受変電の主遮断装置CB形とPF・S形の比較図解|CB形=遮断器+OCR・容量制限なし/PF・S形=PF+LBS・受電設備容量300kVA以下
受変電の主遮断装置の比較(CB形=遮断器+保護継電器・容量制限なし/PF・S形=高圧限流ヒューズ+LBS・受電設備容量300kVA以下が目安)
図解のポイント:高圧受電設備の主遮断装置は「CB形」と「PF・S形」の2方式があります。CB形は遮断器(VCB等)と過電流継電器(OCR)で短絡・過負荷を遮断し、受電設備容量の制限がなく中〜大容量に向き、保護協調も柔軟です。PF・S形は高圧限流ヒューズ(PF)と高圧交流負荷開閉器(LBS)で構成し、受電設備容量300kVA以下が適用の目安で、小型・経済的なためキュービクルに広く採用されます。PF・S形はヒューズ溶断時に欠相のおそれがあるため、ストライカ引外し付LBS等で3相同時に開放します。
📱 主遮断装置 CB形/PF・S形(要点データ)
CB形
遮断器(VCB)+保護継電器(OCR)。受電設備容量の制限なし(中〜大容量向け)
PF・S形
高圧限流ヒューズ(PF)+LBS。目安:受電設備容量300kVA以下(小型・経済的)
選定の軸
受電設備容量・保護方式・コスト(300kVAが一つの目安)
注意
PF・S形はヒューズ溶断で欠相のおそれ→ストライカ引外し付LBSで3相同時開放

この記事でわかること
受変電設備の主な機器と選定の流れ
✔ CB型とPF・S型の選定方法
✔ DSの選定
✔ VTの選定方法

受変電設備の主な機器と選定の流れ

受変電設備は、電力会社から受電した高圧(6.6kV)を、保護・計測しながら建物内で使う電圧に変換して配電するための設備です。主な機器と役割は次のとおりで、下の早見表とあわせて選定します。

  • 主遮断装置(CB形/PF・S形):受電の入口で事故電流を遮断します。CB形=遮断器(VCB)+保護継電器で容量制限なし、PF・S形=高圧限流ヒューズ+負荷開閉器(LBS)で受電設備容量300kVA以下が目安です。
  • 断路器(DS):無負荷の状態で回路を開閉し、点検時に充電部を確実に区分(切り離す)ための機器です。
  • 計器用変圧器(VT):高圧を計測・保護用の低電圧(110Vなど)に変換します。
  • 変流器(CT):大電流を計測・保護用の小電流(5Aなど)に変換します。
  • 零相変流器(ZCT):地絡事故時の零相電流を検出し、地絡保護に用います。
  • 進相コンデンサ(SC)力率を改善し、電気料金・電圧降下・損失を抑えます。

選定の基本的な流れは、①受電方式と受電(変圧器総)容量を確定 → ②主遮断装置(CB形/PF・S形)を選ぶ → ③保護・計測に必要なVT・CT・ZCTと保護継電器を選ぶ → ④力率改善(進相コンデンサ)を検討、の順です。各機器の詳しい選定は下の早見表と各解説記事を参照してください。

CB型とPF・S型の選定方法

主遮断器の方式選定

受電設備方式 主遮断器の方式
CB形
kVA
PF・S形
kVA
箱に収めない
もの
屋外式 屋上式 制限なし 150
柱上式 100
地上式 制限なし 150
屋内式 制限なし 300
箱に収める
もの
キュービクル 4000 300
上記以外のもの 制限なし 300

選定手順
  1. キュービクルの構造を確認(キュービクル式が主流)
  2. 受変電設備の変圧器総容量を集計
  3. 変圧器の容量によってCB型、PF・S型を選定

 

選定のポイント

変圧器の容量は単相、三相関係ある?

容量に変圧器の種類は関係なく、総容量で検討します

CB型とPF・S型の違いは?

主開閉器の仕様と受変電設備を構成する機器が異なります

CB型とPF・S型どちらが安い?

PF・S型の方が構造、使用機器の構成が簡易的であるため安価となります

設計のノウハウ
  1. 変圧器総容量300kVAを基準に検討する
  2. PF・S型の方が設備コストを抑えることができる
  3. 将来増設にて300kVAを超える場合もCB型にする必要があるため考慮して検討する

 

まとめ

CBとPF・Sの選定方法
  • 変圧器の総容量で判断する
  • キュービクル式の受変電設備の場合300kVA以上でCB型が必要となる
  • CB型の方が保護継電器類が増えるため高価となる
  • 将来の機器増設により300kVAを超える場合もCB型の対象となる

 

受電設備方式 主遮断器の方式
CB形
kVA
PF・S形
kVA
箱に収めない
もの
屋外式 屋上式 制限なし 150
柱上式 100
地上式 制限なし 150
屋内式 制限なし 300
箱に収める
もの
キュービクル 4000 300
上記以外のもの 制限なし 300

 

 


DSの選定

断路器の規格
定格電圧
kV
7.2
定格電流
A
200 400 600 600 1200
定格短時間耐電流
kA
8.0 12.5 20

【設計図の書き方例】DS 7.2kV 200A 8.0kA

選定手順
  1. 定格電圧の確認
  2. 定格電流値の選定
  3. 定格短時間耐電流値の選定

 

負荷電流と短絡電流の求め方

引込設備の設計|高圧ケーブルのサイズ選定方法と計算手順について詳しく解説 .hz{font-feature-settings:"palt";line-height:1.9} .hz-lead{margin:0...

選定のポイント

DS設置の目的は?

DS(断路器)は受変電設備の電路を開閉する目的で設置されます。事故電流や負荷電流を遮断する機能・能力はありません。外部からフック棒にて操作し確実な開放ができるため受電設備の引き込み口、避雷器の電源側に設置されます

定格電圧の求め方は?

受電電圧によって決まり、6.6kVにて受電の場合定格電圧は7.2kVの規格となります

定格電流の求め方は?

負荷電流によって決まり、負荷電流値が150Aの時は200Aを選定します

負荷電流の求め方はこちらの記事をご参照ください

引込設備の設計|高圧ケーブルのサイズ選定方法と計算手順について詳しく解説

短絡電流の求め方は?

受電点の短絡電流によって決まり、短絡電流が7kAの場合が8.0kAを選定します

受電点の短絡容量の求め方はこちらの記事をご参照ください

引込設備の設計|高圧ケーブルのサイズ選定方法と計算手順について詳しく解説

設置の場所は?

DSの取り付け位置は下記によります

  1. 主遮断器(VCB等)の一次側
  2. 避雷器の一次側

 

設計のノウハウ
  1. 機器の規格は基本的に遮断器の容量と合わせる・同じになる
  2. 遮断器が引き出し型の場合、不要とすることも可能である

 

まとめ

DSの選定方法

【設計図の書き方例】DS 7.2kV 200A 8.0kA

  • 定格電圧は6.6kV受電の場合7.2kV
  • 定格電流は受変電設備の最大電流値で選定する
  • 定格短時間耐電流は受電点の短絡容量で選定する
  • 基本的に短絡容量によって選定するためPAS、VCBと同じ規格になる

 

定格電圧
kV
7.2
定格電流
A
200 400 600 600 1200
定格短時間耐電流
kA
8.0 12.5 20

 


VTの選定方法

VTの規格

【設計図の書き方例】VT 6600/110

選定手順
  1. 受電電圧を確認
  2. 高圧側か低圧側を確認
  3. 接続箇所の電圧に応じて規格を選定
  4. キュービクルの場合1.0等級が主流

 

選定のポイント

VTの目的は?

VT(計器用変圧器)は、高電圧を低電圧に変成して回路電圧を計測したり、制御用の電源に利用することが可能です

設置台数は?

3線式の場合→2台、4線式の場合→3台設置します。

等級の違いは?

計器の精度を表し0.1等級の方が高精度となります。

確度等級1.0級の場合定格電圧の70~110%において非誤差±1%となります。

容量の求め方は?
  • 一次側は6600Ⅴ
  • 2次側は110Vに変成されます
設計のノウハウ
  1. 回路系統はPF【保護】→VT【変成】→F【保護】→VS【線間切替】→電圧計【計測】となる
  2. VTの容量は2次側の計器に使用する総負荷容量によって選定する
  3. 変成器は回路に対し並列に接続する

 

まとめ

VTの選定方法

【設計図の書き方例】VT 6600/110

  • VTの構成に必要なもの

高圧限流ヒューズ(PF)、計器用変圧器(VT)、低圧包装ヒューズ(F)、切替開閉器(VS)、電圧計(Ⅴ)

  • VTの規格

6600/110Ⅴ

  • VTの容量

2次側の計器に使用する総負荷容量によって選定する(基本15VAあれば足りる)

確度階級 定格負荷
VA
10 15 25 50 100 200 500
0.1級
0.2級
0.5級
1.0級
3.0級

 


CTの選定方法

CTの規格

【設計図の書き方例】CT 200(負荷電流により選定)/5

 

選定手順
  1. 1次側電流は負荷電流に応じた容量を選定
  2. 定格1次側電流は1.5倍程度の容量を選定
  3. 定格2次側電流は5Aを選定
  4. 短時間耐電流値を選定

 

選定のポイント

CTの目的は?

変流器は大電流回路に接続し巻線比に応じた二次電流を変成する機器です。

設置台数は?

3線式の場合→2台、4線式の場合→3台設置します。

容量の求め方は?

1次側電流値:負荷電流値に応じた容量を選定します

2次側電流値:5Aを基準とします

耐電流値:8kA、12.5kAを短絡容量より選定します

設計のノウハウ
  1. 回路系統はCT【変流】→AS【線間切替】→電流計【計測】となる
  2. VTの容量は2次側の計器に使用する総負荷容量によって選定する
  3. 変成器は回路に対し並列に接続する

 

まとめ

CTの選定方法

【設計図の書き方例】CT 200(負荷電流により選定)/5

 

  • CTの構成に必要なもの

計器用変流器(CT)、切替開閉器(AS)、電流計(A)

  • CTの規格

【負荷電流によって選定する】/5A

  • CTの耐電流

短絡容量によって求める

 


ZCTの選定方法

ZCTの規格

【設計図の書き方例】ZCT

 

選定手順
  1. 地絡継電器の設置場所に取り付ける
  2. 事故電流の検出目的として設置する
  3. 事故電流(零相電流)を検出する
  4. 事故電流を検出した場合その信号を地絡継電器(GR)へ伝送する
  5. 信号を受信した地絡継電器は遮断器を動作させて故障設備を切り離す

 

選定のポイント

ZCTの機能ってなに?

事故電流を検出し地絡継電器に信号を送ります。

ZCTの設置場所は?

主な設置場所

  1. PAS(GR付の場合)
  2. VCBの二次側
  3. 変圧器の二次側
設計のノウハウ
  1. ZCTは事故電流を検出する重要な計器です
  2. GR(地絡継電器)と組み合わせて遮断器を動作させます
  3. 設置場所は高圧の分岐点に設置されていることが多くZCTの二次側で起きた事故を一次側に波及させないよう切り離す仕組みの検出部を担っています
  4. ZCT【検出】→GR【信号】→遮断器【回路遮断】

まとめ

ZCTの選定方法

【設計図の書き方例】ZCT

  • ZCTの機能

地絡事故発生時の零相電流を検出する

  • ZCTの組み合わせ

ZCTは事故電流の検出を行うのみのためGRと遮断器を組み合わせて事故回路を切り離す

 

CBの選定方法

 

選定手順

 

選定のポイント

設計のノウハウ

 

まとめ

 

よくある質問(FAQ)

Q. CB型とPF・S型はどちらを選べばよいですか?
A. 変圧器の総容量で判断します。キュービクル式の受変電設備では、変圧器総容量が300kVA以上でCB型が必要となります。

Q. DSの定格電圧はどう決めますか?
A. 6.6kV受電の場合は7.2kVを選定します。定格電流は受変電設備の最大電流値、定格短時間耐電流は受電点の短絡容量で選定します。

Q. VTの容量はどのくらい必要ですか?
A. 2次側の計器に使用する総負荷容量によって選定します。基本的に15VAあれば足ります。

Q. ZCTの役割は何ですか?
A. 地絡事故発生時の零相電流を検出します。ZCT単体では遮断できないため、地絡継電器(GR)と遮断器を組み合わせて事故回路を切り離します。

編集中

 

Q. 受変電設備にはどんな機器がありますか?

A. 主遮断装置(CB形/PF・S形)、断路器(DS)、計器用変圧器(VT)、変流器(CT)、零相変流器(ZCT)、進相コンデンサ(SC)などが主な機器です。

Q. 機器の選定はどんな順番で行いますか?

A. 受電方式と受電容量を決め、主遮断装置を選び、保護・計測用のVT・CT・ZCTと保護継電器を選び、最後に力率改善用の進相コンデンサを検討します。

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