地震と停電にそなえる家の電気【第3回】停電がつづく数日間、冷蔵庫とスマホを守る|開けない冷蔵庫術と00000JAPAN
本連載は、ふだんは電気設備の設計・施工に携わるプロが、「家の電気の防災」を暮らし目線でやさしく解説するシリーズです。第1回:通電火災と感震ブレーカー/第2回:明かりと電源の選び方もどうぞ。
停電が続く数日間、家庭で困るのは「食」と「連絡」
停電が数時間で終わればロウソクの出番もありません。しかし第2回で見たとおり、大規模災害では停電が数日続くことを想定しておく必要があります。そのとき家庭で特に困るのが、冷蔵庫の中の食材と、スマホの電池です。今回はこの2つを守る具体策です。
冷蔵庫 ― 「開けない」が最強の保冷術
停電すると冷蔵庫はただの断熱箱になりますが、その断熱が優秀です。ドアを開けなければ、冷蔵室は2〜3時間程度冷たさを保てます。冷凍室はすき間なく詰めてあれば半日〜丸1日、凍ったままです。

意外かもしれませんが、停電への強さはふだんの入れ方で決まります。冷蔵室は冷気が循環するよう7割まで、冷凍室は逆に、凍った食品どうしがお互いを冷やし合うようすき間なく満杯が正解です。凍らせたペットボトルを何本か常備しておけば、停電時は保冷剤に、溶ければ飲み水にもなる一石二鳥の備えになります。
停電したら、保冷剤や凍ったペットボトルを冷蔵室のいちばん上の棚へ移します(冷気は上から下に流れるため)。食べる順番は「傷みやすいものから」。肉・魚・乳製品→冷蔵品→冷凍品の順です。復旧後は、冷凍食品が溶けかけていたら再冷凍せず、早めに使い切りましょう。
スマホ ― 電池の残りは「情報のライフライン」
災害時のスマホは、安否連絡・避難情報・停電復旧情報のすべてを担うライフラインです。充電できない前提で、停電したらすぐに節電モードに切り替えます。

特に効くのが「圏外での機内モード」です。基地局が被災して圏外になると、スマホは電波を探し続けて電池を急速に消耗します。電波が入らない場所では機内モードにして、連絡するときだけ解除するのがコツです。
覚えておきたい「00000JAPAN」と「web171」
大規模災害時には、携帯キャリアを問わず誰でも使える無料Wi-Fi「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」が開放されます。Wi-Fi設定の一覧から選ぶだけで接続でき、契約キャリアの回線が使えないときの命綱になります。ただし暗号化されていない公衆Wi-Fiのため、パスワードやクレジットカード番号の入力は避けて、情報収集と連絡に使いましょう。
安否確認には災害用伝言板(web171)や各キャリアの災害用伝言板が使えます。通話よりメッセージのほうが電池も回線負荷も小さく、つながりやすい。家族で「災害時はまず伝言板」と決めておくと安心です。
まとめ ― 第3回の持ち帰りポイント
- 冷蔵庫は開けなければ冷蔵室2〜3時間、冷凍室半日〜1日もつ
- ふだんから冷蔵室7割・冷凍室は満杯。凍らせたペットボトルが保冷剤兼飲み水に
- スマホは停電したらすぐ低電力モード+画面最小。圏外では機内モード
- 無料Wi-Fi「00000JAPAN」と災害用伝言板(web171)を家族で共有しておく
次回・第4回は視点を変えて「外出先」編。停電の暗闇で頼りになる「誘導灯」の見方と逃げ方を解説します。太陽光発電・蓄電池・EVの住まいの設備編も、この後に続きます。
参考資料:Panasonic「停電で冷蔵庫は何時間もつ?」/Yahoo!天気・災害 防災手帳「災害時に使える無料Wi-Fi 00000JAPAN」





