内線規程の解説|電流減少係数とは(同一管内の電線数と許容電流の補正)について詳しく解説
出典:内線規程(JEAC8001-2022)より
電線サイズを選ぶとき、許容電流表の値をそのまま使っていませんか? 実は同じ管の中に電線を何本もまとめて入れると、表どおりの電流は流せません。放熱が悪くなるぶん許容電流を割り引く必要があり、このときに使うのが電流減少係数です。まずは図で考え方をつかみましょう。

✔ 電流減少係数とは(早見表)
✔ ① なぜ許容電流を割り引くのか
✔ ② 電流減少係数の早見表(同一管内の電線数)
ペン太
ハリタこの3つ、すぐ答えられますか
- 電流減少係数は、何のために掛けるのか
- 電線数を数えるとき、接地線は含めるのか
- 3本以下のときの係数はいくつか
電流減少係数とは(早見表)
電流減少係数とは、同一の電線管やダクトに多数の電線をまとめて収めたときに放熱が悪くなるぶん、電線の許容電流を割り引くための係数です。内線規程では次の値を用います。
- 3本以下:0.70
- 4本:0.63
- 5〜6本:0.56
- 7〜15本:0.49
- 16〜40本:0.43
- 41〜60本:0.39
- 61本以上:0.34
※接地線は電線数に含めません。
- 同一の電線管やダクトに多数の電線をまとめると、放熱が悪くなる
- そのぶん許容電流を割り引くための係数が電流減少係数
- 3本以下は0.70、本数が増えるほど小さくなり、61本以上で0.34
① なぜ許容電流を割り引くのか
- 電線には許容電流(安全に流せる電流の上限)があり、超えると発熱し最悪は発火につながる
- 許容電流はサイズで決まるが、敷設方法によって放熱条件が変わる。空中1本と管に束ねるのとでは熱の逃げやすさが違う
- まとめて収める場合は低減率(電流減少係数)を掛けて適正なサイズを選ぶ
ペン太
ハリタ| 押さえる前提 | 内容 |
|---|---|
| 許容電流とは | 安全に流せる電流の上限。超えると発熱し、最悪は発火につながる |
| 何で変わるか | サイズで決まるが、敷設方法によって放熱条件が変わる |
| だからどうする | まとめて収める場合は電流減少係数を掛け、適正なサイズを選ぶ |
- 許容電流は、安全に流せる電流の上限。超えると発熱し、最悪は発火につながる
- 許容電流はサイズで決まるが、敷設方法によって放熱条件が変わる
- 空中に1本と管に束ねるのとでは、熱の逃げやすさが違う
② 電流減少係数の早見表(同一管内の電線数)

| 同一管内の電線数 | 電流減少係数 |
|---|---|
| 3以下 | 0.70 |
| 4 | 0.63 |
| 5〜6 | 0.56 |
| 7〜15 | 0.49 |
| 16〜40 | 0.43 |
| 41〜60 | 0.39 |
| 61以上 | 0.34 |
📌 電線の許容電流 × 電流減少係数 ×(周囲温度の補正)= 実際に流せる電流(内線規程1340/電技解釈146条)。接地線は本数に含めません。
- 3以下=0.70/4=0.63/5又は6=0.56/7以上15以下=0.49
- 16以上40以下=0.43/41以上60以下=0.39/61以上=0.34
- 電線数が増えるほど係数は階段状に小さくなる。同じ太さでも本数で実際に流せる電流が半分近くまで変わる
| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| 接地線も電線数に含める | 接地線は含めない。含めると余計に割り引いてしまう |
| 3本ちょうどはどの区分か | 「3本以下」なので0.70 |
| 係数を掛けると許容電流が増える | 割り引くための係数なので、掛けると小さくなる |
| 本数が増えても係数は変わらない | 本数が増えるほど小さくなる。61本以上で0.34 |
- 係数は本数の区分ごとに決まっている
- 接地線は電線数に含めない
- 含めてしまうと、係数を余計に割り引くことになる
よくある質問(FAQ)
まとめ|束ねるほど、流せる電流は小さくなる
結論です。電流減少係数は、同一管内に電線をまとめたときの放熱の悪さを、許容電流に反映させるための係数です。本数が増えるほど値は小さくなり、3本以下の0.70から61本以上の0.34まで段階的に下がります。数えるときに接地線を含めない点だけ、忘れないでください。
| 同一管内の電線数 | 電流減少係数 |
|---|---|
| 3本以下 | 0.70 |
| 4本 | 0.63 |
| 5〜6本 | 0.56 |
| 7〜15本 | 0.49 |
| 16〜40本 | 0.43 |
| 41〜60本 | 0.39 |
| 61本以上 | 0.34 |
計算の手順
- 同一管内に収める電線の本数を数える(接地線は含めない)
- 本数に対応する電流減少係数を選ぶ
- 電線サイズごとの許容電流に係数を掛ける
- その値で足りるサイズを選ぶ
間違えやすいところ
- 接地線を本数に含めない
- 「3本以下」なので、3本ちょうどは0.70
- 係数は割り引くためのもの。掛けると許容電流は小さくなる
電流減少係数は、電線を管にまとめるという当たり前の施工が、そのまま許容電流に効いてくることを示す規定です。サイズ表の数値をそのまま使えるのは空中に1本だけの場合で、実際の配管ではこの係数を掛けたあとの値が本当の上限になります。
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