技術図書館電極式の昇温器は距離と回路で守る湯そのものに電流を流す装置なので、人から離すのが先。次に回路を分け、接地と電位で仕上げるこの資料をスライドで見る資料一覧を見る
この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【089】電極式温泉昇温器の施設
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

電極式温泉昇温器は、温泉水に電流を通して発熱させ、温度を上昇させる装置です。温泉施設や旅館などで使われ、構造上の特性から感電や過熱事故を防ぐための施設基準が定められています。昇温器の設置・給水ポンプ・接地と絶縁耐力の要点を3つに整理します。

電極式温泉昇温器の施設3つのポイント(浴槽底面から1.5m以上・給水ポンプは別回路・D種接地と電位3V/cm以下)
結論
①昇温器は浴槽底面から水平1.5m以上離し、流入口・流出口に遮へい装置を設けて人が触れられない構造にする。②給水ポンプは昇温器と連動しない電源回路に接続。③金属製外箱・金属管にD種接地工事(導体は直径2.6mm以上の銅線)、電極と大地との間の電位は実効値で3V/cm以下。
この記事でわかること
✔ 1. 昇温器の安全施設
✔ 2. 給水ポンプと電源の分離
✔ 3. 接地工事と絶縁耐力
ペン太ペン太
温泉のお湯に直接電流を流して温めるんですか!?
ハリタハリタ
電極式温泉昇温器ですね。浴槽底面から水平1.5m以上離すなど、入浴者を守る基準があります。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 昇温器は浴槽底面から水平にいくつ以上離すか
  • 給水ポンプを昇温器と同じ電源回路につないでよいか
  • 電極と大地との間の電位は、いくつ以下に抑えるか
この記事でわかること
施工前に確認したい数値は、1つ目と3つ目の項にまとめています。

1. 昇温器の安全施設

トピック1:昇温器の安全施設
  • 昇温器の流入口・流出口には遮へい装置を設け、人が触れられない構造とする
  • 浴槽底面からの距離は水平1.5m以上離すこと
  • 材質は絶縁性・耐水性の堅ろうな材料で作ること
ペン太ペン太
給水ポンプは昇温器と同じ回路にまとめた方が楽ですよね?
ハリタハリタ
別回路が必須です。連動しない回路に分けて、誤作動や感電のリスクを断ちます。
確認する項目基準
流入口・流出口遮へい装置を設け、人が触れられない構造とする
浴槽底面からの距離水平1.5m以上
材質絶縁性・耐水性の堅ろうな材料
電極と大地との間の電位実効値で3V/cm以下
ここまでのポイント
  • 昇温器の流入口・流出口には遮へい装置を設け、人が触れられない構造とする
  • 浴槽底面からの距離は水平1.5m以上離す
  • 材質は絶縁性・耐水性の堅ろうな材料で作る

2. 給水ポンプと電源の分離

トピック2:給水ポンプと電源の分離
  • 給水ポンプ(浴槽水に給水する機器)は、昇温器と同一の電源回路に接続してはいけない
  • 別回路とすることで誤作動や感電のリスクを防ぐ
ここまでのポイント
  • 給水ポンプ(浴槽水に給水する機器)は、昇温器と同一の電源回路に接続してはいけない
  • 別回路とすることで誤作動や感電のリスクを防ぐ

3. 接地工事と絶縁耐力

トピック3:接地工事と絶縁耐力
  • 金属製外箱・金属管などにはD種接地工事を施す
  • 使用導体は直径2.6mm以上の銅線(軟銅より線含む)または同等以上の絶縁強度を持つものを使用する
  • 電極と大地との間の電位は実効値で3V/cm以下とすること
たとえ話
温泉水そのものを電気で温める装置なので、人が触れる場所に近いほど危険です。だから1.5m以上離し、遮へい装置と接地で確実に守るわけです。
見習いペン太
見習いペン太
温泉のお湯に直接電気を流すの?それは怖いなあ…。
はりた
はりた
だから昇温器は浴槽底面から1.5m以上離して、遮へい装置で触れられないようにするんだ。電極と大地の電位も3V/cm以下に抑えるよ。
電極式温泉昇温器の浴槽からの距離・電源回路・接地を示した図
電極式温泉昇温器は浴槽底面から水平1.5m以上離して施設し、流入口・流出口には遮へい装置を設けて人が触れられない構造とする。本体は絶縁性・耐水性の堅ろうな材料で作る。給水ポンプは昇温器と同一の電源回路に接続してはならず、連動しない別回路とする。金属製外箱・金属管などにはD種接地工事を施し、接地導体は直径2.6mm以上の銅線(軟銅より線を含む)。電極と大地との間の電位は実効値で3V/cm以下とする。
取り違えやすいところ正しくは
給水ポンプは昇温器と同じ回路にまとめてよい別回路とする。同一の電源回路に接続してはいけない
浴槽の近くに置いても遮へいすれば足りる浴槽底面から水平1.5m以上離す
導体の太さは決まっていない直径2.6mm以上の銅線、または同等以上の絶縁強度のもの
電位は電源電圧だけ確認すればよい電極と大地との間の電位を実効値3V/cm以下に抑える
材質は耐水性があればよい絶縁性・耐水性の堅ろうな材料で作る
ここまでのポイント
  • 金属製外箱・金属管などにはD種接地工事を施す
  • 使用導体は直径2.6mm以上の銅線(軟銅より線を含む)、または同等以上の絶縁強度を持つものを使用する
  • 電極と大地との間の電位は実効値で3V/cm以下とする

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問
Q. 電極式温泉昇温器とは何ですか?
A. 温泉水に電流を通して発熱させ、温度を上昇させる装置です。
Q. 昇温器の設置位置の基準は?
A. 浴槽底面から水平1.5m以上離し、流入口・流出口に遮へい装置を設けて人が触れられない構造とします。材質は絶縁性・耐水性の堅ろうな材料です。
Q. 給水ポンプの電源はどうしますか?
A. 昇温器と同一の電源回路に接続せず、連動しない別回路に接続します。
Q. 接地と絶縁耐力の基準は?
A. 金属製外箱・金属管などにD種接地工事を施し、導体は直径2.6mm以上の銅線(軟銅より線含む)または同等以上を使用します。電極と大地との間の電位は実効値で3V/cm以下とします。

まとめ|距離と遮へい、そして回路を分ける

温泉水そのものに電気を流す装置のため、「浴槽から1.5m以上離す」「遮へい装置で触れさせない」「給水ポンプとは別回路にする」の3点が安全の柱になります。

確認する順番見るところ基準
Step1設置位置浴槽底面から水平1.5m以上
Step2流入口・流出口遮へい装置を設け、人が触れられない構造か
Step3材質絶縁性・耐水性の堅ろうな材料か
Step4電源回路給水ポンプと別回路になっているか
Step5接地と電位D種接地、導体2.6mm以上、電位3V/cm以下

配線をまとめたほうが施工は楽ですが、給水ポンプとの回路分離は誤作動と感電の両方を断つための条件です。盤の回路構成を決める段階で分けておくと、後から手を入れずに済みます。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
接地まわりで覚える数字はありますか?
ハリタハリタ
導体は直径2.6mm以上の銅線、電極と大地間の電位は実効値3V/cm以下です。ここを押さえれば安心です。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。