この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
ライティングダクト配線の要点を整理。種類定格は3150-1表で選定、屋内の乾燥した露出・点検できる隠ぺい場所限定、造営材貫通禁止で支持点間2m以下開口部は下向き、漏電遮断器30mA以下とD種接地などを図解とFAQで解説します。
技術図書館ライティングダクト|乾燥した屋内で、下向き・2m以下施設できるのは屋内の乾燥した露出・点検できる隠ぼい。造営材は貫通させず、支持点間2m以下、開口部は下向き。全6枚のスライドで整理この資料をスライドで見る資料一覧を見る
全体像:内線規程【043】ライティングダクト配線
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

ライティングダクト配線は、ダクトに沿って照明器具やコンセントを自由に配置できる方法で、店舗やオフィスで広く使われます。落下・感電を防ぐための施設・接地ルールが要点です。3つに整理します。

ライティングダクト配線の3つのポイントの図解
結論
①種類・定格は3150-1表で選び、定格100V以上は電気用品安全法適合品。屋内の乾燥した露出・点検できる隠ぺい場所限定。②造営材を貫通させない、支持点間2m以下、開口部は下向き。③電路に漏電遮断器を施し、金属製部分にD種接地。
この記事でわかること
✔ 1. 選定と施設場所
✔ 2. 施設方法
✔ 3. 漏電遮断器と接地
ペン太ペン太
ライティングダクトって照明を自由に動かせて便利ですよね。壁を貫通させて隣室でも使えますか?
ハリタハリタ
造営材の貫通は禁止です。屋内の乾燥した露出場所か点検できる隠ぺい場所に施設します。

この3つ、すぐ答えられますか

  • ライティングダクトを施設できる場所は、どこに限られますか。
  • 支持点間の距離は、何m以下ですか。
  • 開口部を横向きにできるのは、どんな場合ですか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、ライティングダクト配線のルールを4つの視点で整理します。

1. 選定と施設場所

トピック1:選定と施設場所
  • 種類・定格は3150-1表により選定する
  • 定格電圧100V以上のダクト・附属品は電気用品安全法に適合するものを使う(固定Ⅱ形はJIS C 8366適合品)
  • 附属品はそのダクトに適合するものを使う
  • 施設できるのは屋内の乾燥した①露出場所②点検できる隠ぺい場所に限る
ペン太ペン太
開口部って必ず下向きじゃないとダメなんですよね?
ハリタハリタ
原則は下向きですが、じんあい侵入を防ぐ措置や固定Ⅱ形なら横向きも認められます。支持点間は2m以下です。
ここまでのポイント
  • 種類・定格は3150-1表により選定する。
  • 定格電圧100V以上のダクト・附属品は電気用品安全法に適合するものを使う(固定Ⅱ形はJIS C 8366適合品)。
  • 附属品は、そのダクトに適合するものを使う。
  • 施設できるのは屋内の乾燥した露出場所、または点検できる隠ぺい場所に限る。

2. 施設方法

トピック2:施設方法
  • 造営材(壁・床・天井)を貫通させてはいけない
  • 造営材への取付けは1本ごと2箇所以上、支持点間の距離は2m以下
  • 開口部は下向きに施設する(簡易接触防護措置+じんあい侵入防止、または固定Ⅱ形なら横向きも可)
  • 終端部はエンドキャップを取り付けて閉そくする
  • ダクト相互・導体相互は電気的・機械的に完全に接続する
たとえ話
ライティングダクトは天井のレールにスポットライトを後から好きな位置に差し込めるのが魅力。ただし下向きに口が開いているので、落下やほこりの侵入を防ぐルールがそろっているわけです。
見習いペン太
見習いペン太
開口部を上に向けちゃダメなんですね。
はりた
はりた
そう、原則は下向き。横向きにするなら簡易接触防護措置か固定Ⅱ形が条件だよ。
開口部の向き条件
下向き原則
横向き簡易接触防護措置を施し、じんあいの侵入を防ぐ場合
横向き固定Ⅱ形を使用する場合
ここまでのポイント
  • 造営材(壁・床・天井)を貫通させてはいけない。
  • 造営材への取付けは1本ごと2箇所以上、支持点間の距離は2m以下。
  • 開口部は下向きに施設する(簡易接触防護措置+じんあい侵入防止、または固定Ⅱ形なら横向きも可)。
  • 終端部はエンドキャップを取り付けて閉そくする。
  • ダクト相互・導体相互は電気的・機械的に完全に接続する。

3. 漏電遮断器と接地

トピック3:漏電遮断器と接地
  • 導体に電気を供給する電路には漏電遮断器(定格感度電流30mA以下・動作時間0.1秒以内)を施設する(簡易接触防護措置を施す場合は不要)
  • 金属製部分(導体を除く)にはD種接地工事を施す
  • 対地電圧150V以下かつ長さ4m以下の場合、または絶縁物で金属製部分を被覆したダクトを使う場合は接地工事を省略できる
取り違えやすいところ正しくは
湿気のある場所でも露出なら使える施設できるのは屋内の乾燥した露出場所、または点検できる隠ぺい場所に限る
壁を貫通して隣室へ延ばせる造営材(壁・床・天井)を貫通させてはいけない
長いダクトでも両端で支持すれば足りる1本ごとに2箇所以上で支持し、支持点間の距離は2m以下
開口部の向きは自由に決めてよい原則は下向き。簡易接触防護措置+じんあい侵入防止、または固定Ⅱ形なら横向きも可
終端はそのままでよいエンドキャップを取り付けて閉そくする
漏電遮断器はどの場合も必要簡易接触防護措置を施す場合は不要
金属製部分は必ず接地する対地電圧150V以下かつ長さ4m以下の場合、または絶縁物で金属製部分を被覆したダクトを使う場合は省略できる
ここまでのポイント
  • 導体に電気を供給する電路には漏電遮断器(定格感度電流30mA以下・動作時間0.1秒以内)を施設する(簡易接触防護措置を施す場合は不要)。
  • 金属製部分(導体を除く)にはD種接地工事を施す。
  • 対地電圧150V以下かつ長さ4m以下の場合、または絶縁物で金属製部分を被覆したダクトを使う場合は、接地工事を省略できる。

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)
Q. ライティングダクトはどこに施設できる?
A. 屋内の乾燥した露出場所、または点検できる隠ぺい場所に限ります。造営材(壁・床・天井)を貫通させることはできません。
Q. 支持の間隔は?
A. 1本ごとに2箇所以上で支持し、支持点間の距離は2m以下とします。
Q. 開口部の向きは?
A. 原則として下向きです。簡易接触防護措置を施しじんあいの侵入を防ぐ場合、または固定Ⅱ形を使用する場合は横向きにできます。
Q. 漏電遮断器は必要?
A. 電路に定格感度電流30mA以下・動作時間0.1秒以内の漏電遮断器を施設します。ただしダクトに簡易接触防護措置を施す場合は不要です。
Q. 接地は必要?
A. 金属製部分にD種接地工事が必要です。対地電圧150V以下かつ長さ4m以下の場合や、絶縁物で被覆したダクトを使う場合は省略できます。

まとめ|乾燥した屋内で、下向き・2m以下が基本

ライティングダクト配線は、屋内の乾燥した場所に限り、造営材を貫通させず、支持点間2m以下で開口部を下向きに施設することが基本です。

確認する項目規程が示す内容
種類・定格の選定3150-1表による
ダクト・附属品定格電圧100V以上のものは電気用品安全法に適合(固定Ⅱ形はJIS C 8366適合品)
附属品の組合せそのダクトに適合するもの
施設できる場所屋内の乾燥した露出場所、点検できる隠ぺい場所
造営材の貫通させてはいけない
造営材への取付け1本ごと2箇所以上
支持点間の距離2m以下
開口部の向き下向き(簡易接触防護措置+じんあい侵入防止、または固定Ⅱ形なら横向きも可)
終端部エンドキャップを取り付けて閉そく
ダクト相互・導体相互電気的・機械的に完全に接続
漏電遮断器定格感度電流30mA以下・動作時間0.1秒以内(簡易接触防護措置を施す場合は不要)
接地工事金属製部分(導体を除く)にD種接地工事
接地を省略できる場合対地電圧150V以下かつ長さ4m以下、または絶縁物で金属製部分を被覆したダクトを使う場合

選定で押さえること

  • 3150-1表による種類と定格。
  • 電気用品安全法への適合と固定Ⅱ形の規格。
  • ダクトと附属品の組合せ。

施工で押さえること

  • 乾燥した場所か、点検できるか。
  • 造営材を貫通していないか。
  • 支持箇所の数と支持点間2m以下、開口部の向き、エンドキャップ。

保護と接地で押さえること

  • 漏電遮断器の仕様と、不要にできる条件。
  • D種接地工事の対象。
  • 接地を省略できる2つの条件。

ライティングダクトは器具の位置を後から動かせるのが利点ですが、そのぶん人の手が届く高さに露出することが多くなります。開口部の向きと漏電遮断器・接地の条件は、器具の追加や入れ替えのたびに効いてくる項目です。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
安全対策としては、次に何を入れればいいですか?
ハリタハリタ
定格感度電流30mA以下の漏電遮断器とD種接地です。対地電圧150V以下で長さ4m以下なら接地は省略できます。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。