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ガスコンロを掃除するとき、火を消すのはつまみ、そのあとで元栓を閉めて「確かに閉まっている」のを目で確かめますよね。キュービクルにも同じ役目の機器があります。目で見て切り離すDS(断路器)です。そしてそのすぐ近くで、雷から設備を守っているのがLA(避雷器)です。第4回は、VCTの下に続くこの2つの読み方を見ていきます。

結論

DSは電流を切らずに、目に見える形で切り離す機器で、切るときは遮断器が先、DSはあとです。LAは雷の高い電圧を大地へ逃がす機器で、効きめは接地で決まります。

  • DSの記号は刃の先に縦の線
  • 送電するときはDSを入れてから遮断器
  • LAは受電の入口近く、A種接地で太く短く
  • DSを省いた図面もある
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
点検の日にまず遮断器を切り、それからDSを開いて刃が開いているのを目で確かめる場面から、単線結線図のDSの記号と停電・送電の操作の順番とインタロック、雷の高い電圧をLAが大地へ逃がして電圧の頭を押さえるようす、LAのA種接地・PASのLA内蔵・DSを省いた図面の読みどころを示す動く図解
約50秒でくり返します。使っている場面から、記号と順番、LA、接地の順に見ます。

DSは「目で見て切り離す」

キュービクルの点検では、中の機器に電気が来ていないことを確かめてから作業します。そのとき、回路を目に見える形で切り離すのがDS(断路器)です。フック棒で1本ずつ刃を開き、開いているのを目で確かめます。

機器 できること できないこと
DS(断路器) 電気が流れていない回路を切り離す。開いているのが見える 負荷電流や事故電流を切ること
LBS(負荷開閉器) ふだんの負荷電流を入り切りする 大きな事故電流を切ること(ヒューズと組み合わせる)
VCB(遮断器) 負荷電流も事故電流も切る (切るのが仕事)
「切り離す」「入り切りする」「遮断する」は、機器ごとに役目が違います。
ここまでのポイント
  • DSは目に見える形で離す
  • 電流は切れない
  • 点検する人を守る

記号は「刃の先に縦の線」、順番は「遮断器が先」

単線結線図では、VCTの下にDSがあります。開閉器の刃の先に縦の線を描いたものがDSの記号で、文字記号も「DS」です。

操作 順番
停電するとき ① 遮断器(VCB)を切る ② DSを開く
送電するとき ① DSを入れる ② 遮断器(VCB)を入れる
インタロック 遮断器が入っているあいだはDSを操作できないようにする仕組み
合言葉は「電流を切るのは遮断器。DSはそのあと、そのまえ」です。
読み方のコツ:記号の違いは刃のまわりに出ます。縦の線ならDS、刃に×印なら遮断器、丸印なら負荷開閉器です。記号の見分け方は第1回、受電部の機器の並びは設計マニュアル⑤ 受電部①で整理しています。
ここまでのポイント
  • 刃の先に縦の線
  • 停電は遮断器が先
  • 送電はDSが先

LAは「雷の電圧の頭を押さえる」

電線に雷が落ちたり近くに落ちたりすると、ふだんの何倍もの高い電圧が一瞬入ってきます。LA(避雷器)は、ふだんは電気を通さず、高い電圧のときだけ電流を大地へ流して、機器にかかる電圧を下げます。

とき LAのようす
ふだん 電気を通さない(絶縁物のようにふるまう)
雷の電圧が来たとき 一気に電流を通して大地へ逃がし、電圧を下げる
雷が去ったあと 自動でもとの電気を通さない状態に戻る
6,600Vの回路では、定格電圧8.4kV・公称放電電流2.5kAのものが一般的です。

たとえるなら、ダムのあふれ口です。水位がふつうのときは何もしませんが、大雨で水位が上がると水を逃がして、ダムを越えないようにします。LAも電圧をゼロにするのではなく、機器が耐えられる大きさまで頭を切り落とします。

ここまでのポイント
  • ふだんは電気を通さない
  • 高い電圧だけ大地へ逃がす
  • 電圧の頭を切り落とす


効きめは接地で決まる

LAが雷の電流を大地へ流すとき、接地線や接地極の抵抗が大きいと、そのぶん電圧が上乗せされます。だからLAの接地はA種接地で、太く短くが原則です。

図面の表記 読み方
LAの記号から大地への線と「EA」 A種接地につながっている
接地線の太さ(例 14mm²) 太いほどよい。できるだけ短く、ほかの接地と分ける
PASの「LA内蔵」 引込口のPASにもLAが入っている。キュービクル内にもLAを置くことが多い
受電用のDSがない PAS・UGSやLBSで切り離す構成。切り離す手段があるかを確かめる
LAの設置基準と接地線の考え方は、別の記事でくわしく扱っています。
読み方のコツ:高圧の架空電線路から受電する、受電電力500kW以上の需要場所の引込口には、LAの施設が義務付けられています(電技解釈第37条)。それより小さい設備でも付けるのが一般的です。基準の読み方は避雷器[LA]の設置基準と接地線サイズで扱っています。
ここまでのポイント
  • LAの接地はA種
  • 太く短く、ほかと分ける
  • LA内蔵とDSの省略も読む

間違えやすいところ

よくある読み違い

  1. DSで電気を切れると思う:DSは電流を切れません。電流を切るのは遮断器です。
  2. 操作の順番を逆に覚える:停電は遮断器が先、送電はDSが先です。
  3. DSの記号を遮断器と読む:刃の先の縦の線がDS、×印が遮断器です。
  4. LAの接地線を細く長くする:接地の抵抗やインピーダンスがそのまま電圧に上乗せされます。
  5. DSがない図面を誤りと思う:PAS・UGSやLBSで切り離す構成もあります。

次回は、受電部の中心になる主遮断装置(CB形とPF・S形)の読み方です。前回のVCTと電力量計もあわせてどうぞ。

ここまでのポイント
  • DSは電流を切れない
  • 順番は遮断器とDSで逆
  • LAは接地が命


よくある質問

DS(断路器)とは何ですか?

点検のときに、回路を目に見える形で切り離すための開閉器です。刃が開いているのを目で確かめられるので、作業する人の安全を守ります。電流を切る力はないので、電気が流れていない状態でだけ操作します。

DSで電気を切ってはいけないのはなぜですか?

DSにはアークを消す仕組みがないからです。電流が流れたまま開くと、接点の間にアークが出て機器が傷み、最悪の場合は短絡事故になります。電流を切るのは遮断器(VCBなど)の役目です。

操作の順番はどうなりますか?

停電するときは、遮断器を切ってからDSを開きます。送電するときは、DSを入れてから遮断器を入れます。この順番を守らせるため、遮断器が入っているとDSが操作できないインタロックを設けることがあります。

LA(避雷器)は何をしていますか?

ふだんは電気を通さず、雷などの高い電圧が入ってきたときだけ電流を大地へ流して、機器にかかる電圧を下げます。電圧をゼロにするのではなく、機器が耐えられる大きさまで頭を切り落とすイメージです。

LAはどこに付けますか?

雷は入ってきたところで逃がすのが基本なので、受電の入口近く(主遮断装置の電源側)に付けます。PASに内蔵されたLAと、キュービクルの中のLAの両方を設けることも多いです。高圧の架空電線路から受電する受電電力500kW以上の需要場所の引込口には、施設が義務付けられています(電技解釈第37条)。

図面にDSがないのですが、間違いですか?

間違いとは限りません。PAS・UGSで確実に開放でき、キュービクルの中はLBSで区切れるため、受電用のDSを省く構成もあります。点検のときに切り離す手段がきちんとあるかを、図面でたどって確かめます。

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ABOUT ME
HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。