感震ブレーカー完全ガイド|4タイプの選び方フローチャート・遅延遮断・補助金まで【地震と停電にそなえる家の電気・深堀り編】
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本連載は、電気設備の設計・施工に携わるプロが「家の電気の防災」を暮らし目線で解説するシリーズです。今回は第1回で紹介した感震ブレーカーの深堀り編。選び方から設置、補助金、弱点への対策まで、この1本で完結する完全ガイドです。
おさらい ― なぜ「感震ブレーカー」なのか
大地震の火災の5〜6割は電気が原因で、その多くは停電復旧後に無人の家から出火する「通電火災」です(第1回で詳しく解説)。感震ブレーカーは、震度5強相当以上の揺れを感知すると自動で電気を止める装置。国の首都直下地震対策の報告書でも、普及が進めば地震火災の焼失棟数を大幅に減らせるとされている、いま国と自治体がいちばん推している住宅防災設備です。
4タイプの違いを1枚で ― 選び方フローチャート
感震ブレーカーは大きく4タイプ。住まい(持ち家か賃貸か)と予算で選ぶのが近道です。

感知の仕組みもタイプで違う
分電盤タイプとコンセントタイプは電子式の感震センサーが揺れを判定して電気的に遮断します。いっぽう簡易タイプはおもり玉が落ちる・バネがはじける力でブレーカーのつまみを物理的に「切」へ倒すアナログな仕組み。電源も電池も不要で壊れにくい反面、つまみの形状に合う製品を選ぶ必要があります(商品ページに適合一覧があります)。
深堀り① ―「切れるまでの時間」がタイプで違う
感震ブレーカー最大の弱点は「夜の地震では照明まで消えて真っ暗になる」こと。実はこの弱点への答えが、分電盤タイプに用意されています。

分電盤タイプは揺れを感知すると警報を鳴らしながら約3分間は電気を維持し、明かりの下で火の元確認や避難準備をさせてから遮断します(機種により3分・1分・即時から設定可能)。簡易タイプ・コンセントタイプは即遮断なので、停電すると自動で点く保安灯とのセットが必須です。
深堀り② ― 性能は「マーク」で確認する
感震ブレーカーには、国の検討会がまとめた「感震ブレーカー等の性能評価ガイドライン」(平成27年)に基づく性能評価・推奨マークの仕組みがあります。分電盤・コンセントタイプは業界団体の性能評価マーク、簡易タイプは日本消防設備安全センターの「消防防災製品等推奨品」マークが目印。ネット通販では無評価の格安品も混ざっているので、マークの有無を確認してから買うのが確実です。
深堀り③ ― 設置と費用のリアル
- 簡易タイプ:自分で取付OK。ドライバー1本・10分程度。賃貸でも原状回復できる
- コンセントタイプ(タップ型):差すだけ。埋込型はコンセント交換工事(電気工事士の資格が必要)
- 分電盤タイプ(後付型):既存盤の横に増設。工事費込みでおおむね3〜5万円程度が目安
- 分電盤タイプ(内蔵型):分電盤ごと交換。本体+工事で10万円前後になることも。分電盤の寿命は15〜20年なので、古い盤なら交換ついでの導入が一番お得
在宅医療機器を使っているご家庭は、遮断で機器が止まるリスクがあるため導入前に主治医・機器メーカーへ相談を。冷蔵庫の食材が心配な方は、第3回の「開けない冷蔵庫術」もどうぞ。
深堀り④ ― 補助金は「市区町村名+感震ブレーカー」で検索
多くの自治体が購入・設置費用の一部(数千円〜数万円、なかには無償配布・無償取付)を補助しています。特に木造住宅密集地域は手厚い傾向。「お住まいの市区町村名+感震ブレーカー 補助金」で検索し、申請が設置の前か後か(前申請が条件の自治体が多い)を必ず確認してください。
今日から始めるなら ― 簡易タイプ+保安灯
リフォーム予定がない家でも、簡易タイプと保安灯の組み合わせなら合計1万円以下・工事不要で「揺れたら電気が切れて、明かりは残る」形を作れます。
※リンクはAmazon・楽天市場の検索結果へ飛びます。性能評価マーク・推奨品マークとブレーカーへの適合を確認して選んでください。
まとめ
- 感震ブレーカーは震度5強相当で自動遮断。通電火災対策の本命
- 選び方は持ち家→分電盤タイプ、賃貸→簡易・コンセントタイプが基本線
- 分電盤タイプは約3分の遅延遮断で夜も安心。即遮断タイプは保安灯とセット
- 購入時は性能評価マークと適合を確認。自治体の補助金は設置前にチェック
連載「地震と停電にそなえる家の電気」:第1回 通電火災と感震ブレーカー/第2回 明かりと電源ほか、続々公開中です。
参考資料:内閣府「感震ブレーカー等の性能評価ガイドライン」/日東工業「感震ブレーカーの特長」/大阪府「感震ブレーカーの設置促進について」





