電気設備の基本知識 #021【がいし引き工事】
天井に白い小さな器具が並び、そこに電線が張られている――古い工場や倉庫で見かけるがいし引き工事です。電線を建物から浮かせて支えるので、離す距離と支える間隔の数値がとても大切です。この記事では、がいし引き工事のしくみ、3つの数値、材料、電圧による違い、ほかの配管との離隔を、図とたとえで1つずつ解説します。
結論
がいし引きは電線をがいしで浮かせて支える工事。電線どうし6cm以上・造営材と2.5cm以上(300V以下)・支持点間2m以下の3つの数値が基本です。
- 電線はOW・DVを除く絶縁電線
- 300Vを超えると造営材との離隔は4.5cm以上(乾燥した場所は2.5cm)
- 水道管・ガス管・弱電流電線とは10cm以上
- 点検できない隠ぺい場所には使えない
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がいし引き工事 ― 電線を浮かせて支える
がいし引き工事は、磁器でできたがいしで絶縁電線を支え、天井や壁(造営材)から離して施設する工事です。たとえるなら洗濯物を干すロープです。ロープを柱から浮かせて張るように、電線を建物から離して張ります。
電線が管やケーブルの外装で守られていない分、離す距離と支える間隔で安全を確保します。施工できるのは、展開した場所と点検できる隠ぺい場所です(「電気設備の基本知識 #020【施工場所と工事の種類】」参照)。
ペン太
ハリタ- がいしで電線を支え、造営材から離す
- 離す距離と支える間隔で安全を確保する
- 展開した場所・点検できる隠ぺい場所で使う
3つの数値 ― 6cm・2.5cm・2m
| 項目 | 数値(300V以下) |
|---|---|
| 電線どうしの間隔 | 6cm以上 |
| 電線と造営材との離隔 | 2.5cm以上 |
| 支持点間の距離 | 2m以下(造営材の上面・側面に沿って取り付ける場合) |
- 電線どうし6cm以上
- 造営材と2.5cm以上
- 支持点間2m以下
材料 ― 支える・縛る・通す
| 材料 | 役割 |
|---|---|
| ノップがいし | 電線を支える磁器。絶縁性・難燃性・耐水性がある |
| バインド線 | 電線をがいしに縛り、ずれやたるみを防ぐ |
| 絶縁管(がい管など) | 造営材を貫通するとき、電線を1本ずつ通して守る |
電線は絶縁電線を使いますが、屋外用ビニル絶縁電線(OW)と引込用ビニル絶縁電線(DV)は使えません。電線の種類は「電気設備の基本知識 #001【ケーブルの種類】」で解説しています。
- ノップがいしで支え、バインド線で縛る
- 貫通部分は絶縁管に通す
- OW・DVは使えない
電圧による違い ― 高いほど遠ざける
| 項目 | 300V以下 | 300Vを超える |
|---|---|---|
| 電線どうしの間隔 | 6cm以上 | 6cm以上 |
| 造営材との離隔 | 2.5cm以上 | 4.5cm以上(乾燥した場所は2.5cm以上) |
| 支持点間(上面・側面に沿う場合) | 2m以下 | 2m以下 |
- 電線どうしは電圧にかかわらず6cm以上
- 300Vを超えると造営材から4.5cm以上
- 乾燥した場所なら2.5cm以上でよい
ほかの配管との離隔 ― 10cm以上
がいし引きの電線は、管やケーブルで守られていないので、水道管・ガス管や弱電流電線(電話線・LANなど)と10cm以上離します。電線が裸電線の場合は30cm以上です。
- 水道管・ガス管・弱電流電線と10cm以上
- 裸電線なら30cm以上
- 守りが薄い分、距離で安全を確保する
押さえる要点 ― 数値と使える場所
ネオン放電灯工事も、がいし引き工事の考え方で電線を支えます(「電気設備の基本知識 #008【ネオン放電灯工事】」参照)。次の#022は「電気設備の基本知識 #022【ケーブル工事】」です。
- 6cm・2.5cm・2mの3つの数値
- OW・DVは使えない
- 点検できない隠ぺい場所には使えない
よくある質問
がいし引き工事とはどんな工事ですか?
磁器でできたノップがいしなどで絶縁電線を支え、造営材(天井や壁)から離して施設する工事です。古い建物や工場・倉庫などで見られます。
電線どうしの間隔と、造営材との離隔は?
電線どうしの間隔は6cm以上です。電線と造営材との離隔は、使用電圧300V以下なら2.5cm以上、300Vを超える場合は4.5cm以上(乾燥した場所では2.5cm以上)です。
支持点間の距離は?
造営材の上面または側面に沿って取り付ける場合は、2m以下とします。
がいし引き工事に使える電線は?
絶縁電線を使います。ただし、屋外用ビニル絶縁電線(OW)と引込用ビニル絶縁電線(DV)は使えません。
水道管やガス管とはどれくらい離しますか?
がいし引き工事の低圧配線は、水道管・ガス管や弱電流電線(電話線など)と10cm以上離します。電線が裸電線の場合は30cm以上です。
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