この記事は連載「内線規程の解釈と解説」 (全119回)の1本です。
出典:電気設備の技術基準の解釈 第143条・第145条・第146条・第156条・第162条
文字や図形を電球・LEDで表示する電光サインについて、電圧・電線の太さ・配線の工事・ダクトに収める電線の量のルールを、電気設備の技術基準の解釈にもとづいて整理します。
白熱電灯の電路は、対地150V以下 第143条第3項。
電線は、1.2mmにできる 300V以下で工事つき。
多心ケーブルは、0.75mm² 自動遮断装置が条件。
金属ダクトは、50%まで 電光サインの配線のみ。
ペン太
白熱電灯の電光サインって、配線は細くても大丈夫なんですか?
ハリタ
300V以下なら1.2mmの軟銅線を管やダクトの工事で使えます。0.75mm²の多心ケーブルは自動遮断装置が条件です。
この記事で押さえる3つのこと
300V以下なら1.2mm軟銅線を、管やダクトの工事で。
0.75mm²多心ケーブルは、自動遮断装置が条件。
金属ダクトは電光サインの配線だけなら50%以下。
この記事の道案内
電気設備の技術基準の解釈にそって、電光サインのルールを3つの視点で整理します。
1. 電圧と電線の太さ
低圧配線は、原則1.6mm 第146条第1項。
電光サインは、1.2mmにできる 第一号です。
使える工事は、6種類 管・線ぴ・ダクト。
多心ケーブルは、遮断装置つき 第二号です。
白熱電灯に電気を供給する電路の対地電圧 は150V以下 です(解釈第143条第3項)
低圧配線の電線は、原則として直径1.6mmの軟銅線 か、同等以上の強さと太さのものです(第146条第1項)
使用電圧300V以下の電光サイン装置などの配線は、直径1.2mm以上の軟銅線 を、合成樹脂管・金属管 ・金属線ぴ・金属ダクト・フロアダクト ・セルラダクト工事で施設できます(第一号)
断面積0.75mm²以上の多心ケーブルか多心キャブタイヤケーブルは、過電流を自動で遮断する装置 を設ける場合に使えます(第二号)
メタルラス張りなどの木造の造営物 では、管やダクトなどの金属部分とメタルラスを電気的に接続しないように施設します(第145条)
15A・20Aの分岐回路 、DV・DE電線を除くこと、可とう電線管 やケーブルによる配線は解釈にはないので、内線規程で確かめます
管やダクトと、ラスを分ける 第145条第2項第一号。
貫通部は、切り開く 第145条第2項第二号。
絶縁管か、絶縁テープ 貫通部に施す。
器具の金属部分も、分ける 第145条第3項。
ペン太
ダクトの中は電線をぎっしり詰めてもいいんですか?
ハリタ
金属ダクトは20%以下が原則で、電光サインなどの配線だけなら50%以下です。使える場所は156-1表で確かめます。
電線
使える条件
1.6mm軟銅線
低圧配線の原則(第146条)
1.2mm軟銅線
300V以下で管・線ぴ・ダクト工事
0.75mm²多心ケーブル
自動遮断装置を設ける
分岐回路の種類
内線規程で確認
たとえるなら
1.2mmの特例は、軽い荷物用の細いひも
重い荷物には太いロープが要りますが、軽い封筒なら細いひもで足ります。電光サインのような小さな電流の配線は、管やダクトで守ることを条件に、1.2mmの細い電線が認められます。
ここに注意!
「電光サインの15A・20A分岐回路が、解釈にある」ではありません。
解釈第149条が決めるのは、低圧分岐回路に
過電流遮断器 と
開閉器 を施設することです。15A・20Aなどの分岐回路の種類は、内線規程で確かめます。
ここに注意!
「1.2mmの電線は、どんな工事でも使える」ではありません。
1.2mmの軟銅線が使えるのは、使用電圧300V以下で、合成樹脂管・金属管・金属線ぴ・金属ダクト・フロアダクト・セルラダクト工事により施設する場合です(解釈第146条第1項第一号)。
ここに注意!
「多心ケーブルなら、0.75mm²で無条件によい」ではありません。
0.75mm²以上の多心ケーブルや多心キャブタイヤケーブルは、過電流を生じたときに自動的に電路から遮断する装置を設けることが条件です(解釈第146条第1項第二号)。
ここまでのポイント
白熱電灯の電路は対地150V以下(第143条)。
低圧配線の電線は、原則1.6mm以上。
300V以下の電光サインは1.2mm軟銅線にできる。
1.2mmは合成樹脂管・金属管・金属線ぴ・各ダクト工事で。
0.75mm²多心ケーブルは自動遮断装置が条件。
メタルラス張りでは、金属部分と電気的に接続しない。
2. 金属ダクトに収める電線
原則は、総和20%以下 第162条第1項第二号。
電光サインのみは、50%以下 制御回路も同じ。
被覆も含めて、断面積を足す 絶縁被覆の分も入る。
接続点は、設けない 点検できる分岐は別。
金属ダクト工事では、ダクトに収める電線の断面積(絶縁被覆を含む)の総和は、内部断面積の20%以下 です(解釈第162条第1項第二号)
電光サイン装置・出退表示灯 ・制御回路などの配線のみを収める場合は、50%以下 にできます
ダクトの中では電線に接続点を設けません。分岐の接続点を容易に点検できるときは別です(第三号)
ダクトは幅5cm超・厚さ1.2mm以上の鉄板などで作り、内面に突起がなく、さび止めのめっきか塗装を施します(第2項)
支持点間は3m以下、ふたは外れないように、終端は閉そくし、水のたまる低い部分を設けません。使用電圧300V以下ならD種接地工事です(第3項)
156-1表で、金属ダクト工事は展開した場所 と点検できる隠ぺい場所の、乾燥した場所 に使えます
電光サイン用ダクト(内線規程の専用ダクト)の構造、施設場所、分岐する配線、屋外の水切りは、内線規程で確かめます
材料は、幅5cm超・1.2mm以上 第162条第2項。
支持点間は、3m以下 第162条第3項。
300V以下は、D種接地 第162条第3項第七号。
使える場所は、乾燥した場所 156-1表です。
ペン太
電光サインの電線って、細くてもいいんですか?
ハリタ
いや、低圧配線は1.6mmが基本。300V以下の電光サインの配線なら、1.2mmの軟銅線を管やダクトの工事で使えるんだ。0.75mm²の多心ケーブルは、過電流を自動で遮断する装置が要るよ。
ペン太
ダクトにはどれくらい電線を入れられますか?
ハリタ
金属ダクトなら、絶縁被覆を含む電線の断面積の総和はふつう20%以下。電光サインなどの配線だけを入れるなら、50%以下まで認められるんだ。
項目
金属ダクト工事(解釈)
電線の総和
内部断面積の20%以下
電光サインの配線のみ
50%以下
ダクトの材料
幅5cm超・厚さ1.2mm以上
支持点間
3m以下
接地(300V以下)
D種接地
使える場所
乾燥した展開・点検できる隠ぺい
たとえるなら
50%の特例は、ハンカチだけの引き出し
ふだんは2割までしか入れない引き出しも、薄いハンカチだけなら半分まで詰められます。金属ダクトも、電光サインなどの配線だけを収めるときは50%以下まで認められます。
ここに注意!
「金属ダクトには、いつでも50%まで入れてよい」ではありません。
原則は20%以下です。50%以下にできるのは、電光サイン装置・出退表示灯・制御回路などの配線のみを収める場合です(解釈第162条第1項第二号)。
ここに注意!
「金属ダクトは、湿気の多い場所にも使える」ではありません。
156-1表で、金属ダクト工事が使えるのは、展開した場所と点検できる隠ぺい場所のうち、乾燥した場所です(解釈第156条)。
思いこみ
正しくは
15A・20Aは解釈にある
内線規程で確認
1.2mmはどの工事でも
管・線ぴ・ダクト工事
0.75mm²は無条件
自動遮断装置が条件
金属ダクトはいつも50%
原則20%
湿気の多い場所も可
乾燥した場所だけ
専用ダクトは解釈にある
内線規程で確認
たとえるなら
電光サイン用ダクトは、専用ケースの取扱説明書
棚の一般的な使い方と、専用ケースの使い方は別の紙に書いてあります。解釈が決めるのは金属ダクト工事の一般の決まりで、電光サイン用ダクトの構造や施設場所は内線規程で確かめます。
ここに注意!
「電光サイン用ダクトの構造や場所が、解釈にある」ではありません。
解釈にあるのは金属ダクト工事の一般の決まりです。電光サイン用ダクトの構造、施設場所、分岐する配線、屋外の水切りは、内線規程で確かめます。
ここまでのポイント
金属ダクトの電線は、総和20%以下が原則。
電光サインなどの配線だけなら50%以下。
ダクト内には、原則として接続点を設けない。
ダクトは幅5cm超・厚さ1.2mm以上の鉄板など。
支持点間3m以下、300V以下はD種接地。乾燥した場所で使う。
電光サイン用ダクトの決まりは、内線規程で確かめる。
よくある質問(FAQ)
Q1. 電線の太さは? 1.2mmにできる。
Q2. 多心ケーブルは? 0.75mm²以上。
Q3. ダクトに入る量は? 原則20%以下。
Q4. ダクトの場所は? 乾燥した場所。
Q. 電光サインの配線に使う電線は?
A. 低圧配線は原則として直径1.6mmの軟銅線以上です。使用電圧300V以下の電光サイン装置などの配線は、1.2mm以上の軟銅線を合成樹脂管・金属管・金属線ぴ・金属ダクト・フロアダクト・セルラダクト工事で施設できます。0.75mm²以上の多心ケーブルや多心キャブタイヤケーブルは、過電流を自動で遮断する装置を設ける場合に使えます(解釈第146条第1項)。
Q. 金属ダクトに入れられる電線の量は?
A. 金属ダクト工事では、電線の断面積(絶縁被覆を含む)の総和はダクトの内部断面積の20%以下です。電光サイン装置・出退表示灯・制御回路などの配線のみを収める場合は50%以下にできます(解釈第162条第1項第二号)。
Q. 金属ダクトはどこに施設できますか?
A. 156-1表で、金属ダクト工事は展開した場所と点検できる隠ぺい場所の、乾燥した場所に使えます(解釈第156条)。内線規程の電光サイン用ダクトの施設場所や屋外の水切りは、内線規程で確かめます。
まとめ|電線の太さとダクトの容量で電光サインを押さえる
電光サインは、300V以下なら1.2mmの軟銅線を管やダクトの工事で使え、金属ダクトには電光サインなどの配線だけなら50%以下まで収められる ことが基本です。
確認する項目
決まり
白熱電灯の電路
対地150V以下
低圧配線の電線
原則1.6mm
電光サイン(300V以下)
1.2mm軟銅線・管やダクト工事
多心ケーブル
0.75mm²・自動遮断装置
メタルラス張り
電気的に接続しない
金属ダクトの電線
20%以下(電光サインのみ50%)
金属ダクトの場所
乾燥した展開・点検できる隠ぺい
分岐回路・専用ダクト
内線規程で確認
回路と電線で押さえること
白熱電灯の電路は対地150V以下か。
1.2mm軟銅線なら、管・線ぴ・ダクトの工事か。
多心ケーブルなら、自動遮断装置があるか。
ダクトの選定で押さえること
幅5cm超・厚さ1.2mm以上で、さび止めしたダクトか。
接続点や水のたまる低い部分がないか。
電線の総和が20%以下(電光サインのみ50%以下)か。
施設場所で押さえること
金属ダクトは乾燥した展開・点検できる隠ぺい場所か。
メタルラス張りでは、電気的に接続していないか。
電光サイン用ダクトの場所や水切りは内線規程で。
電光サインは店舗の外壁など、雨がかかり人の目にも触れる場所に付くことが多い設備です。上の表を「電路→電線→ダクト→場所」の順に確認していくと、電線の太さや収める量の見落としを防ぎやすくなります。
ペン太
屋外に設置するときの最後のチェックは?
ハリタ
電線の太さと工事の組み合わせ、ダクトに収める量、接地を確かめましょう。屋外の水切りなどは内線規程で確かめます。
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