電気設備の基本知識 #018【分岐回路の設計】
分電盤を開けると、小さなブレーカーがずらりと並んでいます。1つ1つが分岐回路の入口です。分岐回路は、ブレーカー・電線・コンセントの3つをセットで決めるのがポイントです。この記事では、分岐回路とは何か、3点セットの組み合わせ、分岐回路の種類、過電流遮断器の位置、組み合わせを間違えたときの危険を、図とたとえで1つずつ解説します。
結論
分岐回路はブレーカー・電線・コンセントの3点セットで決めます。20Aのブレーカーなら電線1.6mm以上・コンセント20A以下。過電流遮断器は分岐点から3m以下が原則です。
- 1つの分岐ブレーカー=1つの分岐回路
- 15A・20A(ブレーカー)は1.6mm、30Aは2.6mm以上
- 20Aでもヒューズなら2.0mm以上
- ブレーカーは電線を守れる大きさにする
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分岐回路とは ― 分電盤からの専用レーン
分岐回路は、分電盤の分岐ブレーカーから、照明やコンセントなどの負荷までの回路です。たとえるなら高速道路の料金所のレーンです。レーンを分けておけば、1つのレーンが止まっても、ほかのレーンは流れ続けます。
たとえば、キッチンで電子レンジと電気ケトルを同時に使ってブレーカーが落ちても、照明や冷蔵庫の回路が別なら止まりません。エアコンやIHのような大きな機器は、専用の分岐回路にするのが一般的です。幹線との関係は「電気設備の基本知識 #017【屋内幹線と分岐回路】」で解説しています。
ペン太
ハリタ- 分岐回路は分岐ブレーカーから負荷まで
- 回路を分けると、トラブルの影響が小さい
- 大きな機器は専用の分岐回路に
3点セット ― ブレーカー・電線・コンセント
分岐回路は、ブレーカーの定格で種類が決まります。そして、その種類に合わせて、電線の太さの下限と、コンセントの定格の範囲が決まります。3つはいつもセットで考えます。
- ブレーカーの定格で分岐回路の種類が決まる
- 電線は太さの下限が決まる
- コンセントは定格の範囲が決まる
分岐回路の種類 ― 組み合わせの表
| 分岐回路の種類 | 電線の太さ(軟銅線) | コンセントの定格 |
|---|---|---|
| 15A | 直径1.6mm以上 | 15A以下 |
| 20A(配線用遮断器) | 直径1.6mm以上 | 20A以下 |
| 20A(ヒューズ) | 直径2.0mm以上 | 20A |
| 30A | 直径2.6mm(断面積5.5mm²)以上 | 20A以上30A以下 |
| 40A | 断面積8mm²以上 | 30A以上40A以下 |
| 50A | 断面積14mm²以上 | 40A以上50A以下 |
⚠️ 20Aはブレーカーかヒューズかで違う
同じ20Aの分岐回路でも、ブレーカーなら1.6mm以上、ヒューズなら2.0mm以上です。コンセントも、ブレーカーなら「20A以下」、ヒューズなら「20A」と違います。試験でもよく問われるポイントです。
- 15A・20A(ブレーカー)は1.6mm以上
- 20A(ヒューズ)は2.0mm以上
- 30Aは2.6mm以上、コンセントは20〜30A
遮断器の位置 ― 分岐点の近くに
幹線から分岐して、分岐回路の過電流遮断器に着くまでの電線は、幹線の遮断器でしか守られていません。細い電線をあまり長く引くと、守りきれなくなってしまいます。そこで、分岐回路の過電流遮断器は、分岐点から3m以下に設けるのが原則です。
| 分岐点から遮断器までの長さ | 条件 |
|---|---|
| 3m以下 | 原則 |
| 8m以下 | 分岐する電線の許容電流が、幹線の過電流遮断器の定格の35%以上 |
| 長さの制限なし | 分岐する電線の許容電流が、幹線の過電流遮断器の定格の55%以上 |
- 原則は分岐点から3m以下
- 35%以上なら8m以下
- 55%以上なら長さの制限なし
組み合わせの間違い ― 電線が先に熱くなる
ブレーカーは、電線を守るためにあります。細い電線に大きなブレーカーをつけると、電線の許容電流を超えても、ブレーカーがなかなか切れません。その間に電線が熱くなり、被覆が傷んでしまいます。
たとえるなら、細いホースに消防車のポンプをつなぐようなものです。ポンプが止まる前に、ホースのほうが破れてしまいます。電線の許容電流は「電気設備の基本知識 #014【絶縁電線の許容電流】」、ブレーカーのしくみは「電気設備の基本知識 #015【過電流遮断器】」で解説しています。
- ブレーカーは電線を守るためにある
- 大きすぎるブレーカーでは電線を守れない
- 電線の許容電流とブレーカーをセットで考える
押さえる要点 ― 3点セットと3m
次の#019は「電気設備の基本知識 #019【引込線・引込口配線】」です。
- ブレーカー・電線・コンセントは3点セット
- 遮断器は分岐点から3m以下が原則
- 大きな機器は専用の分岐回路に
よくある質問
分岐回路とは何ですか?
分電盤の分岐ブレーカーから、照明やコンセントなどの負荷までの回路です。1つの分岐ブレーカーが1つの分岐回路を受け持ちます。回路を分けておくと、1つの回路でトラブルがあっても、ほかの回路は使い続けられます。
20A分岐回路の電線の太さは?
配線用遮断器(ブレーカー)の場合は直径1.6mm以上、ヒューズの場合は直径2.0mm以上です。コンセントは、ブレーカーなら20A以下、ヒューズなら20Aのものを使います。
30A分岐回路の電線とコンセントは?
電線は直径2.6mm(断面積5.5mm²)以上、コンセントは20A以上30A以下のものを使います。
分岐回路の過電流遮断器はどこに設けますか?
幹線からの分岐点から3m以下の場所が原則です。分岐する電線の許容電流が幹線の過電流遮断器の定格の35%以上なら8m以下、55%以上なら長さの制限なく設けられます。
細い電線に大きなブレーカーをつけるとどうなりますか?
電線の許容電流を超える電流が流れても、ブレーカーがなかなか切れません。先に電線が熱くなって被覆が傷み、漏電や火災の原因になります。ブレーカーは、つながる電線を守れる大きさにします。
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