第二種電気工事士 合格カリキュラム学科④ 電気工事の施工方法
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金属ダクトと金属線ぴの違いや使いどころは「電気設備の基本知識 #007【金属線ぴと金属ダクト工事】」で解説しました。この記事は、その続きとして電気設備技術基準の解釈に書かれた金属ダクト工事の規定を整理します。入れられる量、ダクトの材料、終端と水、接続・支持・接地を、図とたとえで確認していきましょう。

結論

金属ダクトは幅5cm超・厚さ1.2mm以上の鉄板。電線は断面積の合計20%以下(制御回路などは50%)、支持は3m以下、終端はふさぐのが基本です。

  • 電線はOWを除く絶縁電線
  • ダクトの中では原則接続しない(分岐・点検できれば可)
  • 取扱者以外が入れない所で縦なら支持6m以下
  • 300V以下D種・300V超C種(接触防護措置でD種)
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
金属ダクト工事の規定を、ダクト(幅5cm超・厚さ1.2mm以上)、電線(OWを除く・断面積20%以下)、つなぐ(原則接続しない)、支える・接地(3m以下・D種/C種)、守る(終端をふさぐ・ほこりや水をためない)の5つの視点で整理した図
金属ダクト工事の規定は、5つの視点で整理できます。

規定の全体像 ― 5つの視点

視点 主な規定
ダクト 幅5cmを超え、厚さ1.2mm以上の鉄板など。内面はなめらかに、さび止めを施す
電線 OWを除く絶縁電線。断面積の合計はダクト内断面積の20%以下(制御回路などは50%以下)
つなぐ ダクトの中では原則接続しない。ダクトどうしは堅ろう・電気的に完全に
支える・接地 支持点間3m以下(条件つきで縦6m)。300V以下D種、300V超C種
守る 終端はふさぐ。中にほこりや水がたまらないようにする
電気設備技術基準の解釈(金属ダクト工事)をもとに作成。細かな条件は条文で確認する
ペン太ペン太
金属ダクトは太いから、電線は好きなだけ入れられますよね?
ハリタハリタ
そこが落とし穴です。熱がこもらないように、入れられる量には上限があります。一般の電線ならダクトの断面積の20%までなんですよ。
ここまでのポイント
  • ダクト・電線・つなぐ・支える・守るの5視点
  • 使いどころは#007、規定はこの回
  • 入れる量の上限がポイント

入れられる量 ― 20%と50%

金属ダクトに入れられる電線の量として、動力や電灯などの電線は被覆を含む断面積の合計がダクト内断面積の20%以下、制御回路などの配線だけなら50%以下であることを切り替えて示した動く図解
動く図解:電線の種類によって、入れられる量が変わります。
入れる電線 断面積の合計の上限
動力・電灯などの電線 ダクト内断面積の20%以下
制御回路などの配線だけ ダクト内断面積の50%以下
電線の被覆を含む断面積で計算する

電流の大きい電線ほど熱が出るので、すき間を多くとります。制御回路の配線は流れる電流が小さく、熱も少ないので、たくさん入れられます。

ここまでのポイント
  • 一般は20%以下
  • 制御回路などだけなら50%以下
  • 被覆を含む断面積で考える

ダクトの材料 ― 幅5cm超・厚さ1.2mm以上

金属ダクトの材料として、幅5cmを超え、厚さ1.2mm以上の鉄板など堅ろうな材料で作り、内面は電線の被覆を傷つけないように突起をなくし、内面・外面にさび止めの塗装やめっきをすることを示した図
ダクトは、丈夫でさびにくいことが求められます。

金属ダクトは、幅5cmを超え、厚さ1.2mm以上の鉄板など堅ろうなもので作ります。内面は電線の被覆を傷つけないようになめらかにし、内面・外面にさび止めの塗装やめっきを施します。幅5cm以下なら金属線ぴの扱いになります(「電気設備の基本知識 #025【金属線ぴ工事】」参照)。

ここまでのポイント
  • 幅5cm超・厚さ1.2mm以上
  • 内面はなめらかに
  • さび止めの塗装・めっき


終端と水 ― ふさいで、ためない

金属ダクトの終端が開いたままだとほこりや水が入り込み、終端をふさいでおけば入らないことを比べた動く図解
動く図解:終端をふさがないと、ほこりや水の入口になります。

ダクトの終端部はふさぎ(閉そく)、中にほこりや水がたまらないようにします。たとえるなら雨どいの端です。ふさがずにおくと、ごみや水の入口になってしまいます。

ここまでのポイント
  • 終端部はふさぐ
  • ほこり・水をためない
  • ダクトから引き出す部分は被覆を守る

つなぐ・支える・接地する

金属ダクトの中での接続は原則しない(分岐し点検できれば可)、支持点間は3m以下(取扱者以外が入れない所で縦なら6m以下)、接地は300V以下D種・300V超C種(接触防護措置でD種)であることを並べた図
接続・支持・接地の決まり。
項目 決まり
ダクトの中での接続 原則しない。分岐する場合で、接続点を容易に点検できるときは可
つなぎ目 ダクトどうしは堅ろうに、電気的に完全に接続する
支持点間 3m以下(取扱者以外が出入りできない場所で垂直に取り付けるなら6m以下)
接地 300V以下はD種、300V超はC種(接触防護措置をすればD種)
電気設備技術基準の解釈(金属ダクト工事)をもとに作成
ここまでのポイント
  • ダクト内は原則接続しない
  • 支持点間3m以下(縦で条件つき6m)
  • 300V以下D種・300V超C種

押さえる要点 ― 6つのルール

金属ダクト工事の規定で押さえる要点として、ダクト(幅5cm超・厚さ1.2mm以上)、電線の量(20%・制御回路50%)、OWを除く絶縁電線、ダクト内は原則接続しない、支持3m以下(縦6m)、終端をふさぐ・接地の6つを並べた図
金属ダクト工事の規定のまとめ。

ダクトの形と支持の図解は「電気設備の基本知識 #007【金属線ぴと金属ダクト工事】」にもあります。次の#029は「電気設備の基本知識 #029【ライティングダクト工事】」です。

ここまでのポイント
  • 幅5cm超・厚さ1.2mm以上
  • 20%(制御回路50%)・3m
  • 終端はふさぎ、300V以下はD種接地

よくある質問

金属ダクトに入れられる電線の量は?

電線の被覆を含む断面積の合計が、ダクトの内側の断面積の20%以下です。制御回路などの配線だけを入れる場合は50%以下まで認められています。

金属ダクトの材料の決まりは?

幅が5cmを超え、厚さ1.2mm以上の鉄板など、堅ろうなもので作ります。内面は電線の被覆を傷つけないようになめらかにし、内面・外面にさび止めの塗装やめっきを施します。

金属ダクトの支持点間の距離は?

3m以下です。取扱者以外の人が出入りできない場所で、垂直に取り付ける場合は6m以下にできます。

金属ダクトの中で電線を接続できますか?

原則として接続しません。電線を分岐する場合で、接続点を容易に点検できるときは認められています。

金属ダクトの接地工事は?

使用電圧300V以下ならD種接地工事、300Vを超えるならC種接地工事です。300Vを超える場合でも、接触防護措置をすればD種接地工事でよいとされています。

ハリタ

この記事を書いた人:ハリタ

電気設備設計の実務者。内線規程・電気工事士資格・住宅の電気設備を「設計者の視点」で解説しています。プロフィール詳細

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。