低圧屋外照明施設の施設基準を図解で解説。対地電圧150V以下(条件付き300V以下)、屋外照明専用回路、道路幅による架空配線の制限、開閉器の地上1.8m以上設置などをまとめました。
この記事は、連載「照明設備の設計マニュアル」の 第3回 器具の選定・第4回 点滅回路とスイッチ計画 の補足解説です。計画全体の流れは 設計・施工マニュアル(目次) からご覧いただけます。
技術図書館低圧屋外照明|専用回路・道路幅・取付高さの3点対地電圧は原則150V以下、回路は屋外照明専用。架空配線の可否は道路幅20m(中央電灯列は10m)で決まる。全6枚のスライドで整理この資料をスライドで見る資料一覧を見る
全体像:内線規程【105】低圧屋外照明の施設
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

道路・公園・駐車場などに設置される「低圧屋外照明施設」は、夜間の安全な視認性を確保する重要な設備です。対地電圧の制限、専用回路、架空配線の制限、開閉器の設置位置まで、内線規程の要点を図解で整理します。

低圧屋外照明施設の施設ポイント3点の図解
結論:対地電圧は原則150V以下、屋外照明専用回路とし、架空配線は道路幅の制限と道路管理者の承認を守るのが基本です。開閉器は地上1.8m以上に設置します。
この記事でわかること
✔ 対地電圧と配線の基本原則
✔ 架空配線の施設基準と道路幅の制限
✔ 開閉器・過電流遮断器と取付の注意点
ペン太ペン太
公園の照明も対地電圧150V以下って決まりがあるんですか?
ハリタハリタ
原則150V以下です。簡易接触防護措置と放電灯やLEDの条件を満たせば300V以下まで認められます。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 低圧屋外照明の供給電路の対地電圧は、原則いくつ以下か
  • 市街地の道路灯で架空配線が設置できなくなる道路幅はいくつか
  • 開閉器の取り付け高さは、原則いくつ以上か
この記事でわかること
道路灯の計画では、道路幅の制限から確認すると早く判断できます。

対地電圧と配線の基本原則

トピック1:対地電圧と配線の基本原則
  • 供給電路の対地電圧は原則150V以下とします。
  • 架空配線以外で、簡易接触防護措置を施し、放電灯またはLED照明器具を使用する場合は300V以下まで可能です。
  • 引込開閉器から分岐する回路は屋外照明施設専用とし、他の電気設備と併用してはなりません。
ペン太ペン太
広い道路でも架空配線で渡せると思ってました!
ハリタハリタ
道路幅20mを超えると設置できません。中央電灯列方式なら10m超で不可です。
条件対地電圧の上限
原則150V以下
架空配線以外で、簡易接触防護措置を施し、放電灯またはLED照明器具を使用する場合300V以下
ここまでのポイント
  • 供給電路の対地電圧は原則150V以下とする
  • 架空配線以外で、簡易接触防護措置を施し、放電灯またはLED照明器具を使用する場合は300V以下まで可能
  • 引込開閉器から分岐する回路は屋外照明施設専用とし、他の電気設備と併用しない

架空配線の施設基準と道路幅の制限

トピック2:架空配線と道路幅の制限
  • 市街地の道路灯では、道路幅20mを超える場合は設置不可です。
  • 中央電灯列方式では、道路幅10mを超える場合は設置不可です(道路幅には歩道を含みます)。
  • 道路法等の法令に適合させ、道路管理者の承認を得る必要があります。
ここまでのポイント
  • 市街地の道路灯では、道路幅20mを超える場合は設置できない
  • 中央電灯列方式では、道路幅10mを超える場合は設置できない
  • 道路幅には歩道を含む
  • 道路法等の法令に適合させ、道路管理者の承認を得る必要がある

開閉器・過電流遮断器と取付の注意点

トピック3:開閉器・過電流遮断器と取付
  • 原則として引込点近くの電路各極に設置します(中性極は除く)。架空方式では単極でも可、開閉機能付き遮断器なら遮断器のみで可です。
  • 充電部の露出を防ぎ、防湿・防雨・防まつ・防浸などJIS準拠の保護構造を選定します(照明ポール内など特例構造は除外可)。
  • 開閉器の取り付け位置は地上1.8m以上が原則です(照明ポール内・技術的制約等の特例では低設置も可)。
  • 単極自動点滅器は電圧側電線に接続し、引込開閉器の負荷側で接続するのが基本です。
たとえ話:夜道の街灯は、一本ごとに専用の安全装置を備えた小さな電気設備。背の高い柱の上にあっても、手の届く高さに守りのスイッチを置いて点検しやすくしているのです。
公園や駐車場にある照明って、どういうルールで設置されてるんですか?
実は「低圧屋外照明施設」には、対地電圧から配線方式までしっかりした施設基準と安全対策が定められているんだよ。
いろんなルールがあるけど、全部“安全のため”ってことですね!
その通り。夜道を安心して歩けるように、見えないところで電気工事士がしっかり配慮しているんだ。
取り違えやすいところ正しくは
広い道路でも架空配線で渡せる市街地の道路灯は道路幅20m超で設置できない
道路幅は車道だけで数える歩道を含めて数える
中央電灯列方式も20mまで使える中央電灯列方式は10m超で設置できない
屋外照明の回路に他の設備をつないでよい引込開閉器から分岐する回路は屋外照明施設の専用とする
開閉器の高さは施工しやすい位置でよい地上1.8m以上が原則(特例を除く)
ここまでのポイント
  • 開閉器・過電流遮断器は、原則として引込点近くの電路各極に設置する(中性極は除く)
  • 架空方式では単極でも可、開閉機能付き遮断器なら遮断器のみでもよい
  • 充電部の露出を防ぎ、防湿・防雨・防まつ・防浸などJIS準拠の保護構造を選定する
  • 開閉器の取り付け位置は地上1.8m以上が原則(照明ポール内など特例では低設置も可)
  • 単極自動点滅器は電圧側電線に接続し、引込開閉器の負荷側で接続するのが基本

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問
Q. 低圧屋外照明施設の対地電圧の上限は?
A. 原則150V以下です。架空配線以外で簡易接触防護措置を施し、放電灯またはLED照明器具を使用する場合は300V以下まで可能です。
Q. 屋外照明の回路は他の設備と共用できますか?
A. できません。引込開閉器から分岐する回路は屋外照明施設専用とし、他の電気設備と併用してはなりません。
Q. 道路幅による架空配線の制限はありますか?
A. 道路幅20mを超える場合は設置できません。中央電灯列方式では道路幅10m超は設置不可で、道路幅には歩道を含みます。また道路管理者の承認が必要です。
Q. 開閉器の取り付け高さは決まっていますか?
A. 原則として地上1.8m以上に取り付けます。照明ポール内や技術的制約等の特例では、より低い位置への設置も可とされています。

まとめ|専用回路・道路幅・取付高さ

低圧屋外照明は「回路を専用にする」「道路幅で架空配線の可否が決まる」「開閉器は地上1.8m以上」の3点が押さえどころです。対地電圧は原則150V以下で、条件を満たす場合に限り300V以下まで認められます。

確認する順番見るところ基準
Step1対地電圧原則150V以下(条件付きで300V以下)
Step2回路の構成屋外照明施設専用としているか
Step3道路幅市街地の道路灯は20m以下、中央電灯列方式は10m以下
Step4開閉器・過電流遮断器引込点近くの各極、保護構造はJIS準拠
Step5取付高さと点滅器地上1.8m以上、自動点滅器は電圧側電線へ

道路灯は、道路幅という外的な条件で方式そのものが決まってしまう分野です。計画の初期に幅員を確認し、あわせて道路管理者との協議に入っておくと、後戻りがありません。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
開閉器の取り付けで気を付けることはありますか?
ハリタハリタ
地上1.8m以上に取り付け、防湿・防雨などJIS準拠の保護構造を選びます。専用回路も忘れずに。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。