この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【038】金属線ぴ配線
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

金属線ぴ配線は、レースウェイと呼ばれる金属製の線ぴに電線を通す方法で、工場や倉庫の屋内配線などに使われます。使える条件が比較的厳しいのが特徴です。要点を3つに整理します。

金属線ぴ配線の3つのポイントの図解
結論
絶縁電線を使い、原則として線ぴ内に接続点を設けない。②使用電圧は300V以下で、屋内の外傷のおそれがない乾燥した場所限定。③電線本数(一種10本以下/二種20%以下)とD種接地に注意。
この記事でわかること
✔ 1. 使用電線と接続点
✔ 2. 使用電圧と施設場所
✔ 3. 線ぴの選定・本数・接地
ペン太ペン太
金属線ぴの中で電線をつないじゃダメって本当ですか?途中で分岐したいときは?
ハリタハリタ
原則禁止です。ただし二種金属線ぴなら、条件を満たせば線ぴ内に接続点を設けられます。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 線ぴ内に接続点を設けられるのは、どの線ぴでどんな条件のときですか。
  • 一種金属製線ぴに収められる電線は、何本以下ですか。
  • 支持点間の距離は、何m以下が望ましいとされていますか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、金属線ぴ配線のルールを4つの視点で整理します。

1. 使用電線と接続点

トピック1:使用電線と接続点
  • 絶縁電線を使用する
  • 原則として線ぴ内に電線の接続点を設けない
  • ただし二種金属製線ぴで、①電線を分岐する②接続点を容易に点検できる③貫通部で電線が損傷しないよう施設する、を満たせば接続点を設けられる
ペン太ペン太
金属線ぴって、屋外の通路にも使えますか?
ハリタハリタ
使えません。300V以下で、屋内の外傷を受けない乾燥した場所に限られます。
ここまでのポイント
  • 絶縁電線を使用する。
  • 原則として線ぴ内に電線の接続点を設けない。
  • 二種金属製線ぴで、①電線を分岐する②接続点を容易に点検できる③貫通部で電線が損傷しないよう施設する、を満たせば接続点を設けられる。

2. 使用電圧と施設場所

トピック2:使用電圧と施設場所
  • 使用電圧は300V以下
  • 施設できるのは屋内の外傷を受けるおそれがない乾燥した場所に限る
  • 具体的には①露出場所②点検できる隠ぺい場所のいずれか
たとえ話
線ぴは壁や天井に這わせる「電線のといレール」のようなもの。雨や衝撃にはさらせないので、乾いた・傷つかない屋内でだけ使う、と覚えると整理しやすいです。
見習いペン太
見習いペン太
屋外や湿った場所では使えないんですね。
はりた
はりた
そう。300V以下・乾燥・外傷なしが条件。条件を外れるなら金属管などを選ぶよ。
ここまでのポイント
  • 使用電圧は300V以下。
  • 施設できるのは、屋内の外傷を受けるおそれがない乾燥した場所に限る。
  • 具体的には、露出場所または点検できる隠ぺい場所のいずれか。

3. 線ぴの選定・本数・接地

トピック3:線ぴの選定・本数・接地
  • 線ぴ・附属品は電気用品安全法の適用品、または黄銅製・銅製(幅5cm以下・厚さ0.5mm以上)で内面なめらかなものとする
  • 一種金属製線ぴ:収める電線は10本以下
  • 二種金属製線ぴ:電線の断面積総和が内断面積の20%以下
  • 支持点間の距離は1.5m以下が望ましい、終端部は閉そくし、じんあいの侵入を防ぐ
  • 線ぴ・附属品にはD種接地工事を施す(接続箇所がなく省略条件に該当すれば省略可)
金属線ぴ配線に収められる電線の量と施設条件を示した図
一種金属製線ぴに収める電線は10本以下、二種金属製線ぴは電線の断面積の総和が線ぴ内断面積の20%以下。使用電圧300V以下で、屋内の外傷を受けるおそれがない乾燥した場所(露出場所または点検できる隠ぺい場所)に限り施設できる。支持点間の距離は1.5m以下が望ましく、D種接地工事を施す(線ぴ内に接続箇所がなく省略条件に該当する場合は省略可)。
線ぴの種類収容できる電線
一種金属製線ぴ収める電線は10本以下
二種金属製線ぴ電線の断面積の総和が内断面積の20%以下
ここまでのポイント
  • 線ぴ・附属品は電気用品安全法の適用品、または黄銅製・銅製(幅5cm以下・厚さ0.5mm以上)で内面なめらかなものとする。
  • 一種金属製線ぴは、収める電線が10本以下。
  • 二種金属製線ぴは、電線の断面積総和が内断面積の20%以下。
  • 支持点間の距離は1.5m以下が望ましく、終端部は閉そくしてじんあいの侵入を防ぐ。
  • 線ぴ・附属品にはD種接地工事を施す(接続箇所がなく省略条件に該当すれば省略可)。

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)
Q. 金属線ぴ配線の使用電圧の上限は?
A. 300V以下です。
Q. どんな場所に施設できる?
A. 屋内の外傷を受けるおそれがない乾燥した場所に限ります。露出場所または点検できる隠ぺい場所のいずれかです。
Q. 線ぴ内で電線を接続できる?
A. 原則できません。ただし二種金属製線ぴを使い、分岐・点検が容易・貫通部の損傷防止の条件を満たす場合は接続点を設けられます。
Q. 収められる電線の本数は?
A. 一種金属製線ぴは10本以下、二種金属製線ぴは電線の断面積総和が線ぴ内断面積の20%以下です。
Q. 接地は必要?
A. D種接地工事が必要です。線ぴ内に接続箇所がなく省略条件に該当する場合は省略できます。

まとめ|一種と二種で「入れられる量」が変わる

金属線ぴ配線は、使用電圧300V以下、外傷を受けない乾燥した屋内に限り、一種は10本以下・二種は20%以下で使うことが基本です。

確認する項目規程が示す内容
使用する電線絶縁電線
線ぴ内の接続点原則として設けない
接続点を設けられる条件二種金属製線ぴで、電線を分岐し、接続点を容易に点検でき、貫通部で電線が損傷しないよう施設する場合
使用電圧300V以下
施設できる場所屋内の外傷を受けるおそれがない乾燥した場所(露出場所、点検できる隠ぺい場所)
線ぴ・附属品電気用品安全法の適用品、または黄銅製・銅製(幅5cm以下・厚さ0.5mm以上)で内面なめらかなもの
一種金属製線ぴの収容電線10本以下
二種金属製線ぴの収容電線の断面積の総和が内断面積の20%以下
支持点間の距離1.5m以下が望ましい
終端部閉そくし、じんあいの侵入を防ぐ
接地工事線ぴ・附属品にD種接地工事(接続箇所がなく省略条件に該当すれば省略可)

電線と接続で押さえること

  • 絶縁電線であること。
  • 接続点を設ける場合の3つの条件と、二種であること。

場所で押さえること

  • 外傷を受けるおそれがないか。
  • 乾燥した場所か。
  • 露出場所か点検できる隠ぺい場所か。

線ぴの選定で押さえること

  • 安全法の適用品か、黄銅製・銅製の寸法条件を満たすか。
  • 一種か二種かによる収容の基準。
  • 支持点間の距離、終端部の閉そく、接地工事。

金属線ぴは一種と二種で扱いがはっきり分かれます。本数で管理する一種と、断面積で管理する二種という違いを押さえておけば、現場で「あと何本入るか」の判断に迷いません。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
線ぴの選定では、次に何を数えればいいですか?
ハリタハリタ
電線の本数です。一種は10本以下、二種は内断面積の20%以下。D種接地工事も忘れずに施しましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。