新人の学習ルート 9. 規程・法令の引き方を覚える
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全体像:接地工事の種類(A種・B種・C種・D種)と接地抵抗値

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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より 電気設備の安全に欠かせない「接地(アース)」。その工事にはA種・B種・C種・D種の4種類があり、求められる接地抵抗値もそれぞれ違います。種類と数値の関係を整理して解説します。
接地工事の目的・4種類の接地抵抗値・300Vの境目を整理した図解

⚡ 先に結論

  • 接地の目的は感電防止・保護装置の確実動作・高電圧の侵入防止の3つ
  • 工事の種類はA種/B種/C種/D種の4種類で、対象電圧で使い分ける
  • A種・C種は10Ω以下、D種は100Ω以下、B種は150÷Ig(Ω)以下が基本
接地の種類A種・B種・C種・D種と接地抵抗値の早わかり図解
接地の4種類(A〜D種)の対象と接地抵抗値
図解のポイント:接地の種類はA種・B種・C種・D種の4つで、対象機器と要求される接地抵抗値がそれぞれ異なります。A種は高圧・特別高圧機器で10Ω以下、B種は変圧器の高低圧混触防止で150÷Ig、C種は300V超の低圧機器で10Ω、D種は300V以下の低圧機器で100Ωが基準です。C種・D種は0.5秒以内の自動遮断があれば500Ωまで緩和されます。
📱 接地の種類 A〜D種(要点データ)
A種
高圧・特別高圧機器の外箱/10Ω以下
B種
変圧器の高低圧混触防止/150÷Ig
C種
300V超の低圧機器/10Ω(0.5秒遮断で500Ω)
D種
300V以下の低圧機器/100Ω(0.5秒遮断で500Ω)
この記事でわかること
✔ 接地工事の種類(A・B・C・D種)
✔ なぜ接地するのか(3つの目的)
✔ 接地工事の4種類と接地抵抗値(早見表)
✔ C種とD種の境目は「300V」

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ペン太ペン太
接地工事のA種からD種って、何を基準に分かれているんですか?
ハリタハリタ
対象機器の電圧です。感電防止など3つの目的に応じて抵抗値の基準も変わります。

この記事で押さえる3つのこと

  • A種とC種は同じ10Ω以下でも対象が違う。A種は高圧・特別高圧機器、C種は300V超の低圧機器
  • C種とD種の境目は300V。300V以下がD種、超えるとC種
  • 地絡時に0.5秒以内に自動遮断する装置があれば、C種・D種は500Ω以下
この記事でわかること
数値だけ確認したい方は、早見表から読んでください。
この記事の内容を、ツールで計算する接地線サイズ選定ツール接地の種類と遮断器の定格から、接地線の最小サイズが出ます
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接地工事の種類(A・B・C・D種)

A種 高圧機器。10Ω以下。
B種 変圧器の中性点。150÷Ig。
C種 300V超の低圧。10Ω以下。
D種 300V以下。100Ω以下。
ここに注意!
「A種とC種は同じ10Ω以下だから、同じ接地工事」ではありません。
A種は高圧・特別高圧機器の外箱など、C種は300Vを超える低圧機器の外箱などが対象です。数値が同じでも、対象が違います。
ここに注意!
「B種接地は、機器の外箱につなぐ接地」ではありません。
B種は、高圧または特別高圧と低圧を結ぶ変圧器の低圧側の中性点(または一端子)に施す接地です。混触したときに低圧側の電位が上がるのを抑えるためのものです。

電気設備技術基準では、接地工事を対象と目的に応じて次の4種類に区分します。

  • A種:高圧・特別高圧機器の金属製外箱など(接地抵抗10Ω以下)
  • B種:高圧/特別高圧と低圧を結ぶ変圧器の中性点など(計算で求める値)
  • C種:300Vを超える低圧機器の金属製外箱など(10Ω以下。0.5秒以内に自動遮断する場合は500Ω以下)
  • D種:300V以下の低圧機器の金属製外箱など(100Ω以下。同上で500Ω以下)
ここまでのポイント
  • A種は高圧・特別高圧機器の金属製外箱などが対象
  • B種は高圧/特別高圧と低圧を結ぶ変圧器の中性点など
  • C種は300V超、D種は300V以下の低圧機器の金属製外箱などが対象

なぜ接地するのか(3つの目的)

漏電 洗濯機の外箱に漏れる。
大地へ 接地線へ大部分が流れる。
遮断 漏電遮断器が切れる。
目的 感電防止など3つ。
接地はただ電線を地面につなぐ作業ではなく、明確な目的があります。
  • 感電防止:漏電した機器に人が触れても電気を大地へ逃がす
  • 保護装置の確実動作:漏電遮断器などを確実に動作させ災害を防ぐ
  • 高電圧の侵入防止:変圧器中性点を接地し高圧の低圧側侵入を防ぐ
目的どういうことか
感電防止漏電した機器に人が触れても、電気を大地へ逃がす
保護装置の確実動作漏電遮断器などを確実に動作させ、災害を防ぐ
高電圧の侵入防止変圧器中性点を接地し、高圧の低圧側への侵入を防ぐ
ここまでのポイント
  • 感電防止:漏電した機器に人が触れても、電気を大地へ逃がす
  • 保護装置の確実動作:漏電遮断器などを確実に動作させ、災害を防ぐ
  • 高電圧の侵入防止:変圧器中性点を接地し、高圧の低圧側への侵入を防ぐ

接地工事の4種類と接地抵抗値(早見表)

混触 高圧が低圧側へ入る。
式 150÷Ig以下。
遮断時間 2秒以内は300、1秒以内は600。
Ig 電力会社に確認する。
たとえるなら
B種の式は、流れ込む水が多いほど太い排水管
上流から流れ込む水(1線地絡電流Ig)が多いほど、水位(低圧側の電位)を上げないためには太い排水管(低い接地抵抗)が要ります。150÷Igは、その太さを計算で決める式です。早く水門を閉められる(速く遮断できる)なら、少し細い管でも間に合います。
ここに注意!
「B種接地にも、決まった抵抗値がある」ではありません。
B種は150÷Ig(Ω)以下で、Igによって変わります。高圧側に自動遮断装置があれば、1秒超2秒以内で300÷Ig、1秒以内で600÷Igに緩和されます。
種類主な対象接地抵抗値
A種高圧・特別高圧機器の金属製外箱等10Ω 以下
B種変圧器の高圧と低圧の混触防止150/Ig(Ω)※Ig=1線地絡電流
C種300V超の低圧機器の外箱等10Ω以下(0.5秒以内遮断で500Ω)
D種300V以下の低圧機器の外箱等100Ω以下(0.5秒以内遮断で500Ω)

📌 C・D種は0.5秒以内に自動遮断する装置があれば500Ωまで緩和。B種は変圧器の高低圧混触時の遮断時間で緩和されます。

目的を達成するため、どれくらい低い抵抗で大地につなぐかを種類ごとに定めています。
  • A種:高圧・特別高圧機器の外箱や鉄台など → 10Ω以下
  • B種:高低圧を結ぶ変圧器の中性点(低圧側) → 150÷Ig(Ω)以下
  • C種:300Vを超える低圧機器の外箱など → 10Ω以下(条件で500Ω以下)
  • D種:300V以下の低圧機器の外箱など → 100Ω以下(条件で500Ω以下)
ペン太ペン太
A種もC種も10Ω以下だから、同じ工事と考えていいですよね?
ハリタハリタ
対象が違います。A種は高圧機器、C種は300Vを超える低圧機器への接地です。
ここまでのポイント
  • A種は10Ω以下、C種も10Ω以下、D種は100Ω以下
  • B種は150÷Ig(Ω)で求める。Igは1線地絡電流
  • C・D種は0.5秒以内に自動遮断する装置があれば500Ωまで緩和される

C種とD種の境目は「300V」

D種 300V以下。100Ω以下。
C種 300V超。10Ω以下。
現場 200VはD、400VはC。
500Ω 0.5秒以内の自動遮断で。
ここに注意!
「300Vちょうどの機器はC種」ではありません。
区分は「300V以下」がD種、「300Vを超える」とC種です。300Vちょうどは以下に入るのでD種です。
ここに注意!
「500Ωへの緩和は、漏電遮断器を付けるだけで使える」ではありません。
条件は、地絡を生じたときに0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置を施設することです(電技解釈第17条)。遮断までの時間が条件に合っているかを確かめます。
  • 300Vを超える低圧機器 → C種(10Ω以下)
  • 300V以下の低圧機器 → D種(100Ω以下)
  • 地絡時に0.5秒以内に自動遮断する装置(漏電遮断器など)を施設すれば、C種・D種は500Ω以下まで緩和
たとえるなら
接地は、あふれた水を流す排水口
漏れた電気は、あふれた水のようなものです。排水口(接地)が太ければ、水は人のほうへ来ずに排水口へ流れます。細い(接地抵抗が高い)と流れきれずに人のほうへあふれます。だから、守るものが重要なほど、低い抵抗値が決められています。
ペン太ペン太
そもそも、なんで接地するんでしたっけ?
ハリタハリタ
いちばんは“感電を防ぐ”ためだよ。漏電した電気を大地に逃がして人を守る。あと、漏電遮断器をちゃんと動かす役割もあるんだ。
ペン太ペン太
なるほど、安全のための“逃げ道”なんですね。種類はどう選ぶんですか?
ハリタハリタ
対象の電圧で決まるよ。高圧機器はA種、300V超の低圧はC種、300V以下はD種。変圧器の中性点はB種だね。
取り違えやすいところ正しくは
A種とC種は同じ10Ωだから同じもの対象が違う。A種は高圧・特別高圧機器、C種は300V超の低圧機器
300Vちょうどはどちらか「300V以下」なのでD種
500Ωへの緩和は無条件地絡時に0.5秒以内に自動遮断する装置を施設した場合
B種も決まった数値があるB種は150÷Ig(Ω)で計算して求める
ここまでのポイント
  • 300Vを超える低圧機器はC種(10Ω以下)
  • 300V以下の低圧機器はD種(100Ω以下)
  • 地絡時に0.5秒以内に自動遮断する装置を施設すれば500Ω以下まで緩和

よくある質問(FAQ)

Q. A種とC種はどちらも10Ω以下ですが何が違うの?
A. 対象が違います。A種は高圧・特別高圧機器の外箱など、C種は300Vを超える低圧機器の外箱などが対象です。抵抗値は同じ10Ω以下でも用途区分が異なります。
Q. B種接地の抵抗値はなぜ計算式なの?
A. 高圧側の一線地絡電流Igに応じて低圧側に現れる電圧を抑える必要があるためです。基本は150÷Ig(Ω)以下で、自動遮断装置を設ける場合は分子が300(1秒超2秒以内)・600(1秒以内)に緩和されます。
Q. C種・D種が500Ωまで緩和されるのはどんな時?
A. 低圧電路で地絡を生じたときに0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置(漏電遮断器など)を施設した場合、C種・D種の接地抵抗値は500Ω以下まで緩和できます(電技解釈第17条)。
Q. 接地抵抗はどうやって測りますか?
A. 接地抵抗計(アーステスタ)を使い、測る接地極から一直線上に補助接地極を2本、およそ10m間隔で打ち込んで測ります。測った値が、接地の種類ごとの基準値以下であることを確かめます。
Q. 接地線の太さはどう決めますか?
A. 電技解釈第17条で最低の太さが決まっており、軟銅線ならA種は直径2.6mm以上、C種・D種は1.6mm以上です。B種は高圧と低圧を結ぶ変圧器なら2.6mm以上(それ以外は4mm以上)です。実務では、内線規程の表で過電流遮断器の定格から接地線の太さを選びます。

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まとめ|対象で分け、数値で押さえる

結論です。接地工事は対象で4種類に分かれ、A種とC種は10Ω以下、D種は100Ω以下、B種だけは計算で求めます。A種とC種は数値が同じでも対象が違う点、C種とD種の境目が300Vである点。この2つを取り違えなければ、この項目は落としません。

種類主な対象接地抵抗値
A種高圧・特別高圧機器の金属製外箱など10Ω以下
B種高圧/特別高圧と低圧を結ぶ変圧器の中性点など150÷Ig(Ω)
C種300Vを超える低圧機器の金属製外箱など10Ω以下(条件を満たせば500Ω以下)
D種300V以下の低圧機器の金属製外箱など100Ω以下(条件を満たせば500Ω以下)

接地する3つの目的

  • 感電防止
  • 保護装置の確実動作
  • 高電圧の侵入防止

取り違えを防ぐ3点

  • A種とC種は数値が同じでも、対象が違う
  • C種とD種の境目は300V。300Vちょうどは「以下」なのでD種
  • 500Ωへの緩和には、漏電遮断器の条件が付く

接地工事の種類は、数値だけを並べて覚えると必ずどこかで混ざります。まず「何を守るための接地か」で対象を押さえ、そのうえで数値を当てはめる。この順番にしておけば、A種とC種のように数値が重なる場面でも迷わず選び分けられます。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
D種の100Ωが確保しにくい場所では、どうすればいいですか?
ハリタハリタ
0.5秒以内に遮断する装置があれば500Ωまで緩和されます。条件を確認しましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。