【造営材】とは?造営物との違い・「造営材に沿って」「造営材を貫通しない」の読み方と支持・離隔の決まり
電技解釈や内線規程を読むと、何度も出てくる「造営材」。ふだんの会話では使わない言葉なので、条文を読むたびに引っかかる人も多いはずです。この記事では、造営材の意味と造営物との違い、条文に出てくる言い回しの読み方、金属の造営材を貫通するときの注意の3つを説明します。
ペン太
ハリタ結論
造営材は、建物(造営物)をつくっている柱・梁・壁・天井・床・屋根などの材料や部分のことです。規定では、「造営材に沿って」「造営材との離隔」「造営材を貫通する・しない」のように、配線との関係を表すときに使われます。メタルラスなどの金属の造営材を貫通するときは、絶縁管に収めて離します。
- 造営物は建物そのもの。造営材はそれをつくる部分
- 「沿って」は支持、「離隔」はすき間、「貫通」は突き抜け
- ライティングダクトは造営材を貫通できない
- 金属の造営材を貫通するときは、切り開いて絶縁管に収める
この記事に出てくる言葉
読む前に、意味をざっと押さえておくと分かりやすくなります。
| 言葉 | 読み方 | やさしい説明 |
|---|---|---|
| 造営物 | ぞうえいぶつ | 土地に定着し、屋根と柱または壁がある工作物。ふつうの建物のこと。 |
| 造営材 | ぞうえいざい | 造営物をつくる柱・梁・壁・天井・床・屋根などの材料や部分。 |
| 工作物 | こうさくぶつ | 人がつくって地面に設けたもの。電柱やへいもふくむ広い言葉。 |
| 支持点間の距離 | しじてんかんのきょり | ケーブルなどを固定する点と点のあいだの長さ。 |
| 離隔距離 | りかくきょり | 電線と、ほかのものとのあいだに空けるすき間の長さ。 |
| 貫通 | かんつう | 壁や天井、床を突き抜けて通すこと。 |
| メタルラス | ― | モルタルを塗る下地に使う、金属の網。壁の中に入っている。 |
| 絶縁管 | ぜつえんかん | 電気を通さない材料の管。合成樹脂管など。 |
「造営材」を理解するために、土台になる考え方を3つだけ押さえておきましょう。
電気の規定は「どこに施設するか」で決まりが変わる
同じ電線でも、天井にはわせるのか、壁から離すのか、壁を突き抜けるのかで、守る決まりが変わります。だから規定には、建物の部分を指す言葉が必要になります。
建物を「全体」と「部分」で呼び分ける
建物全体は造営物、それをつくる柱・壁・天井などの部分は造営材です。条文では、全体の話なら造営物、配線との関係なら造営材が使われます。
金属の造営材は、電気を通す
メタルラスや金属板張りの壁は、それ自体が電気を通します。ここに電線管が触れていると、漏電したときに壁へ電気が回るおそれがあります。
造営材とは? ― 建物をつくる「部分」
ペン太
ハリタ造営物は、電技解釈第1条で「工作物のうち、土地に定着するものであって、屋根及び柱又は壁を有するもの」と定義されています。ふつうの建物のことです。その造営物をつくっている柱・梁・壁・天井・床・屋根などの材料や部分が、造営材です。
造営材という言葉そのものは、電技解釈第1条の用語の定義には入っていません。配線工事の条文の中で、配線と建物の部分との関係を表す言葉として使われています。
- 造営物は、屋根と柱または壁がある建物
- 造営材は、それをつくる柱・梁・壁・天井・床など
- 配線との関係を表すときに使われる
条文に出てくる4つの言い回し
ペン太
ハリタ造営材は、条文の中で決まった言い回しで出てきます。言い回しごとに、決まっていることの種類が違います。
| 言い回し | 意味 | 代表的な決まり |
|---|---|---|
| 造営材に沿って | 天井の下面や壁の側面にはわせる | ケーブル工事:支持点間2m以下 |
| 造営材との離隔 | 天井や壁とのすき間 | がいし引き工事:300V以下は2.5cm以上、300V超は4.5cm以上(乾燥した場所は2.5cm以上) |
| 造営材を貫通しない | 壁や天井を突き抜けてはいけない | ライティングダクト |
| 造営材を貫通する(金属の造営材) | メタルラス張りの壁などを突き抜ける | 切り開いて、絶縁管に収める |
ケーブルの支持間隔はケーブルの支持間隔の記事やケーブル工事の解説、がいし引き工事の離隔はがいし引き工事の解説、ライティングダクトはライティングダクト工事の解説でくわしく説明しています。
- 「沿って」は支持の決まり(ケーブルは2m以下)
- 「離隔」はすき間の決まり(がいし引きは2.5cm以上など)
- 「貫通しない」は突き抜け禁止(ライティングダクト)
金属の造営材を貫通するとき
ペン太
ハリタメタルラス張り、ワイヤラス張り、金属板張りの木造の造営材は、壁の中に金属が入っています。金属管などがここを貫通するときは、貫通する部分のメタルラスなどを十分に切り開き、耐久性のある絶縁管に収めて、管とラスが触れないようにします。
管とラスが触れたままだと、電線が傷んで漏電したとき、壁のラスに電気が回り、感電や火災のおそれがあります。金属管のほか、金属可とう電線管や金属ダクトなども同じ考え方です。金属管工事の決まりは金属管工事の解説で説明しています。
- メタルラスや金属板張りの壁は、それ自体が金属
- 貫通部は切り開き、耐久性のある絶縁管に収める
- 金属管・金属可とう電線管・金属ダクトなども同じ
まとめ|結論
結論
造営材は、建物(造営物)をつくっている柱・梁・壁・天井・床・屋根などの部分です。条文では「沿って」「離隔」「貫通する・しない」の言い回しで、配線との関係の決まりを表します。金属の造営材を貫通するときは、絶縁管に収めて離します。
条文に「造営材」が出てきたら、この順で読みます。
- 相手は建物(造営物)か、それ以外の工作物か
- 言い回しは「沿って」「離隔」「貫通」のどれか
- その工事の種類で決まっている数値(支持点間・離隔距離)
- 造営材が金属(メタルラス・金属板張り)なら、絶縁の決まり
よくある質問
造営材とは何ですか?
建物(造営物)をつくっている柱・梁・壁・天井・床・屋根などの材料や部分のことです。電技解釈や内線規程の配線工事の規定で、「造営材に沿って」「造営材を貫通する」のように使われます。
造営物と造営材の違いは何ですか?
造営物は建物そのもので、電技解釈第1条で「工作物のうち、土地に定着するものであって、屋根及び柱又は壁を有するもの」と定義されています。造営材は、その造営物をつくっている一つひとつの材料や部分です。
「造営材に沿って取り付ける」とは、どういう意味ですか?
ケーブルや電線を、天井の下面や壁の側面などにはわせて、支持材で固定することです。ケーブル工事では、造営材の下面や側面に沿って取り付ける場合、支持点間の距離を2m以下にします。
「造営材を貫通しない」とは、どういう意味ですか?
壁や天井、床を突き抜けて施設してはいけない、という意味です。たとえばライティングダクトは、造営材を貫通して施設できません。壁の向こうへ延ばすときは、いったん別の配線方法に切り替えます。
金属の造営材を貫通するときは、どうしますか?
メタルラス張り、ワイヤラス張り、金属板張りの木造の造営材を金属管などが貫通するときは、貫通する部分のメタルラスなどを十分に切り開き、耐久性のある絶縁管に収めて、管とラスが触れないようにします。
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