【早見表】|受変電設備の機器と容量の選定


受変電設備の主な機器と選定の流れ
受変電設備は、電力会社から受電した高圧(6.6kV)を、保護・計測しながら建物内で使う電圧に変換して配電するための設備です。主な機器と役割は次のとおりで、下の早見表とあわせて選定します。
- 主遮断装置(CB形/PF・S形):受電の入口で事故電流を遮断します。CB形=遮断器(VCB)+保護継電器で容量制限なし、PF・S形=高圧限流ヒューズ+負荷開閉器(LBS)で受電設備容量300kVA以下が目安です。
- 断路器(DS):無負荷の状態で回路を開閉し、点検時に充電部を確実に区分(切り離す)ための機器です。
- 計器用変圧器(VT):高圧を計測・保護用の低電圧(110Vなど)に変換します。
- 変流器(CT):大電流を計測・保護用の小電流(5Aなど)に変換します。
- 零相変流器(ZCT):地絡事故時の零相電流を検出し、地絡保護に用います。
- 進相コンデンサ(SC):力率を改善し、電気料金・電圧降下・損失を抑えます。
選定の基本的な流れは、①受電方式と受電(変圧器総)容量を確定 → ②主遮断装置(CB形/PF・S形)を選ぶ → ③保護・計測に必要なVT・CT・ZCTと保護継電器を選ぶ → ④力率改善(進相コンデンサ)を検討、の順です。各機器の詳しい選定は下の早見表と各解説記事を参照してください。
CB型とPF・S型の選定方法
| 受電設備方式 | 主遮断器の方式 | |||
|---|---|---|---|---|
| CB形 kVA |
PF・S形 kVA |
|||
| 箱に収めない もの |
屋外式 | 屋上式 | 制限なし | 150 |
| 柱上式 | — | 100 | ||
| 地上式 | 制限なし | 150 | ||
| 屋内式 | 制限なし | 300 | ||
| 箱に収める もの |
キュービクル | 4000 | 300 | |
| 上記以外のもの | 制限なし | 300 | ||
- キュービクルの構造を確認(キュービクル式が主流)
- 受変電設備の変圧器総容量を集計
- 変圧器の容量によってCB型、PF・S型を選定
選定のポイント
容量に変圧器の種類は関係なく、総容量で検討します
主開閉器の仕様と受変電設備を構成する機器が異なります
PF・S型の方が構造、使用機器の構成が簡易的であるため安価となります
- 変圧器総容量300kVAを基準に検討する
- PF・S型の方が設備コストを抑えることができる
- 将来増設にて300kVAを超える場合もCB型にする必要があるため考慮して検討する
まとめ
- 変圧器の総容量で判断する
- キュービクル式の受変電設備の場合300kVA以上でCB型が必要となる
- CB型の方が保護継電器類が増えるため高価となる
- 将来の機器増設により300kVAを超える場合もCB型の対象となる
| 受電設備方式 | 主遮断器の方式 | |||
|---|---|---|---|---|
| CB形 kVA |
PF・S形 kVA |
|||
| 箱に収めない もの |
屋外式 | 屋上式 | 制限なし | 150 |
| 柱上式 | — | 100 | ||
| 地上式 | 制限なし | 150 | ||
| 屋内式 | 制限なし | 300 | ||
| 箱に収める もの |
キュービクル | 4000 | 300 | |
| 上記以外のもの | 制限なし | 300 | ||
DSの選定
| 定格電圧 kV |
7.2 | ||||
| 定格電流 A |
200 | 400 | 600 | 600 | 1200 |
| 定格短時間耐電流 kA |
8.0 | 12.5 | 20 | ||
【設計図の書き方例】DS 7.2kV 200A 8.0kA
- 定格電圧の確認
- 定格電流値の選定
- 定格短時間耐電流値の選定
負荷電流と短絡電流の求め方
選定のポイント
DS(断路器)は受変電設備の電路を開閉する目的で設置されます。事故電流や負荷電流を遮断する機能・能力はありません。外部からフック棒にて操作し確実な開放ができるため受電設備の引き込み口、避雷器の電源側に設置されます
受電電圧によって決まり、6.6kVにて受電の場合定格電圧は7.2kVの規格となります
受電点の短絡電流によって決まり、短絡電流が7kAの場合が8.0kAを選定します
受電点の短絡容量の求め方はこちらの記事をご参照ください
DSの取り付け位置は下記によります
- 主遮断器(VCB等)の一次側
- 避雷器の一次側
- 機器の規格は基本的に遮断器の容量と合わせる・同じになる
- 遮断器が引き出し型の場合、不要とすることも可能である
まとめ
【設計図の書き方例】DS 7.2kV 200A 8.0kA
- 定格電圧は6.6kV受電の場合7.2kV
- 定格電流は受変電設備の最大電流値で選定する
- 定格短時間耐電流は受電点の短絡容量で選定する
- 基本的に短絡容量によって選定するためPAS、VCBと同じ規格になる
| 定格電圧 kV |
7.2 | ||||
| 定格電流 A |
200 | 400 | 600 | 600 | 1200 |
| 定格短時間耐電流 kA |
8.0 | 12.5 | 20 | ||
VTの選定方法
【設計図の書き方例】VT 6600/110
- 受電電圧を確認
- 高圧側か低圧側を確認
- 接続箇所の電圧に応じて規格を選定
- キュービクルの場合1.0等級が主流
選定のポイント
VT(計器用変圧器)は、高電圧を低電圧に変成して回路電圧を計測したり、制御用の電源に利用することが可能です
3線式の場合→2台、4線式の場合→3台設置します。
計器の精度を表し0.1等級の方が高精度となります。
確度等級1.0級の場合定格電圧の70~110%において非誤差±1%となります。
- 一次側は6600Ⅴ
- 2次側は110Vに変成されます
- 回路系統はPF【保護】→VT【変成】→F【保護】→VS【線間切替】→電圧計【計測】となる
- VTの容量は2次側の計器に使用する総負荷容量によって選定する
- 変成器は回路に対し並列に接続する
まとめ
【設計図の書き方例】VT 6600/110
- VTの構成に必要なもの
高圧限流ヒューズ(PF)、計器用変圧器(VT)、低圧包装ヒューズ(F)、切替開閉器(VS)、電圧計(Ⅴ)
- VTの規格
6600/110Ⅴ
- VTの容量
2次側の計器に使用する総負荷容量によって選定する(基本15VAあれば足りる)
| 確度階級 | 定格負荷 VA |
||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10 | 15 | 25 | 50 | 100 | 200 | 500 | |
| 0.1級 | ● | ● | ● | — | — | — | — |
| 0.2級 | ● | ● | ● | — | — | — | — |
| 0.5級 | — | ● | — | ● | ● | ● | — |
| 1.0級 | — | ● | — | ● | ● | ● | ● |
| 3.0級 | — | ● | — | ● | ● | ● | ● |
CTの選定方法
【設計図の書き方例】CT 200(負荷電流により選定)/5
- 1次側電流は負荷電流に応じた容量を選定
- 定格1次側電流は1.5倍程度の容量を選定
- 定格2次側電流は5Aを選定
- 短時間耐電流値を選定
選定のポイント
変流器は大電流回路に接続し巻線比に応じた二次電流を変成する機器です。
3線式の場合→2台、4線式の場合→3台設置します。
1次側電流値:負荷電流値に応じた容量を選定します
2次側電流値:5Aを基準とします
耐電流値:8kA、12.5kAを短絡容量より選定します
- 回路系統はCT【変流】→AS【線間切替】→電流計【計測】となる
- VTの容量は2次側の計器に使用する総負荷容量によって選定する
- 変成器は回路に対し並列に接続する
まとめ
【設計図の書き方例】CT 200(負荷電流により選定)/5
- CTの構成に必要なもの
計器用変流器(CT)、切替開閉器(AS)、電流計(A)
- CTの規格
【負荷電流によって選定する】/5A
- CTの耐電流
短絡容量によって求める
ZCTの選定方法
【設計図の書き方例】ZCT
- 地絡継電器の設置場所に取り付ける
- 事故電流の検出目的として設置する
- 事故電流(零相電流)を検出する
- 事故電流を検出した場合その信号を地絡継電器(GR)へ伝送する
- 信号を受信した地絡継電器は遮断器を動作させて故障設備を切り離す
選定のポイント
事故電流を検出し地絡継電器に信号を送ります。
主な設置場所
- PAS(GR付の場合)
- VCBの二次側
- 変圧器の二次側
- ZCTは事故電流を検出する重要な計器です
- GR(地絡継電器)と組み合わせて遮断器を動作させます
- 設置場所は高圧の分岐点に設置されていることが多くZCTの二次側で起きた事故を一次側に波及させないよう切り離す仕組みの検出部を担っています
- ZCT【検出】→GR【信号】→遮断器【回路遮断】
まとめ
【設計図の書き方例】ZCT
- ZCTの機能
地絡事故発生時の零相電流を検出する
- ZCTの組み合わせ
ZCTは事故電流の検出を行うのみのためGRと遮断器を組み合わせて事故回路を切り離す
CBの選定方法
選定のポイント
まとめ
よくある質問(FAQ)
Q. CB型とPF・S型はどちらを選べばよいですか?
A. 変圧器の総容量で判断します。キュービクル式の受変電設備では、変圧器総容量が300kVA以上でCB型が必要となります。
Q. DSの定格電圧はどう決めますか?
A. 6.6kV受電の場合は7.2kVを選定します。定格電流は受変電設備の最大電流値、定格短時間耐電流は受電点の短絡容量で選定します。
Q. VTの容量はどのくらい必要ですか?
A. 2次側の計器に使用する総負荷容量によって選定します。基本的に15VAあれば足ります。
Q. ZCTの役割は何ですか?
A. 地絡事故発生時の零相電流を検出します。ZCT単体では遮断できないため、地絡継電器(GR)と遮断器を組み合わせて事故回路を切り離します。
編集中
Q. 受変電設備にはどんな機器がありますか?
A. 主遮断装置(CB形/PF・S形)、断路器(DS)、計器用変圧器(VT)、変流器(CT)、零相変流器(ZCT)、進相コンデンサ(SC)などが主な機器です。
Q. 機器の選定はどんな順番で行いますか?
A. 受電方式と受電容量を決め、主遮断装置を選び、保護・計測用のVT・CT・ZCTと保護継電器を選び、最後に力率改善用の進相コンデンサを検討します。





