【新人講座 第8回】引込・受変電のきほん ― キュービクルの中身と「50kWの分かれ目」
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📚 この記事は連載「図解&会話で学ぶ 電気設備設計の基礎」の1本です。→ 全カリキュラム(目次)はこちら
こんにちは、HARITAの設計室です。前回(第7回)は電柱からコンセントまでの「電気の流れ1枚図」を手に入れました。今回はその旅の最初の関門、①引込 → ②受変電の区間をぐっとズームインします。
主役はあの金属の箱、キュービクル。「開けたら何が入ってるのか」「そもそもなぜ変圧するのか」を、図解と会話で一気に片づけましょう。
先輩、屋上のキュービクルって近くで見ると結構大きいですよね。あの中、何がどう並んでるんですか?
いい着眼点。実はキュービクルの中身は電気が通る順番に並んでるんだ。だから配置じゃなくて“旅の順路”で覚えるのが正解。図で見てみよう。
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キュービクルの中身は「通る順番」で覚える

PAS…VCT…VCB…。3文字の暗号が多すぎます…。
最初はみんなそう言う(笑)。役割で訳せば簡単だよ。PAS=門番、VCT=料金メーター、断路器=縁切り用、VCB=本気のスイッチ、変圧器=主役。この5つだけでキュービクルの会話は8割ついていける。
スイッチが2種類あるのはなんでですか?断路器とVCB、どっちかでよくないですか?
鋭い!役割が違うんだ。断路器は「電気が流れていない状態で」切り離す縁切り専用。点検のとき「確実に切れてます」を目で見せるためのもの。一方VCB(真空遮断器)は短絡事故の大電流でも断ち切れる本気のスイッチ。日常のON/OFFと事故時の遮断はVCBの仕事だよ。
なぜ変圧する?― 高圧受電と低圧受電の分かれ目
「そもそも、なんで6,600Vなんて高い電圧で受け取るの?」。その答えが、契約電力50kWを境にした2つの受電方式です。

うちの実家(戸建て)にキュービクルがないのは、電柱の上の変圧器が代わりにやってくれてるからなんですね。
その通り。低圧受電は変圧を電力会社まかせにできる“手ぶらプラン”。でも50kW以上使う建物は高圧受電になって、変圧を自前でやるかわりに電力量単価が安くなる。太く仕入れるほど卸値が下がる、と考えると分かりやすいよ。
じゃあ受電方式って、設計の最初のほうで決まっちゃうんですか?
そう、超重要ポイント。負荷を合計して契約電力を見積もり、50kWを超えそうかを判断するのが受電設計の第一歩。ここで方式が決まると、キュービクルの要否・電気室のスペース・主任技術者の選任まで、建物計画そのものに響くんだ。
💼 実務でこう生きる
🐣 いまさら聞けない素朴なギモン
🔎 深掘りQ&A ― 会話だから、もっと分かる
先輩への追い質問で、理解をもう一段深めます。
⚠️ 新人がやりがちな注意ポイント
- キュービクルの扉を開けない・機器に触れない:内部は高圧充電部。点検・操作は電気主任技術者の領域です。
- 「今の負荷」だけで受電方式を決めない:将来の増設・テナント変更まで確認してから容量を決める癖を。
- 設置スペースと搬入経路を後回しにしない:変圧器は数百kg〜数トン。図面上は置けても搬入できない事故は実在します。
まとめ ― 今日の1枚
- キュービクルの中身はPAS→VCT→断路器→VCB→変圧器→低圧側の順路で覚える。
- 断路器は縁切り専用、VCBは事故電流も切れる本気のスイッチ。役割が違う。
- 受電方式の分かれ目は契約電力50kW。高圧は単価が安いが設備と保安は自分持ち。
- PASが責任分界点。構内事故を街に波及させないための門番。
次回・第9回は、変圧された電気の続きの旅。幹線・分電盤・回路のきほんを、盤の中身を展開する“ツリー図”で見ていきます。お楽しみに!
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