ここに注意!
「深く埋めれば、防護はいらない」ではありません。
直接埋設式では、深さに加えて、地中電線を衝撃から防護します。堅ろうなトラフなどの防護物に収める、上部を堅ろうな板やといで覆う、がい装を有するケーブルを使う、などの方法です(解釈第120条第4項第二号)。
ここまでのポイント
  • 直接埋設式は、重量物の圧力を受けるおそれがある場所で1.2m以上、その他で0.6m以上。
  • トラフ・板やとい・がい装ケーブルなどで衝撃から防護する。


③ 暗きょ式と地中箱

暗きょは、圧力に耐える 車両その他の重量物の圧力に。
防火措置は、2つのどちらか 耐燃措置か、自動消火設備。
地中箱は、圧力に耐える構造 ふたは取扱者以外が開けられないように。
ガスのおそれは、通風装置 大きさ1m³以上の地中箱です。
  • 暗きょは、車両その他の重量物の圧力に耐えるもの(第120条第3項)
  • 防火措置は、地中電線に耐燃措置を施すか、暗きょ内に自動消火設備を施設するか、のどちらか
  • 耐燃措置は、不燃材料などの被覆、延焼防止テープ・シート・塗料、不燃・自消性難燃の管やトラフに収める、など
  • 地中箱は重量物の圧力に耐える構造とし、ふたは取扱者以外の者が容易に開けられないように。ガスのおそれがある1m³以上の地中箱には通風装置など(第121条)
ここに注意!
「暗きょ式は、防火措置と耐燃措置の両方が必要」ではありません。
防火措置は、地中電線に耐燃措置を施すか、暗きょ内に自動消火設備を施設するか、のどちらかです(解釈第120条第3項第二号)。耐燃措置は、不燃材料の被覆、延焼防止テープ、不燃の管やトラフなどで施します。
ここに注意!
「地中箱は、ふたを載せるだけでよい」ではありません。
地中箱は、車両その他の重量物の圧力に耐える構造とし、ふたは取扱者以外の者が容易に開けることができないように施設します。爆発性・燃焼性のガスのおそれがある大きさ1m³以上のものには、通風装置などを設けます(解釈第121条)。
取り違えやすいところ 正しくは
表示は高圧だけ 高圧と特別高圧。需要場所の高圧15m以下は不要
表示はどこでも2mごとに必須 他人が立ち入らない場所などは間隔の表示を省略できる
0.3m緩和は解釈の決まり 解釈は1.2m/0.6m以上。0.3m緩和は解釈に書かれていない
深く埋めれば防護はいらない トラフ・板やとい・がい装ケーブルなどで衝撃から防護
暗きょ式は防火措置と耐燃措置の両方 防火措置は耐燃措置か自動消火設備のどちらか
地中箱はふたを載せるだけ 圧力に耐える構造、取扱者以外が開けられないふた
ここまでのポイント
  • 車両など重量物の圧力に耐える構造とする。
  • 防火措置は、耐燃措置か自動消火設備のどちらか。
  • 地中箱は圧力に耐え、ふたは取扱者以外が開けられないように。


よくある質問(FAQ)

Q1. 表示はどうする? 名称・管理者名・電圧をおおむね2mごと。
Q2. 埋設深さは? 1.2m以上か、0.6m以上。
Q3. 暗きょ式の注意は? 圧力に耐える構造と、防火措置。
Q4. 施設方式は? 管路式・暗きょ式・直接埋設式。

Q. 地中電線路の表示はどうするの?

A. 高圧又は特別高圧の地中電線路では、物件の名称・管理者名・電圧を、おおむね2mの間隔で表示します(需要場所では名称と管理者名を除く)。他人が立ち入らない場所や位置が十分に認知できる場合は間隔の表示を省略でき、需要場所に施設する長さ15m以下の高圧地中電線路は表示が要りません(解釈第120条第2項)。

Q. 地中電線路の埋設深さの目安は?

A. 直接埋設式では、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所で1.2m以上、その他の場所で0.6m以上です。あわせて、トラフなどの防護物、板やとい、がい装ケーブルなどで衝撃から防護します(解釈第120条第4項)。

Q. 暗きょ式で注意することは?

A. 暗きょは車両その他の重量物の圧力に耐えるものとし、防火措置を施します。防火措置は、地中電線に耐燃措置(不燃材料の被覆、延焼防止テープ、不燃の管など)を施すか、暗きょ内に自動消火設備を施設するか、のどちらかです(解釈第120条第3項)。

Q. 地中電線路はどんな方式で施設する?

A. 電線にケーブルを使い、管路式・暗きょ式・直接埋設式のいずれかで施設します。管路式には電線共同溝方式、暗きょ式にはキャブも含まれます(解釈第120条第1項)。

まとめ|埋める前に表示・深さ・構造を確定する

地中電線路は、高圧・特別高圧なら表示を、直接埋設式なら場所に応じた深さと防護を、暗きょ式なら構造と防火措置を確保することが基本です。

進める場面 確認すること 判断の目安
方式を決めるとき 管路式・暗きょ式・直接埋設式のどれか 電線はケーブル。方式ごとに決まりが違う
ルートを決めるとき 重量物の圧力を受けるおそれがあるか 直接埋設式は1.2m以上か0.6m以上
直接埋設するとき 衝撃からの防護 トラフ・板やとい・がい装ケーブルなど
管路式のとき 管が圧力に耐えるか 車両その他の重量物の圧力
暗きょ式のとき 防火措置 耐燃措置か自動消火設備
地中箱を置くとき 構造とふた 圧力に耐え、取扱者以外が開けられない
埋め戻す前 高圧・特別高圧の表示 名称・管理者名・電圧をおおむね2m間隔で
需要場所のとき 表示の内容と長さ 名称・管理者名は除く。高圧15m以下は不要

表示で押さえること

  • 高圧・特別高圧か。表示する内容と、需要場所での違い。
  • おおむね2mの間隔。
  • 省略できる条件と、需要場所の高圧15m以下。

埋設深さで押さえること

  • 重量物の圧力を受ける場所かどうか。
  • その他の場所の深さ。
  • トラフ・板やとい・がい装ケーブルなどの防護。

暗きょ式で押さえること

  • 重量物の圧力に耐える構造。
  • 防火措置(耐燃措置か自動消火設備)。
  • 地中箱の構造とふた。

地中電線路は埋め戻してしまうと、あとから表示を入れることも深さを直すこともできません。上の表の「埋め戻す前」までの項目は、掘削が空いているうちにひととおり確認しておきたいところです。

ペン太ペン太
高圧の地中電線路では、深さのほかに何を忘れがちですか?
ハリタハリタ
表示です。物件名・管理者名・電圧をおおむね2m間隔で示します。暗きょ式なら防火措置も確認しましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。