全体像:金属可とう電線管工事|曲げ6倍・取外し3倍

金属可とう電線管工事は、振動のある電動機などの配線でよく使われる、自由に曲げられる金属管を用いた工事です。基本ルールは金属管工事と共通点が多く、あわせて覚えると効率的です。

この記事では、使える電線曲げの内側半径(6倍/取り外せれば3倍)接地工事を中心に、図解で整理します。

🐧 見習いペン太:「金属可とう電線管って、金属管と何が違うんですか?」
🦔 はりた:「いちばんの違いは“曲げられる”こと。だから振動する電動機まわりの配線に向いているんだ」
🐧 見習いペン太:「ルールは別に覚え直しですか?」
🦔 はりた:「ほとんど金属管と同じだよ。使える電線も接地も同じ規定。違いは曲げ半径の緩和くらい」
⚡ 先に結論だけ言うと
  • 使用できる電線は OW線を除く絶縁電線(より線 or 3.2mm以下の単線)
  • 曲げの内側半径は 管内径の6倍以上(取り外せれば 3倍以上
  • 使用電圧 300V以下ならD種接地(4m以下なら省略可)
  • 管内で電線を接続しない(金属管と同じ規定)

金属可とう電線管工事の要点早見表

この記事でわかること
✔ 金属可とう電線管工事とは?用途と種類
✔ 使用できる電線
✔ 曲げの内側半径:6倍以上、取り外せれば3倍以上
✔ 接地工事
ペン太ペン太
自由に曲がる金属管なんてあるんですね。普通の金属管とルールは違うんですか?
ハリタハリタ
ほぼ共通です。振動する電動機の配線などに使い、電線はより線か直径3.2mm以下の単線に限られますよ。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 金属可とう電線管は、どんな配線に使うのか
  • 曲げの内側半径が3倍以上でよいのは、どんな場合か
  • 接地はどの種類になり、いつ省略できるのか
この記事の道案内
数字だけ確認したい方は、曲げの内側半径と接地工事をご覧ください。

金属可とう電線管工事とは?用途と種類

トピック1:金属可とう電線管工事とは?用途と種類

金属製可とう電線管は、振動のある電動機などの配線に使われます。「可とう」とは自由に曲げられるという意味で、振動や位置のずれを吸収できるのが利点です。

1種2種があり、2種金属製可とう電線管は金属管と同様に、すべての場所に施設できます。使える電線の種類や接地工事についても金属管と同じ規定があてはまり、ほかの電線管と同様に管内で電線同士を接続してはいけません

ここがポイント
「振動する電動機の配線=金属可とう電線管」。ルールは金属管とほぼ共通、と押さえると覚える量が減ります。
項目 内容
主な用途 振動のある電動機などの配線
「可とう」の意味 自由に曲げられること。振動や位置のずれを吸収できる
2種の施設場所 金属管と同様に、すべての場所に施設できる
電線・接地のルール 金属管と同じ規定があてはまる
管内での接続 ほかの電線管と同様、電線同士を接続してはいけない
ここまでのポイント
  • 用途は、振動のある電動機などの配線
  • 「可とう」は自由に曲げられるという意味で、振動や位置のずれを吸収できる
  • 2種金属製可とう電線管は、金属管と同様にすべての場所に施設できる

使用できる電線

トピック2:使用できる電線

使用できる電線は OW(屋外用ビニル絶縁電線)を除く絶縁電線 です。電線はより線、または直径3.2mm以下の単線とします。これは金属管工事と同じ条件です。

ペン太ペン太
曲げ半径は金属管と同じで、6倍以上とだけ覚えれば大丈夫ですよね?
ハリタハリタ
原則6倍ですが、露出場所で管を取り外せるなら3倍以上に緩和されます。条件付きの3倍を忘れずに。
ここまでのポイント
  • 使用できるのは、OW(屋外用ビニル絶縁電線)を除く絶縁電線
  • 電線はより線、または直径3.2mm以下の単線
  • これは金属管工事と同じ条件

曲げの内側半径:6倍以上、取り外せれば3倍以上

トピック3:曲げの内側半径:6倍以上、取り外せれば3倍以上

曲げの内側半径は、原則として 管内径の6倍以上 とします。ただし、露出場所または点検できる隠ぺい場所で、管の取り外しができる場合3倍以上でよい と緩和されます。

曲げの内側半径の条件(6倍以上/取り外せれば3倍以上)

🐧 見習いペン太:「取り外せると半径が小さくてもいいんですね」
🦔 はりた:「そう。あとからメンテできる前提なら緩和される。“6倍が原則、取り外せるなら3倍”とセットで覚えよう」
ここがポイント
曲げ半径は「原則6倍/取り外せれば3倍」。条件と数字をセットで暗記しましょう。
取り違えやすいところ 正しくは
曲げの内側半径は常に6倍 原則6倍以上。条件を満たせば3倍以上に緩和される
隠ぺい場所ならいつでも3倍でよい 点検できる隠ぺい場所で、かつ管の取り外しができる場合
単線ならどの太さでも使える より線、または直径3.2mm以下の単線
管内で電線を接続してよい 管内で電線同士を接続してはいけない
300Vを超えたら必ずC種 接触防護措置を施せばD種でよい
ここまでのポイント
  • 曲げの内側半径は、原則として管内径の6倍以上
  • 露出場所または点検できる隠ぺい場所で管の取り外しができる場合は3倍以上に緩和
  • 条件と数字はセットで覚える


接地工事

トピック4:接地工事

接地工事も金属管と同じ考え方です。使用電圧が 300V以下ならD種接地工事300Vを超える場合はC種接地工事(接触防護措置を施せばD種でよい)となります。なお、管の長さが4m以下ならD種接地を省略できます。

金属可とう電線管工事まとめ(用途・数値・接地)

ここがポイント
「300V以下=D種」「4m以下で省略可」。接地の判断は金属管と同じルールで対応できます。
図解:金属可とう電線管工事の要点
曲げの内側半径
原則 管内径の6倍以上
露出/点検でき取り外せる → 3倍以上に緩和
使える電線
OW線を除く絶縁電線(より線 or 3.2mm以下の単線)。管内接続は禁止
接地工事
300V以下=D種/300V超=C種。4m以下で省略可
※ルールは金属管工事とほぼ共通。違いは曲げ半径の緩和。
ここまでのポイント
  • 使用電圧300V以下ならD種接地工事
  • 300Vを超える場合はC種接地工事。接触防護措置を施せばD種でよい
  • 管の長さが4m以下ならD種接地を省略できる

よくある質問(FAQ)

トピック5:よくある質問(FAQ)

Q. 金属可とう電線管はどんな場所に使いますか?

A. 振動のある電動機などの配線に使われます。自由に曲げられる(可とう)のが特長です。1種と2種があり、2種金属製可とう電線管は金属管と同様にすべての場所へ施設できます。

Q. 使用できる電線は?

A. OW線(屋外用ビニル絶縁電線)を除く絶縁電線を使います。電線はより線、または直径3.2mm以下の単線とします。使える電線や接地工事は金属管と同じ規定です。

Q. 曲げの内側半径はどのくらいですか?

A. 原則は管内径の6倍以上です。露出場所または点検できる隠ぺい場所で、管の取り外しができる場合は3倍以上でよいとされています。

Q. 接地工事はどうなりますか?

A. 使用電圧300V以下ならD種接地工事です。300Vを超える場合はC種(接触防護措置を施せばD種)。管の長さが4m以下ならD種接地を省略できます。

ペン太ペン太
接地はどう考えればいいですか?
ハリタハリタ
300V以下でD種、超えたらC種です。4m以下なら省略できる場合も。金属管工事と並べて復習しましょう。


まとめ

金属可とう電線管工事の要点:

結論です。金属可とう電線管は振動のある電動機まわりに使い、ルールは金属管工事とほぼ共通です。違いは曲げの内側半径で、原則6倍以上、取り外せる条件を満たせば3倍以上に緩和されます。この一点を軸に覚えると整理が早くなります。

確認すること 押さえる内容
主な用途 振動のある電動機などの配線
2種の施設場所 すべての場所に施設できる
使用できる電線 OW線を除く絶縁電線。より線か直径3.2mm以下の単線
管内での接続 してはいけない
曲げの内側半径(原則) 管内径の6倍以上
曲げの内側半径(緩和) 露出/点検できる隠ぺい場所で取り外せるなら3倍以上
接地(300V以下) D種接地工事
接地(300V超) C種接地工事。接触防護措置を施せばD種でよい
接地の省略 管の長さが4m以下

この記事の要点

  • 用途:振動のある電動機などの配線(可とう=曲げられる)。2種はすべての場所に施設可
  • 使用できる電線:OW線を除く絶縁電線(より線 or 3.2mm以下単線)
  • 曲げの内側半径:管内径の6倍以上(取り外せれば3倍以上)
  • 管内で電線を接続しない(金属管と同じ規定)
  • 接地:300V以下=D種、300V超=C種。4m以下でD種省略可

金属管工事と共通するところ・違うところ

  • 共通:使用できる電線の条件、管内で接続しないこと、接地の考え方
  • 共通:4m以下でD種接地を省略できること
  • 違い:曲げの内側半径に、取り外せる場合の3倍緩和があること

電線管の工事方法は、どれも似たルールが並ぶため混ざりやすい項目です。金属可とう電線管については、まず「金属管とほぼ同じ」と置いてしまい、そのうえで曲げ半径の緩和だけを例外として覚えるのが、いちばん取りこぼしの少ない整理になります。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。