変圧器に取り付けられている「ダイヤル温度計」を見て、「これは何のための計器なのか」「必ず付けるものなのか」と疑問に思ったことはないでしょうか。いわば変圧器版の体温計ともいえる機器です。
結論として、ダイヤル温度計に法的な設置義務はなく、オプション扱いです。本記事では、使用用途や警報出力のしくみ、そしてどんな施設で設置を検討すべきかを、設置基準とあわせて分かりやすく解説します。
今回の疑問
ダイヤル温度計って何?
使用用途と設置基準について知りたい!
見習いペン太
変圧器に「ダイヤル温度計」って書いてあるんですけど、これって何ですか?
はりた
それはね、変圧器の内部温度を測定するための計器だよ!📡
見習いペン太
えっ、それって絶対に付けなきゃいけないものなんですか?
はりた
実は法的な義務はないんだ。ダイヤル温度計はあくまでオプション扱いだよ🌡️
はりた
それじゃあ、どんな用途や場所で設置されるか、設置基準とあわせて説明していくね!📘
本記事のおすすめの方
- ダイヤル温度計の用途が気になる方
- 主な設置場所について知りたい方
- 機器の規格について知りたい方
本記事でわかること
- ダイヤル温度計の設置基準
- ダイヤル温度計の使用用途
- ダイヤル温度計のコスト
クイックトピックス
ダイヤル温度計の設置の目的は?
ダイヤル温度計の主な用途としては、トランス(変圧器)の故障対策になります。負荷の稼働率上昇に伴い機器本体の温度が上昇していきますが、トランスのみでは、温度上昇を測ることができないため、ダイヤル温度計を取り付けます。
ダイヤル温度計の設置基準は?
- ダイヤル温度計は変圧器の温度異常を検出するために用いる
- 法的な設置義務はない
- 過負荷の可能性、施設としての重要度を確認し設置検討
- 1台当たり十数万程度の機器費がかかるため不要であればコストの低減が可能
▲ 役割と警報連携の全体像
🔧 ダイヤル温度計とは?仕組みと基本機能をわかりやすく解説!
見習いペン太
はりた先輩、キュービクル内の温度管理ってどうやってるんですか?
はりた
いい質問だね、ペン太くん!キュービクルの変圧器の温度監視には、ダイヤル温度計っていう専用の温度計がよく使われてるんだよ📡
📘 ダイヤル温度計の構造と特徴
ダイヤル温度計は、以下のような構造で構成されています。
-
円形の温度指示部
-
棒状の感温部
-
両者を接続する導管
温度指示部は盤面に表示されるアナログメーターのような見た目をしており、感温部は変圧器に挿入して温度を直接測定します。これらは導管で接続されており、柔軟に配置を変えることができます。
そのため、変圧器がキュービクル内に収納されている場合でも、温度指示部だけを前面パネルに取り付けることができ、メンテナンス性や視認性に優れています。
ダイヤル温度計の設置目的
点検としての活用
1) 通常の温度指示…変圧器の日常点検で変圧器の温度を確認します。
受変電設備等に組み込むトランス(変圧器)は稼働状況により機器温度が上昇します。特に過負荷となるとトランスの定格温度以上になる場合があり故障の原因となるため警報により温度以上が確認できるよう取り付けます。
見習いペン太
温度計っていうくらいだから、やっぱり変圧器の温度をチェックするためのものなんですね!
はりた
そのとおり!変圧器は過負荷になると内部の温度がどんどん上がって、最悪の場合は故障の原因になることもあるんだ⚠️ だから温度管理ってとっても大事なんだよ!
🔔 ダイヤル温度計の警報出力とは?

警報出力機能を活用して早期異常対応
ダイヤル温度計には、次のような機能を活用することで、外部機器と連携し、温度異常を警報として出力することが可能です。
🛠 2)警報接点によるアラーム出力
ダイヤル温度計そのものにはアラーム機能はありませんが、任意の温度で動作する「警報接点」が内蔵されている製品が一般的です。
この警報接点を用いて、以下のような外部機器と連携が可能です。
見習いペン太
警報盤とつなげておけば、現場に行かなくても異常が分かるんですね!
はりた
その通り!例えば受変電設備などでは、温度上昇にすぐ対応できる体制が重要なんだ。特に管理室での監視に連動させると安心だよ💡
📝 管理体制と設置のポイント
ダイヤル温度計のみを設置している場合、現地での目視確認が唯一の点検手段になります。そのため、以下のようなトラブル時には対応が遅れるリスクがあります。
-
一時的な温度異常があっても気付けない
-
異常温度が発生しても放置される
-
定期点検のタイミングまで異常が分からない
このような事態を防ぐためには、ダイヤル温度計に警報接点を備え、警報を外部に出力する仕組みを導入することが重要です。
特に管理室内の警報盤と連動させることで、迅速な対応が可能になります。

見習いペン太
警報接点って意外と重要なんですね!設備の安全管理には欠かせないなぁ。
はりた
そうなんだよペン太くん。温度異常は機器の損傷や火災の原因にもなるから、警報出力での早期発見がカギなんだ🧯✨
見習いペン太
そういえば、ダイヤル温度計付きの変圧器って、警報盤に信号を出してるの見たことあります!
はりた
そうだね!でも警報を個別に配線するとコストがかかっちゃうから、たいていは「キュービクル異常」としてまとめて一括警報を出力するケースが多いんだよ📢💡
🔍 目視で最高温度を確認するには?
最高指針を付けることで温度のピークを見逃さない
3) 最高指針
ダイヤル温度計には、オプションで**「最高指針」**を追加することが可能です。
この最高指針は、計測された中で最も高い温度を示し続ける機構となっており、一時的な温度上昇があった場合でも、そのピーク値を目視で確認することができます。
✅ 一時的な温度上昇も見逃さない工夫
通常のダイヤル温度計は、リアルタイムの温度を指針で示しますが、短時間で温度が上下した場合は記録が残らず、後から確認することができません。
しかし、「最高指針」を装備することで、以下のようなメリットが得られます。
🔸 一時的な温度異常を後から目視で確認できる
🔸 点検時にピーク温度が分かるため記録管理にも有効
🔸 警報接点がなくても、温度異常の兆候を把握できる
見習いペン太
なるほど~!一時的に温度が上がっても、最高指針があれば見逃さずに済むんですね!
はりた
そうなんだよ!現場での点検の際にも、この最高指針があるとすごく便利なんだ。異常の痕跡を逃さずチェックできるからね🔥
🔧 ダイヤル温度計の役割とは?|トランス保護に欠かせない温度監視機器

トランス(変圧器)は、負荷の増加に伴って発熱し、機器内部の温度が上昇していきます。
しかし、トランス本体だけでは温度上昇を直接測定する機能は備わっていません。
トランスの温度測定方法
- 棒状温度計(警報を取り出せない)
- ダイヤル温度計(警報を取り出せる)
- 低圧母線の負荷電流(サーマルリレーによる警報を取り出せる
そこで必要になるのが、ダイヤル温度計の導入です。
見習いペン太
トランスって、温度が上がっても自分じゃ気づけないんですね…!温度計がいる理由がわかってきました💡
はりた
そうなんだよ、ペン太くん。温度が上がりすぎると絶縁劣化や機器の故障につながるから、温度監視はとっても大事なんだ🔥
📘 トランスの温度測定方法と、なぜダイヤル温度計なのか?
トランスの温度を測る方法にはいくつかありますが、施工性やメンテナンス性を考慮したとき、最も現実的で使いやすいのがダイヤル温度計です。
現場での取り扱いやすさ、後の点検のしやすさという点において、ダイヤル温度計は非常に優れた選択肢とされています。
見習いペン太
やっぱり現場で扱いやすいって大事ですね!メンテナンスのときもパッと見て温度がわかるのは便利そうです。
はりた
そうそう!メンテナンスする人にとってもありがたいし、トラブルの予兆を早くつかむことにもつながるんだよ👍

ダイヤル温度計設置の判断方法

設置建物の用途を確認する
設置を推奨する建物
などの負荷の変動が大きい場所や施設としての重要度が高い場所には設置を検討しましょう。

設置のポイント
変圧器の故障の可能性及び故障時の施設としての重要度を考えて設置しましょう。
初期の設計時より機器増設の可能性があるため設置を検討しましょう
施設としての重要度が高く変圧器故障による停電のリスクを下げるために設置を検討しましょう
施設としての重要度が高く変圧器故障による停電のリスクを下げるために設置を検討しましょう


- ダイヤル温度計は変圧器の温度異常を検出するために用いる
- 法的な設置義務はない
- 過負荷の可能性、施設としての重要度を確認し設置検討
- 1台当たり十数万程度の機器費がかかるため不要であればコストの低減が可能
ダイヤル温度計の設定方法
ダイヤル温度計の設定方法
ダイヤル温度計の温度設定値は、任意になりますが設定例を下記に示します。
トランス(変圧器)設置場所の周囲温度(許容値)にトランスの許容温度上昇値を足した値が、変圧器の許容温度となり許容温度以上にならないようダイヤル温度計の警報出力温度を設定します。
油入変圧器の温度上昇
変圧器の許容温度は周囲温度+変圧器の許容温度上昇値となります。
(許容周囲温度)+(変圧器の許容温度上昇値)
=40+55=95°C
となり95℃が変圧器の許容温度上昇値となります。この温度を超えないよう、ダイヤル温度計の設定を行い警報出力が出せるようにします。
ダイヤル温度計の設定を~85℃等に設定し
変圧器の温度上昇時に警報信号を取り出すことができます。
関連記事
▲ 設置を検討すべき場所の早見表
よくある質問(FAQ)
Q. ダイヤル温度計とは何ですか?
A. 変圧器(トランス)の内部温度を測定するための計器です。指針で現在温度や最高温度を表示でき、いわば変圧器版の体温計のような役割を果たします。
Q. ダイヤル温度計の設置は義務ですか?
A. 法的な設置義務はなく、オプション扱いです。変圧器の故障の可能性や施設としての重要度を考慮して、設置を検討します。
Q. 温度異常を遠隔で知ることはできますか?
A. 可能です。ダイヤル温度計本体にアラーム機能はありませんが、内蔵の警報接点を使って警報ランプ・ブザー・管理室の警報盤などへ出力でき、現地に行かなくても異常を検知できます。
Q. どんな施設で設置を検討すべきですか?
A. 工場(負荷増設の可能性)、病院や商業施設(故障時の停電リスク回避)、公共施設など、負荷変動が大きい場所や重要度の高い施設で設置を検討します。
まとめ
ダイヤル温度計の使用用途と設置場所
ダイヤル温度計の設置目的
- 1) 通常の温度指示…変圧器の日常点検で変圧器の温度を確認します。
- 2) 警報接点…ダイヤル温度計自身にアラームなどは付属していませんが、任意温度にセットできる警報接点を持っていますので、外部にランプやブザーなどを備えることで警報を発することができます。
- 3) 最高指針…オプションで、最高温度の指針をつけることができます。一時的な温度上昇を見分けることができます。
設置場所の検討方法
- 工場(負荷増設の可能性がある)
- 病院(変圧器故障時のリスクを抑える)
- 商業施設(変圧器故障時のリスクを抑える)
設置検討のポイント
- ダイヤル温度計は変圧器の温度異常を検出するために用いる
- 法的な設置義務はない
- 過負荷の可能性、施設としての重要度を確認し設置検討
- 1台当たり十数万程度の機器費がかかるため不要であればコストの低減が可能
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