電気設備の基本知識 #008【ネオン放電灯工事】
夜の街を彩るネオンサインは、高い電圧で光るガラス管です。100Vの電気をネオン変圧器で数千V以上に押し上げ、その電圧でガラス管の中のガスを光らせています。電圧が高いぶん、使う材料も施工の決まりも独特です。この記事では、ネオン放電灯工事のしくみ、4つの材料、施工の数値、守るルールを、図とたとえで1つずつ解説します。
結論
ネオンはネオン変圧器で電圧を上げて光らせる。電線はコードサポート、ガラス管はチューブサポートで支え、支持点間1m以下・電線どうし6cm以上・外箱はD種接地が基本です。
※本欄はアフィリエイト広告(PR)を含みます
📚 第二種電気工事士 対策の定番テキスト
しくみ ― 高い電圧でガスを光らせる
ネオン管は、ガラス管の中にネオンなどのガスを閉じ込めたものです。管の両端に高い電圧をかけると、ガスの中を電気が流れ、ガスそのものが光ります。この光り方を放電といい、ネオンサインは放電灯の仲間です。
ガスを光らせるには、とても高い電圧が必要です。たとえるならポンプで水を高い所へ押し上げるようなもの。その「ポンプ」の役目をするのがネオン変圧器です。
ペン太
ハリタ- ネオン管はガラス管の中のガスが光る放電灯
- 光らせるには高い電圧が必要
- 電圧を上げるのはネオン変圧器
ネオン変圧器 ― 100Vを数千V以上に
ネオン変圧器は、コンセントなどから来る100V(一次側)を、数千V〜最大15000V(二次側)まで上げます。この変圧器からネオン管までの回路を管灯回路といい、1000Vを超える高い電圧になります。だから、ふつうの低圧の配線とは別の、厳しい決まりがあるのです。
| 部分 | 電圧の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 一次側 | 100V など | ふつうの低圧の配線 |
| 二次側(管灯回路) | 数千V〜最大15000V | 1000Vを超えるので決まりが厳しい |
- 一次側100Vを、二次側で数千〜最大15000Vに
- 変圧器からネオン管までを管灯回路という
- 管灯回路は1000Vを超えるので決まりが厳しい
4つの材料 ― 似た名前に注意
| 材料 | 役割 | 覚え方 |
|---|---|---|
| ネオン変圧器 | 100Vを数千V以上に上げる | 外箱はD種接地 |
| コードサポート | ネオン電線を造営材から離して支える(がいしの一種) | 「コード」=電線 |
| チューブサポート | ガラスのネオン管を支える | 「チューブ」=管 |
| スプリング | チューブサポートの中で、振動や衝撃をやわらげる | ガラスを守るばね |
電線には、高い電圧に耐えるネオン電線を使います。ふつうの絶縁電線では、被覆が高い電圧に耐えられません。
- 材料は変圧器・コードサポート・チューブサポート・スプリング
- コードサポートは電線用、チューブサポートはガラス管用
- 電線は高い電圧に耐えるネオン電線
スプリング ― ガラス管を揺れから守る
ネオン管はガラスでできているので、衝撃に弱いのが弱点です。看板は風で揺れたり、近くを大きな車が通って振動したりします。そこで、チューブサポートの中のスプリングが伸び縮みして、揺れや衝撃を受け止めます。
たとえるなら自転車のサドルのばねです。段差でガタンときても、ばねがあるおかげでお尻に伝わる衝撃がやわらぎます。
- ガラスのネオン管は衝撃に弱い
- スプリングが伸び縮みして揺れを吸収する
- たとえは自転車のサドルのばね
施工の数値 ― 1m・6cm・2cm/3cm
高い電圧は、空気の中を飛び移りやすい性質があります。電線どうしや、電線と建物が近すぎると、そこで放電してしまうおそれがあります。だから、施工には「離す」ための数値が決められています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 支持点間の距離 | 1m以下(造営材の側面または下面に取り付ける) |
| 電線どうしの間隔 | 6cm以上 |
| 電線と造営材の離隔 | 乾燥した場所で、6kV以下は2cm以上、6kVを超えるものは3cm以上 |
- 支持点間は1m以下
- 電線どうしは6cm以上離す
- 造営材とは2cm以上(6kV超は3cm以上)離す
守るルール ― 場所・工事方法・接地
| 項目 | ルール |
|---|---|
| 施工場所 | 展開した場所か、点検できる隠ぺい場所 |
| 工事方法 | がいし引き工事(コードサポートでネオン電線を支える) |
| 電線 | ネオン電線を使う |
| 支持と間隔 | 支持点間1m以下、電線どうし6cm以上、造営材から離す |
| 接地 | ネオン変圧器の金属製外箱にD種接地工事 |
がいし引き工事のくわしい決まりは「電気設備の基本知識 #021【がいし引き工事】」、接地の種類は「電気設備の基本知識 #033【接地工事の要点 C種・D種】」で解説しています。次の#009は「電気設備の基本知識 #009【フロアダクト工事】」です。
- 展開した場所か点検できる隠ぺい場所で、がいし引き工事
- ネオン電線を使い、1m以下ごとに支持・6cm以上離す
- ネオン変圧器の外箱はD種接地
よくある質問
ネオン放電灯工事で使う主な材料は?
ネオン変圧器、コードサポート、チューブサポート、そしてチューブサポートの中にあるスプリングの4つです。ネオン変圧器で電圧を上げ、ネオン電線をコードサポートで、ガラスのネオン管をチューブサポートで支えます。
コードサポートとチューブサポートの違いは?
コードサポートは高い電圧がかかるネオン電線を支えるがいしの一種です。チューブサポートはガラス製のネオン管を支える器具で、中のスプリングが振動や衝撃をやわらげます。「コード」は電線、「チューブ」は管と覚えると区別できます。
ネオン電線の支持点間の距離と間隔は?
ネオン電線は造営材の側面または下面に取り付け、支持点間の距離は1m以下、電線どうしの間隔は6cm以上とします。造営材との離隔は、乾燥した場所で使用電圧6kV以下なら2cm以上、6kVを超えるなら3cm以上です。
ネオン変圧器の接地は?
ネオン変圧器の金属製の外箱にはD種接地工事を施します。高い電圧を扱う機器なので、万一の漏電のときに外箱に触れても危なくないようにするためです。
ネオン放電灯工事はどこで施工できますか?
屋内では、展開した場所か点検できる隠ぺい場所で施工し、工事方法はがいし引き工事とします。管灯回路は1000Vを超える高い電圧になるため、ふつうの低圧の配線より厳しい決まりがあります。
30秒アンケートこの記事は役に立ちましたか?
タップするだけで完了します。あなたの声でこのサイトは育ちます。
ご回答ありがとうございます!
よければ、あと3つだけ教えてください(任意・答えなくてもOK)
ありがとうございました。いただいた声は記事の改善に使わせていただきます。



