この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
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出典:電気設備の技術基準の解釈 第195条第2項

冬期や低温下のコンクリート打設では、温度管理が強度や耐久性を大きく左右します。そこで使われるのがコンクリート養生線です。通電による発熱でコンクリート内部の温度を保ち、養生品質を確保します。施設の決まりは解釈第195条第2項にあります。本記事では、電気設備の技術基準の解釈にもとづいて整理します。

電路の対地電圧は、300V以下 第一号。
規格に適合する、発熱線 第二号。
埋め込まないなら、5cm以上 第三号。
過電流遮断器は、必ず 第四号ロ。
ペン太ペン太
冬のコンクリート打設で使う養生線って、どんな決まりがあるんですか?
ハリタハリタ
電路の対地電圧は300V以下で、規格に適合する発熱線を使います。温度管理が強度を左右しますからね。

この記事で押さえる3つのこと

  • 電路の対地電圧は300V以下。
  • 埋め込まないなら発熱線相互は5cm以上。
  • 開閉器は条件で省略可、過電流遮断器は必ず。
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省略の可否は、2つ目の項にまとめています。

1. 対地電圧と発熱線

電路の対地電圧は、300V以下 第一号。
発熱線は、規格の要件に適合 第二号。
第1項に準じる、方法もある 第2項本文。
条文番号の、書き方に注意 解釈の表記。
  • コンクリートの養生期間に保温のために施設する発熱線は、解釈第195条第2項によります。道路などの発熱線を定めた第1項に準じて施設する方法もあります
  • 発熱線に電気を送る電路の対地電圧は300V以下です(第2項第一号)
  • 発熱線は、日本電気技術規格委員会が承認した規格「電線及び電気温床線の安全に関する要求事項」の要件に適合するものです(第二号)
埋め込まないなら、相互5cm以上 第三号。
損傷を受けない、ように 第三号。
埋め込むなら、間隔の定めなし 第三号の除外。
線を、重ねない 過熱を防ぐ。
  • コンクリートの中に埋め込む場合を除き、発熱線相互の間隔を5cm以上とし、発熱線が損傷を受けるおそれがないように施設します(第三号)
ペン太ペン太
開閉器も過電流遮断器も条件次第で省略できるんですよね?
ハリタハリタ
省略できるのは開閉器だけです。過電流遮断器は必ず設置します。混同しやすいので注意です。
確認する項目 解釈の決まり
電路の対地電圧 300V以下
発熱線 規格の要件に適合
埋め込まない場合 相互5cm以上
埋め込む場合 間隔の定めなし
別の方法 第1項に準じる
たとえるなら
コンクリート養生線は、生コンの湯たんぽ
寒い日に打ったコンクリートが凍らないように、発熱線で温めて固まるのを助けます。電路の対地電圧は300V以下です。
たとえるなら
5cmの間隔は、焼き網のすき間
焼き網の線が重なると、そこだけ焦げやすくなります。コンクリートに埋め込まない発熱線は、相互の間隔を5cm以上あけて敷きます。
ここに注意!
「発熱線は、技術基準3540-8条の電気温床線」ではありません。
解釈は、発熱線を「電線及び電気温床線の安全に関する要求事項」の要件に適合するものとしています(解釈第195条第2項第二号)。条文番号の書き方は解釈にはありません。
ここに注意!
「使用電圧が300V以下」ではありません。
解釈が定めるのは、発熱線に電気を送る電路の対地電圧300V以下です(第一号)。
ここに注意!
「5cmの間隔は、埋め込んでも必要」ではありません。
5cm以上の間隔は、発熱線をコンクリートの中に埋め込まない場合の決まりです。損傷を受けないようにも施設します(第三号)。
ここまでのポイント
  • 電路の対地電圧は300V以下
  • 発熱線は「電線及び電気温床線の安全に関する要求事項」の要件に適合するもの
  • 埋め込まないなら発熱線相互の間隔は5cm以上、損傷を受けないように
  • 第1項(道路などの発熱線)に準じて施設する方法もある


2. 開閉器と過電流遮断器

専用の開閉器を、各極に 第四号イ。
差込み接続器なら、開閉器を省略 ただし書。
過電流遮断器を、各極に 第四号ロ。
中性極を除くのは、遮断器 多線式電路。
  • 電路には、専用の開閉器を各極に施設します(第四号イ)
  • 移動電線と屋内配線などを差込み接続器でつなぐ場合や、過電流遮断器が開閉機能をもつ場合は、開閉器を省略できます(第四号イただし書)
  • 過電流遮断器は各極に施設します。除けるのは多線式電路の中性極だけで、過電流遮断器そのものは省略できません(第四号ロ)
  • 地絡が起きたら自動で遮断する装置、発熱線の温度80℃以下、D種・C種接地は、道路などに発熱線を固定する第1項の決まりです
ペン太ペン太
養生線って、ただ敷き詰めればいいんですか?
ハリタハリタ
いや、埋設しないときは線の間隔を5cm以上あけるのが原則だよ。重なると過熱の原因になるからね。
ペン太ペン太
開閉器は省略できると聞きましたが?
ハリタハリタ
差込接続器を使うか、遮断器に開閉機能があれば開閉器は省けるよ。でも過電流遮断器だけは必ず付けるんだ。
第1項は、地絡遮断が必要 第1項第七号ロ。
第1項は、80℃以下 第1項第四号ロ。
第2項は、養生の保温 第2項。
第1項に準じても、よい 第2項本文。
思いこみ 正しくは
3540-8条の温床線 規格の要件に適合
使用電圧300V 対地電圧300V
埋め込んでも5cm 埋め込まない場合
開閉器も中性極除く 除くのは遮断器
遮断器も省略可 遮断器は必ず
地絡遮断が必要 第1項の決まり
たとえるなら
開閉器と遮断器は、玄関の鍵と火災報知器
鍵(開閉器)は、差込み接続器で抜き差しできるなら省けます。でも火災報知器(過電流遮断器)は外せません。各極に施設します。
ここに注意!
「開閉器も遮断器も、中性極は除く」ではありません。
専用の開閉器は各極に施設します。多線式電路の中性極を除けるのは、過電流遮断器のほうです(第四号イ・ロ)。
ここに注意!
「過電流遮断器も、条件しだいで省略できる」ではありません。
省略できるのは専用の開閉器だけです(差込み接続器でつなぐか、遮断器に開閉機能がある場合)。過電流遮断器は各極に施設します(第四号)。
ここに注意!
「養生線にも、地絡遮断と80℃がかかる」ではありません。
地絡遮断・80℃以下・D種/C種接地は、道路などに発熱線を固定する第1項の決まりです。養生の発熱線は第2項によります(第1項に準じて施設する場合を除く)。
ここまでのポイント
  • 専用の開閉器を各極に施設する
  • 過電流遮断器も各極に施設する(多線式電路の中性極は除く)
  • 差込み接続器でつなぐか、遮断器に開閉機能があれば開閉器を省略できる
  • 過電流遮断器の設置は必須で、省略はできない


よくある質問(FAQ)

Q1. 電圧の決まりは? 対地300V以下。
Q2. 間隔の決まりは? 5cm以上。
Q3. 開閉器は省略できる? 遮断器は必ず。
地絡遮断は? 第1項で必要。
Q. コンクリート養生線の対地電圧の上限は?
A. 発熱線に電気を送る電路の対地電圧は300V以下です(解釈第195条第2項第一号)。
Q. 発熱線を埋め込まない場合の間隔は?
A. コンクリートの中に埋め込む場合を除き、発熱線相互の間隔を5cm以上とし、発熱線が損傷を受けるおそれがないように施設します(第三号)。
Q. 専用開閉器は省略できますか?
A. 移動電線を差込み接続器でつなぐ場合や、過電流遮断器が開閉機能をもつ場合は省略できます。過電流遮断器は各極(多線式電路の中性極を除く)に必ず施設します(第四号)。

まとめ|間隔をあけ、遮断器は必ず付ける

コンクリート養生線は「埋設しない場合は5cm以上の間隔をあける」「過電流遮断器は省略できない」の2点が押さえどころです。開閉器のほうは、差込接続器を使う場合などに省略が認められます。

確認する項目 決まり
電路の対地電圧 300V以下
発熱線 規格の要件に適合
間隔 埋め込まないなら5cm
開閉器 各極・条件で省略可
過電流遮断器 各極・省略不可
中性極 遮断器だけ除ける

仮設で使う設備のため、手早く敷きたくなる場面ですが、間隔の確保が過熱防止に直結します。開閉器の省略条件とあわせて、現場で共有しておくと安全です。

ペン太ペン太
発熱線を埋めずに敷くときの注意はありますか?
ハリタハリタ
相互間隔5cm以上を確保して損傷を防ぐことです。基準どおりなら冬場の品質も守れますよ。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。