この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【039】合成樹脂線ぴ配線
📚 内線規程の解説シリーズ(全119条文+テーマ解説)|条文・テーマから探せる 総合インデックスはこちら →

出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

合成樹脂線ぴ配線は、合成樹脂製のレースウェイに電線を通す方法で、絶縁性・施工性に優れた屋内配線です。金属線ぴと似ていますが、埋め込み不可など独自のルールがあります。要点を3つに整理します。

合成樹脂線ぴ配線の3つのポイントの図解
結論
絶縁電線を使い、原則として線ぴ内に接続点を設けない。②使用電圧は300V以下で、屋内の乾燥した露出・点検可能な隠ぺい場所限定(床仕上面・埋込みは不可)。③溝の幅・深さは3.5cm以下
この記事でわかること
✔ 1. 使用電線と接続点
✔ 2. 使用電圧と施設場所
✔ 3. 線ぴの寸法・取付
ペン太ペン太
合成樹脂線ぴって、金属線ぴと同じ感覚で床に埋め込んでもいいんですよね?
ハリタハリタ
埋込みは不可です。床仕上面や土壁・コンクリートへの埋込みはできません。ここが金属線ぴとの違いです。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 線ぴ内に接続点を設けられるのは、どんな場合ですか。
  • 施設できるのは、どんな場所に限られますか。
  • 溝の幅・深さは何cm以下ですか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、合成樹脂線ぴ配線のルールを4つの視点で整理します。

1. 使用電線と接続点

トピック1:使用電線と接続点
  • 絶縁電線を使用する
  • 原則として線ぴ内に電線の接続点を設けない
  • 適合する合成樹脂製ジョイントボックスを使う場合は接続点を設けられる
  • 線ぴ相互・線ぴとボックスは電線が露出しないよう接続する
ペン太ペン太
湿気の多い洗面所の壁でも、樹脂だから施設できますよね?
ハリタハリタ
300V以下で、屋内の乾燥した露出場所か点検できる隠ぺい場所に限られます。乾燥が条件です。
ここまでのポイント
  • 絶縁電線を使用する。
  • 原則として線ぴ内に電線の接続点を設けない。
  • 適合する合成樹脂製ジョイントボックスを使う場合は、接続点を設けられる。
  • 線ぴ相互・線ぴとボックスは、電線が露出しないよう接続する。

2. 使用電圧と施設場所

トピック2:使用電圧と施設場所
  • 使用電圧は300V以下
  • 施設できるのは屋内の乾燥した①露出場所②点検できる隠ぺい場所に限る
  • 床仕上面に施設してはいけない
  • 土壁・コンクリートなどへの埋込みは不可(ベースだけの埋込みや間仕切板の貫通は可)
たとえ話
合成樹脂線ぴは壁に這わせる「軽いといレール」。プラスチック製なので、踏まれる床や塗り込められる壁の中には向きません。だから見える・乾いた場所で表に這わせて使う、と覚えると整理しやすいです。
見習いペン太
見習いペン太
金属線ぴと違って、埋め込みも床もダメなんですね。
はりた
はりた
そう。露出か点検できる隠ぺいまで。ベースだけ埋めるとか間仕切りを通すのはOKだよ。
施設の可否場所
施設できる屋内の乾燥した露出場所
施設できる屋内の乾燥した点検できる隠ぺい場所
施設できない床仕上面
施設できない土壁・コンクリートなどへの埋込み(ベースだけの埋込みや間仕切板の貫通は可)
ここまでのポイント
  • 使用電圧は300V以下。
  • 施設できるのは屋内の乾燥した露出場所、または点検できる隠ぺい場所に限る。
  • 床仕上面に施設してはいけない。
  • 土壁・コンクリートなどへの埋込みは不可(ベースだけの埋込みや間仕切板の貫通は可)。

3. 線ぴの寸法・取付

トピック3:線ぴの寸法・取付
  • JIS C 8425に適合し、内面はなめらか、ベースとキャップが完全にかん合するものを使う
  • 溝の幅・深さは3.5cm以下(簡易接触防護措置を施す場合は幅5cm以下も可)
  • 線ぴ・附属品は相互にすき間なく接続し、端口はなめらかにする
  • ベースの取付けは0.4〜0.5m間隔でねじ止め・のり付け等により堅ろうに行う
取り違えやすいところ正しくは
樹脂製だから湿気の多い場所でも使える屋内の乾燥した露出場所、または点検できる隠ぺい場所に限る
線ぴ内で自由に接続できる原則として接続点を設けない。適合する合成樹脂製ジョイントボックスを使う場合は可
床の上を通してもよい床仕上面に施設してはいけない
壁に埋め込んで隠せる土壁・コンクリートなどへの埋込みは不可(ベースだけの埋込みや間仕切板の貫通は可)
溝の寸法は自由溝の幅・深さは3.5cm以下(簡易接触防護措置を施す場合は幅5cm以下も可)
ベースは要所だけ留めればよい0.4〜0.5m間隔でねじ止め・のり付け等により堅ろうに取り付ける
ここまでのポイント
  • JIS C 8425に適合し、内面はなめらか、ベースとキャップが完全にかん合するものを使う。
  • 溝の幅・深さは3.5cm以下(簡易接触防護措置を施す場合は幅5cm以下も可)。
  • 線ぴ・附属品は相互にすき間なく接続し、端口はなめらかにする。
  • ベースの取付けは0.4〜0.5m間隔でねじ止め・のり付け等により堅ろうに行う。

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)
Q. 合成樹脂線ぴ配線の使用電圧の上限は?
A. 300V以下です。
Q. どんな場所に施設できる?
A. 屋内の乾燥した露出場所、または点検できる隠ぺい場所に限ります。床仕上面への施設や、土壁・コンクリートへの埋込みはできません。
Q. 線ぴ内で電線を接続できる?
A. 原則できません。ただし基準に適合する合成樹脂製ジョイントボックスを使用する場合は接続点を設けられます。
Q. 線ぴの寸法の制限は?
A. 溝の幅・深さが3.5cm以下です。簡易接触防護措置を施す場合は幅5cm以下のものを使えます。
Q. ベースの取付間隔は?
A. 0.4〜0.5m間隔で、ねじ止めやのり付けなどにより堅ろうに取り付けます。

まとめ|乾燥した屋内で、露出のまま使う配線

合成樹脂線ぴ配線は、使用電圧300V以下、屋内の乾燥した露出場所か点検できる隠ぺい場所に限り、埋め込まずに使うことが基本です。

確認する項目規程が示す内容
使用する電線絶縁電線
線ぴ内の接続点原則として設けない
接続点を設けられる場合適合する合成樹脂製ジョイントボックスを使う場合
線ぴ相互・線ぴとボックス電線が露出しないよう接続
使用電圧300V以下
施設できる場所屋内の乾燥した露出場所、点検できる隠ぺい場所
施設できない場所床仕上面
埋込み土壁・コンクリートなどへの埋込みは不可(ベースだけの埋込みや間仕切板の貫通は可)
線ぴの規格JIS C 8425に適合し、内面はなめらか、ベースとキャップが完全にかん合するもの
溝の幅・深さ3.5cm以下(簡易接触防護措置を施す場合は幅5cm以下も可)
線ぴ・附属品の接続相互にすき間なく接続し、端口はなめらかに
ベースの取付け0.4〜0.5m間隔でねじ止め・のり付け等により堅ろうに

電線と接続で押さえること

  • 絶縁電線であること。
  • 接続点を設けられる条件。
  • 電線が露出しない接続。

場所で押さえること

  • 屋内の乾燥した場所か。
  • 床仕上面に施設していないか。
  • 埋込みの可否と、ベースだけの埋込み・貫通の扱い。

線ぴと取付けで押さえること

  • JIS C 8425への適合とかん合。
  • 溝の幅・深さと、幅5cm以下にできる条件。
  • ベースの取付け間隔と固定方法。

合成樹脂線ぴは、既存の壁を壊さずに配線を増やせる手軽さが利点です。ただし「乾燥した屋内」「床には置かない」「埋め込まない」という前提は外せません。改修工事で使う機会が多いぶん、上の表の場所の欄を最初に確認しておくと判断が早くなります。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
取付の寸法は、次にどこを確認しますか?
ハリタハリタ
溝の幅・深さは3.5cm以下、ベースの取付間隔は0.4〜0.5mです。接続点は適合するジョイントボックス内だけです。

📎 関連するおすすめアイテム

内線規程の実務では、規程集や技術資料を手元に置いておくと確認がぐっと早くなります。

30秒アンケートこの記事は役に立ちましたか?

タップするだけで完了します。あなたの声でこのサイトは育ちます。

次に読むならこれ【そうだったのか小ネタ④】絶縁抵抗0.1MΩはどこから来たのか ― 1mAという「感じ始める境界」から逆算された数字電気設計の解説
ABOUT ME
HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。