この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

系統連系型小出力太陽光発電設備は、太陽電池モジュールで発電した電力をパワーコンディショナを介して電力会社の配電線に接続し、自家消費と余剰電力の売電を行う設備です。本記事では内線規程にもとづく配線・支持物・接地などの要点を、図解とFAQで整理します。

系統連系型小出力太陽光発電設備の3つのポイント(配線と短絡保護、支持物の構造強度、接地とパワーコンディショナ)を整理した図解

結論

この記事でわかること
✔ 対地電圧と配線方法
✔ 交流回路と発電停止時の対策
✔ 支持物・開閉器・接地
ペン太ペン太
太陽光の直流回路って普通の屋内配線と同じ考え方でいいんでしょうか?
ハリタハリタ
直流回路は過電流遮断器で短絡保護し、配線は通常ケーブルを使用します。

対地電圧と配線方法

  • モジュールに接続する電路の対地電圧は1300-1(電路の対地電圧の制限)に従う
  • 逆潮流が発生する区間の電圧降下は1310-1(電圧降下)を遵守(計算方法は資料3-3)
  • 配線は通常ケーブルとし、乾燥した環境に限り3501-1表の方式も採用可
  • 直流回路は過電流遮断器で短絡保護(短絡電流が非常に小さい場合を除く)
  • モジュール間はねじ止め・圧着、またはそれと同等以上の方式で確実に接続

交流回路と発電停止時の対策

  • 交流回路は専用回路とし、過電流遮断器で保護、回路を明確に表示
  • パワーコンディショナから配線盤までの電線は外傷・熱害から保護
  • 三線式配線では3本すべてに過電流引き外し素子を有する遮断器が必要(ZCBOは資料3-6)
  • 漏電遮断器を設ける場合は微弱電流による感電防止対策を行う(逆流防止装置は資料3-5)
ペン太ペン太
支持物が4mを超えると建築基準法まで関わるんですか!
ハリタハリタ
そうです。境界は「4mを超える場合」です。支持物はJIS C 8955適合も必要ですよ。

支持物・開閉器・接地

  • 支持物はJIS C 8955(2004)に基づき十分な構造強度をもつ
  • 高さが4mを超える場合は建築基準法の工作物の構造規定にも適合
  • アレイ出力開閉器は負荷側電路の接続点近くに設け、JWDS 0029(2013)に適合した製品を選ぶ
  • 開閉器は保守しやすい場所に設置し、外箱は防水・防露対策を施す
  • 機器の鉄台・外箱・架台は1350-2表に基づき接地工事を行う
  • パワーコンディショナは点検可能な場所に設置する
  • 系統連系の協議ではJEAC 9701(2016)系統連系規程を参照する

たとえ話でイメージ

太陽光発電は「自宅で作った電気を、近所と共有する井戸」のようなものです。きれいな水(電気)を安全に流すために、配管(配線)の保護、丈夫な台(支持物)、そして万一に備えた弁(遮断器)と接地をきちんと整えておく必要があります。

見習いペン太
見習いペン太
「系統連系型小出力太陽光発電設備」って何ですか?名前が長すぎて…。
はりた
はりた
太陽光で発電した電気を家や工場で使いながら、余った分を電力会社の配電線に送る設備のことだよ。
見習いペン太
見習いペン太
配線や設置で気をつけることは?
はりた
はりた
直流回路は過電流遮断器で短絡保護、支持物はJIS C 8955に適合させる。高さ4m超は建築基準法も関わるし、鉄台や架台は1350-2表で接地するんだ。
系統連系型小出力太陽光発電設備の直流回路・交流回路・支持物を示した図
太陽電池モジュールからパワーコンディショナまでの直流回路は過電流遮断器で短絡保護し(短絡電流が非常に小さい場合を除く)、配線は通常ケーブル、モジュール間はねじ止め・圧着などで確実に接続する。パワコンから配線盤・系統までの交流回路は専用回路とし、過電流遮断器で保護して回路を明確に表示、三線式では3本すべてに過電流引き外し素子を有する遮断器が必要。対地電圧は1300-1、逆潮流が発生する区間の電圧降下は1310-1に従う。支持物はJIS C 8955(2004)に適合し、高さ4mを超える場合は建築基準法にも適合させる。

よくある質問(FAQ)

Q. 対地電圧や電圧降下はどの規定に従いますか?
A. 対地電圧は1300-1(電路の対地電圧の制限)に、逆潮流時の電圧降下は1310-1(電圧降下)に従います。計算方法は資料3-3を参照します。
Q. 直流回路の保護はどうしますか?
A. 電線を短絡電流から保護するため過電流遮断器などを設置します。モジュールの短絡電流が非常に小さい場合はこの限りではありません。
Q. 支持物に求められる基準は?
A. JIS C 8955(2004)に基づき十分な構造強度をもたせます。高さが4mを超える場合は建築基準法の工作物の構造規定にも適合させます。
Q. 接地工事はどの範囲に必要ですか?
A. 機器の鉄台・外箱・架台に、電気設備技術基準1350-2表に基づく接地工事を行います。
Q. 系統連系の協議で参照する資料は?
A. 日本電気協会のJEAC 9701(2016)系統連系規程を参照します。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
接地はどう決めればいいですか?
ハリタハリタ
鉄台・外箱・架台は1350-2表に基づいて接地工事を。一つずつ確認すれば大丈夫です。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。