この記事は、連載コンセント設備の設計マニュアル」第2回 配置計画第4回 接地と特殊コンセント の補足解説です。計画全体の流れは 設計・施工マニュアル(目次) からご覧いただけます。
全体像:コンセントの接地極・接地端子の使い分け
 

用途は同じです

 
今回の疑問

コンセントの接地極・接地端子の

使い分け用途について教えてほしい

 
結論

 

接地極・接地端子どちらも使用用途は同じです

コンセント側の仕様によって使い分ける必要があります

 
ペン太ペン太
コンセントの接地極と接地端子って、どちらも接地なら同じものでは?
ハリタハリタ
目的は同じでも接続方法が違います。接地極はプラグを差すだけ、接地端子は接地線をネジ留めします。

この記事に書かれていること

この記事でわかること・おすすめの方

住宅のコンセント計画を悩んでいる方 接地極・接地端子の違いについて調べている方 接地極・接地端子の使い分けについて悩んでいる方

この3つ、すぐ答えられますか

  • 接地極と接地端子は、役割が違うのですか。
  • どちらのほうが安全といえますか。
  • 内線規程2022年版で何が変わりましたか。
この記事の道案内
コンセントの接地極と接地端子について、役割・使い分け・規程の改定を整理します。

接地極と接地端子の役割について

トピック1:接地極と接地端子の役割について
接地極と接地端子の役割

接地極と接地端子は同じ役割と目的をもっています 一般的なコンセント(接地極・接地端子の無いもの)の場合、機器の故障などによる漏電が発生した場合、感電する恐れがあります。 このため、安全性の確保を目的として【接地機能付】のコンセントを取り付ける場合があります。 この、接地機能を持つコンセントが接地極もしくは接地端子付のコンセントになります。

接地極と接地端子の役割について

接地機能の使い方

接地極付コンセントの場合、接地極付のコンセントプラグ(差し込み側)にて接続する必要があります。 接地極付コンセントの場合、メリットとして接続が容易(通常のコンセントと同じく差し込むだけ)なので抜き差しの多い機器や移動の伴う機器などに使用される場合が多いです

接地端子付コンセントの場合、接地線を端子に接続する必要があります 接地端子の場合、電線を接地端子に接続する必要があるため固定された機器(冷蔵庫、洗濯機、エアコン)などの設置想定場所に使用する場合が多いです
ペン太ペン太
機器によって、どちらを選べばいいんですか?
ハリタハリタ
移動が多い機器は接地極、固定設置の機器は接地端子が向きます。両対応のコンセントが無難です。
ここまでのポイント
  • 接地極と接地端子は、同じ役割と目的をもっている。
  • 接地極・接地端子の無い一般的なコンセントでは、機器の故障などによる漏電が発生した場合に感電するおそれがある。
  • 安全性の確保を目的として、接地機能付のコンセントを取り付ける場合がある。

接地極と接地端子の使い分けについて

トピック2:接地極と接地端子の使い分けについて
使い分け

接地極の使用状況 主に移動可能な機器、例えばパソコンなどに使用される接地方法です。プラグの形状が3Pの場合、接地極付のコンセントに接続する必要があります。 接地端子の使用状況 設置後にほとんど移動しない機器、洗濯機、電子レンジ、パソコンなどに適した接地方法です。一般的に接地が必要な機器は接地線での接続により接続する場合が多いため接地端子付のコンセントが接地目的として利用されているケースが多いです

機器の使い方向いている接地の方式接続のしかた
移動可能な機器(例:パソコン)接地極プラグを差し込むだけ
設置後ほとんど移動しない機器(洗濯機・電子レンジなど)接地端子接地線を端子(ねじ)に接続
ここまでのポイント
  • 接地極は、主に移動可能な機器(パソコンなど)に使用される接地方法。
  • プラグの形状が3Pの場合、接地極付のコンセントに接続する必要がある。
  • 接地端子は、設置後にほとんど移動しない機器(洗濯機、電子レンジ、パソコンなど)に適した接地方法。
  • 接地が必要な機器は接地線での接続とする場合が多く、接地端子付が接地目的で利用されているケースが多い。

規程と今後の流れ

トピック3:規程と今後の流れ
接地極の普及

一般的に接地と聞くと洗濯機やエアコンのコンセントプラグについている接地線を接地極(ねじ)に接続しているイメージが強いと思います。 日本の現状として一般コンセントと接地付コンセントを想定した使用環境によって使い分けをしており部屋内にどちらの仕様のコンセントも混在している場合が多いです。 このため今後接地極付のプラグが普及してしまうと一般のコンセントに接続できない(2Pのコンセントに対し3Pのプラグ)状況が発生してしまうため端子付の機器が多くなっています。 しかし接地端子では、必ずしも接地する必要がない(接地線を接続しなくても機器を使用できる)ため安全性劣るため、物理的に必ず接地が接続される接地極付の方が安全といえます。  

内線規程の変更

内線規程の変更

内線規程2022年版よりコンセントの接地に対する要求が変更されています 勧告→義務

  • 台所、厨房、洗面所、便所に施設するコンセント、雨線外に施設するコンセントは、特定機器用コンセントと同様に、接地極付コンセントを施設することが勧告から義務的事項となりました。
つまり、水回りや、特定の機器の接地場所には、接地極付とすることが義務化されました。 しかし機器側の仕様として、接地線による接続とする場合が多いため、接地極+接地端子付のコンセントを設置することを検討しましょう。
  • 住宅に施設するすべてのコンセントは、接地極付コンセントとすることが推奨から勧告的事項となりました。
掃除用や充電用など多目的用途のコンセントは一般形(接地なし)のものが主流ですが今後の安全性の向上を目的とした接地コンセントの普及が求められています。現段階では勧告ですが、段階的に義務化する方向も想定されます。

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この記事のカテゴリー

内線規程2022年版変更前変更後
台所・厨房・洗面所・便所、雨線外のコンセント勧告義務的事項(接地極付コンセント)
住宅に施設するすべてのコンセント推奨勧告的事項(接地極付コンセント)
ここまでのポイント
  • 日本では一般コンセントと接地付コンセントを使用環境で使い分けており、部屋内に混在している場合が多い。
  • 接地極付プラグが普及すると一般コンセントに接続できない状況が生じるため、端子付の機器が多くなっている。
  • 接地端子は接地線を接続しなくても機器を使用できるため、物理的に必ず接地される接地極付の方が安全といえる。
  • 内線規程2022年版より、コンセントの接地に対する要求が変更されている。
  • 機器側は接地線による接続とする場合が多いため、接地極+接地端子付のコンセントの設置を検討する。

接地極と接地端子の違い(早見図)

トピック4:接地極と接地端子の違い(早見図)
接地極付コンセント

接続方法:プラグを差し込むだけ

向いている機器:移動・抜き差しの多い機器(例:パソコン)

特長:必ず接地されるため安全性が高い

接地端子付コンセント

接続方法:接地線を端子(ねじ)に接続

向いている機器:固定設置の機器(冷蔵庫・洗濯機・エアコン等)

注意:接続しないと接地されない

役割・目的は同じ。コンセント側の仕様に応じて使い分けます。
ここまでのポイント
  • 接地極付コンセントは、プラグを差し込むだけで接続でき、必ず接地されるため安全性が高い。
  • 移動・抜き差しの多い機器(例:パソコン)に向く。
  • 接地端子付コンセントは、接地線を端子(ねじ)に接続する方式。
  • 冷蔵庫・洗濯機・エアコン等の固定設置の機器に向くが、接続しないと接地されない。

よくある質問(FAQ)

トピック5:よくある質問(FAQ)

Q. 接地極と接地端子は役割が違うのですか?
A. いいえ。どちらも役割・目的は同じで、コンセント側の仕様によって使い分けます。

Q. どちらがより安全ですか?
A. 物理的に必ず接地が接続される接地極付の方が安全といえます。接地端子は接地線を接続しないと接地されないためです。

Q. 内線規程2022年版で何が変わりましたか?
A. 台所・厨房・洗面所・便所、雨線外のコンセントは、接地極付コンセントの施設が勧告から義務的事項となりました。住宅の全コンセントへの接地極付は推奨から勧告的事項に変更されています。

Q. どんな機器に接地端子付が使われますか?
A. 冷蔵庫・洗濯機・エアコンなど、設置後ほとんど移動しない固定機器に多く使われます。

ペン太ペン太
これからの設計はどちら寄りに考えるべきですか?
ハリタハリタ
2022年版内線規程で水回りや屋外は接地極付が義務になりました。今後は接地極が主流になりますよ。

まとめ|役割は同じ、確実さと機器側の仕様で選ぶ

接地極と接地端子は役割・目的は同じで、必ず接地される確実さでは接地極付が有利です。機器側が接地線接続であることも多いため、両方を備えたコンセントも選択肢になります。

確認する項目内容
接地極と接地端子の役割同じ(漏電時の感電を防ぐ)
接地機能のないコンセント機器の故障などによる漏電で感電するおそれがある
接地極の接続方法プラグを差し込むだけ
接地極が向く機器移動可能な機器(例:パソコン)。3Pプラグは接地極付コンセントが必要
接地端子の接続方法接地線を端子(ねじ)に接続
接地端子が向く機器設置後ほとんど移動しない機器(冷蔵庫・洗濯機・エアコン等)
安全性の比較物理的に必ず接地される接地極付の方が安全
接地端子の注意点接地線を接続しないと接地されない
2022年版での変更(水回り・雨線外)勧告から義務的事項へ
2022年版での変更(住宅の全コンセント)推奨から勧告的事項へ
実務での選択機器側が接地線接続の場合が多く、接地極+接地端子付の設置を検討する

役割で押さえること

  • 接地極と接地端子の目的が同じであること。
  • 接地機能がない場合のリスク。
  • 接地機能付コンセントを付ける理由。

使い分けで押さえること

  • 機器が移動するか、固定するか。
  • プラグの形状(3Pかどうか)。
  • 接地線での接続が必要な機器かどうか。

規程の改定で押さえること

  • 水回り・雨線外での義務化。
  • 住宅の全コンセントに対する勧告。
  • 接地極+接地端子付という選択肢。

接地極付と接地端子付は、どちらが正しいというより「確実に接地される仕組みかどうか」が分かれ目です。2022年版の改定で水回りや屋外は義務的事項になったため、住宅のコンセント計画では場所ごとに仕様を整理しておくと迷いません。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。