高圧交流遮断器CBの用途と選定方法の全体像
 

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今回の疑問

 

高圧交流遮断器『CB』の選定方法について知りたい

 
本記事のおすすめの方

  • 高圧交流負荷開閉器の用途について知りたい方
  • 高圧交流負荷開閉器の選定方法について知りたい方
ペン太ペン太
高圧のCBって、負荷電流をオンオフする開閉器のことでいいんでしたっけ?
ハリタハリタ
主役は遮断です。過負荷電流や短絡電流を断つのが本来の役目で、負荷電流の開閉は二次的な機能なんですよ。

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この3つ、すぐ答えられますか

  • 遮断器の選定で満たすべき条件は、いくつあるか
  • 6.6kV受電のとき、定格電圧はいくつを選ぶか
  • 受電点の短絡容量は、どこに問い合わせて確認するか
この記事でわかること
定格電圧→定格電流遮断容量の順に決めると、3条件が自然に埋まります。

高圧交流遮断器の用途『 CBの用途について 』

トピック1:高圧交流遮断器の用途
CBの用途について

  1. 過負荷電流や事故時の短絡電流を遮断
  2. 負荷電流の開閉
🔌 過負荷電流や事故時の短絡電流を遮断
🔘 負荷電流の開閉も可能ですが遮断装置としての使用がメインとなります
ここまでのポイント
  • 過負荷電流や事故時の短絡電流を遮断するのが主な用途
  • 負荷電流の開閉も可能だが、遮断装置としての使用がメイン

しゃ断器の選定方法

トピック2:しゃ断器の選定方法
遮断器の選定方法

しゃ断器容量の選定方法は主に3つの条件を満たす必要があります

  1. 遮断器に流れる最大負荷電流値以上であること
  2. 定格遮断電流が系統の短絡電流以上であること
  3. 定格短時間耐電流が系統の短絡電流の通電に耐えられること
 
高圧交流遮断器の定格例

定格電圧の求め方

定格電圧の求め方

定格電圧の求め方は回路電圧から求めます。 高圧受電の場合受電電圧は、6600Vのため定格電圧7.2〔kV〕のものを選定します

回路電圧 定格電圧
6.6〔kV〕 7.2〔kV〕
 
定格電圧についてもっと詳しく!

6.6[kV]×1.2/1.1=7.2[kV]

※定格電圧の標準値は、常時の系統電圧の変動を考慮し、公称電圧の1.2/1.1倍としている。

定格電流の求め方

定格電流の求め方

  1. 契約電力より求める
  2. 変圧器一次側電流値より選定する
定格電流の求め方

I={契約電力/(√3×6.6×0.9)}×1.5

  • I:負荷電流
  • 0.9:回路力率
  • 1.5:負荷の変動率等を考慮した安全係数

※契約電力が決定していない場合、変圧器総容量から負荷電流を算出する

(最大負荷容量となるため負荷電流が大きくなるため要検討)

定格電流の計算例(契約電力から求める場合)

契約容量から電流値を求める場合

契約容量500[kVA]の場合・・・ I={500/(√3×6.6×0.9)}×1.5  =(500/10.2884)×1.5 =72.9[A]

定格電流の計算例(契約電力が不明な場合)

変圧器容量による負荷電流値の計算方法

  • 単相変圧器一次電流=変圧器容量÷6.6kV
  • 三相変圧器一次電流=変圧器容量÷√3×6.6kV
計算例
  • 単相変圧器 300KVA×2台
  • 三相変圧器 200kVA×3台

単相変圧器の電流値を算出

  1. 単相トランス300KVA÷6.6kV=45.5A
  2. 単相トランス300KVA÷6.6kV=45.5A
三相変圧器の電流値を算出
  1. 3相トランス200KVA÷(√3×6.6kV)=17.5A
  2. 3相トランス200KVA÷(√3×6.6kV)=17.5A
  3. 3相トランス200KVA÷(√3×6.6kV)=17.5A
合計すると・・・
最大負荷電流値=45.545.517.517.517.5126A 各トランス容量から一次側電流値を計算し合計値を建物の最大負荷電流値と仮定します。 この場合定格電流400Aの仕様を選定すればよいことになります。
ペン太ペン太
短絡容量80MVAだと短絡電流は7kA以上⁉ そんな大電流に耐えるんですか?
ハリタハリタ
だからこそ根拠が要ります。受電点の短絡容量を電力会社に確認し、定格遮断電流が短絡電流以上になるよう決めるんですよ。
ここまでのポイント
  • 満たすべき条件は、最大負荷電流値以上であること
  • 定格遮断電流が系統の短絡電流以上であること
  • 定格短時間耐電流が系統の短絡電流の通電に耐えられること
  • 定格電圧は回路電圧から求め、6.6kV受電なら7.2kVを選定する

遮断容量の決め方

トピック3:遮断容量の決め方
受電点の短絡容量を確認する

CBの遮断容量を選定する際に必要となるのが受電点の短絡容量となります 管轄の電力会社に短絡容量を確認し遮断容量を選定しましょう

受電点 短絡容量〔MVA〕 CB 遮断容量〔MVA〕
100 100
160 160
短絡容量は変電所が近いと大きくなる傾向にあります。 計画建物の近くに変電所・発電所ある場合、特に注意して確認しましょう。
ここまでのポイント
  • 遮断容量の選定には受電点の短絡容量が必要
  • 短絡容量は管轄の電力会社に確認する
  • 変電所が近いと短絡容量は大きくなる傾向がある

短絡電流の求め方

トピック4:短絡電流の求め方
受電点の短絡電流による定格電流の求め方

計算式:I=短絡容量/(√3×6.6)

短絡電流は短絡容量より算出します 短絡容量が80MVAの場合、 I=80/(√3×6.6) I=7〔kA〕 となるため定格電流は7〔kA〕以上の8〔kA〕を選定します
短絡容量〔MVA〕 短絡電流〔kA〕 遮断容量〔MVA〕
100(参考値) 100
160(参考値) 12.5 160
 

受電点の短絡容量の確認方法

短絡容量の確認方法

短絡電流を求めるために受電点の短絡容量を確認する必要があります。引込点の最寄りの電柱等に記載されている電柱番号を管轄の電力会社に問い合わせ短絡容量の確認を行いましょう。電柱番号の見分け方については各電力会社のホームページに記載されています。

確認の主な流れ

電柱番号の確認

🗼

管轄の電力会社に問い合わせ (短絡容量の聞き取り)

✉️

短絡容量により短絡電流の算出

📐
 

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高圧交流遮断器(CB)選定の流れ
STEP1 定格電圧の選定
6.6kV受電 → 7.2kV(6.6×1.2/1.1)
STEP2 定格電流の選定
契約電力 or 変圧器一次側電流から算出
STEP3 遮断容量の選定
受電点の短絡容量を電力会社に確認
3条件を満たすCB仕様を決定
取り違えやすいところ正しくは
CBは負荷電流の開閉が主な用途遮断装置としての使用がメイン
定格電圧は回路電圧と同じ6.6kV6.6×1.2/1.1=7.2kVを選定する
契約電力が無ければ選定できない変圧器総容量から負荷電流を算出できる
短絡容量はどの現場でも同程度変電所が近いと大きくなる傾向がある
条件を1つ満たせばよい3条件をすべて満たす必要がある
ここまでのポイント
  • 短絡電流は I=短絡容量/(√3×6.6)で算出する
  • 短絡容量80MVAなら I=7kA。7kA以上の8kAを選定する
  • 確認の流れは、電柱番号の確認→電力会社へ問い合わせ→短絡電流の算出

よくある質問(FAQ)

トピック5:よくある質問(FAQ)

Q1.高圧交流遮断器(CB)の主な用途は?
A.過負荷電流や事故時の短絡電流の遮断がメインの用途です。負荷電流の開閉も可能ですが、遮断装置としての使用が中心です。

Q2.遮断器の選定で満たすべき条件は?
A.①遮断器に流れる最大負荷電流値以上であること、②定格遮断電流が系統の短絡電流以上であること、③定格短時間耐電流が系統の短絡電流の通電に耐えられること、の3条件です。

Q3.定格電圧はどう決めますか?
A.回路電圧から求めます。高圧受電(6.6kV)の場合は、6.6×1.2/1.1=7.2kVのものを選定します。

Q4.受電点の短絡容量はどう確認しますか?
A.引込点の最寄りの電柱番号を管轄の電力会社に問い合わせて確認します。短絡電流は I=短絡容量/(√3×6.6)で算出します。

ペン太ペン太
選定3条件は理解できました。実務で最初に手を付けるべきことは?
ハリタハリタ
まず電力会社へ受電点の短絡容量を照会しましょう。それが遮断容量と定格電流を決める出発点になりますよ。

まとめ

高圧交流遮断器『CB』の選定方法

CBの用途について

  1. 過負荷電流や事故時の短絡電流を遮断
  2. 負荷電流の開閉
遮断器の選定方法
  1. 遮断器に流れる最大負荷電流値以上であること
  2. 定格遮断電流が系統の短絡電流以上であること
  3. 定格短時間耐電流が系統の短絡電流の通電に耐えられること
定格電圧の求め方
回路電圧 定格電圧
6.6〔kV〕 7.2〔kV〕
定格電流の求め方
  1. 契約電力より求める
  2. 変圧器一次側電流値より選定する
  • 契約電力から求める場合
I={契約電力/(√3×6.6×0.9)}×1.5 I:負荷電流 0.9:回路力率 1.5:負荷の変動率等を考慮した安全係数
  • 契約電力が不明な場合
単相変圧器一次電流=変圧器容量÷6.6kV 三相変圧器一次電流=変圧器容量÷√3×6.6kV 遮断容量の決め方
受電点|短絡容量〔MVA〕 CB|遮断容量〔MVA〕
100 100
160 160
短絡電流の求め方 計算式:I=短絡容量/(√3×6.6)
短絡容量〔MVA〕 短絡電流〔kA〕 遮断容量〔MVA〕
100(参考値) 100
160(参考値) 12.5 160
これらにより下記仕様を選定する

CBの選定は、定格電圧・定格電流・遮断容量を順に決め、3条件をすべて満たすことが要点です。

確認する場面どう対応する
契約電力が決まっているI={契約電力/(√3×6.6×0.9)}×1.5 で負荷電流を算出する
契約電力が決まっていない変圧器総容量から負荷電流を算出する(最大負荷容量となるため要検討)
受電点の短絡容量が分からない引込点の最寄りの電柱番号を管轄の電力会社に問い合わせる
計画地の近くに変電所・発電所がある短絡容量が大きくなる傾向があるため、特に注意して確認する
短絡容量が80MVAだったI=80/(√3×6.6)=7kA。7kA以上の8kAを選定する

選定の3条件

  • 遮断器に流れる最大負荷電流値以上であること
  • 定格遮断電流が系統の短絡電流以上であること
  • 定格短時間耐電流が系統の短絡電流の通電に耐えられること

数値の求め方

  • 定格電圧は回路電圧から。6.6kV受電なら7.2kV(6.6×1.2/1.1)
  • 定格電流は契約電力から、または変圧器一次側電流から求める
  • 短絡電流は I=短絡容量/(√3×6.6)
  • 短絡容量は電柱番号を控えて管轄の電力会社へ問い合わせる

実務ではまず電力会社への短絡容量の照会から。ここが決まると残りの数値がつながります。

📘 体系的に学びたい方へ
このテーマは、連載「高圧受変電設備の設計マニュアル(全14回+資料編)」で、単線結線図の読み方・書き方とあわせて基礎から解説しています。
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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。