出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

金属加工の現場に欠かせない「電気めっき槽」は、電気分解の原理で金属の薄膜を形成する装置です。感電や火災を防ぐため、電源装置・二次側配線・接地工事について施設基準が定められています。要点を図解で整理します。

電気めっき槽の施設ポイント3点の図解
結論:電源は絶縁変圧器を用いた専用装置とし、二次側は絶縁電線等を使用、接地は300V以下でD種・300V超でC種を行うのが基本です(一定条件を満たせば接地は省略可)。

電源装置と一次側の施設基準

  • 電源供給には必ず絶縁変圧器を使用し、漏電による感電リスクを低減します。
  • 他の機器との電源共用は禁止され、めっき槽専用の電源装置を設けます。
  • 一次側は各極に開閉器と過電流遮断器を設置します(多線式電路の中性極は除く)。
  • ただし過電流遮断器に開閉機能があれば、遮断器のみでも可とされます。

二次側配線の施設基準

  • 使用する電線は絶縁電線・キャブタイヤケーブル・ケーブルのいずれかとします。
  • 取り扱い者以外が容易に触れない構造であれば、裸導体の使用も認められます
  • 腐食性ガスなどがある場所では、配線を「腐食性ガスなどがある場所の施設基準(3425節)」に準じて設置し、腐食による劣化を防ぎます。

接地工事の基準と省略できる条件

  • 低圧300V以下で使用する場合はD種接地工事を行います。
  • 300Vを超える低圧の場合は、より強化されたC種接地工事が必要です。
  • 槽内の金属製水管が大地と電気的に確実に接続され、接地抵抗が100Ω以下(300V以下)/10Ω以下(300V超)であれば、接地工事を省略できます。
たとえ話:水を扱う装置に電気を流すのは、お風呂場で電化製品を使うようなもの。専用の安全な電源と確実なアースがあってはじめて、感電せずに使えるのです。
電気めっき槽って、なんだか危なそうな設備に感じますけど…ちゃんとした基準があるんですか?
もちろんあるよ。電源や配線、接地まで細かく基準が決まっているんだ。順番に見ていこう。
接地って、なんでもかんでもやるもんだと思ってましたけど、ちゃんと条件があるんですね!
そうだね。むやみにやるだけじゃなくて、安全性と実用性を両立する設計が大切なんだ。

よくある質問(FAQ)

Q. 電気めっき槽の電源装置に必要な条件は?
A. 絶縁変圧器を使用し、他機器と共用しない専用の電源装置とします。一次側は各極に開閉器と過電流遮断器を設置します(中性極を除く。遮断器に開閉機能があれば遮断器のみで可)。
Q. 二次側配線にはどんな電線を使いますか?
A. 絶縁電線・キャブタイヤケーブル・ケーブルのいずれかを使用します。取り扱い者以外が容易に触れない構造であれば裸導体も認められます。
Q. 接地工事はどの種類が必要ですか?
A. 低圧300V以下ではD種接地工事、300Vを超える低圧ではC種接地工事が必要です。
Q. 接地工事を省略できる場合はありますか?
A. 槽内の金属製水管が大地と確実に接続され、接地抵抗が100Ω以下(300V以下)または10Ω以下(300V超)であれば省略できます。