高圧受電設備規程 PR

引込設備の設計|高圧ケーブルのサイズ選定方法と計算手順について詳しく解説

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時間が重要です。

 

今回の疑問

 

高圧ケーブルのサイズってどうやって選定するの?

 

 

あにまるさん
あにまるさん
今日は高圧ケーブルのサイズを選定するぞ!とりあえず60sqでいいや~

はりた
はりた
ちゃんと計算して求めようよ…過剰な選定をしているかもしてないよ!

あにまるさん
あにまるさん
高圧ケーブルのサイズって求め方があるのか?

はりた
はりた
もちろん!計算によって求めることができるから解説していこう!

結論

高圧ケーブルの選定方法は次の条件より計算を行いサイズの大きいほうを採用します。

  1. 短時間許容電流による選定
  2. 最大負荷電流による選定




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高圧ケーブルサイズ算出表を作成しました!

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この記事でわかること・おすすめの方

高圧ケーブルサイズの選定方法について調べている方

短時間許容電流の求め方について調べている方

短絡容量の聴き取り手順について調べている方

受変電設備の負荷電流値について調べている方

 

ケーブルサイズ選定の条件は?

短時間許容電流
最大負荷電流

高圧ケーブルの短時間許容電流は?

6kVCV-T 38sq=11.3[kA]
6kVCV-T 60sq=16.3[kA]

変電所の過電流継電器の動作時間:0.2秒の場合

短時間許容電流を求める式は?

A=I√t/134

  • A:導体交渉断面積
  • I:受電点の短絡電流
  • t:短絡電流通電時間(秒)
  • ※変電所の過電流継電器の動作時間:0.2秒

導体:銅 短絡前導体温度:90℃ 短絡時導体温度:230℃の場合

短絡電流の計算式は?

I[kA]=短絡容量[MVA]/6.6[kV]×√3

短絡容量を求める方法は?

所轄の電力会社に問い合わせる必要あり

負荷電流の求め方は?

単相変圧器一次電流=変圧器容量÷6.6kV
三相変圧器一次電流=変圧器容量÷√3×6.6kV

高圧ケーブルの許容電流は?
ケーブルサイズ 電流値
22 sq 120
38 sq 170
60 sq 225
100 sq 310
150 sq 405
200 sq 485
250 sq 560
325 sq 660
400 sq 750
500 sq 855
600 sq 950 A



高圧ケーブルの選定条件

あにまるさん
あにまるさん
高圧ケーブルのサイズってなにからやればいいんだ?

はりた
はりた
高圧ケーブルのサイズは下記の2項目から求めて大きいほうを選定すればいいんだよ!

高圧ケーブルの選定条件

 

  1. 短時間許容電流による選定
  2. 最大負荷電流による選定

 

あにまるさん
あにまるさん
どっちもやったことないぞ!

はりた
はりた
だめだよ~まず、短時間許容電流について解説していくよ!




短時間許容電流による選定手順



短時間許容電流とは

あにまるさん
あにまるさん
短時間許容電流ってなんなんだい?

はりた
はりた
短時間許容電流とは瞬時に流れた電流に耐えられる許容電流のことだよ!

あにまるさん
あにまるさん
どうやって求めるんだい?

はりた
はりた
簡単な計算式で求めることができるから解説していこう!

短時間許容電流とは

短絡・地絡事故などで瞬時(長くても1~2秒程度)に大電流が流れる場合は、発生した熱量は全て導体の温度上昇にのみ費やされると考えることができます。

電線・ケーブルの短絡時または地絡時の許容電流は、絶縁体の種類に応じて、簡略計算式を用いることが可能です。この短絡または地絡時の許容電流値が短時間許容電流になります。

ファイナンス

はりた
はりた
事故時の大電流に耐えられるサイズを選定しよう。

短時間許容電流による選定手順

短時間許容電流による選定

短絡時には瞬時に大電流(短絡電流)が発生するため、

ケーブル自体の【短時間許容電流】が【短絡電流】以上ある必要があります。

ケーブルサイズの短絡時許容電流の計算式は下記になります。

短絡時許容電流の計算式

A=I√t/134

  • A:導体交渉断面積
  • I:受電点の短絡電流
  • t:短絡電流通電時間(秒)
  • ※変電所の過電流継電器の動作時間:0.2秒

導体:銅 短絡前導体温度:90℃ 短絡時導体温度:230℃の場合

※変電所の過電流継電器の動作時間

はりた
はりた
継電器の動作時間について知りたい方はこちら!




はりた
はりた
ケーブルサイズ毎の短時間許容電流は次の計算値になるよ

CVT38㎟の短時間許容電流は…

38[㎣]=I√0.2/134(0.003337)
I=38°/0.003337=11.3[kA]

6kVCV-T 38sq=11.3[kA]

CVT60㎟の短時間許容電流は…

60[㎣] =I√0.2/134(0.003337)
I=60°/0.003337=16.2[kA]

6kVCV-T 60sq=16.3[kA]

となり求めた値以下の短絡電流にする必要があります。

あにまるさん
あにまるさん
ん~わけがわかんないよ

はりた
はりた
ケーブルごとの短時間許容電流の値だけ覚えておいて!

各ケーブルサイズ毎の短時間許容電流

  • 6kVCV-T 38sq=11.3[kA]
  • 6kVCV-T 60sq=16.3[kA]

変電所の過電流継電器の動作時間:0.2秒の場合



受電点の短絡容量の確認

短絡容量の確認方法

次に短絡電流を求めるために受電点の短絡容量を確認する必要があります。

電柱引込点の最寄りの電柱等に記載されている電柱番号を管轄の電力会社に問い合わせ短絡容量の確認を行いましょう。

電柱番号の見分け方については各電力会社のホームページに記載されています。

はりた
はりた
引込点の短絡容量は、管轄の電力会社に確認しないといけないよ

あにまるさん
あにまるさん
電話して確認すればいいんだな

確認の主な流れ

電柱番号の確認

電柱

管轄の電力会社に問い合わせ
(短絡容量の聞き取り)

Eメール

短絡容量により短絡電流の算出

Maths free icon




施工時のトラブルとならないよう引込柱の情報を記載しておくようにしましょう。

  1. 〇〇電力柱
  2. 電柱番号
  3. 短絡容量
  4. B種接抵抗値

 

あにまるさん
あにまるさん
書いたことなかったな~

はりた
はりた
引込点の情報は記載しておくと親切だね!

短絡電流の計算式

I[kA]=短絡容量[MVA]/6.6[kV]×√3

短絡容量が74MVAの場合(電力会社に確認した値)

I=74[MVA]/6.6[kV]×√3(10.39)

7.12[kA]

ケーブルの短時間許容電流と比較してみる!

11.3[kA](38sqの短時間許容電流)>7.12[kA]

高圧ケーブル選定の流れ

高圧ケーブルの許容短絡電流を求める

計算式|A=I√t/134

各ケーブルサイズの短時間許容電流

6kVCV-T 38sq=11.3[kA]
6kVCV-T 60sq=16.3[kA]

短絡電流を求める

I[kA]=短絡容量[MVA]/6.6[kV]×√3

短絡容量は電力会社に確認する

11.3[kA](6.6kV CVT38sqの短時間許容電流)>短絡電流

であればよいということになります

あにまるさん
あにまるさん
38[㎣]の短時間許容電流は11.3[kA]だったな!

はりた
はりた
そうだね!38[㎣]の短時間許容電流が11.3[kA]なので、38[㎣]で満足していることになるよ。

あにまるさん
あにまるさん
意外と簡単だったな!

はりた
はりた
実質必要なのは短絡容量の確認だけでOKなんだよ!

あにまるさん
あにまるさん
後半もやれそうな気がするぞ!

はりた
はりた
それじゃあ続きを解説していこう!

最大負荷電流による選定

最大負荷電流値による選定方法

次に最大負荷電流値による選定方法について解説したいと思います。

オフィス無料アイコン

短時間許容電流による選定は外部要因『短絡容量』によるケーブルサイズの選定ですが、最大負荷電流による選定は、内部要因『受変電設備』の負荷容量より決定されます。

高圧ケーブルのサイズ選定を行う際は、この両方の結果を満足する必要があります。



最大負荷電流値の計算

最大負荷電流値の計算方法

最大負荷電流は新築建物の実際の最大負荷電流値は”契約容量”により算出を行います。

統計

しかしケーブル選定の段階では契約容量が決まっていない場合が多いので、

需要家の受変電設備容量より最大電流値の算出を行います。

あにまるさん
あにまるさん
契約容量なんてまだ決まってないぞ

はりた
はりた
その場合は負荷電流を考慮して選定しよう!

契約容量が未確定の場合

受変電設備の変圧器容量は、実際に使用する建物の負荷容量よりも大きくなるように計画します。したがって変圧器容量により求めた負荷電流値が需要家の最大負荷電流値と考え最大負荷電流値を満足できる高圧ケーブルを選定すればよいということになります。




変圧器容量による負荷電流値の計算方法

あにまるさん
あにまるさん
負荷電流はどうやって計算すればいいんだい?

はりた
はりた
負荷容量は変圧器容量から求めるようにしよう!

変圧器容量から求めよう!

建物の最大負荷電流はトランス容量によって選定することができます。各トランスごとの電流値を計算し合計したものが建物の最大負荷電流値になります。

変圧器容量による負荷電流値の計算方法
  • 単相変圧器一次電流=変圧器容量÷6.6kV
  • 三相変圧器一次電流=変圧器容量÷√3×6.6kV

計算例

  • 単相変圧器 300KVA×2台
  • 三相変圧器 200kVA×3台

単相変圧器の電流値を算出

  1. 単相トランス300KVA÷6.6kV=45.5A
  2. 単相トランス300KVA÷6.6kV=45.5A

三相変圧器の電流値を算出
  1. 3相トランス200KVA÷(√3×6.6kV)=17.5A
  2. 3相トランス200KVA÷(√3×6.6kV)=17.5A
  3. 3相トランス200KVA÷(√3×6.6kV)=17.5A

合計すると・・・

最大負荷電流値=45.545.517.517.517.5126A

各トランス容量から一次側電流値を計算し合計値を建物の最大負荷電流値と仮定します。



はりた
はりた
補足:トランス容量から算出すると建物の最大の値となるので検討は十分に行う必要があります。

受変電設備の設計|変圧器二次側の電圧計及び電流計の選定方法について詳しく解説 計器は計算で求められる ...

はりた
はりた
変圧器2次側電流の計算方法はこちらから!




6.6kV CVTケーブルの許容電流

あにまるさん
あにまるさん
さっき求めた負荷電流以上の許容電流を選定すればいいんだな!

はりた
はりた
そうだね!許容電流の欄を確認してみよう!

6600Ⅴ CVTケーブルの許容電流 周囲温度40℃
ケーブルサイズ 電流値
22 sq 120
38 sq 170
60 sq 225
100 sq 310
150 sq 405
200 sq 485
250 sq 560
325 sq 660
400 sq 750
500 sq 855
600 sq 950 A

空中暗渠周囲温度25°Cの場合、最大負荷電流値【126A】を超える許容電流を持つケーブルサイズは【CVT38sq(170A)】となります。

出典:(電線・ケーブルの許容電流について | 橋本興産 (hashimoto-kosan.jp))より

 

あにまるさん
あにまるさん
やっとこれで完了か~

はりた
はりた
最後にこの2つの計算結果の大きいサイズはどっちだったかな?

あにまるさん
あにまるさん
どちらの結果も38sqだったから38sqでOKってことになるな!

はりた
はりた
これで次から選定ができるようになるね!

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参考にした書籍はこちらからチェック
  • 高圧受電設備規程

 

まとめ

高圧ケーブルの選定方法

選定条件

  1. 短時間許容電流
  2. 最大負荷電流

の2項目ありそれぞれ選定したうちの大きいほうのサイズにて決定します。

ケーブルサイズ毎の短時間許容電流

  • 6kVCV-T 38sq=11.3[kA]
  • 6kVCV-T 60sq=16.3[kA]

ケーブルサイズ毎の短時間許容電流は上記値となり受電点の短絡電流が11.3[kA]を超えれば60sqとなります。受電点の短絡容量は、管轄の電力会社に問い合わせる必要がありますので、引込点に近接する電柱番号を控えておくようにしましょう。

最大負荷電流の求め方

  • 新築建物の契約容量により算出する
  • 受変電設備の変圧器容量より算出する

変圧器容量による最大負荷電流の求め方

  • 単相変圧器一次電流=変圧器容量÷6.6kV
  • 三相変圧器一次電流=変圧器容量÷√3×6.6kV

契約容量は設計段階で決まっていないことが多いため受変電設備の変圧器容量により求める場合が多くなります。選定の際は各変圧器容量より電流値を求め最大負荷電流値を算出しケーブルサイズを決定するようにしましょう。




 




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