第二種電気工事士 合格カリキュラム学科④ 電気工事の施工方法
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金属線ぴの種類や使いどころは「電気設備の基本知識 #007【金属線ぴと金属ダクト工事】」で解説しました。この記事は、その続きとして金属線ぴ工事の規定を整理します。使える条件、線ぴの中での接続、つなぎ目、接地とその省略を、図とたとえで1つずつ確認していきましょう。

結論

金属線ぴ工事は300V以下・乾燥した展開または点検できる隠ぺい場所で使います。線ぴの中では原則接続しない、接地はD種が原則で4m以下などは省略できます。

  • 1種は幅4cm未満のメタルモール、2種は幅4〜5cmのレースウェイ
  • 電線はOWを除く絶縁電線
  • 2種で分岐し、点検できるなら線ぴの中で接続できる
  • つなぎ目は堅ろう・電気的に完全に
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
1種金属製線ぴ(幅4cm未満)が壁や天井の露出配線をすっきり見せるのに使われ、2種金属製線ぴ(幅4〜5cm)が天井から吊って照明器具の取り付け台も兼ねることを比べた図
1種はメタルモール、2種はレースウェイ。

1種と2種 ― メタルモールとレースウェイ

種類 幅 主な使われ方
1種金属製線ぴ(メタルモール) 4cm未満 壁や天井の露出配線をすっきり見せる
2種金属製線ぴ(レースウェイ) 4cm以上5cm以下 天井から吊り、照明器具の取り付け台も兼ねる
5cmを超えると金属ダクトになる

形や使いどころのくわしい説明は「電気設備の基本知識 #007【金属線ぴと金属ダクト工事】」にあります。この回では、工事の規定に集中します。

ここまでのポイント
  • 1種は幅4cm未満、2種は4〜5cm
  • 5cmを超えると金属ダクト
  • この回は規定を確認する

接地 ― D種が原則、短ければ省略

金属線ぴの接地として、長さ4mを超える場合はD種接地工事をし、長さ4m以下なら省略でき、対地電圧150V以下で長さ8m以下なら簡易接触防護措置か乾燥した場所で省略できることを順に示した動く図解
動く図解:線ぴの長さと条件で、接地を省略できるかが決まります。
条件 接地
原則 D種接地工事
線ぴの長さが4m以下 省略できる
対地電圧150V以下で、長さ8m以下 簡易接触防護措置をするか、乾燥した場所に施設すれば省略できる
電気設備技術基準の解釈(金属線ぴ工事)をもとに作成

線ぴの長さは、ボンドなどで電気的につながった全体の長さで考えます。接地の種類は「電気設備の基本知識 #033【接地工事の要点 C種・D種】」で解説しています。

ここまでのポイント
  • D種接地が原則
  • 4m以下なら省略できる
  • 対地電圧150V以下・8m以下も条件つきで省略

線ぴの中での接続 ― 原則しない

線ぴの中では原則として電線を接続しないこと、例外として2種金属製線ぴで電線を分岐する場合に、電気用品安全法の適用を受ける線ぴを使い、接続点を容易に点検でき、D種接地工事をすれば接続できることを比べた図
線ぴの中での接続は、例外の条件がそろったときだけです。

線ぴの中では、原則として電線を接続しません。接続はボックスの中で行います。ただし、2種金属製線ぴで電線を分岐する場合は、次の条件がそろえば線ぴの中で接続できます。

  • 電気用品安全法の適用を受ける2種金属製線ぴを使う
  • 接続点を容易に点検できるように施設する
  • D種接地工事をする

たとえるなら点検口のある天井裏です。あとからのぞいて確認できるなら、中でつないでもよい、という考え方です。

ひっかけ注意
レースウェイの中で分岐できるのは便利ですね。
そうなんです。照明器具をたくさんぶら下げる天井では、器具ごとに分岐が必要になりますからね。ただし「点検できる」ことが条件なので、ふさいでしまわないように注意しましょう。
ここまでのポイント
  • 線ぴの中では原則接続しない
  • 2種で分岐するなら条件つきで可
  • 点検できること・D種接地が条件


つなぎ目 ― 堅ろうに、電気的に完全に

線ぴどうしを継手でつなぎ、ボンドで電気的に接続して、機械的に堅ろうかつ電気的に完全につなぐことを示した動く図解
動く図解:線ぴどうしを、継手とボンドでつなぎます。

線ぴどうし、線ぴとボックスなどは、機械的に堅ろうに、かつ電気的に完全につなぎます。電気的につながっていれば、どこか1か所で接地するだけで、線ぴ全体が大地につながります。

たとえるなら手をつないだ列です。1人が柱につかまっていれば、手をつないでいる全員が支えられます。

ここまでのポイント
  • 機械的に堅ろうにつなぐ
  • 電気的に完全につなぐ(ボンド)
  • 1か所の接地で全体が大地につながる

使える条件 ― 300V・乾燥・見える所

金属線ぴ工事を使える条件として、使用電圧300V以下、展開した場所・点検できる隠ぺい場所、乾燥した場所(湿気・水気は不可)を並べた図
金属線ぴ工事を使える条件。
項目 条件
使用電圧 300V以下
施設場所 展開した場所・点検できる隠ぺい場所
環境 乾燥した場所
電線 絶縁電線(OWを除く)
線ぴ・ボックス 電気用品安全法の適用を受けるもの
電気設備技術基準の解釈(金属線ぴ工事)をもとに作成

施工場所ごとに使える工事の一覧は「電気設備の基本知識 #020【施工場所と工事の種類】」で確認できます。

ここまでのポイント
  • 使用電圧300V以下
  • 展開・点検できる隠ぺいの乾燥した場所
  • OWを除く絶縁電線

押さえる要点 ― 6つのルール

金属線ぴ工事の規定で押さえる要点として、使用電圧300V以下、乾燥した展開・点検できる隠ぺい場所、OWを除く絶縁電線、線ぴの中で原則接続しない、つなぎ目は堅ろう・電気的に完全、接地はD種が原則で4m以下などは省略の6つを並べた図
金属線ぴ工事の規定のまとめ。

次の#026は「電気設備の基本知識 #026【金属管工事】」です。

ここまでのポイント
  • 300V以下・乾燥した場所
  • 線ぴの中は原則接続しない
  • D種接地が原則、4m以下などは省略

よくある質問

金属線ぴ工事の使用電圧の制限は?

使用電圧300V以下で使います。

金属線ぴ工事はどこで使えますか?

展開した場所と点検できる隠ぺい場所で、どちらも乾燥した場所に限られます。湿気・水気のある場所では使えません。

金属線ぴの接地工事は?

D種接地工事が原則です。線ぴの長さが4m以下の場合や、対地電圧150V以下で長さ8m以下の線ぴを簡易接触防護措置をして施設する場合・乾燥した場所に施設する場合は、省略できます。

線ぴの中で電線を接続できますか?

原則として接続しません。ただし、2種金属製線ぴ(電気用品安全法の適用を受けるもの)で電線を分岐する場合に、接続点を容易に点検できるようにし、D種接地工事をすれば、線ぴの中で分岐できます。

線ぴどうしのつなぎ方の決まりは?

線ぴどうし、線ぴとボックスなどは、機械的に堅ろうに、かつ電気的に完全に接続します。ボンドなどで電気的につなぐことで、1か所の接地で線ぴ全体が大地につながるようにします。

ハリタ

この記事を書いた人:ハリタ

電気設備設計の実務者。内線規程・電気工事士資格・住宅の電気設備を「設計者の視点」で解説しています。プロフィール詳細

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。