共働き4人家族の家づくり18か月密着|電気の打ち合わせで何を決めたか【モデルケース】
住まいづくりシリーズ(全3回)
- 第1回:住まいづくりで後悔しない電気設備の決め方(総まとめ)
- 第2回:共働き4人家族の家づくり密着|18か月の記録(この記事)
- 第3回:電気の打ち合わせチェックリスト【部屋別・印刷対応】
「電気の打ち合わせが大事なのはわかった。でも、実際どう進むの?」——そんな疑問に答えるため、この記事では1組の家族が土地探しから入居半年後までを歩む18か月を、時系列で追いかけます。登場するのは、電気設備設計の現場でよく出会う「典型的な悩み」を集約したモデルケースの家族です。
迷った場面、決めきれなかった場面、そして入居後に「やっぱりこうすればよかった」と気づいた場面まで、包み隠さず書きました。自分たちの家づくりを重ねながら読んでいただくと、次の打ち合わせで何を聞けばいいかが見えてくるはずです。
この記事の読み方
各フェーズは「① そのときの会話 → ② 決めたこと → ③ 設計者からの補足 → ④ このフェーズでやること」の4ステップで構成しています。急ぎの方は④だけ拾い読みしても使えます。
登場人物|モデルケース「田村家」
| 家族 | プロフィール | 家づくりでの立場 |
|---|---|---|
| 夫・亮太(34) | IT企業勤務、週3日は在宅ワーク | ガジェット好き。EV・スマートホームに興味あり |
| 妻・沙織(32) | 医療事務、時短勤務。朝がとにかく忙しい | 家事動線と収納が最優先。電気は「よくわからない」 |
| 長女・ひまり(6) | 小学1年生 | 2年後には自分の部屋がほしい |
| 長男・そうた(3) | 保育園児 | コンセントに興味津々(安全対策が必要) |
条件:郊外の分譲地、土地38坪/延床32坪の2階建て。総予算は土地込みで4,200万円。車はガソリン車1台と電動アシスト自転車2台。現在は賃貸2LDKに在住。
※このご家族は実在の特定の方ではなく、複数の相談事例をもとに構成したモデルケースです。金額や仕様は地域・時期・会社により大きく変わります。
【−18か月】きっかけ|「今の家の不満」こそ最高の設計資料
そのときの会話
決めたこと
2人はスマホのメモアプリに「今の家の不満リスト」を作り始めました。思いついたときに追記していく方式です。半年後、そこには38項目が並んでいました。
- 洗面所のコンセントが1口しかない(ドライヤー・ヘアアイロン・電動歯ブラシ)
- 掃除機のコードが廊下の途中で届かない
- 玄関で電動自転車のバッテリーを充電できず、毎回リビングまで運ぶ
- 寝室の電気を消しにベッドから起き上がるのが地味につらい
- テレビ裏の配線がぐちゃぐちゃで掃除できない
- キッチンでトースターとケトルを同時に使うとブレーカーが落ちる
設計者からの補足
これは本当に価値のある作業です。打ち合わせで「どんな暮らしがしたいですか?」と聞かれても、なかなか答えられないもの。でも「今、何が不便か」なら誰でも具体的に言えます。不満リストは、そのまま設計条件に翻訳できる一次資料です。
私が打ち合わせで最初にお願いするのも、たいていこれです。「理想」より「不満」のほうが、はるかに設計の役に立ちます。
このフェーズでやること
- スマホのメモに「今の家の不満」を溜め始める(3か月以上かけると精度が上がる)
- 不満に気づいたらその場で書く。後からは思い出せない
- 家族それぞれが別々に書く(夫と妻で不満のポイントは驚くほど違う)
【−14か月】土地探し|電気の視点で土地を見る人はほとんどいない
そのときの会話
亮太「この土地、南向きで日当たりいいね」
不動産担当「人気の区画です。お早めにご検討を」
亮太「(そういえば……電柱ってどこにあるんだろう)」
決めたこと
亮太さんは候補地3か所を、休日にスマホで撮影して回りました。撮ったのは建物予定地だけでなく、前面道路の電柱の位置、電線の引き回し、隣家の屋根の高さです。結果、第一候補だった土地は電柱が斜向かいにあり、引き込み線が敷地を斜めに横切ることが判明。第二候補の土地に切り替えました。
設計者からの補足
土地を電気の視点で見るポイントは4つです。
- 電柱の位置:引き込み線が敷地上空をどう通るか。見た目と、将来の植栽・カーポートに影響
- 南面の屋根が取れるか:太陽光を載せる可能性があるなら、隣家の影も含めて確認
- 駐車場と建物の位置関係:EV充電を考えるなら、分電盤から駐車場までの距離が短いほど有利
- 電力会社の引込方式:分譲地によっては地中化されており、引込位置が指定されていることも
ただし、これらは土地選びの決定打にはなりません。日当たり・通勤・学区・価格のほうが優先度は高い。「同じくらい迷ったときの、最後のひと押し材料」くらいに考えてください。
このフェーズでやること
- 候補地は時間帯を変えて2回以上見に行く(朝と夕方で印象が変わる)
- 前面道路の電柱・電線を写真に撮っておく
- 南面の屋根が取れるか、隣家の影がどこまで来るかをざっくり確認
- 駐車場の予定位置をメモしておく(後のEV充電の話につながる)
【−12か月】会社選び|「電気の打ち合わせは何回ありますか?」
そのときの会話
沙織「A社とB社、どっちも良さそうで決められない……」
亮太「じゃあ、同じ質問をしてみようか」
決めたこと
2人は3社にまったく同じ5つの質問をぶつけました。
| 質問 | A社の回答 | B社の回答 |
|---|---|---|
| 電気の打ち合わせは何回、何時間ありますか? | 「1回、2時間ほどです」 | 「2回に分けます。1回目で方針、2回目で最終確認」 |
| コンセントの標準は何か所で、追加は1か所いくら? | 「標準◯か所、追加は要見積」 | 「標準◯か所、追加は1か所あたり◯千円」と即答 |
| 着工後に位置を変えられますか? | 「基本的に不可です」 | 「ボード貼り前なら、軽微なものは対応します」 |
| 配線工事中に現場を見せてもらえますか? | 「安全上、お断りしています」 | 「立会日を設定できます」 |
| 使える補助金はありますか? | 「調べておきます」 | その場で該当制度と締切を提示 |
田村家はB社を選びました。決め手は価格でも坪単価でもなく、「打ち合わせの進め方が具体的だったこと」でした。
設計者からの補足
この5問は、私が「どこの会社にすべきですか」と相談されたときに必ずおすすめしている質問です。答えの中身より、即答できるかどうかが重要。即答できる会社は、社内に基準があり、過去のトラブルから学んでいる証拠です。
とくに5つ目の補助金は要注意です。補助金は施主本人ではなく登録事業者が申請するため、その会社が登録していなければ、そもそも使えません。契約前に確認しておくべき項目です。
このフェーズでやること
- 候補の各社に同じ質問をして、回答を並べて比較する
- 「電気工事の追加費用の単価」を、契約前に書面でもらう
- 補助金の登録事業者かどうかを確認する(これは契約後では遅い)
- 過去の施主の「電気で困ったこと」を聞いてみる(正直に答える会社は信頼できる)
【−9か月】間取り確定|ここで決まる「電気の8割」
そのときの会話
設計担当「この間取りでいかがでしょう。次は仕様決めに進みます」
亮太「あの、分電盤ってどこに付きますか?」
設計担当「……そうですね、通常は洗面所あたりですが、ご希望があれば」
決めたこと
間取りは「対面キッチンのLDK18畳+和室4.5畳、2階に主寝室と子ども部屋2つ」で確定。このタイミングで田村家は3つのことを申し入れました。
- 分電盤は2階ホールの収納内に(1階洗面所は湿気とスペースの都合で見送り、2階から各室への配線距離を短くする狙い)
- 子ども部屋は当面ひと部屋、将来2分割(間仕切り予定線の両側に、照明・スイッチ・コンセントをあらかじめ配置)
- 階段下収納にルーター置き場(家のほぼ中央、1階と2階の中間高さになる位置)
設計者からの補足|ここが最重要ポイントです
「電気の打ち合わせは着工の2か月前」と言いましたが、実は電気設計の8割は間取り確定の段階で決まってしまいます。理由は単純で、次のものは間取りが決まると動かせなくなるからです。
- 分電盤の位置(=すべての配線の起点)
- 給湯機・エアコン室外機の置き場(=屋外配管ルート)
- ルーター置き場(=家中の通信の中心)
- 将来の間仕切り位置(=子ども部屋の分割)
- 駐車場と建物の距離(=EV充電のコスト)
間取りの打ち合わせで「電気の話はまだ先です」と言われても、この5つだけは今のうちに聞いてください。ここを外すと、後の配線打ち合わせでいくら頑張っても取り返せません。
このフェーズでやること
- 分電盤の位置を図面上で確定させる(手が届く高さか、日常的に入る場所か)
- ルーター置き場を家の中央付近に確保し、そこに電源+光回線引込を集約
- 子ども部屋の将来分割を想定した配置を依頼
- エアコンを設置する部屋をすべて申告(将来設置予定の部屋も)
- 駐車場から建物までの距離を確認し、EV充電の空配管を検討
【−6か月】仕様決定|キッチンとオール電化の判断が電気を変える
そのときの会話
沙織「IHとガス、迷うなあ。実家はずっとガスだったし」
亮太「太陽光を載せるなら、IHのほうが相性いいらしいよ」
沙織「じゃあIHで。……あ、でも土鍋は?」
決めたこと
キッチンはIH、給湯はエコキュートでオール電化に決定。太陽光は5.4kWを新築時に搭載、蓄電池はいったん見送りとしました。ただし将来設置できるよう、屋外の設置スペースと配管ルートだけ確保してもらいました。
| 検討項目 | 田村家の判断 | 理由 |
|---|---|---|
| IH/ガス | IH | 太陽光の自家消費に有利、子どもの安全面 |
| 給湯 | エコキュート(460L) | 4人家族+来客を想定 |
| 太陽光 | 5.4kW 搭載 | 新築同時のほうが屋根の納まり・保証で有利 |
| 蓄電池 | 見送り(将来設置) | 予算の都合。スペースと配管だけ先行確保 |
| 床暖房 | LDKのみ | 断熱性能が上がったため最小限に |
| EV充電 | 空配管のみ先行 | 買い替えは3〜5年後の予定 |
設計者からの補足
「いったん見送るが、将来やるかもしれない」ものの扱いが、家づくりでいちばん難しいところです。判断基準はシンプルで、「後からやると何倍になるか」で決めてください。
- 先にやるべき:壁・床・天井の中を通るもの(配管・配線)、屋根に穴を開けるもの
- 後でいいもの:機器そのもの(蓄電池、EV充電器、照明器具、スマート機器)
田村家の「空配管だけ先行」は、この原則にきれいに沿った判断です。配管数万円で、将来の十数万円を先に消しています。
このフェーズでやること
- IH/ガス、給湯方式を配線打ち合わせより前に確定させる(後から変えると配線やり直し)
- 太陽光を載せるかどうかを決める(載せないなら、将来の可能性だけ残す)
- 「将来やるかも」リストを作り、配管・配線だけ先行するものを選別
- 補助金の対象要件(GX志向型/長期優良/ZEH水準)をどこで狙うか、担当者と確認
【−2か月】電気配線打ち合わせ当日|山場の2時間
そのときの会話
電気担当「では図面を見ながら、コンセントの位置を確認していきます」
沙織「(あ、これが噂の……)はい、お願いします!」
亮太「家具を書き込んだ図面と、家電のリストを持ってきました」
電気担当「……助かります。ここまで準備される方、なかなかいませんよ」
田村家が当日持っていったもの
- 家具・家電を実寸で書き込んだ間取り図(A3で印刷、手書きで寸法入り)
- 家電リスト(今使っているもの+買う予定のもの、消費電力つき)
- 平日の1日タイムライン(朝6:30から夜23:00まで、家族4人分)
- 不満リスト38項目(−18か月から溜め続けたもの)
- 将来やりたいことリスト(EV、子ども部屋分割、蓄電池)
実際の打ち合わせで起きたこと
| 場面 | やり取り | 結果 |
|---|---|---|
| LDK | 「テレビは壁掛けにします」と伝えると、担当者が高さを確認 | テレビ裏にコンセント+HDMI通線用の空配管を追加 |
| ダイニング | テーブルサイズが未定だと判明 | ペンダント直付けをやめ、ダクトレールに変更 |
| キッチン | 朝の同時使用家電を数えたら5台 | カウンター上を2回路に分離、2口×2か所に |
| 洗面 | 不満リストの筆頭項目を提示 | 鏡横に2口×2か所(左右)に増設 |
| 寝室 | 「消しに起きるのがつらい」 | 入口と枕元の3路スイッチに |
| 玄関土間 | 電動自転車のバッテリー充電の話 | 土間に防塵型コンセント1か所を新設 |
| 階段・廊下 | 掃除機の動線を確認 | 1階廊下と2階ホールに各1か所追加 |
| 子ども部屋 | 将来2分割の希望を再確認 | 間仕切り線の両側に照明・スイッチ・コンセントを対称配置 |
| 屋外 | 「1か所が標準です」 | 玄関側+庭側の2か所に増設 |
| 駐車場 | EVは3〜5年後 | 分電盤から駐車場まで空配管(CD管)を先行埋設、予備回路2つ確保 |
追加になったコンセントは合計11か所、スイッチ変更が4か所。追加費用は約9万円でした。総額4,200万円の家に対して0.2%です。
設計者からの補足
この「0.2%」という数字を、ぜひ覚えておいてください。電気設備の追加は、家全体の予算から見れば誤差のような金額です。にもかかわらず、毎日の使い勝手への影響は、床材や壁紙よりずっと大きい。
打ち合わせの終盤は予算の話で疲れきっていて、「これ以上増やしたくない」という心理が働きます。でも電気に関しては、そこで削っても効果は小さく、後悔は大きい。ここだけは踏ん張る価値があります。
このフェーズでやること
- 前述の5点セットを必ず持参する(これだけで打ち合わせの質が変わります)
- 各部屋で「この家具のどちら側か」まで具体的に伝える
- 「専用回路はどれですか」「予備回路はいくつ残りますか」を必ず質問する
- その場で決まらないことは宿題として持ち帰る(無理に即決しない)
- 打ち合わせ後、確定図面をもらって家で読み返す時間を確保する
【−1か月】上棟後の現場確認|最後の修正チャンス
そのときの会話
亮太「あれ、ここのコンセント……ソファの裏に完全に隠れませんか?」
現場監督「図面ではこの位置ですね。……確かに、あと40cm右のほうが良さそうです」
亮太「まだ動かせますか?」
現場監督「ボードを貼る前なので、大丈夫です」
決めたこと
田村家は上棟の2週間後、配線工事中の現場に立ち会いました。壁に取り付けられたスイッチボックスを実際に見て、3か所の位置を修正。追加費用はかかりませんでした。
- LDKのコンセント1か所を、ソファ配置に合わせて40cm移動
- 洗面のスイッチを、扉の開き勝手と逆側に変更(扉に隠れる位置だった)
- 寝室のコンセントを、ベッドサイドテーブルの高さに合わせてFL+400mmへ変更
設計者からの補足|現場確認は「図面より正確」です
図面は平面ですが、暮らしは立体です。実際の空間に立って初めてわかることが必ずあります。とくに次の3点は、現場でしか判断できません。
- 扉の開き勝手とスイッチの位置:開いた扉に隠れるスイッチは意外と多い
- 窓の位置とコンセントの干渉:カーテンレールやブラインドに隠れることがある
- 高さの体感:図面のFL+250mmと、実際に立ってみたときの印象は違う
ただし注意点が2つ。①必ず事前にアポを取ること(現場は工程が詰まっています)、②その場で職人さんに直接お願いしないこと。要望は必ず現場監督か営業担当を通してください。口頭のやり取りは記録に残らず、トラブルのもとになります。
このフェーズでやること
- ボード貼り前のタイミングで現場立会いを申し込む(上棟後2〜3週間が目安)
- 間取り図と、家具のサイズをメモした紙を持参する
- メジャーを持っていく(実際の高さを測ると納得感が違う)
- 修正依頼は必ず担当者経由で、その場でメモを共有する
- スイッチボックスの位置を全室分、写真に撮っておく(引き渡し後の記録にもなる)
【入居半年後】田村家の答え合わせ
やってよかったこと
| やったこと | 実際の効果 |
|---|---|
| 洗面の鏡横に2口×2か所 | 朝の支度で家族がぶつからない。不満リストの筆頭が完全解消 |
| 寝室の3路スイッチ | 「毎日のことなので、いちばん体感がある」(沙織さん) |
| キッチンカウンター上を2回路に | 朝の同時使用でブレーカーが一度も落ちていない |
| 玄関土間のコンセント | 電動自転車のバッテリー充電が玄関で完結 |
| ダイニングのダクトレール | テーブルを買い替えたときに照明を左右に移動できた |
| 階段下のルーター置き場 | 2階の端の部屋まで電波が届く |
| 屋外コンセント2か所 | 庭側は高圧洗浄機とプール、玄関側はイルミネーションで大活躍 |
それでも残った、3つの後悔
| 後悔 | 原因 | 教訓 |
|---|---|---|
| ①パントリーにコンセントがない | 収納は「物を置くだけ」と思い込んでいた | 収納にも電源。ハンディ掃除機・充電池・ストック家電の置き場になる |
| ②LDKの調光を1系統しか入れなかった | 予算調整で削った | ダウンライトと間接照明は別系統に。夜の雰囲気がまるで違う |
| ③2階トイレの人感センサーを省いた | 「1階だけで十分」と判断 | 夜中に子どもが使う場所こそセンサーが効く |
設計者からの補足
これだけ準備した田村家でも、後悔はゼロにはなりませんでした。そして、これでいいのだと思います。後悔をゼロにすることが目的ではなく、「取り返しのつかない後悔」を避けることが目的だからです。
実際、田村家の3つの後悔のうち、①のパントリーは後から増設できる範囲(隣が洗面所で壁の裏を通せる)。②の調光と③のセンサーは器具交換では済みませんが、暮らしを揺るがすほどではありません。
一方で、もし分電盤の位置を間違えていたら、EV用の配管を通していなかったら、子ども部屋の分割を想定していなかったら——これらは取り返しがつきませんでした。優先順位のつけ方が、この家づくりの一番の成果だったと思います。
18か月をふりかえって|3つの分岐点
田村家の家づくりを通してみると、成否を分けた瞬間は3つに集約できます。
- −18か月:不満リストを書き始めたこと
打ち合わせで「具体的に話せる」状態を作れたのは、すべてここが起点でした。 - −9か月:間取り確定の段階で電気の話を持ち出したこと
分電盤・ルーター・将来分割・EV配管という「後から動かせない4つ」を、正しいタイミングで押さえられました。 - −1か月:現場に立ち会ったこと
図面では気づけない3か所を、無償で修正できました。
逆に言えば、この3つさえ押さえれば、あとは多少抜けがあっても致命傷にはなりません。家づくりは決めることが膨大で、すべてを完璧にはできません。だからこそ、力を入れる場所を絞ることが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 打ち合わせで細かく要望を出すと、嫌がられませんか?
むしろ逆です。担当者がいちばん困るのは「おまかせします」と言われることで、その場合は標準仕様で進めるしかありません。具体的な要望は、担当者にとっても設計しやすい情報です。ただし「なんとなく増やしたい」ではなく「何をするために必要か」をセットで伝えると、より良い提案が返ってきます。
Q2. 家具がまだ決まっていない場合はどうすればいいですか?
サイズだけでも仮決めしてください。「ソファは幅2m前後」「ダイニングテーブルは4人掛け」程度の粒度で十分です。決めきれない部分は、可動性のある選択(ダクトレール、コンセントを複数箇所に分散)でリスクヘッジできます。
Q3. 現場に立ち会えない場合はどうすれば?
担当者に「配線が終わった段階で、各部屋の写真を送ってください」とお願いしてみてください。写真でも、扉の開き勝手との干渉や、明らかな位置ずれは気づけます。あわせて、間取り図に希望を書き込んだものを事前に渡しておくと精度が上がります。
Q4. 打ち合わせが1回しかない会社は避けるべきですか?
回数そのものより、準備の時間をもらえるかが重要です。「図面を事前にください」「持ち帰って検討させてください」に応じてくれるなら、1回でも十分に詰められます。逆に、その場での即決を求められる場合は注意が必要です。
Q5. 予算が厳しいとき、電気で削っていい部分はどこですか?
削るなら「後から足せるもの」から。照明器具のグレード、スマート機器、蓄電池などです。逆に絶対に削ってはいけないのは、壁の中を通る配線・配管、分電盤の予備回路、専用回路です。ここは数千円〜数万円の差が、将来の十数万円になります。
まとめ
家づくりは「一生に一度」と言われますが、だからこそ誰もが初心者のまま本番を迎えます。田村家がうまく進められたのは、特別な知識があったからではなく、「今の暮らしの不満」という一次資料を持ち込んだからでした。
次回は、この記事で登場したチェック項目を部屋別・フェーズ別に整理した完全版チェックリストをお届けします。印刷して打ち合わせに持っていける形にまとめていますので、あわせてご活用ください。




