【新人講座 第7回】受電から末端まで ― 電気の流れを1本でたどる「電気の流れ1枚図」
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📚 この記事は連載「図解&会話で学ぶ 電気設備設計の基礎」の1本です。→ 全カリキュラム(目次)はこちら
こんにちは、HARITAの設計室です。ここから第3部「建物に電気が届くまで」が始まります。第1部で電気の性質、第2部で図面の読み方を学びました。第3部では、その2つを使って建物全体を1つのシステムとして見られるようになります。
初回のテーマは、電柱からコンセントまで、電気の通り道を1本の線でたどること。これが頭に入ると、第2部で読めるようになった単線結線図が「建物の地図」として立体的に見えてきます。
先輩、図面はなんとなく読めるようになったんですけど…正直、キュービクルとか幹線とか、建物のどこで何が起きてるのかがつながってないです。
いいタイミングだね。今日は計算も記号もいったん忘れて、電気の“旅”を最初から最後まで1本でたどるよ。これが第3部ぜんぶの地図になるからね。
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電気の旅は5つの区間でできている
まずは主役の図から。電柱を出発した電気がコンセントに届くまでを、①引込 → ②受変電 → ③幹線 → ④分電盤 → ⑤末端の5区間で追いかけます。

あ、電気って建物に入った瞬間にコンセントに行くんじゃなくて、いったんキュービクルに集合するんですね。
そう。ある程度の規模の建物は高圧6,600Vで受電して、キュービクルで210Vや105Vに変圧してから配る。スーパーで例えると、市場(電力会社)から大きなトラック(高圧)で仕入れて、店内(建物)では小分けの棚(低圧)に並べるイメージだね。
じゃあ幹線っていうのは…棚まで運ぶ店内の通路みたいなもの?
うまい!幹線は変圧した電気を各階の分電盤まで運ぶ太い通路。で、分電盤が「仕分けポスト」。主幹ブレーカーで受けて、分岐ブレーカーで照明・コンセント・空調に配るんだ。
流れを覚える本当の理由 ―「逆にたどれる」ようになるから
この1本の流れ、実は順方向より逆方向にたどる場面のほうが実務では多いんです。代表例が「コンセントが使えない!」という問い合わせ。末端から上流へ、1段ずつ切り分けていきます。

なるほど…!「どこまで生きてるか」で犯人の場所を絞るんですね。刑事ドラマみたい。
その感覚で合ってる。ポイントは影響範囲の広さ=原因の高さということ。1個のコンセントだけなら末端、部屋ごとなら分岐回路、盤ごとなら幹線や主幹、建物ごとなら受変電。被害の広さが原因の“住所”を教えてくれるんだ。
ブレーカーが落ちてたら、すぐ入れ直しちゃダメなんですか?
いい質問!ブレーカーは回路を守るために落ちてるからね。過負荷か漏電か、原因に見当をつけてから復旧するのがプロ。何も考えず入れ直すと、最悪もう一度事故が起きるよ。
💼 実務でこう生きる
🐣 いまさら聞けない素朴なギモン
🔎 深掘りQ&A ― 会話だから、もっと分かる
先輩とのやり取りで、理解をもう一段深めましょう。こういう追い質問ができる新人は伸びます。
⚠️ 新人がやりがちな注意ポイント
- キュービクルを勝手に開けない・触らない:高圧部は電気主任技術者の管理領域。新人の仕事は「異常に気づいたら報告」です。
- ブレーカーを“とりあえず”入れ直さない:落ちた原因の見当をつけてから。繰り返し落ちるなら回路に問題があります。
- 末端だけ見て回答しない:「コンセント増やせますか?」に即答せず、分岐→盤→幹線の余裕まで遡って確認する癖を。
まとめ ― 今日の1枚
- 電気の旅は引込→受変電→幹線→分電盤→末端の5区間。
- 運ぶときは高圧(6,600V)、使うときは低圧(210V/105V)。変圧するのがキュービクル。
- 不具合の切り分けは末端から上流へ。影響範囲の広さ=原因の高さ。
- この1枚図が、第3部で学ぶ各設備(受変電・幹線・分電盤・負荷)の“地図”になる。
次回・第8回は、旅の最初の関門「引込・受変電」へ。キュービクルの中身をのぞいて、なぜ変圧するのか/受電方式のちがいを図解で見ていきます。お楽しみに!
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