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受変電設備の設計|APFCとVMCの設置基準と使用用途について詳しく解説

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力率をコントロールしよう

 

本記事のおすすめの方
  • コンデンサを分割して設置した方
  • 自動力率調整器を設置したい方
  • 自動力率調整器とVMCについて知りたい方
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コンデンサの進み力率

高圧受変電設備には力率改善のために電力用コンデンサが取り付けられており、通常回路の力率改善を行うことで電力会社より基本使用料金の割引を受けることができます。

改善後力率が100%以下であれば問題ありませんが、工場など夜間の稼動が無い建物の場合、稼働が無い時間帯も電力用コンデンサは、働いているため力率が進みすぎる可能性があります。

力率が進みすぎると電圧の上昇に繋がり、機器や系統に悪影響を及ぼす恐れがあるためコンデンサを切り離し進みを抑える必要があります。

出典:(力率改善用機器 | 株式会社 指月電機製作所 (shizuki.co.jp))

APFC(自動力率調整器)とVMC(高圧電磁接触器)の目的

この切り離し・再投入を自動的に行う制御に適しているのが“APFCとVMCの組合せ”になります。

APFC(自動力率調整器)は、主に高圧受変電設備内の系統に取り付けられており、回路の力率測定を行い電力用コンデンサの一次側に取り付けたVMCに開閉信号を送るための装置になります。

APFCの主な機能・軽負荷を検出し、力率用コンデンサを自動遮断する・外部タイムスイッチの信号で夜間などに力率用コンデンサを遮断する・高調波メータリレーの警報信号で力率用コンデンサを遮断する(高調波による直列リアクトルの焼損事故)

VMC(高圧電磁接触器)は力率用コンデンサの投入と遮断に使用されます。APFC(自動力率調整器)より信号を受けて開閉することにより力率用コンデンサの自動制御を行うことが可能です。

VMCの選定

VMCを選定する理由電力用コンデンサの自動力率調整を行う場合、開閉器は負荷稼動状況に応じて高頻度の切り離し及び投入が行われます。この繰り返し行われる開閉に耐える必要がるため、耐久性のあるVMCの採用が一般的となっています。

VMCの耐久性(コンビネーションユニット)

  • 電気的開閉耐久性(万回):25
  • 機械的開閉耐久性(万回):25
  • 開閉頻度(回/時)   :600

LBSの耐久性

  • 電気的開閉耐久性(回):200
  • 機械的開閉耐久性(回):3,000
  • 開閉頻度(回/時):-

上記表からも確認出来る通り、VMCは耐久性において優れているため高頻度の開閉が発生する自動力率調整の際に用いられています。

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まとめ

自動力率調整器の設置基準と使用用途について

今回の内容では、自動力率調整器とVMCの関係について記載しました。回路の力率改善に用いられるコンデンサは、負荷の使用状況(軽負荷)により進み力率になる場合があります。進み力率になると過電圧となり機器類に悪影響を与えるため対策が必要となります。

主な設置環境としては…

  • コンデンサを分割して設置している場合
  • 動力の使用比率が高く夜間の稼働ない建物(工場等)

動作のフロー

  1. 自動力率調整器による回路力率の測定
  2. 設定値を超える力率の検出
  3. 電磁接触器に開閉信号を伝送
  4. 電磁接触器の開閉により力率を調整する

 

 

この記事を書いた人
HARITA
電気設備設計に従事し、自身の経験を基に設計の知識向上のためこのサイトを運営しています。
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