技術図書館出発点は、庫内に電気設備を入れないこと例外は白熱電灯と蛍光灯だけ。対地電圧150V以下・全閉形の機器・厚鋼電線管で囲い込むこの資料をスライドで見る資料一覧を見る
この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
火薬庫の電気設備を内線規程に基づき解説。原則として庫内には施設せず、白熱電灯・蛍光灯等を例外とする条件、対地電圧150V以下・全閉形機器・厚鋼電線管やケーブルによる配線、接続部の緩み止めと灯具の堅固な取付けのポイントを図解で整理します。
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全体像:内線規程【080】火薬庫などの危険場所
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

火薬庫は爆発の危険性が高いため、電気設備の設置には特に厳格な基準が設けられています。原則として庫内には電気設備を施設せず、やむを得ない場合も一定の条件を満たす必要があります。本記事では要点を図解で整理します。

火薬庫の電気設備の3つのポイント(施設の原則・施設条件・接続と固定)を示した図解

結論

火薬庫では、①原則として庫内に電気設備を施設せず白熱電灯・蛍光灯等(開閉器過電流遮断器を除く)を条件付きで例外とし、②対地電圧は150V以下・機器は全閉形・配線は金属管(厚鋼電線管)またはケーブルとし、③接続部は緩み止めを施し灯具を堅ろうに取り付けます。

この記事でわかること
✔ 施設の原則と例外
✔ 施設の条件(電圧・機器・配線)
✔ 接続と器具の取付け
ペン太ペン太
火薬庫の中って、照明すら付けられないんじゃないですか?
ハリタハリタ
原則禁止ですが、白熱電灯や蛍光灯に限り条件付きで施設できます。その条件が今回の要点です。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 火薬庫内に例外として施設できるのは、どんな設備か
  • 開閉器および過電流遮断器は、庫内と庫外のどちらに設けるか
  • 電路の対地電圧は、いくつ以下とするか
この記事でわかること
例外の範囲は、1つ目の項にまとめています。

施設の原則と例外

トピック1:施設の原則と例外
  • 火薬庫内には、原則として電気設備を施設しないようにします。
  • ただし、白熱電灯または蛍光灯、及びそれらに電気を供給するための電気設備(開閉器と過電流遮断器を除く)は、条件を満たせば例外として施設できます。
  • 開閉器及び過電流遮断器は火薬庫内に施設できないため、庫外に設けます。
ペン太ペン太
電圧は普通に200Vくらい使えるんでしょうか?
ハリタハリタ
対地電圧150V以下が条件です。機器は全閉形、配線は厚鋼電線管かケーブルに限られます。
設備火薬庫内への施設
電気設備全般原則として施設しない
白熱電灯・蛍光灯とその供給設備条件を満たせば例外として施設できる
開閉器・過電流遮断器庫内には施設できない。庫外に設ける
ここまでのポイント
  • 火薬庫内には、原則として電気設備を施設しない
  • ただし、白熱電灯または蛍光灯、およびそれらに電気を供給するための電気設備(開閉器と過電流遮断器を除く)は、条件を満たせば例外として施設できる
  • 開閉器および過電流遮断器は火薬庫内に施設できないため、庫外に設ける

施設の条件(電圧・機器・配線)

トピック2:施設の条件
  • 電路の対地電圧は150V以下とします。
  • 電気機械器具は全閉形のものを使用します(普通防じん構造のものが望ましい)。
  • 屋内配線は金属管配線またはケーブル配線で施設します。金属管配線では厚鋼電線管(または同等以上の強度のもの)を使用し、ケーブル配線では鋼帯などのがい装を有するケーブルまたはMIケーブルを除き、管その他の防護装置に収めて施設します。
ここまでのポイント
  • 電路の対地電圧は150V以下とする
  • 電気機械器具は全閉形のものを使用する(普通防じん構造のものが望ましい)
  • 屋内配線は金属管配線またはケーブル配線で施設する
  • 金属管配線では厚鋼電線管(または同等以上の強度のもの)を使用する
  • ケーブル配線では、鋼帯などのがい装を有するケーブルまたはMIケーブルを除き、管その他の防護装置に収めて施設する

接続と器具の取付け

トピック3:接続と器具の取付け
  • ケーブルを電気機械器具に引き込むときは、引込み部分でケーブルが損傷するおそれがないように施設します。
  • 電線と電気機械器具は、振動により緩まないよう接続部分に止めナットやばね座金などを使用して緩み止めを施し、電気的に完全に接続します。
  • 白熱電灯及び蛍光灯用電灯器具は、外部から機械的損傷を受けるおそれがない箇所の造営材に直接、または吊り下げ管などを使用して堅ろうに取り付けます。

たとえ話で理解しよう

火薬庫は、火の気を一切持ち込めない倉庫のようなもの。だから電気はできるだけ庫内に入れず、入れる場合も電圧を抑え、全閉形の機器でしっかり囲い込むのが鉄則なのです。

見習いペン太
見習いペン太
先生、火薬庫の中に照明をつけてもいいんですか?
はりた
はりた
原則は庫内に電気設備を施設しないんだ。ただし白熱電灯や蛍光灯なら、開閉器や過電流遮断器を庫外にするなど条件を満たせば例外として認められるよ。
見習いペン太
見習いペン太
どんな条件がありますか?
はりた
はりた
対地電圧は150V以下、機器は全閉形、配線は厚鋼電線管かケーブル。接続部は緩み止めをして、灯具は堅ろうに取り付けるんだよ。
取り違えやすいところ正しくは
一般の屋内と同じ電圧が使える電路の対地電圧は150V以下とする
機器は普通のものでよい全閉形のものを使用する(普通防じん構造が望ましい)
金属管ならどの種類でもよい厚鋼電線管、または同等以上の強度のものを使用する
ケーブルはそのまま敷設してよいがい装ケーブルやMIケーブルを除き、管その他の防護装置に収める
開閉器も庫内にまとめたほうが便利庫内には施設できない。庫外に設ける
ここまでのポイント
  • ケーブルを電気機械器具に引き込むときは、引込み部分でケーブルが損傷するおそれがないように施設する
  • 電線と電気機械器具は、振動により緩まないよう接続部分に止めナットやばね座金などを使用して緩み止めを施し、電気的に完全に接続する
  • 白熱電灯および蛍光灯用電灯器具は、外部から機械的損傷を受けるおそれがない箇所の造営材に直接、または吊り下げ管などを使用して堅ろうに取り付ける

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問
Q. 火薬庫内に電気設備を施設してもよいですか?
A. 原則として火薬庫内には電気設備を施設しません。ただし、白熱電灯または蛍光灯、及びそれらに電気を供給するための電気設備(開閉器と過電流遮断器を除く)は、条件を満たせば例外として施設できます。
Q. 火薬庫内に施設する場合の電圧や機器の条件は?
A. 電路の対地電圧は150V以下とし、電気機械器具は全閉形のもの(普通防じん構造のものが望ましい)を使用します。屋内配線は金属管配線(厚鋼電線管)またはケーブル配線で施設します。
Q. 配線の接続や照明器具の取付けはどうすればよいですか?
A. ケーブルを機器に引き込む際は引込み部分で損傷しないように施設し、電線と機器の接続部は止めナットやばね座金で緩み止めを施して電気的に完全に接続します。白熱電灯・蛍光灯用器具は機械的損傷を受けない箇所の造営材に直接または吊り下げ管などで堅ろうに取り付けます。

まとめ|入れない、抑える、囲い込む

火薬庫は「原則として電気設備を庫内に入れない」ことが出発点です。やむを得ず照明を設ける場合も、対地電圧150V以下、全閉形の機器、厚鋼電線管という条件で囲い込みます。

確認する順番見るところ基準
Step1施設の要否庫内に電気設備を入れずに済まないか
Step2対象設備白熱電灯・蛍光灯とその供給設備に限られるか
Step3開閉器・過電流遮断器庫外に設けているか
Step4電圧と機器対地電圧150V以下、全閉形の機器
Step5配線と取付け厚鋼電線管またはケーブル、緩み止め、堅ろうな取付け

照明の位置を決める前に、開閉器類を庫外のどこに置くかを先に押さえておくと、配線ルートが自然に決まります。振動による緩みも事故につながるため、接続部の仕様は施工要領に明記しておくと確実です。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
開閉器や過電流遮断器はどこに置けばいいですか?
ハリタハリタ
庫外に設置が原則です。例外条件を整理してから設計に入れば大丈夫ですよ。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。