技術図書館遮断器があっても、手で切る機器は別に要る遮断器は異常時に自動で切る装置、開閉器は人が手で切る装置。設けるのは3つの場所で、原則すべての極にこの資料をスライドで見る資料一覧を見る
この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
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低圧開閉器は、電気のオン・オフを操作し、点検・修理のときに安全を確保するための装置です。押さえるポイントは 「役割(遮断器との違い)/設ける3つの場所」 の2つです。

開閉器は、人が手で切る機器 点検・修理のとき、安全に切り離します。
遮断器は、自動で切る機器 異常があると、自動で遮断します。
設ける場所は、3つの箇所 入切が必要/開路が必要/ヒューズの電源側。
各極に設け、外箱は接地する 原則、すべての電線に設け、金属製外箱は接地します。
ペン太ペン太
ブレーカーがあるなら、開閉器っていらないんじゃ…?
ハリタハリタ
別物なんだ。ブレーカーは「異常時に自動で切る」、開閉器は「人が点検・修理のときに手で切って安全を確保する」。目的が違うから、必要な場所には開閉器をちゃんと設けるんだよ。
この記事でわかること
✔ ① 役割(過電流遮断器との違い)
✔ ② 設ける3つの場所

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ペン太ペン太
ブレーカーが付いていれば、開閉器はわざわざ要らない気がするんですが…
ハリタハリタ
役割が別です。ブレーカーは異常時の自動遮断、開閉器は点検時に人が意図して切る安全スイッチです。

この記事で押さえる3つのこと

  • 開閉器は人が手で切る機器、過電流遮断器は異常時に自動で切る機器。役割が違い、両方が必要になる場面が多い。
  • 低圧開閉器を設ける3つの場所は、入切が必要な箇所・開路が必要な箇所・ヒューズの電源側。
  • 開閉器は、原則として各極(すべての電線)に設け、金属製の外箱には接地が必要。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、低圧開閉器を3つの視点で整理します。

① 役割(過電流遮断器との違い)

開閉器は、人が手で入切する 電路を手動で入れたり、切ったりします。
切るのは、点検・修理のとき 安全に切り離して、作業者を守ります。
過電流遮断器は、異常時に自動で切る 過負荷・短絡などの過電流を検知します。
役割が違うので、両方が必要な場面が多い ブレーカーがあるから不要、とは考えません。
  • 開閉器:電路を手動で入切し、点検・修理のとき安全に切り離す(作業者を守るスイッチ)
  • 過電流遮断器(ブレーカー):過負荷・短絡などの過電流を自動で検知して遮断
  • 役割が違うので 両方が必要になる場面が多い
ペン太ペン太
開閉器はどこに設ければいいんですか?
ハリタハリタ
入切が必要な箇所、引込口など開路が必要な箇所、ヒューズの電源側の3つが基本です。
機器 動作 目的
開閉器 電路を手動で入切する 点検・修理のときに安全に切り離す(作業者を守る)
過電流遮断器(ブレーカー) 過電流を自動で検知して遮断する 過負荷・短絡などから電線や機器を守る
たとえるなら
開閉器はガスの元栓、遮断器は自動で止まる安全装置のようなもの
ガスの工事をするとき、人は元栓を手で閉めて、ガスを止めます。これが開閉器にあたります。一方、ガスメーターには、大きな地震や異常な使い方を感じると、自動でガスを止める安全装置があります。これが過電流遮断器にあたります。元栓は「人が安全に作業するため」、安全装置は「異常から守るため」。目的が違うので、どちらか一方では足りない場面が出てきます。
ひっかけ注意
「ブレーカーがあるから、開閉器は不要」と決めつけてはいけません。
ブレーカー(過電流遮断器)は、過負荷や短絡のときに自動で切る装置です。点検や修理のとき、人が意図して安全に切り離す役目は、開閉器です。役割が違うので、両方が必要になる場面が多くあります。
ここまでのポイント
  • 開閉器は、電路を手動で入切し、点検・修理のとき安全に切り離す(作業者を守るスイッチ)。
  • 過電流遮断器(ブレーカー)は、過負荷・短絡などの過電流を自動で検知して遮断する。
  • 役割が違うので、両方が必要になる場面が多い。


② 設ける3つの場所

入切が必要な箇所 負荷電流を通したり、止めたりする場所。
開路が必要な箇所 引込口や、故障・点検・修理で電路を切る場所。
ヒューズの電源側 ヒューズ交換のとき、安全に電源を切れるように。
この3か所が、基本の設置場所 配線のどこに付けるかを、この3つで考えます。
  • ① 入切が必要な箇所:負荷電流を通したり止めたりする場所
  • ② 開路が必要な箇所:引込口や、故障・点検・修理で電路を切る場所
  • ③ ヒューズの電源側:ヒューズ交換時に安全に電源を切れるように
  • 原則 各極(すべての電線)に設け、金属製の外箱には接地が必要
ここがポイント|役割の違いと各極設置
開閉器=手動の入切・作業時の安全確保/過電流遮断器=過電流の自動遮断。低圧開閉器は 各極に設けるのが原則で、金属製の外箱には接地が必要。設置場所は「入切が必要/開路が必要/ヒューズの電源側」の3つ。
設ける場所 理由
入切が必要な箇所 負荷電流を通したり止めたりするため
開路が必要な箇所 引込口や、故障・点検・修理で電路を切るため
ヒューズの電源側 ヒューズ交換時に安全に電源を切れるようにするため
原則として、各極に設ける 各極とは、すべての電線のことです。
2本の電線を、いっしょに切る 各極の刃がつながっていて、同時に開きます。
金属製の外箱は、接地する 電気が漏れても、大地へ逃がせます。
接地しておけば、感電しにくくなる 漏電した外箱にさわっても、感電のおそれを減らせます。
たとえるなら
すべての極を切るのは、プラグをコンセントから抜くようなもの
プラグを抜くと、2本の刃が同時に、コンセントから離れます。開閉器も同じで、原則として各極(すべての電線)に設け、つなぎ棒でいっしょに切れるようにします。電源につながる線を残さない、という考え方です。
ひっかけ注意
「開閉器は、電線の1本だけに付ければよい」ではありません。
原則として、各極(すべての電線)に設けます。そのうえで、金属製の外箱には接地が必要です。付ける場所だけでなく、「何本に付けるか」「外箱をどうするか」もいっしょに押さえましょう。
ここまでのポイント
  • 入切が必要な箇所(負荷電流を通したり止めたりする場所)に設ける。
  • 開路が必要な箇所(引込口や、故障・点検・修理で電路を切る場所)に設ける。
  • ヒューズの電源側(ヒューズ交換時に安全に電源を切れるように)に設ける。
  • 原則として各極(すべての電線)に設け、金属製の外箱には接地が必要。


よくある質問(FAQ)

Q. 開閉器とブレーカー(過電流遮断器)は何が違うの?

A. 開閉器は電路を手動で入切し、点検・修理のときに安全に電源を切り離すスイッチです。過電流遮断器は過負荷や短絡などの過電流を自動で検知して遮断する安全装置です。役割が違うため、両方が必要になる場面が多くあります。

Q. 低圧開閉器はどこに設けるの?

A. 負荷電流を通したり止めたりする必要がある箇所、引込口など故障・点検・修理で電路を開く必要がある箇所、ヒューズの電源側の3つが基本です。原則として各極(すべての電線)に設けます。

Q. 分電盤の主開閉器は必ず必要?

A. 条件によっては不要なこともあります。分岐回路の数や構成によって主開閉器を省略できるケースがあります。詳しくは本文と内線規程の該当箇所で確認してください。

まとめ|手動で切るための機器を、各極に設ける

低圧開閉器は、人が安全に電路を切るための機器で、入切・開路・ヒューズの電源側の3か所に、原則として各極に設けるのが基本です。

確認する項目 内容
開閉器の動作 電路を手動で入切する
開閉器の目的 点検・修理のときに安全に切り離す(作業者を守る)
過電流遮断器の動作 過負荷・短絡などの過電流を自動で検知して遮断
両者の関係 役割が違うため、両方が必要になる場面が多い
設ける場所① 入切が必要な箇所(負荷電流を通したり止めたりする場所)
設ける場所② 開路が必要な箇所(引込口や、故障・点検・修理で電路を切る場所)
設ける場所③ ヒューズの電源側(交換時に安全に電源を切るため)
設ける極 原則として各極(すべての電線)
金属製の外箱 接地が必要
分電盤の主開閉器 分岐回路の数や構成によって省略できるケースがある

役割で押さえること

  • 手動で入切する機器であること。
  • 過電流遮断器との違い。
  • 両方が必要になる場面が多いこと。

設置場所で押さえること

  • 入切が必要な箇所。
  • 引込口など開路が必要な箇所。
  • ヒューズの電源側。

施設の原則で押さえること

  • 各極に設けること。
  • 金属製外箱の接地。
  • 主開閉器を省略できる場合の確認。

開閉器は「電気を止める」ためではなく「人が安全に作業できるようにする」ための機器です。ブレーカーがあるから不要と考えず、点検や修理の場面を想像して配置を決めておくと、実務で役立つ盤になります。

ペン太ペン太
取り付けるとき、他に注意点はありますか?
ハリタハリタ
原則は各極すべての電線に設けることです。金属製の外箱には接地もお忘れなく。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。