この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【118】高圧受電設備・高圧配線
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

高圧電気設備では、感電事故や火災を防ぐために「絶縁性能」と「設置方法(距離・収納)」に細かなルールが定められています。ここでは内線規程と省令1345条をもとに、初心者の方にも分かりやすく要点を整理します。

高圧機器の絶縁・設置の3つのポイントを示す図解
結論
高圧機器の安全のカギは絶縁距離です。絶縁抵抗は3MΩ以上を確保し、絶縁抵抗計は定格1,000V以上のものを使用。設置は柵で囲って高さと距離で5m以上、または地表から4.5m以上(市街地外は4m以上)の高所とし、保護箱に収納して充電部を露出させないようにします。
この記事でわかること
✔ 絶縁性能の基準
✔ 高圧機器の設置方法
✔ 使用機器・電線の条件
ペン太ペン太
高圧設備の絶縁抵抗って、低圧と同じ測定器で測ればいいんですよね?
ハリタハリタ
定格1,000V以上の絶縁抵抗計を使い、3MΩ以上を確保するのが基準です。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 高圧設備に求められる絶縁抵抗は、いくつ以上か
  • 柵で囲うとき、高さと距離の合計はいくつ以上必要か
  • 高所に設置する場合、市街地と市街地外で高さの基準はどう違うか
この記事でわかること
数値を確認したい方は、設置方法の項からご覧ください。

絶縁性能の基準

トピック1:絶縁性能の基準
  • 絶縁性能は、電気が外部に漏れないように分離する性能で、省令1345条などで定められている。
  • 絶縁抵抗の基準は3MΩ以上
  • 測定に使う絶縁抵抗計は定格1,000V以上のものを使用する。
ペン太ペン太
高所に設置する高さって、どこでも4.5m以上必要なんですか?
ハリタハリタ
市街地では4.5m以上、市街地外なら4m以上です。場所で基準が変わる点に注意です。
ここまでのポイント
  • 絶縁性能は電気が外部に漏れないように分離する性能で、省令1345条などで定められている
  • 絶縁抵抗の基準は3MΩ以上
  • 測定に使う絶縁抵抗計は定格1,000V以上のものを使用する

高圧機器の設置方法

トピック2:高圧機器の設置方法
  • 柵で囲って人が触れられないようにし、高さと距離で5m以上を確保する。
  • 高所に設置する場合は地表から4.5m以上(市街地外は4m以上)とする。
  • コンクリート製または接地済みの金属箱などの保護箱に収納し、充電部を露出させない。
  • 簡易な防護装置で触れられないようにする(接触防護措置)。
設置のしかた確保する数値補足
柵で囲う高さと距離で5m以上人が触れられないようにする
高所に設置(市街地)地表から4.5m以上
高所に設置(市街地外)地表から4m以上市街地より緩い
保護箱に収納コンクリート製または接地済みの金属箱。充電部を露出させない
ここまでのポイント
  • 柵で囲って人が触れられないようにし、高さと距離で5m以上を確保する
  • 高所に設置する場合は地表から4.5m以上(市街地外は4m以上)とする
  • コンクリート製または接地済みの金属箱などの保護箱に収納し、充電部を露出させない
  • 簡易な防護装置で触れられないようにする(接触防護措置)

使用機器・電線の条件

トピック3:使用機器・電線の条件
  • 高圧用の電気機械器具や電線は、JIS規格に適合したもの、または同等以上の強度・性能を持つものを選ぶ。
たとえ話でイメージ
高圧設備の安全対策は、危険な猛獣を扱う檻のようなもの。しっかりした檻(絶縁・保護箱)で囲い、十分な距離をとって近づけないようにすることで、見えない電気から人を守る、というイメージです。
見習いペン太
見習いペン太
高圧ってなんだか怖いけど、どこに気をつければいいの?
はりた
はりた
まずは「絶縁」と「距離」だよ。電気をしっかり遮って、人が触れないように離すのが基本なんだ。
見習いペン太
見習いペン太
距離ってどのくらい離せばいいの?
はりた
はりた
柵で囲って高さと距離で5m以上、高所なら地表から4.5m以上が目安だよ。市街地の外なら4m以上でもいいんだ。
高圧機器の絶縁性能と設置方法(柵・高所)を示した図
高圧機器の絶縁抵抗は3MΩ以上を確保し、測定には定格1,000V以上の絶縁抵抗計を使用する。設置は柵で囲って人が触れられないようにし、柵の高さと柵から充電部までの距離を合わせて5m以上を確保する。高所に設置する場合は地表から4.5m以上(市街地外は4m以上)とする。いずれの場合も保護箱に収納して充電部を露出させず、高圧用の電気機械器具や電線はJIS規格に適合したもの、または同等以上の強度と性能をもつものを選定する。
取り違えやすいところ正しくは
高所設置の高さはどこでも4.5m以上市街地は4.5m以上、市街地外は4m以上
絶縁抵抗計はどの定格でも測れる定格1,000V以上のものを使用する
柵さえ設ければ距離は問わない高さと距離で5m以上を確保する
保護箱に入れれば充電部は見えていてもよい充電部を露出させないことが条件
機器や電線は強度が足りていれば規格は問わないJIS適合品、または同等以上の強度・性能のものを選ぶ

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問
Q. 高圧機器の絶縁抵抗の基準値はいくつですか?
A. 絶縁抵抗は3MΩ以上が基準です。測定には定格1,000V以上の絶縁抵抗計を使用します。
Q. 柵で囲う場合、どのくらいの高さ・距離が必要ですか?
A. 柵で囲って人が触れられないようにし、高さと距離を合わせて5m以上を確保します。高所に設置する場合は地表から4.5m以上(市街地外は4m以上)とします。
Q. 使用する高圧機器や電線に条件はありますか?
A. 高圧用の電気機械器具や電線は、JIS規格に適合したもの、または同等以上の強度と性能を持つものを選定する必要があります。

まとめ|絶縁で断ち、距離で近づけない

高圧設備の安全対策は「絶縁で電気を断つ」ことと「距離と囲いで人を近づけない」ことの2本立てです。そのうえで、機器と電線はJIS適合品を選び、性能の裏付けをそろえます。

確認する順番見るところ基準
Step1絶縁抵抗3MΩ以上(測定は定格1,000V以上の計器)
Step2柵の設置高さと距離で5m以上
Step3高所設置の高さ市街地4.5m以上、市街地外4m以上
Step4保護箱コンクリート製または接地済み金属箱、充電部は露出させない
Step5機器・電線の選定JIS適合、または同等以上の強度・性能

数値が複数出てくる項目ですが、「柵は5m、高所は4.5m(市街地外4m)」と場所ごとに分けて覚えておくと現場で迷いません。絶縁抵抗の測定は、計器の定格まで含めて記録に残しておくと後の確認が楽になります。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
機器や電線の選定はどう進めれば?
ハリタハリタ
JIS規格適合品を選び、柵や保護箱で充電部を露出させない計画を立てましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。