変圧器二次側の定格電流の計算式と容量別早見表|電流計・電圧計の選定
受変電設備の盤に付く電圧計・電流計。「容量はいくつを選べばいいの?」と迷うことはないでしょうか。電流計は変圧器二次側に流れる定格電流を計算し、その値を超える機器を選定します。
本記事では、電流計の計算式と選定手順、電圧計の選定を、容量別の選定早見表つきで分かりやすく解説します。
計器は計算で求められる
※「キュービクル」とは、変圧器や遮断器、計器などの高圧受電設備一式を金属製の箱に収めたコンパクトな受変電設備のことです。工場やビルの屋外・屋上でよく見かける金属製の箱がこれにあたります。
電流計の選定方法は下記条件にて可能となります。
- トランスの二次側電圧
- トランスの容量
- トランスの仕様(単相・三相)
電流値の計算式は次になり計算結果によって選定を行います。
三相の場合:定格電流値[A] = トランス容量[kVA] ÷ 0.21 ÷ √3
単相の場合:定格電流値[A] = トランス容量[kVA] ÷ 0.21
※「0.21」は変圧器二次側電圧210Vをkv(キロボルト)換算した値です。二次側電圧が異なる場合は、その電圧をkVに換算した数値に置き換えて計算してください。
電圧計は次表により選定を行います。
対象回路の二次側電圧を確認してみましょう。
| 一次側電圧[v] | 2次側電圧[v] | 電圧計[v] |
| 6,600 | 210 | 300 |
| 6,600 | 210ー105 | 300 |
| 6,600 | 440 | 500 |

ペン太
ハリタクイックトピックス
210Vの場合
| 容量[kVA] | 定格電流[A] | 電流計[A] | 将来性を考慮した場合 |
| 20 | 55 | 75 | 100 |
| 30 | 83 | 100 | 200 |
| 50 | 138 | 200 | 300 |
| 75 | 206 | 300 | 400 |
| 100 | 275 | 400 | 500 |
| 150 | 412 | 500 | 750 |
| 200 | 550 | 600 | 900 |
| 300 | 825 | 1000 | 1500 |
| 容量[kVA] | 定格電流[A] | 電流計[A] | 将来性を考慮した場合 |
| 20 | 96 | 150 | 200 |
| 30 | 143 | 200 | 300 |
| 50 | 238 | 300 | 400 |
| 75 | 350 | 500 | 600 |
| 100 | 476 | 600 | 800 |
| 150 | 715 | 1000 | 1200 |
| 200 | 953 | 1200 | 1500 |
| 300 | 1430 | 2000 | 2000 |
この3つ、すぐ答えられますか
- 変圧器二次側の定格電流は、どんな式で求めるか
- 三相の式にだけ√3が入るのはなぜか
- 電圧計は二次側電圧に対してどう選ぶか
電流計の選定手順

トランスの2次側電流に必要な条件
トランス2次側電流の計算例
- 必要な条件はトランスの二次側電圧・容量・仕様(単相か三相か)の3つ
- 三相の計算例は 300kVA÷0.21÷√3≒825A
- 三相の式にだけ÷√3が入るのは、線間電圧と相電流の関係に√3の係数が生じるため
- 電流計は計算値ぴったりではなく、計算値を上回る直近の規格品を選ぶ
電流計の選定表
3相トランスの場合
単相トランスの場合
工場や福祉施設など改修や増築によるトランス容量の変更により計器の取り換えを行わないで済むよう設計時は建物用途や将来性を考慮して必要な場合1.2~1.5倍の電流値を想定して選定するようにしましょう。
※なお、大電流回路の実際の受変電盤では、電流計は変流器(CT)を介して二次側の小さな電流値を読み取り、それを一次側の実電流に換算して表示する方式が一般的です。CTの容量選定については別記事で解説予定です。

ペン太
ハリタ- 三相トランスの選定表は210Vで計算されている
- 容量ごとに定格電流と電流計の値が対応している
- 将来性を考慮した場合の値も併記されている
電圧計の選定方法
※電圧計は実際の二次側電圧(210Vなど)ぴったりの目盛りではなく、一回り大きい規格(300Vや500V)を選びます。これは電圧変動時にも針が振り切れないよう余裕を持たせるためです。電流計の選定と同じ「計算値・実測値より一段大きい規格品を選ぶ」という考え方です。
関連記事

| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| 計算値に一番近い製品を選ぶ | 計算値を上回る直近の規格品を選ぶ |
| 単相にも√3をかける | √3が必要なのは三相のみ |
| 電圧計は二次側電圧と同じ目盛りを選ぶ | 一回り大きい規格を選び、電圧変動に余裕を持たせる |
| 現状の容量だけで選べばよい | 将来の増設が見えているときは余裕を見込む |
- 電圧計はトランス二次側の電圧を確認すれば選定できる
- 一次6,600V・二次210V(または210-105V)なら電圧計300V
- 二次440Vなら電圧計500V
- 実際の電圧ぴったりではなく、一回り大きい規格を選び、電圧変動時にも針が振り切れないようにする
よくある質問(FAQ)
Q. 電流計の定格はどう決めますか?
A. 変圧器二次側の定格電流を計算し、その値を超える電流計を選定します。三相の場合、定格電流[A]=容量[kVA]÷二次側電圧[V]÷√3で求めます。
Q. 二次側電流の計算に必要な情報は?
A. ①トランスの二次側電圧②トランスの容量③トランスの仕様(単相・三相)の3つです。いずれもトランス仕様で確認できます。
Q. 計算例を教えてください。
A. 二次側210V・300kVA・三相の場合、300÷0.21÷√3≒825Aです。約825A流れるため、これを超える電流計(例:1000A)を選定します。
Q. 電圧計はどう選びますか?
A. 二次側電圧に応じて選びます。一次6,600V・二次210V(または210-105V)なら電圧計300V、二次440Vなら電圧計500Vが目安です。
ペン太
ハリタ
まとめ
二次側の計器は、定格電流を計算し、それを上回る規格品を選ぶのが基本です。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1|条件の確認 | トランスの二次側電圧・容量・仕様(単相か三相か)を確認する |
| 2|定格電流の計算 | 三相なら 容量[kVA]÷二次側電圧[kV]÷√3 |
| 3|電流計の選定 | 計算値を上回る直近の規格品を選ぶ |
| 4|電圧計の選定 | 二次側電圧に対して一回り大きい規格を選ぶ |
| 5|将来の見込み | 増設が見えているときは余裕を持たせて選ぶ |
電流計で押さえること
- 必要な条件は二次側電圧・容量・単相か三相か
- 三相の式は 容量÷二次側電圧÷√3
- 三相にだけ√3が入るのは、線間電圧と相電流の関係によるもの
- 75A・100A・150A…と規格化された目盛りから、計算値を上回るものを選ぶ
電圧計で押さえること
- 二次側の電圧を確認すれば選定できる
- 一次6,600V・二次210V(または210-105V)なら300V
- 二次440Vなら500V
- 電圧変動時にも針が振り切れないよう、一回り大きい規格を選ぶ
電流計も電圧計も「一段大きい規格を選ぶ」という考え方は共通です。
🔗 あわせて読みたい関連記事
- PASの設計|PASの仕様選定方法と定格電流の計算方法について詳しく解説
- 受変電設備の設計|6%・13%の意味って何?リアクトルの根拠と選定方法について詳しく解説
- 【設計まとめ】受変電設備の設計手順について詳しく解説【1】
関連する回:⑦ 計器用変成器と計器 / ⑨ 変圧器部 ― 容量・結線・台数
30秒アンケートこの記事は役に立ちましたか?
タップするだけで完了します。あなたの声でこのサイトは育ちます。
ご回答ありがとうございます!
よければ、あと3つだけ教えてください(任意・答えなくてもOK)
ありがとうございました。いただいた声は記事の改善に使わせていただきます。








