第二種電気工事士 合格カリキュラム学科④ 電気工事の施工方法
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金属線ぴと金属ダクトは、どちらも電線を収める金属の入れ物です。違いは幅。たとえるならペンケース・道具箱・物置のように、入れる量が増えるほど大きな入れ物になり、名前も決まりも変わります。この記事では、メタルモール・レースウェイ・金属ダクトの見分け方、使いどころ、守るルールを、図とたとえで1つずつ解説します。

結論

幅4cm未満はメタルモール、4〜5cmはレースウェイ、5cm超は金属ダクト。線ぴは300V以下、ダクトは電線を断面積の20%以下・3m以下ごとに支持が基本です。

  • 境目は幅4cmと5cm(5cmちょうどは2種金属製線ぴ)
  • レースウェイは照明器具の取り付け台も兼ねる
  • 金属ダクトは幹線をまとめて通す大きな通り道
  • 中での接続は原則しない(分岐で点検できる場合などは可)
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
幅4cm未満の1種金属製線ぴ(メタルモール)、幅4cm以上5cm以下の2種金属製線ぴ(レースウェイ)、幅5cmを超える金属ダクトの断面を並べて比べた図
線ぴとダクトは、幅で名前が変わります。

3つの入れ物 ― 幅で名前が変わる

金属線ぴ(せんぴ)は、ふたの付いた細長い金属の溝です。壁や天井に取り付け、中に電線を通します。幅が広くなると、名前が次のように変わります。

名前 通称 幅 主な使いどころ
1種金属製線ぴ メタルモール 4cm未満 壁や天井の露出配線を、目立たずすっきり見せる
2種金属製線ぴ レースウェイ 4cm以上5cm以下 工場・倉庫の天井で、照明器具の取り付け台を兼ねる
金属ダクト ― 5cmを超える 多くの幹線や配線をまとめて通す
電気設備技術基準の解釈などをもとに作成
ペン太ペン太
メタルモールって、ホームセンターで売っている樹脂のモールとは違うんですか?
ハリタハリタ
樹脂のモールは合成樹脂線ぴといって、また別の工事の扱いになります。この記事で扱うのは金属製のほうですね。金属なので、接地の決まりが出てきますよ。
ここまでのポイント
  • メタルモール・レースウェイ・金属ダクトは幅で区別
  • たとえは「ペンケース・道具箱・物置」
  • 金属製なので接地が関係する

幅の境目 ― 4cmと5cm

線ぴの幅が3cm、4.5cm、7cmと広がるにつれて、1種金属製線ぴ、2種金属製線ぴ、金属ダクトと名前が変わることを示した動く図解
動く図解:幅が広がると、名前が切り替わります。

覚える数字は4cmと5cmの2つだけです。4cmに届かなければ1種、4cm以上5cm以下なら2種、5cmを超えたら金属ダクトです。

⚠️ 「5cmちょうど」はどっち?

2種金属製線ぴは「4cm以上5cm以下」なので、5cmちょうどは2種金属製線ぴです。金属ダクトは「5cmを超える」もの。「以下」と「超える」の違いに注意しましょう。

ここまでのポイント
  • 4cm未満=1種、4〜5cm=2種、5cm超=金属ダクト
  • 5cmちょうどは2種金属製線ぴ
  • 「以下」と「超える」の違いに注意

レースウェイ ― 照明の「背骨」

天井から吊りボルトでレースウェイを吊り下げ、その中に電線を通しながら照明器具を取り付けている様子を示した図
レースウェイは、電線の通り道と器具の取り付け台を兼ねます。

レースウェイ(2種金属製線ぴ)は、工場や倉庫、駐車場の天井でよく見かけます。天井から吊りボルトで吊り下げ、その中に電線を通しながら、照明器具をぶら下げる台としても使います。たとえるなら照明の背骨です。1本で配線と取り付けを兼ねるので、器具の数が多い広い空間ほど効率よく施工できます。

ここまでのポイント
  • 天井から吊りボルトで吊り下げる
  • 電線の通り道と照明器具の取り付け台を兼ねる
  • 工場・倉庫・駐車場で定番


金属ダクト ― 入れるのは断面積の20%まで

金属ダクトに電線を入れていき、電線の断面積の合計がダクトの内側の断面積の20%以下(制御回路などだけの場合は50%以下)であることをゲージで示した動く図解
動く図解:ダクトは「満員」にしません。

金属ダクトは、電気室から各階へ向かう幹線など、たくさんの太い電線をまとめて通すための大きな入れ物です。ただし、いくら大きくても詰め込みすぎてはいけません。入れる電線の断面積(被覆を含む)の合計は、ダクトの内側の断面積の20%以下です。

たとえるなら満員電車にしないことです。すき間がないと電線の熱が逃げず、温度が上がって被覆が傷みます。制御回路などの配線だけを入れる場合は、流れる電流が小さいので50%以下まで認められています。

ここまでのポイント
  • 電線の断面積の合計は、ダクトの内側の断面積の20%以下
  • 制御回路などだけなら50%以下
  • 詰め込むと熱がこもり、被覆が傷む

線ぴとダクト ― 決まりを比べる

金属線ぴ工事と金属ダクト工事の決まりとして、使用電圧、施設できる場所、中での接続、入れる量、支持、接地を比べた表形式の図
線ぴとダクトの決まりを並べて比べます。
項目 金属線ぴ工事 金属ダクト工事
使用電圧 300V以下 低圧(300Vを超えてもよい)
施設できる場所 展開した場所・点検できる隠ぺい場所で、乾燥した所 展開した場所・点検できる隠ぺい場所で、乾燥した所
入れる電線 絶縁電線(OWを除く) 絶縁電線(OWを除く)
中での接続 原則しない(2種で分岐し、点検できる場合などは可) 原則しない(分岐し、点検できる場合は可)
接地 D種接地工事(長さ4m以下などは省略できる) 300V以下はD種、300V超はC種(接触防護措置をすればD種)
電気設備技術基準の解釈(金属線ぴ工事・金属ダクト工事)をもとに作成。細かな条件は条文で確認する

金属線ぴ工事の規定は「電気設備の基本知識 #025【金属線ぴ工事】」、金属ダクト工事の規定は「電気設備の基本知識 #028【金属ダクト工事】」でさらにくわしく解説しています。

ここまでのポイント
  • 金属線ぴは300V以下で使う
  • どちらも展開・点検できる隠ぺい場所の乾燥した所
  • 中での接続は原則しない


ダクトの支持 ― 3m以下ごと

金属ダクトを横に取り付けるときは3m以下ごとに支持し、取扱者以外が出入りできない場所で縦に取り付けるときは6m以下まで広げられることを示した図
金属ダクトは3m以下ごとに支えます。

金属ダクトは中に重い電線がたくさん入るので、しっかり支えます。支持点間の距離は3m以下。取扱者以外の人が出入りできない場所で縦に取り付ける場合は、6m以下まで広げられます。

📘 ダクトの終わりと中の手入れ

ダクトの終わり(終端部)はふさいでおき、中にほこりがたまらないように、また水がたまらないようにします。ダクトから電線を外に引き出す部分では、電線が角で傷つかないようにします。

次の#008は「電気設備の基本知識 #008【ネオン放電灯工事】」です。

ここまでのポイント
  • 金属ダクトは3m以下ごとに支持
  • 取扱者以外が入れない場所の縦取り付けは6m以下
  • 終端はふさぎ、ほこりや水をためない

よくある質問

金属線ぴと金属ダクトは何で区別しますか?

幅で区別します。幅4cm未満が1種金属製線ぴ(メタルモール)、4cm以上5cm以下が2種金属製線ぴ(レースウェイ)、5cmを超えると金属ダクトです。

金属線ぴ工事は何Vまで使えますか?

使用電圧300V以下で使います。場所は、屋内の展開した場所か点検できる隠ぺい場所で、乾燥した場所が基本です。

金属ダクトに入れられる電線の量は?

ダクトに入れる電線の断面積(被覆を含む)の合計は、ダクトの内側の断面積の20%以下です。制御回路などの配線だけを入れる場合は50%以下まで認められています。

金属ダクトの支持点間の距離は?

金属ダクトは3m以下ごとに支持します。取扱者以外の人が出入りできない場所で、縦に取り付ける場合は6m以下まで広げられます。

線ぴやダクトの中で電線をつないでもよいですか?

原則としてつなぎません。ただし、2種金属製線ぴや金属ダクトの中で電線を分岐する場合で、接続点を容易に点検できるときなどは認められています。接続には、電線の接続の基本ルール(強さ・絶縁など)も守ります。

ハリタ

この記事を書いた人:ハリタ

電気設備設計の実務者。内線規程・電気工事士資格・住宅の電気設備を「設計者の視点」で解説しています。プロフィール詳細

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