全体像:ケーブル工事|支持点2m・曲げ6倍

第二種電気工事士の筆記試験で「よく出る」と言われるのが、このケーブル工事です。「支持点間隔は2mだっけ?6mだっけ?」「曲げ半径は何倍?」と、数字がごちゃごちゃになって覚えづらい——そんな声をよく聞きます。

でも安心してください。ケーブル工事で問われるポイントは、実はそれほど多くありません。数値はたった3つ、あとは「触れさせない相手」を押さえれば、得点源になります。

この記事では、図解を使いながらケーブル工事の要点をやさしく整理していきます。

🐧 見習いペン太:「先輩、ケーブル工事って数字が多くて混乱します…2mと6mがどっちかわからなくなって」
🦔 はりた:「あるあるだね。でも“ふつうは2m、条件がそろえば6mまでOK”って覚えれば大丈夫だよ」
🐧 見習いペン太:「条件がそろえば、ですか?」
🦔 はりた:「そう。「垂直」かつ「接触防護措置あり」のときだけ6m。まずは2mが基本、と押さえよう」
⚡ 先に結論だけ言うと
  • 支持点間隔は 原則2m以下(造営材の側面・下方)
  • 垂直接触防護措置ありなら 6m以下まで緩和
  • 内側の曲げ半径は ケーブル外径の6倍以上(原則)
  • ガス管・水道管・弱電流電線とは触れさせない(ケーブル同士の離隔は規定なし)

ケーブル工事の要点早見表(支持点間隔2m・6m、曲げ半径6倍、防護装置)

ケーブル工事 数値の早見図
支持点間隔(側面・下方)
2m 以下
垂直+接触防護措置あり
6m 以下
内側の曲げ半径
外径の6倍 以上
触れさせない相手: ガス管・水道管・弱電流電線 / ケーブル同士は離隔の規定なし
この記事でわかること
✔ ケーブル工事とは?どんな場所に施設できる?
✔ 支持点間の距離:基本は2m、条件付きで6m
✔ 曲げ半径は「外径の6倍以上」
✔ 重量物・機械的衝撃を受ける場所は防護装置
ペン太ペン太
ケーブル工事はどこにでも施設できるって本当ですか?何か落とし穴がありそうで。
ハリタハリタ
施設場所の制限はほぼありませんが、支持点間隔や曲げ半径など数字のルールがあります。順に見ましょう。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 支持点間が6m以下でよいのは、どんな条件のときか
  • 曲げ半径の「6倍」は、外径と内径のどちらを基準にするか
  • 離隔の規定がある相手と、ない相手はそれぞれ何か
この記事の道案内
数字だけ確認したい方は、支持点間と曲げ半径の項目をご覧ください。

ケーブル工事とは?どんな場所に施設できる?

トピック1:ケーブル工事とは?どんな場所に施設できる?

ケーブル工事とは、ビニル外装ケーブル(VVFなど)やポリエチレン外装ケーブル(CVなど)といった低圧用ケーブルを使用する工事のことです。

大きな特長は、施設できる場所の自由度が高いことです。展開した場所や点検できる隠ぺい場所はもちろん、湿気や水気の多い場所など、原則としてすべての場所に施設できます。配線どうしの接続は、ジョイントボックス内で行います。

ここがポイント
ケーブル工事は施設場所の制限が少なく、住宅でもっとも多く使われる配線方法です。「使える場所が広い」=出題されやすい、と意識しておきましょう。
ペン太ペン太
支持点の間隔は、とにかく2m以下と覚えておけばいいんですよね?
ハリタハリタ
原則はそうですが、垂直配線で接触防護措置があれば6m以下まで緩和されます。条件付きの数字に注意です。
項目 内容
対象になるケーブル ビニル外装ケーブル(VVFなど)/ポリエチレン外装ケーブル(CVなど)
固定に使うもの サドルやステップルなどで造営材に固定する
配線どうしの接続 ジョイントボックス内で行う
ここまでのポイント
  • 対象はビニル外装ケーブル(VVFなど)やポリエチレン外装ケーブル(CVなど)
  • 湿気や水気の多い場所を含め、原則としてすべての場所に施設できる
  • 配線どうしの接続は、ジョイントボックス内で行う

支持点間の距離:基本は2m、条件付きで6m

トピック2:支持点間の距離:基本は2m、条件付きで6m

ケーブルはサドルやステップルなどで造営材に固定します。このとき、支持する点と点の間隔に基準があります。

造営材の側面または下方に沿って取り付ける場合は 2m以下 が原則です。ただし、接触防護措置を施した垂直配線(人が容易に触れない縦向きの配線)の場合は、6m以下まで緩和されます。

🐧 見習いペン太:「なるほど、縦に通していて触れないようにしてあれば6mまで伸ばせるんですね」
🦔 はりた:「そういうこと。逆に言えば、横向きや人が触れる場所では2mが基本。試験では“原則2m”を軸に考えると間違えにくいよ」
ここがポイント
「側面・下方=2m以下」「垂直+接触防護措置=6m以下」。2つの数字はセットで暗記しましょう。
取り違えやすいところ 正しくは
支持点間はどこでも2m以下 側面・下方は2m以下。接触防護措置を施した垂直配線は6m以下
6mはどんな配線でも使える 垂直配線で、かつ接触防護措置を施した場合
曲げ半径は内径の6倍 ケーブル仕上り外径の6倍以上
防護装置を付ければ接地は不要 金属管の金属部分には金属管工事に準じた接地が必要
ケーブル同士にも離隔が必要 ケーブル同士の離隔距離には規定がない
ここまでのポイント
  • 造営材の側面または下方に沿って取り付ける場合は2m以下が原則
  • 接触防護措置を施した垂直配線なら6m以下まで緩和される
  • サドルやステップルなどで造営材に固定する


曲げ半径は「外径の6倍以上」

トピック3:曲げ半径は「外径の6倍以上」

ケーブルを曲げるときは、内側の曲げ半径ケーブル仕上り外径の6倍以上 にするのが原則です。きつく曲げすぎると、外装や内部の心線・絶縁体を傷めてしまうためです。

ここがポイント
「6倍」という数字は曲げ半径でも登場します。支持点の数字と混同しないよう、“曲げは6倍”とフレーズで覚えると安心です。
ここまでのポイント
  • 内側の曲げ半径は、ケーブル仕上り外径の6倍以上が原則
  • きつく曲げすぎると、外装や内部の心線・絶縁体を傷める
  • 支持点間の数字と混同しないよう、「曲げは6倍」と覚える

重量物・機械的衝撃を受ける場所は防護装置

トピック4:重量物・機械的衝撃を受ける場所は防護装置

重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受けるおそれのある場所(コンクリート直埋を含む)では、金属管に収めるなどの防護装置を設けます。

このとき、防護に使う金属管の金属部分には、金属管工事に準じた接地が必要になる点もあわせて押さえておきましょう。

触れさせてはいけない相手に注意

トピック5:触れさせてはいけない相手に注意

ケーブルは、ガス管・水道管・弱電流電線とは触れないように施設しなければなりません。一方で、ケーブル同士の離隔距離には規定がありません。この「規定がある/ない」のひっかけは頻出です。

🐧 見習いペン太:「ガス管・水道管・弱電流電線とは触れちゃダメ、と」
🦔 はりた:「そう。でもケーブル同士は離隔の規定なし。“他人とは距離をとる、仲間とは自由”ってイメージで覚えるといいよ」
🐧 見習いペン太:「それ覚えやすいです!」
相手 離隔の規定 扱い
ガス管 ある 触れさせない
水道管 ある 触れさせない
弱電流電線 ある 触れさせない
ほかのケーブル ない 離隔距離の規定はない
ここまでのポイント
  • ガス管・水道管・弱電流電線とは触れないように施設する
  • ケーブル同士の離隔距離には規定がない
  • 「規定がある/ない」の取り違えが起きやすいところ

よくある質問(FAQ)

トピック6:よくある質問(FAQ)

Q. ケーブル工事はどんな場所に施設できますか?

A. 展開した場所・点検できる隠ぺい場所はもちろん、湿気や水気の多い場所など、原則としてすべての場所に施設できます。ビニル外装ケーブルやポリエチレン外装ケーブルなどの低圧用ケーブルを使う工事です。

Q. 支持点間の距離は何メートル以下にしますか?

A. 造営材の側面または下方に沿って取り付ける場合は2m以下です。接触防護措置を施した垂直配線の場合は6m以下まで緩和されます。

Q. ケーブルの曲げ半径はどのくらい必要ですか?

A. 内側の曲げ半径は、原則としてケーブル仕上り外径の6倍以上とします。被覆や内部の心線を傷めないための基準です。

Q. ケーブルは他の配管や電線と接触してもよいですか?

A. ガス管・水道管・弱電流電線とは触れないように施設しなければなりません。なお、ケーブル同士の離隔距離については規定がありません。

ペン太ペン太
あとは何に気をつければいいですか?
ハリタハリタ
曲げ半径は外径の6倍以上、ガス管や弱電流電線に接触させないこと。数字を口に出して復習しましょう。


まとめ

ケーブル工事の要点はこれだけ:

結論です。ケーブル工事は施設場所の自由度がもっとも高く、押さえる数字は支持点間の2mと6m、曲げ半径の6倍だけです。ただし6mは垂直配線かつ接触防護措置がある場合に限られ、曲げ半径は外径基準。この2つの条件を落とさないことが要点になります。

確認すること 押さえる内容
対象になるケーブル ビニル外装ケーブル(VVFなど)、ポリエチレン外装ケーブル(CVなど)
施設できる場所 湿気や水気の多い場所を含め、原則としてすべての場所
配線の接続場所 ジョイントボックス内
支持点間(原則) 造営材の側面・下方に沿う場合は2m以下
支持点間(緩和) 接触防護措置を施した垂直配線は6m以下
曲げ半径 ケーブル仕上り外径の6倍以上
防護装置が要る場所 重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受けるおそれのある場所
防護に使う金属管 金属管工事に準じた接地が必要
触れさせない相手 ガス管・水道管・弱電流電線
離隔の規定がない相手 ほかのケーブル

この記事の要点

  • 支持点間隔:側面・下方は2m以下/垂直+接触防護措置は6m以下
  • 内側の曲げ半径:外径の6倍以上(原則)
  • 機械的衝撃を受ける場所は防護装置(金属管など、接地も必要)
  • ガス管・水道管・弱電流電線とは触れさせない/ケーブル同士は規定なし
  • 施設場所は自由度が高く、接続はジョイントボックス内

数字を混同しないための整理

  • 支持点間は2m(原則)と6m(垂直+接触防護措置)
  • 曲げ半径は6倍。ただし基準は「仕上り外径」
  • ほかの電線管工事の6倍は内径基準。ケーブル工事だけ外径と覚える

ケーブル工事は住宅でもっとも多く使われる配線方法で、そのぶん条件付きの数字が出題の的になります。2mと6mは条件つきの一対、6倍は外径基準。この2点を切り分けておけば、ほかの工事方法の数字と混ざることはありません。

ケーブル工事まとめ早見表(数値・施設場所一覧)

🔗 あわせて読みたい関連記事

30秒アンケートこの記事は役に立ちましたか?

タップするだけで完了します。あなたの声でこのサイトは育ちます。

次に読むならこれ【そうだったのか小ネタ⑫】コンセントはなぜ15Aなのか ― 戦前の日本は10Aだった配線・結線の実務
ABOUT ME
HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。