受変電設備の設計|油入変圧器とモールド変圧器の違いと選定方法について詳しく解説
受変電設備の変圧器を選ぶとき、「油入とモールド、どちらを選べばいいの?」と迷うことはないでしょうか。それぞれに価格・メンテナンス・安全性などの違いがあり、用途に応じた使い分けが大切です。
本記事では、油入変圧器とモールド変圧器の違い(メリット・デメリット)と選定のポイント、モールド変圧器を設置する際の注意点を、比較表つきで分かりやすく解説します。
変圧器は、これで決める
各々の特長は次表になります。
| 項目 | 油入 | モールド |
| メンテナンス | 油の劣化診断 | なし |
| 冷却方式 | 油冷却 | 空気冷却 |
| 燃焼性 | 可燃性 | 難燃性 |
| 大きさ | 大きい(モールドに対し) | ー |
| 消火設備 | 容量により特殊消火が必要 | 容量にかかわらず大型消火器 |
| 使用場所 | 屋内・屋外 | 屋内・屋外(条件付き) |
| 価格 | 安価(モールドに対し) | ー |
基本仕様としては安価で設置条件の少ない油入を採用します。
- 油入とモールドの違いを知りたい方
- 選定方法を知りたい方
- 価格比較の検討を行っている方など

ペン太
ハリタクイックトピックス
この3つ、すぐ答えられますか
- 油入変圧器とモールド変圧器の主な違いは何か
- モールド変圧器を設置するときの注意点は何か
- 一般的にはどちらが多く選定されているか
油入とモールドの違いと選定のポイント
| 項目 | 油入 | モールド |
| 規格 | JIS C 4304 | JIS C 4306 |
| メンテナンス | 油の劣化診断 | なし |
| 絶縁方式 | 紙・鉱油 | エポキシ樹脂 |
| 冷却方式 | 油冷却 | 空気冷却 |
| 燃焼性 | 可燃性 | 難燃性 |
| 大きさ | 大きい(モールドに対し) | ー |
| 消火設備 | 容量により特殊消火が必要 | 容量にかかわらず大型消火器 |
| 使用場所 | 屋内・屋外 | 屋内・屋外(条件付き) |
| 価格 | 安価(モールドに対し) | ー |
設置場所について
近年の受変電方式としてはキュービクル式を採用されていることがほとんどのため油入、モールド変圧器のどちらも採用可能ですが、モールド変圧器を選定する際は下記の点について注意する必要があります。
- 暴風雨時でも吸気口、排気口などから侵入した雨水が変圧器にかからない構造としてください
- 直射日光がモールドコイルに当たらぬようにガラスまたはアクリル板などで直射日光をさえぎってください。
- 夏期にはキュービクル内の温度が上昇しますので、換気を十分に行い、変圧器の周囲温度は40℃以下になるよう配慮してください。
ペン太
ハリタ- 規格は油入がJIS C 4304、モールドがJIS C 4306
- 絶縁方式は油入が紙・鉱油、モールドがエポキシ樹脂
- 冷却方式は油入が油冷却、モールドが空気冷却
- 燃焼性は油入が可燃性、モールドが難燃性
- モールドは暴風雨時の雨水対策、直射日光の遮蔽、周囲温度40℃以下の配慮が必要
油入とモールドの選定方法
出典:(配電用油入変圧器 製品一覧 配電用変圧器 | 三菱電機 FA (mitsubishielectric.co.jp))より
油入変圧器のメリット・デメリット
- 冷却効果が優れている(油による冷却)
- 価格が低い
- 納期が早い
- 定期的な絶縁油の交換が必要
- サイズ、重量が大きくなる
- 油のため燃焼の可能性がある(消火設備への影響)
モールド変圧器のメリット・デメリット
出典:(配電用モールド変圧器 製品一覧 配電用変圧器 | 三菱電機 FA (mitsubishielectric.co.jp))
- 機器の定期的なメンテナンスが不要
- サイズ、重量が小さい
- 安全性が高い(燃焼の可能性が低い)
- 屋外に設置する場合キュービクルに条件が出てくる(結露対策)
- 価格が高い
- 納期が遅い
- 油入のメリットは、冷却効果が優れている・価格が低い・納期が早いこと
- 油入のデメリットは、定期的な絶縁油の交換が必要・サイズや重量が大きい・燃焼の可能性があること
- モールドのメリットは、定期的なメンテナンスが不要・サイズや重量が小さい・安全性が高いこと
- モールドのデメリットは、屋外設置時にキュービクルの条件がある・価格が高い・納期が遅いこと
油入とモールドのサイズ早見表
単相変圧器 6kV-210/105V 三菱電機 Rシリーズより
| 容量 | Hz | 油入 | モールド | ||||||
| X | Y | Z | 重量 | X | Y | Z | 重量 | ||
| 50 | 50 | 490 | 540 | 740 | 245 | 525 | 515 | 830 | 290 |
| 75 | 605 | 520 | 915 | 330 | 590 | 530 | 860 | 350 | |
| 100 | 615 | 560 | 1010 | 405 | 530 | 520 | 870 | 390 | |
| 150 | 670 | 580 | 1060 | 500 | 595 | 565 | 915 | 470 | |
| 200 | 735 | 640 | 1060 | 610 | 625 | 570 | 1020 | 600 | |
| 300 | 790 | 625 | 1230 | 805 | 670 | 595 | 1190 | 880 | |
| 500 | 945 | 725 | 1430 | 1370 | 860 | 725 | 1225 | 1130 | |
| 50 | 60 | 490 | 540 | 740 | 240 | 525 | 505 | 830 | 270 |
| 75 | 605 | 520 | 915 | 325 | 590 | 515 | 860 | 320 | |
| 100 | 615 | 560 | 1010 | 400 | 530 | 515 | 870 | 370 | |
| 150 | 670 | 580 | 1060 | 495 | 595 | 555 | 915 | 430 | |
| 200 | 735 | 640 | 1060 | 605 | 625 | 560 | 1020 | 550 | |
| 300 | 790 | 625 | 1230 | 800 | 670 | 580 | 1190 | 800 | |
三相変圧器 6kV-210V 三菱電機 Rシリーズより
| 容量 | Hz | 油入 | モールド | ||||||
| X | Y | Z | 重量 | X | Y | Z | 重量 | ||
| 50 | 50 | 550 | 495 | 760 | 280 | 620 | 400 | 710 | 260 |
| 75 | 790 | 505 | 915 | 395 | 735 | 470 | 820 | 400 | |
| 100 | 820 | 510 | 1010 | 480 | 735 | 470 | 820 | 410 | |
| 150 | 815 | 550 | 1040 | 640 | 810 | 550 | 905 | 590 | |
| 200 | 900 | 550 | 1070 | 760 | 900 | 560 | 945 | 740 | |
| 300 | 985 | 615 | 1205 | 1060 | 930 | 585 | 1020 | 910 | |
| 500 | 1150 | 665 | 1300 | 1530 | 1125 | 620 | 1190 | 1420 | |
| 50 | 60 | 550 | 495 | 760 | 275 | 620 | 400 | 710 | 230 |
| 75 | 790 | 505 | 915 | 390 | 735 | 455 | 820 | 340 | |
| 100 | 820 | 510 | 1010 | 475 | 735 | 455 | 820 | 350 | |
| 150 | 815 | 550 | 1040 | 635 | 810 | 550 | 905 | 500 | |
| 200 | 900 | 550 | 1070 | 755 | 900 | 550 | 945 | 620 | |
| 300 | 985 | 615 | 1205 | 1050 | 930 | 565 | 1020 | 790 | |
| 500 | 1150 | 665 | 1300 | 1520 | 1125 | 600 | 1190 | 1220 | |
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| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| モールドは常に小型 | 小さい容量では油入より大きくなる場合がある |
| モールドなら屋外設置も無条件でよい | 雨水対策・直射日光の遮蔽・周囲温度40℃以下の条件がある |
| どちらもメンテナンスは同じ | 油入は絶縁油の劣化診断・定期交換が必要 |
| 消火設備の扱いは同じ | 油入は容量により特殊消火、モールドは容量にかかわらず大型消火器 |
- 容量ごとの寸法と重量が早見表で比較できる
- 小さい容量ではモールドの方が大きくなる場合があるため、寸法表で確認する
よくある質問(FAQ)
Q. 油入変圧器とモールド変圧器の主な違いは?
A. 油入は価格が低く納期が早く冷却性能に優れますが、絶縁油の定期交換が必要でサイズが大きく燃焼の可能性があります。モールドはメンテナンス不要・小型軽量・安全性が高い一方、価格が高く納期が長い傾向です。
Q. 一般的にはどちらが選ばれますか?
A. 価格が低いため、多くの施設で油入変圧器が選定されています。安全性・省スペース・メンテナンス性を重視する場合はモールド変圧器が選ばれます。
Q. モールド変圧器を設置するときの注意は?
A. ①暴風雨時でも吸気口・排気口から侵入した雨水が変圧器にかからない構造とする②直射日光がモールドコイルに当たらないようガラス・アクリル板で遮る③夏期は換気を十分に行い周囲温度を40℃以下に保つ、ことが必要です。
Q. キュービクル式ではどちらも使えますか?
A. はい。近年はキュービクル式が主流で油入・モールドのどちらも採用可能です。ただしモールドは上記の設置条件(結露・直射日光・温度)に配慮する必要があります。
ペン太
ハリタ
まとめ
変圧器の選定は、コストと納期を取るか、安全性と省スペースを取るかの判断になります。
| 観点 | 油入変圧器 | モールド変圧器 |
|---|---|---|
| メリット | 冷却効果が優れている/価格が低い/納期が早い | メンテナンスが不要/サイズ・重量が小さい/安全性が高い |
| デメリット | 絶縁油の定期交換が必要/サイズ・重量が大きい/燃焼の可能性がある | 屋外設置時にキュービクルの条件がある/価格が高い/納期が遅い |
| 向く場面 | コストと納期を重視する場合 | 安全性・省スペース・メンテナンス性を重視する場合 |
違いで押さえること
- 規格は油入がJIS C 4304、モールドがJIS C 4306
- 絶縁方式は紙・鉱油とエポキシ樹脂
- 冷却方式は油冷却と空気冷却
- 燃焼性は可燃性と難燃性
モールドを選ぶときの注意
- 暴風雨時でも吸気口・排気口から侵入した雨水が変圧器にかからない構造にする
- 直射日光がモールドコイルに当たらないようガラスまたはアクリル板で遮る
- 夏期は換気を十分に行い、変圧器の周囲温度を40℃以下に保つ
- 小容量では寸法が逆転する場合があるため早見表で確認する
近年はキュービクル式が主流で、どちらも採用できます。設置条件を先に確認しておくと選定がぶれません。
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